◯13番(西谷博子君) 私が今議会の最後の質問者になりました。よろしくお願いします。
今回は、学童保育とLNG火力発電所建設計画について質問します。
学童保育は、今年度から対象年齢が小学6年生まで引き上げられることになりましたが、施設整備や指導員の確保とともに、指導員の処遇改善についても具体的な検討が必要です。
学童保育は、これまでの任意規定事業から、子ども・子育て支援新制度により国の設置基準が初めて示されました。放課後児童クラブ運営指針では、「子どもの視点に立ち、子どもの最善の利益を保障し、子どもにとって放課後児童クラブが安心して過ごせる生活の場となるように、放課後児童クラブが果たすべき役割を再確認し、その役割及び機能を適切に発揮できるような観点で内容を整理」する。また、子供の発達過程や家庭環境なども考慮して、放課後児童支援員などが子供とどのような視点でかかわることが求められるのか、必要となる内容を充実すると述べています。
これらに基づき、静岡市も条例化しました。しかし、具体的な運営基準や職員の賃金や勤務状況、常勤・非常勤などの待遇は大変おくれていると聞いています。これまでの指導員が支援員と名称が変わりましたが、支援員は常勤なのか非常勤なのか。身分の保障はどうなっているのか。社会保障の加入状況はどうなのか、現在の待遇について伺います。
2つ目は、運営方法についてです。
現在、市内の学童保育の運営方式は3つありますが、それぞれの運営方法とその内容について伺います。
次に、東燃のLNG火力発電所計画について、最初に発電所建設計画と中心市街地活性化計画の整合性について伺います。
当局が示した第2期静岡市中心市街地活性化基本計画(案)は、中心市街地活性化の推進に向け、「「第3次静岡市総合計画」においては、静岡地区・清水地区それぞれの魅力・個性を活かした活性化を推進し、連携を図ることで、相乗効果を生み出す」。具体的には、静岡地区は徳川家康公の築いた城下町を基礎に、清水地区は清水港ウォーターフロント日の出地区でのにぎわい創出を図り、清水駅周辺とのつながりを強化するとしています。
また、「清水都心では、JR清水駅と清水港が近接している立地を活かし、物流機能が移転する日の出地区において、工業・物流機能から賑わい・交流機能への転換を図り、「みなと」と「まち」をつなぐ取組を進めます」と、これまでの取り組みをさらに進める内容になっています。
ことし1月に、東燃LNG火力発電所建設計画が明らかになりました。清水駅から約300メートルの場所に巨大なLNG火力発電所計画と中心市街地活性化計画と、その整合性が保てるとは私には到底考えられません。
清水区の中心市街地の魅力、個性を生かした事業を展開することと、LNG火力発電所が隣接することとの整合性について、当局はどのように受けとめ、位置づけているのか伺います。
次に、環境影響評価法の改正事項についてです。
環境アセスメントは、1969年、アメリカが世界で初めて制度化し、各国に導入が進みました。日本では、1972年に公共事業での環境アセスメントが導入され、その後、港湾計画、埋め立て、発電所、新幹線について制度が設けられました。その後も幾多の変遷を経て、1997年に環境影響評価法が成立しました。2011年4月には、計画段階環境配慮書手続や環境保全措置等の報告、公表手続などを盛り込んだ環境影響評価法の一部を改正する法律が成立しました。
ことし3月に策定された静岡市環境影響評価条例の目的には、その事業に係る環境の保全について適正な配慮がされることを確保し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に資することを目的とすると明記されています。言うまでもなく、環境影響評価は、本来、住民のためのものです。
質問です。2011年の環境影響評価法の改正でつけ加えられた配慮書の手続の目的は何か、当局の見解を伺います。
以上、1回目です。
◯子ども未来局長(平松以津子君) 学童保育、放課後児童クラブについての2点の御質問にお答えします。
まず、放課後児童クラブ支援員の身分や社会保険の加入状況についてですが、現在、児童クラブ支援員は、各運営受託者が雇用しているパート職員となっています。
また、社会保険のうち、労災保険と雇用保険は、全ての受託者が加入に必要な手続を行っており、健康保険と厚生年金保険は常時5人以上を使用する受託者が適用となり、勤務日数等一定の条件を満たした者が加入しています。
次に、放課後児童クラブの運営方法についてですが、現在、葵区、駿河区、蒲原東、由比のクラブは静岡市社会福祉協議会に、蒲原と由比を除く清水区のクラブは各地区の青少年育成推進委員会に、蒲原西のクラブは地元NPO法人にそれぞれ委託しており、各受託者が支援員を雇用し運営しています。
◯経済局長(築地伸幸君) 発電所建設計画と中心市街地活性化計画の整合性の御質問の中で、3次総においてどういう捉え方をしているかについてお答えさせていただきます。
3次総において、清水地区中心市街地活性化の推進については、総合計画の基本計画が、全部で10分野ございますけれども、そのうちの2分野に位置づけさせていただいているところです。
まず、観光・交流分野におきまして、政策4で「まちなかの魅力向上により賑わい創出を推進する」としてございます。具体的には、清水港客船誘致の推進等の事業を位置づけております。
それから、次に都市・交通分野におきまして、政策1で「魅力と親しみのある「まちの顔」の創造を推進する」としております。具体的には、清水都心ウォーターフロント活性化推進事業等を位置づけているところでございます。
◯環境局長(小林正和君) 清水天然ガス発電所建設計画にかかわる御質問のうち、環境影響評価法における配慮書の手続の目的についてでございますが、環境影響評価法の改正によりまして、平成25年度から配慮書手続が施行されました。
この手続では、事業計画の早期の段階から環境に対する配慮を講ずるため、事業が行われる場所、規模などに関する複数案の検討を行うとともに、事業の実施想定地域の環境影響について、市民の皆さんや専門家、地方公共団体などの意見を聴取することが事業者の努力規定として定められております。
この市民の皆さんや専門家からいただいた御意見に対する検討結果を、その後に続きます環境影響評価における調査の項目や方法を示す方法書の手続に生かし、効果的な環境影響の回避、提言につなげていくことが配慮書手続導入の目的、意義であると考えております。
〔13番西谷博子君登壇〕
◯13番(西谷博子君) 学童保育の問題ですが、子ども・子育て支援法の附則に、支援員の処遇改善、人材確保の検討を行い、必要な措置を講ずることが盛り込まれました。
現在、子ども未来課で扱っている支援員・補助員募集、皆様のお手元にお配りしましたが、この資料には、賃金が時給830円からとあり、各クラブ運営者によって異なりますと書いてありますが、現在の支援員の時給は989円と聞いています。時給が830円からという金額はどこから出ているのか。市は、支援員のこうした待遇改善に向けて、どのような検討をされているのか、伺います。
次に、運営方法についてです。
厚生労働省の、子供の視点に立ち、子供の最善の利益を保障し、安心して過ごせる生活の場となるように内容を整理するという運営指針に沿った取り組みが必要だと思います。
社会福祉協議会への委託方式と地域運営委員会方式では、保育の内容にも違いがあると聞いています。地域運営委員会方式では、地域の運営委員会ごとに運営方法や保育内容の違いもあると聞いています。学童保育の法的整備が行われたこの機会に、この運営方法を統一するなどの見直しをするべきだと考えますが、どうでしょうか。
次に、LNGの問題です。
先ほど市の中心市街地活性化計画と火力発電所建設計画の整合性についてどのように受けとめているかと聞きましたけど、それに対してのお答えはありませんでした。
静岡市都市計画マスタープランでは、「JR清水駅を中心に形成する都市拠点においては、にぎわいのある商業・業務地の景観を創出するとともに、隣接して位置する清水港とあわせ、‘みなとまち清水1’の雰囲気が感じられる、政令市にふさわしい顔づくりを目指します。」と掲げ、これまで取り組んできました。
県、市、港湾関係者を中心とした清水港港湾計画に基づき、駅東、江尻地区周辺整備が進み、お年寄りや幼児も集い、清水港も県外、海外からの観光客でにぎわう場となってきています。これらの計画を進める都市計画の基本は、何といっても安心・安全のまちづくりのはずです。火力発電所建設は、周辺環境に大きな影響が予想されるからこそ、配慮書の手続が求められているのです。
しかも、清水港の玄関に値するど真ん中に、地震などの影響を受け、危険を伴うLNG火力発電所ができることが、まちと港をつなぐ取り組みに大きなマイナスの影響を与えるのではないか、そう考えます。
4年半前の3.11巨大地震の経験から、経済のあり方、環境への取り組みなど、考え方を大きく変化しました。経済にとって好影響を与えるという意見もありますが、経済効果よりマイナス影響が大きいと考えられるLNG火力発電所計画です。市街地活性化計画を進めるためにも、火発計画の見直しを求めていくべきだと、整合性をとるためにも、そのように求めるべきだと考えますが、どうでしょうか。
次に、環境影響評価法に基づいた質問です。
環境省のパンフレットに、「配慮書の作成の際には、事業の位置、規模等に関する複数案の検討を行うとともに、対象事業の実施が想定される地域の生活環境、自然環境などに与える影響について、地域の環境を良く知っている住民を初めとする一般の方々、専門家、地方公共団体などの意見を取り入れるよう努めること」とされ、「事業者は、作成した配慮書の内容を方法書以降の手続に反映させること」となっています。
今、住民から、地震、津波、液状化は大丈夫か。現在でも石油コンビナート特別防災地域に指定されている。3.11の東日本大震災以降、震災対策の強化が叫ばれているが、現状の石油タンク群が心配。さらに巨大な火力発電所建設は不安を増幅させるものだ。市街地の真ん中になぜ建てるのか理解できないなど、事業の位置や規模に関する疑問、懸念が多く出されています。
建設地点、規模が環境保全の立場から、安全であるかの検討に住民が参加することが配慮書で新たに義務づけられているわけですから、その点で質問です。
東燃LNG火力発電所建設計画の配慮書手続は、住民などからの意見聴取が法改正の目的に沿ったものになっているのか、その点について伺います。
以上、2回目です。
◯子ども未来局長(平松以津子君) 学童保育、放課後児童クラブの支援員の待遇改善、それから、運営方法の検討についての御質問にお答えします。
まず、支援員の待遇改善についてですが、本市としましては、児童クラブの運営において支援員は非常に重要な役割を果たしており、適切な待遇を確保することが大切であると考えています。
支援員は、市と直接の雇用関係にはありませんが、市の委託料算定においては、新制度施行にあわせ、賃金単価や主任手当の引き上げを行いました。
今後も引き続き適切な待遇の確保に努めてまいります。
次に、現在の運営方法の検討についてですが、現在、各受託者では、それぞれこれまでに築いてきたノウハウや地域のネットワークを生かし、異なる地域の実情やニーズに応じた運営を行っております。
今後も、こうした地域の活力を生かした運営を支え、その充実に努めてまいります。
◯経済局長(築地伸幸君) 清水天然ガス発電所建設計画は、中心市街地活性化基本計画にマイナス影響を与えるのではないかという御質問でございますが、発電所計画地は都市計画法上の工業専用地域で、港湾法上の工業港区であります。また、従前は石油精製工場であったことから、まちのにぎわいや活性化とはもとから直接結びつかないエリアであり、中心市街地活性化基本計画の区域外としております。
したがいまして、中心市街地活性化基本計画におきましては、発電所建設計画により、現時点でマイナスの影響を受けることはないと考えております。
◯環境局長(小林正和君) 清水天然ガス発電所建設計画にかかわる環境影響評価の配慮書手続が法改正の目的に沿ったものかという御質問です。環境影響評価法の配慮書手続では、事業者は30日程度の縦覧期間を設け、市民からの意見聴取を行うとともに、事業の実施が想定される関係市町村長の意見を反映した上で、都道府県の知事から意見書を受けることとなっております。
御質問の清水天然ガス発電所建設計画の配慮書手続におきましては、図書を縦覧し、市民の皆さんからの意見聴取を経て、事業者が本市の市長意見を踏まえた静岡県知事意見を受け取っておりまして、事業の計画段階における市民意見などの聴取が適切に行われたものと考えております。
〔13番西谷博子君登壇〕
◯13番(西谷博子君) 学童保育ですが、賃金の引き上げ等には努力していると。しかしこの際ですから、支援員の雇用を安定させるために、常勤雇用とするべきだと考えますけども、どうでしょうか。 次に、LNGです。 今、環境局長から答弁がありましたけれども、この配慮書の意味合いをぜひ捉え直していただきたいと思います。 9月9日にマリナートで行われた東燃LNG火力発電所の環境アセス市民説明会では、地震対策を含めた設備の安全性や環境面で住民に与える影響に対する不安などとあわせ、事業の検討段階で住民を初めとする一般の方々の意見を事前に聞くとされている配慮書の手続が行われていない。・・・・
◯議長(繁田和三君) 時間になりましたので、発言を終了してください。
◯子ども未来局長(平松以津子君) 学童保育の支援員を常勤雇用にすべきではという御質問ですが、常勤・非常勤といった雇用形態は受託者が定めるものであり、市が一律に定めるものではありません。
しかし、適切な人員体制が確保されるよう、今後も支援員の待遇の確保とその充実に努めてまいります。