生活保護に関する意見書 案

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生活保護に関する意見書 案

                          日本共産党

 通常国会で廃案となった生活保護法改正案が、秋の臨時国会で再提出されようとしている。生活保護受給者は、216万人を超え増加しているが、その原因は、厳しい経済情勢による失業や不安定雇用による収入減、年金収入減による高齢者の生活難が挙げられる。

 生活保護は、8月の保護基準引き下げとあわせ、制度発足以来60年ぶりの法改正によって、大幅な保護費削減が至条命題とされている。 8月に閣議決定された社会保障国民会議の最終報告書は、「徹底した給付の重点化・効率化」「公的制度への依存を減らす」ための「自助努力」を迫り、受給者排除と保護費削減が目的とされている。

今年5月、国連の社会規約委員会が日本政府に対し、生活保護の申請手続きを簡素化し、申請者が尊厳をもって扱われることを求める勧告を出したのは、日本の申請手続きの水際作戦が世界から見て異常に写っていることの表れである。

生活保護制度は、憲法の生存権保障を具体化した、わが国の最後のセーフテイネットである。今、必要なことは、雇用破壊や低賃金、低年金などの問題を解決し、憲法25条が掲げる生存権を名実ともに保障する生活保護制度へ充実、改善することである。

よって、政府においては、生活保護法の改正を行わないよう、強く要望する。

 

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

内閣総理大臣

厚生労働大臣

衆議院議長

参議院議長

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