◯4番(鈴木節子君) 私は通告に従い、議案第106号市民文化会館条例の一部改正について、議案第107号清水文化会館の指定管理者の指定について、議案第108号特定事業契約の締結について、この3議案について質疑します。
この3議案は、清水駅東地区文化施設の施設整備と維持管理運営事業をPFIにより契約を締結しようというもので、本市の文化施設として初のPFI事業導入案件となります。また、PFIによるホール単体施設の整備として、我が国初の取り組みとなります。また、18年という長期にわたる契約、126億という額ですので、慎重な審議が必要です。当局は本事業をPFI事業で行った場合、安定的な効果が期待できると、以下、5点を挙げています。
まず1つ目は、設計から管理運営まで一括発注による業務の効率化。2点目、民間ノウハウの活用による魅力あるホールの実現。3点目、市民ニーズに対応した良質なサービスの提供。4点目が財政支出の平準化。5点目に適切な官民の役割分担による効率的な事業運営。この5点ですが、この効果がきっかり断言できるのか、2つの角度から質疑を行います。
第1の角度、市民意見の反映について。
市民の意向反映の担保として指定管理者が運営委員会を組織すると答弁されましたが、この組織の規模、開催頻度、メンバーの内訳は、専門家や有識者のほかに利用者団体、一般利用者も含むのか。また、市民公募はあるのか、方針を伺います。
第2の角度は、事業者提案に対する事業者選定員会の評価について伺います。
これは市の示した要求水準に対し、事業者が提案した内容が必要項目を満たしているか審査し、合否を決定する審査講評です。この内容はインターネットで公表されております。
質問の1点目に、審査会の採点結果は性能評価について何点か。また、当局は1社のみの応募で、このような水準の得点をどのように受けとめているのか伺います。
先ほど宮澤議員の質疑でも触れられましたが、確認の意味で質問します。また、審査結果は皆さんのお手元に資料として配付してありますので、ぜひごらんください。
2点目に、性能評価はAからDまでの4段階の区分で評価点を算出しています。
要求水準を超えた高いレベルにあり、高い満足度が期待できるA、水準を超えたレベルで効果も期待できるB、要求水準を超えたレベルにあるが効果は不明なC、要求水準並みのレベルDの4つの基準が、評価項目25項目のうち、それぞれ幾つあるのか、当局からお答えください。
3点目に、性能評価についてです。
特に、先ほどの答弁では、この性能評価についての質疑で特に問題はないという答弁でしたが、講評の記述には見過ごせない記述が多々見受けられます。例えば、提案は標準的水準、創意工夫が不十分、再検討の余地あり、再吟味が必要、見直しが必要、矛盾が生じるなどという記述が随所に見られます。この講評は今後、事業の取り組みの諸段階で最大限尊重すべき取り扱いになります。改善、修正すべきものはしっかり軌道修正し、納得のいく内容に改める必要がありますが、今後、当局は事業者とどのような協議を行い、どのような形で講評を今後の取り組みに反映させていくのか伺います。
以上、1回目です。
◯生活文化局長(杉山勝敏君) お答えします。
まず、委員会の内容でございますが、事業の主体者である指定管理者が、現条例上に規定されたものと同様の委員会を設置することによりまして、施設のよりよい運営が可能となると考えております。
次に、業者選定審査会の評価につきましては、応募者が1社でありましたが、各委員の専門的見地から市の要求する水準を満たしていると評価されており、特に問題はないものと考えております。
次に、評価結果ですが、A評価が0項目、B評価が6項目、C評価が9項目、D評価が10項目となっております。
また、審査会の評価につきましては、今後の設計協議等において反映させていく予定でございます。
以上でございます。
〔4番鈴木節子君登壇〕
◯4番(鈴木節子君) では、2回目の質疑です。
市民意見の反映、これを十分なものにする必要がありますが、事業者はどのような提案をしているのか。また、それに対し、審査講評はどういうものか。当局は一般利用者の生の声を反映させるために、この提案をどのように受けとめ、どう対応していくのか伺います。
次に、事業者提案に対する選定委員会の評価について、これから幾つか伺っていきます。
これは、インターネットでも公表されておりますが、こうしたものです。この中に書いてあることを私はすべてそのまま引用して質疑しますので、お願いをいたします。
1点目に、施設整備について。
例えば、大ホールについての評価は、2階席の張り出しが大きく、下部客席への鑑賞環境の検討が必要、1階席と2階席のバランスや音響設計についてさらなる検討が望まれる。舞台周りは総合的な再検討の必要ありなどです。設計変更が当然必要となりますが、今後どのような手続でどう調整していくのか、プロセスと組織を伺います。
2点目に、市民利用の促進について。
評価を見ますと、動員力のある興行事業に重点的提案が多く、市民利用を阻害しないための方策がないとの指摘。また、事業者提案の新ホール懇話会は事業者や既存団体が中心となる提案で、市民利用者、生の声を反映するための工夫が必要である。広報宣伝費に多額の外部委託費を計上し、矛盾があるなどです。市民が利用しやすいシステムに改善する必要がありますが、どう対応、調整するのか伺います。
3点目に、予約方法について。
この評価についても直接来訪が重視され、市民の利便性に配慮したさらなる検討が必要とあります。遠方のため来館できない人、一方でインターネットを使えない人など、幅広い層に対する利便性確保のためにどうあるべきか、どう検討されていくのか伺います。
4点目に、清水駅周辺の活性化について。
この評価はDです。当局は事業目的について、清水都心の中心地である清水駅の東地区に文化施設を整備し、文化活動の場と高次高質な芸術文化の鑑賞機会を市民に提供することにより、静岡文化を創造するとともに、文化事業を通しての清水都心のにぎわい創出を図ることとしたと述べております。
しかし、選定委員会の評価を紹介しますと、本事業の意義や取り組みの経緯等を含めて改めて確認し、にぎわい創出について協議が必要である、再吟味する必要がある、行政による地域振興策との連携について、さらに市と協議が必要であるというものです。事業者提案では市のねらいは理解されたものになっているのでしょうか。市の意図した地域活性化や周遊性確保に関する考え方を認識し直す必要性ありと課題を指摘されていますが、当局はこの指摘をどのように受けとめ、どう対応していくのか、方針を伺います。
5点目に、需要予測について。
利用料や利用見込みの評価はDです。評価は、独自の需要予測は詳細が不明で結論のみ示されている、収入確保や支出削減のポイントの根拠、論理構成が示されず、収支確保の方針が読み取れないと指摘されています。利用者減少による経営危機に対し、どのような方策を考えているのか。また、その際、市が赤字補てんすることは視野のうちか、確認の意味で伺います。
6点目に、事業の安定性について。
この評価もDです。指摘内容は、業務全般で市との調整、連絡、報告の記載がない。提案全体に運営自体のノウハウや工夫が読み取れない、維持管理、運営についてプロジェクトマネジメントに関する記載がない。メンバー間でのリスク分担の均衡が不十分。
そして、こうした言葉もありました。主要な事業計画に誤記入が散見されるとまで指摘がありました。こういう指摘に対し、施設運営の継続性、安定性をどう担保するのか、対応策をお示しください。
以上、2回目です。
◯生活文化局長(杉山勝敏君) お答えします。
まず、市民意見の反映でございますが、指定管理者における利用者を中心とした委員会の設置につきましては一定の評価を得ましたが、委員会の運営に関してさらなる工夫を指摘されておりますので、今後、事業者と検討していく予定でございます。
次に、業者選定審査会の評価についてでございますが、施設設備面や市民利用、にぎわい創出などに関する指摘につきましては、今後の設計協議などにおいて反映させていく予定でございます。
次に、事業者の経営についてですが、事業者に対し、市はモニタリングを実施することで財務状況の確認をいたします。利用者の減少については、事業者がみずから改善を行うこととなります。また、市が事業者に対し、赤字補てんをする仕組みはございません。
次に、事業の安定性評価についてですが、先ほど申し上げましたとおり、D評価は本市の要求水準を満たしていることを示しており、継続性、安定性は確保されているものと考えております。
以上でございます。
〔4番鈴木節子君登壇〕
◯4番(鈴木節子君) では、3回目の質疑を行います。
選定委員会の評価では施設設計について、まだ改善すべき課題が多々指摘されています。今後、利用者の生の声を反映させ、利用しやすい会館となるよう協議を重ねるという答弁がございましたが、この選定者からの評価では、利用者団体の各方面からの今後の要望にも柔軟に対応できる体制を持てと、この必要性を指摘されております。設計内容を固める前に、利用者団体と直接意見交換会を開き、利用者の生の声を反映させる機会をどのように確保するのか伺います。
次に、選定委員会の審査講評についてまとめて伺います。
最後の所感にはこう述べられています。事業全体でのコンセプト設定や事業計画提案では十分な評価が得られなかった。今後のグループ内での十分な検討に基づく各業務分野における担当企業のノウハウの最大発揮を期待したい。代表企業においては、要求水準に対する基本的理解を再度確認し、市との協議、調整を繰り返す中で、事業に対する理解を十分にそしゃくし、みずからの提案内容を再吟味することにより、洗練度を上げた上で、必要かつ十分な業務を遂行するためのより一層の工夫やノウハウの発揮を惜しまず、リスク管理に対する認識を再度かみしめ、そのための万全の体制を構築し、最大限の努力を強く要望すると結んでいます。
大変長い文章ですが、この審査委員会の皆さんの気持ちがよくあらわれた所感となりました。事業者に対し、理解をそしゃくし直せ、みずからの提案を再吟味せよ、洗練度を上げよとまで迫られています。ここまで指摘された内容ですので、当局は漫然と契約を締結するのではなく、襟を正し、事業者と十分な協議を重ね、必要な企業修正のためには安易に妥協しない毅然とした姿勢が求められます。
これら諸課題をクリアするために、当局は今後の協議、調整にどのような姿勢で臨むのか伺って、質疑を終了します。
◯生活文化局長(杉山勝敏君) お答えします。
まず、市民意見の反映についてですが、設計段階において利用者団体などへの説明会を実施し、意見を聞く予定でございます。
次に、審査会の指導事項につきましては、今後の設計協議などにおいて反映させるべく、事業者との協議に臨んでまいります。
以上でございます。