発議第10号 教育への公的支出増加を求める意見書
日本の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出割合は3.6%と経済協力開発機構(ОECD)平均である5.4%を下回り、比較できる加盟31カ国中3年連続で最下位である。
日本の教育機関への支出のうち、授業料など私費負担の割合は31.9%とОECD平均の約2倍とチリ、韓国に次いで3番目に重くなっており、公的負担が少ないために、授業料などの私費負担が国民に重くのしかかっている。
また、平均学級規模も小中学校それぞれ加盟国の中で2番目に多く、学習環境が悪いことも判明した。さらに小中高校の新人教員の平均的な年間法定給与も、ОECD平均を下回っており、「日本の新人教員の給与はもはや高くなく、優秀な大卒者らを確保する際の課題となっている」とОECDから指摘を受けている。これまでも日本は、教育投資が非常に低かったが、最も低い深刻な事態が明らかになった。
各国は、「教育は未来への投資・ライフラインとも言われており、子どもたちが安全に生きていくために必要不可欠なもの」と位置づけ、支出を増やしている。今こそ、教育の私費負担を軽減し、豊かな教育を保障することが求められている。
よって国に対し、教育への公的支出を増加するよう、強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
〔提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣〕