駿河区内のバス路線と交通網の整備について質問

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47◯3番(寺尾 昭君) 日本共産党の寺尾 昭でございます。

私は、静岡市内における交通網の整備について、今後の発展を期待する立場から、今回は駿河区内のバス路線と交通網の整備について質問いたします。

先日私は地域の皆さんと一緒に試験運行中の駿河区役所アクセスバスに乗ってきました。この路線は、土日、休日を除いてJRの東静岡駅から用宗駅間を駿河区役所経由で1時間ごとに1本ということですけれども、1日計18本運行するというものであります。この日は私は往復乗ってみたわけですけれども、往路は乗車人員が延べ15人でした。車内の乗客数は最高時で9人、最低時で6人、乗車のあった停留所が11カ所、降車のあった停留所が8カ所、復路は今度は乗車人員が延べ11人、車内の乗客数は最高時で8人、最低時で3人、乗車停留所が6カ所、降車停留所が7カ所、乗車、降車とも各停留所では1名から2名ということでしたけれども、利用者はほとんど高齢の方でした。

担当の交通政策課のお話では、1回の運行での利用者は平均6人程度ということでありましたけれども、運転手さんにもお話を聞きました。時間帯によっては平均をかなり上回ることもあると、今回も平均を上回っていたわけであります。

この日は1回というか、1往復のみということで、これがすべての便に共通するとは限りませんが、乗り降りした停留所の数は先ほど申しましたように結構多かったこと、市民の足としてとりわけ自家用車などが使用困難な高齢者には利用価値が非常に高いということがわかったわけであります。

本年度が最終年度となっている静岡市第1次総合計画、これは都市基盤整備の一環として人と環境に配慮した総合交通体系の整備を図るとして、公共交通を優先するというこの考え方のもと、多様な交通手段の選択が可能となるよう、環境問題や進行する高齢社会への対応として鉄道、バスの利用促進を図るため、さまざまな交通環境の整備を進めると、こういうふうにうたっているわけでございます。

先日6月22日には静岡マニフェスト2007ということで、これが発表されました。多くの課題の解決が図られているという状況がうかがわれましたが、都市交通についての進捗状況、これは必ずしも十分というものではなかったというふうに私は受けとめております。

そこで、私は駿河区内のバス路線と交通網の整備につきまして、駿河区役所アクセスバスにかかわる幾つかの点についてお伺いいたします。

第1点は、今の駿河区内のバス路線の現状についてどのように把握していてどのように考えておられるのかと、この点について第1点。

第2点は、この間行ってまいりました駿河区役所アクセスバス試験運行の結果、これについてどうなっているのか、どのように分析をしているのか、これが第2点。

第3点は、実際に市民の要望を把握するため、今どのような調査をされているのか。

第4点は、アクセスバスの利用促進のため、どのような施策を今行っているのか。

まず、この4点について1回目の質問をいたします。

 

 

◯都市局長(小股芳太郎君) 駿河区役所アクセスバスについての4つの質問にお答えをいたします。

初めに、駿河区内のバス路線の現状についてどのように考えているのかとの御質問でございますけれども、本市のバス路線は、駿河区を含む静岡地域におきまして、バス事業者である静鉄ジャストラインの運行により、新静岡センターやJR静岡駅を起終点として放射状に伸びており、市街地のほぼ全域を網羅していると考えております。

次に、駿河区役所バス試験運行のこれまでの結果はどうなっているのかという御質問でございますけれども、試験運行を開始しました平成19年11月から20年10月までの運行時間9時30分から15時30分、1日14便の利用者は、1便当たり平均4.9人となっております。また、運行時間の延長と増便をしました平成20年11月から21年3月までの8時30分から16時30分、1日18便の利用者は、1便当たり平均5.6人となっております。

なお、利用者に対するアンケート調査の結果、運行時間の拡大と増便により約90%の人が満足と回答し、満足度が10%増加しております。

次に、駿河区民の要望を把握するため、どのような調査をしているのかとの御質問でございますけれども、駿河区の自治会連合会や老人会及び交通関係機関などで構成されます駿河区役所交通アクセス改善検討会で出されました意見を把握するとともに、試験運行に伴うフォローアップ調査において、アクセスバス利用者及び区役所への来庁者を対象としたヒアリング調査や区民を対象とした郵送によるアンケート調査を実施しております。

次に、駿河区役所アクセスバスの利用促進のためどのような施策を行っているのかという御質問でございますけれども、利用促進策といたしましては、バス路線沿線の住民に対する約4万3,000部のチラシ配布のほか、区役所や生涯学習センターなどにおけるチラシの配布やポスターの掲示、また、広報紙やホームページへの掲載などを実施しております。今後は自治会集会などの機会をとらえ、周知活動も行っていきたいと考えております。

以上でございます。

〔3番寺尾 昭君登壇〕

 

 

◯3番(寺尾 昭君) 2回目の質問をいたします。

駿河区のバス路線の特徴は、今もお話がありましたけれども、静岡駅、今は取り壊し中ですけれども、新静岡センターなどを中心にした放射状の路線になっているということであります。つまり循環型、あるいは横断型の路線がほとんどないと、逆に言うとこういうことになるわけであります。例えば駿河区において隣のまちに行くために一たん静岡駅までバスに乗ってそこで乗りかえて行くと、すぐ隣まちまで行くというのもそういうことをしなければならないということになるわけです。現在南循環という路線がありますけれども、極めて区域が限定されていて、多くの市民を網羅するということにはほど遠いという状況にあるわけであります。

先ほど触れました総合計画でも静岡市都市圏交通円滑化総合計画と、平成16年に策定されておるようですが、交通改善目標が掲げられています。これもしかし、市域の中心部を起点にした放射状の路線が前提となっておりまして、今、指摘をしておりますような循環型路線という点では、問題解決の方向に沿っていないと、そういう点では市民の要望との整合性が乏しいということにもなるわけであります。

道路運送法の改正というのが行われまして、旅客の運送事業に大幅な規制緩和をもたらしたわけです。新規参入に障壁はなくしたわけですけれども、従前のバス事業者の撤退もある面では自由にしたという状況があります。そのために従来路線の不採算部門がどんどん切られていくということも進められているわけであります。企業として存続していくためにはやむを得ない措置という主張もありますけれども、しかし、これまで担ってきた公共交通の使命、あるいは社会的な責任ということも問われるのではないかと私は考えるわけであります。

同時に、人の移動、手段の確保というのは市民生活の基本だということから考えますと、行政のやはり責任ということも問われることになるかと思います。

このようなことから、駿河区内においては東西交通路線、あるいはより広範囲な地域を含む循環路線の確保がやはり必要だというふうに私は考えます。そういう立場から、2点について質問をいたします。

第1点は、駿河区内のバス路線維持について、静鉄ジャストラインとの協議を行っておられるか、行っている場合にその内容はどういう内容になっているのか、あるいは行政としての指導性の発揮という点についても伺いたいと思います。

第2点は、今後の駿河区の交通網の設備について市はどのように今考えているのか、この2点についてお答えいただきたいと思います。

 

 

◯都市局長(小股芳太郎君) 駿河区内の東西交通循環路線の確保に向けての2つの質問についてお答えいたします。

駿河区内のバス路線維持について、静鉄ジャストラインとどのような協議を行っているのかとの御質問でございます。静鉄ジャストラインとは、駿河区を含む市内のバス路線エリア、バスの利用促進などバス交通全般にわたって協議を行っておりますが、特に不採算バス路線につきましては、路線維持対策について継続的に協議を実施しております。

次に、今後の駿河区の交通網の整備についてはどのように考えているのかとの御質問でございます。お答えいたします。

今後の駿河区のバス交通網の整備につきましては、現行のバス路線の維持に努めるとともに、現在実施しています駿河区役所アクセスバス試験運行の状況や、安倍川駅周辺整備事業、丸子池田線の整備などの交通環境の進捗状況を見ながら、新しいバス路線につきましてもバス事業者等と協力し、研究してまいりたいと考えております。

以上でございます。

〔3番寺尾 昭君登壇〕

 

 

◯3番(寺尾 昭君) 3回目の質問をさせていただきます。

今の回答につきましては、特に静鉄ジャストラインとの協議の問題、やや具体性に欠けていたということで、もう少し詳しく伺いたいというふうに考えるわけです。

そこで、本日の議論では、総合計画にうたわれている総合交通体系の整備、つまりさまざまな社会生活を営む市民の足を確保するという点からは、市民の思いや要望からまだ大分距離があるんではないかというふうに私は今感じております。自然環境への負荷を少しでも軽減するためにも、バスなどの大量輸送機関の発展ということはどうしても必要だと、午前中の論議にもありましたけれども、LRTなどの新交通システムを考えていくということは、これは必要でありますが、しかし、当面市民の足をいかに確保するかという観点から、まず現状を踏まえた上で以下幾つかの点について私は提案をしたいと思います。ぜひ今後検討をお願いをしたいと思います。

まず第1は、公共交通機関はバスのほかにもJRや御承知のように静鉄電車もあるわけです。交通のネットワークは、これらを一体のものとしてどうつなげていくか、こういう考え方が必要ではないか、またレンタカーやタクシーなどこういうものとの連携というものもこれは必要ではないかというふうに考えます。

2点目は、駿河区内の交通を考えるときに先ほど言いましたように、東西を横断的に結ぶ路線、広範囲の地域を含む循環路線、これが必要です。路線バスの運行経路を考えたときにも創意工夫をもっとこなす必要がある、市内各所には文化・スポーツ施設、病院、学校、図書館、新しく登呂遺跡もできたし、観光施設、ショッピングセンター、商店街、区役所等々たくさんの公的な施設もあります。これらを有機的に結ぶ経路をとることによって利用者をふやすということはこれは可能ではないかと考えるわけであります。

3つ目は、これはどうしても言いたいわけでありますが、草薙、大谷間の有度山の傾斜地、今、高台に住宅地がたくさんできております。ここの交通というのが非常に不便、バスはもちろん通っていないと、そしてまた、高齢化というものも例外ではありません。引きこもりになりがちなお年寄りや障害者にとっては、交通手段の確保は必要欠くべからざる緊急の課題になっているわけであります。これらの住宅地は狭隘道路が多くて、大型バスの通行が困難であります。コミュニティーバスの運行なども検討する必要があります。

4番目は、全国では廃止されたバス路線を復活させた例が多くあります。成功例で共通しているのは、住民の参加と協力ということがあるわけです。住民の意向を具体的に把握して、それをいかに反映させるか、住民との協議の場を常設する、こういうことで参加と協力の体制をつくっていくということを考えていかなければなりません。そのためには行政側の施策推進と相まって地域の皆さんの協力をお願いをするということになるわけですから、こういう点での努力が求められるわけであります。

当然企業として採算ベースに載せるという意味合いもあるわけですから、さまざまな検討が必要でありますけれども、市民の足を確保するという観点からは、今後もやはり一定の財源措置ということは必要であるというふうに考えざるを得ないと思います。

6点目は、以上提案した内容を含めまして、市民、行政機関、バス会社、専門家……。

 

 

◯議長(近藤光男君) 質問はあと1分で終了してください。

 

 

◯3番(寺尾 昭君)(続) 議員などで構成するバスの運行と利活用を推進するための検討機関を設けることを提案したいと思います。

以上、今後ひとつ検討して、提案をして、私の質問といたします。