平成27年6月定例会 マイナンバー制度に関する意見書案

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 厚生労働省が監督する日本年金機構から約125万件もの年金個人情報が漏れた事件は、国民の権利、暮 らしに直結する大問題であり、原因の徹底究明、責任の明確化が求められている。国が国民全員に個人番号をつけ、個人情報を一元化する共通番号制度が来年1月から運用を開始するが、 安全対策は万全ではなく、情報流出は避けられず、プライバシー侵害、悪用、詐欺など、国民に重大な被害 が及ぶことが判明した。サイバー攻撃に対する防御に関して、①情報漏えいを防ぐ完全なシステム構築は不可能、②意図的に情報 を盗みとる人間は必ずいる、③いったん漏れた情報は流通、売買され取り返しがつかない、④情報は集積されるほど利用価値が高まり、攻撃の対象になる、という問題がある。マイナンバー制度はこの危険性を高めることは明らかである。よって政府にたいし、日本年金機構の個人情報流出について、原因究明と責任の所在を明確化させるとともに、セキュリテイの万全の対策をとるまで、マイナンバー制度の実施中止と、医療、資産情報などへの利用 を拡大する拡大法案は撤回するよう、強く要望する。以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 

 〔提出先:内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、厚生労働大臣、総務大臣〕