日本共産党静岡市議団は、11月議会に下記の意見書を提出しました。
TPP交渉に関する意見書 案
日本共産党
環太平洋連携協定(TPP)交渉が大詰めを迎えている。TPP交渉は、農林水産業のみならず、食の安全、医療、ISD、社会福祉、金融・保険、労働市場、公共事業など様々な分野に及び、わが国の産業・経済・社会の根幹を揺るがす問題につながる。
安倍政権は、コメ、麦、牛、豚肉、乳製品の5項目は関税を撤廃しない「聖域」とし、「国益は守る」と交渉に入った。しかし、米国は、原則として全品目の関税を最終的に撤廃するものと迫ったことから、日本は自由化率を当初の80%から95%近くまで引上げたとされている。安倍政権が自ら決めた交渉参加の前提条件を放棄する公約破りの姿勢は極めて重大である。
全国農業協同組合中央会も、政権公約が遵守されない限り、国民の信頼を得ることにならないと危惧を表明している。
農家1戸あたりの耕作面積が、日本の100倍の米国、1500倍の豪州などと公正な競争は成り立たないことは明らかであり、関税が撤廃されれば、食料自給率は政府試算でも39%から27%に劇的に落ち込み、その影響は農業や食品産業に止まらず、全国の地域経済が壊滅的打撃を受けることにつながる。
交渉に聖域は存在せず、交渉自体が国益に反することは明らかであり、国会決議は「聖域を守れないなら交渉からの脱退も辞さず」と求めている。
よって、国においては、TPP交渉から脱退するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、農林水産大臣
経済産業大臣、経済財政政策担当大臣、内閣官房長官