代表質問 暮らし・福祉充実を貫く市政への転換を求める

2月代表鈴木

◯25番(鈴木節子君) 私は、日本共産党市議会議員団を代表し、市政の主要課題について質問いたします。
 安倍政権発足後の3年間、安保法制強行採決、消費税増税、医療、社会保障の削減、負担増、そしてTPPの大筋合意、憲法改悪への策動など、暮らし破壊、将来への不安増大が広がっています。そのもとで、基礎自治体が国の悪政を住民の暮らしにそのまま持ち込むのか、それとも住民福祉の増進という使命を貫き、防波堤としての役割を果たすのかが、鋭く問われています。
 我が党の基本姿勢は、市民の利益と地域社会経済を守り、地方自治を発展させる立場です。その立場から、市民の切実な要求を7つの柱に沿って質問していきます。
 では、第1の柱、市長の政治姿勢について伺います。
 初めに、国政についてです。
 安倍政権のもと、正規雇用は23万人も減り、その反面、非正規雇用は172万人もふえ、非正規率は4割まで広がりました。その一方で、法人企業は莫大な利益を上げています。格差拡大、内需低迷、少子化が進み、世論調査では、国民の71%が景気の回復を実感していません。
 また、消費税10%への増税は、どんな貧困層にも容赦なく襲いかかります。食料品の税率を据え置きしても、1人当たりの家計負担額は2万7,000円にもなり、低所得者ほど負担が重くなる逆進性がさらに強まります。
 質問の1点目に、破綻したアベノミクス、消費税増税が市民生活を直撃する影響について、市長としての見解を伺います。
 安保法制が昨年、強行採決され、施行は今月29日に迫っていますが、反対世論は加速して広がっています。戦闘地域での兵たん活動、戦乱が続く地域での治安活動、米軍防護の武器使用、集団的自衛権行使、どれもが憲法9条をじゅうりんし、自衛隊の海外での武力行使に道を開くものです。
 安保法制に対して、学者、若者、子育て中のお母さん、そして労働者など、広範な国民から批判が集中しています。6割を超える国民の意思に反して違憲立法を強行したことは、国民主権という民主主義の根幹を破壊するものです。
 また、時の政権が万が一、判断を誤り暴走しても、憲法の枠の中で政治を行わさせる立憲主義にも反しています。
 このまま違憲立法の存続を許すなら、立憲主義、民主主義、平和主義、法の支配という我が国の土台が根底から覆されることになりかねません。
 市長は、安保法制について、以上の立憲主義、民主主義、平和主義、この3つの憲法の観点から、どのような見解かを伺います。
 次に、市政運営について。
 市長の施政方針には、生活弱者への思いやりがもっと欲しかったところです。
 では、4つの観点で伺います。
 1つ目に、総合戦略について。
 国勢調査では、本市は5年前よりは、世帯数は若干ふえていますが、人口は1万1,000人の減少です。その原因は、国策による雇用破壊、社会保障の後退であり、中小企業など地域産業、地域内経済循環の衰退です。必要なことは、自分たちの地域で住民生活を向上させ、地域再生と人口減少に歯どめをかける、的を射た対策は何かをまず、見きわめることですが、その分析ができているのでしょうか。
 1点目に、人口減少、少子化の原因をどのように分析し、その上で立てた対策なのか、伺います。
 人口が増加している自治体の特徴は、正規雇用率が高く、子育て世代の割合や出生率が高く、子育て支援策が充実していることです。
 人が住み続けられるかどうかは、働く場があり、暮らしていける所得が得られ、子育て応援、高齢者福祉などの環境が整っているかどうかです。
 2点目に、正規雇用の拡大、子育て応援、社会保障の充実などを総合戦略の中で、持続可能な自治体の鍵として、どのように位置づけるのかを伺います。
 3点目に、政府のトップダウン的な財政誘導についてです。
 政府は、地方自治体に重要業績評価指標、KPIを掲げさせ、その数値をPDCAサイクルで評価し、それに基づく交付金分配制度をつくろうとしています。これは、将来的には地方交付税の算定根拠にこのデータを使うことになっています。
 突き詰めれば、公共施設の統廃合、民営化と一体であり、行政サービスの低下につながりますが、受けとめはどうかを伺います。
 2つ目に、清水のLNG火力発電所計画についてです。
 建設予定地は、JR清水駅、市街地に隣接し、住宅地から400メートルと、人々の生活に密接した地点です。地震被害想定は震度6強、最大5メートルの津波、液状化の可能性は大と、一度大きな災害が発生すれば、市民の命と暮らしに重大な危険を及ぼします。計画を問題視する市民団体から、公開質問状が出たばかりです。
 当局は、これまで許可権限は国、県であり、市が割り込むことはしないと、傍観者的、まるで人ごとのようです。
 しかし、建設予定地は、昭和48年に埋め立てされ、地盤は耐震、液状化対策が十分でないおそれがあり、巨大地震災害に対して万全の対策が講じられているか、不明であると、市長も見解を示しています。
 事業者任せにせず、市独自で直接調査、検討すべきです。その認識を伺います。
 3つ目に、「共働き子育てしやすい街ランキング」1位について。
 市民の反応は、静岡がなぜ1番なのと、冷静な反応です。日経DUALの客観的、冷静な数字上の評価は事実ですので、そこをスタートとして、今後どのように展開、拡充させるのかが問われています。
 その上で、出生率、定住促進がぐんと伸び、市民が静岡で子育てできて本当によかったと実感できてこそ、初めて子育てしやすさナンバーワンになることができます。
 妊娠から出産、子育てなど、多角的、多方面にわたるどの施策も徹底的に研究、拡充し、「子育てするなら静岡市」が全国の合い言葉になるよう職員一丸となって進んでいただきたい、私も積極的に提案させていただきます。
 市長の心構え、実効ある施策の展開策を伺います。(「一緒にやりましょう」)ぜひ一緒にやりたいと思っています。
 4つ目に、子供の貧困についてです。
 親の失業、低収入、離婚など、家庭の経済事情により、子供の貧困は年々深刻になり、子供の6人に1人が貧困と言われています。貧困を次世代に連鎖させないための対策は、待ったなしの課題です。
 本市は、いち早く推進計画を策定し、来年度もその中身が充実されるようですが、その具体化と実効ある手だての拡充が求められています。
 子供の貧困は、社会全体の貧困の縮図とも言えます。何の罪もない子供から将来の可能性、夢を奪うようなことがあってはならない、これは政治の責任です。市長の子供の貧困についての現状認識と打開策の拡充方針を伺います。
 以上、1回目です。

◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢についてのうち、中項目、市政運営について、子育て支援に係る2つの御質問にお答えをいたします。
 まず、1つ目は、「共働き子育てしやすい街ランキング」、第1位について、市長の心構え、今後の施策の展開策はどうかというお尋ねであります。
 施政方針で申し上げましたとおり、子育て支援には1期目から力を入れてまいりました。それに当たっては、施策を推進することと、それを支える体制を整備すること、この2つを車の両輪と捉え、取り組んでまいりました。
 施策の推進では、議員御承知のとおり、子ども医療費の助成拡大を初め、待機児童園などの静岡方式の待機児童対策、不妊治療費助成など、充実させてきたつもりであります。
 一方、体制の整備としましては、平成25年に子ども未来局を保健福祉局から独立させました。そして、教育委員会から事務の一部を移管して、子供施策の一元化を図りました。
 一方、国との連携を強化するため、厚生労働省からとても正義感が強く、問題意識の高い、若手職員を招聘し、人事面の体制強化も図ってきました。
 このように、市議会の皆様とともにがむしゃらに取り組んでまいりましたが、その結果はどうか、よくわかりませんでした。他都市との比較という指標がなかったからであります。本市の子育て支援の充実は、どのレベルにあるのかということについては、大変気がかりなところでありました。
 こうした中、昨年秋、御指摘の日経DUALの「共働き子育てしやすい街ランキング」の地方都市編で本市が第1位に位置づけられたという報に接し、私自身、これまでの取り組みが無駄ではなかったという意を強くいたしました。
 この評価は、静岡市の子ども・子育て支援の取り組みにかかわる地域の全ての皆様の努力のたまものであります。現地、現場で保育士として頑張っていらっしゃる、そういう最前線の方々の支えがあったからこそだと、感謝しております。
 一方、現状にはまだまだ課題があります。その一つは、子育て支援の量と質の拡充であります。例えば、量の面では、待機児童対策をまだまだふやさなければなりません。平成30年度の年間を通じた待機児童解消を実現してまいります。
 一方、質の面では、幼児期の教育、保育の質の充実であります。教育委員会と連携して、幼小連携を進め、質の高い教育、保育を実現してまいります。
 課題のもう1つは、情報発信であります。私たちは、静岡市のことしか知らないわけですね。転勤族で静岡市に来ると、ああ、保育園が東京に比べてすぐに入れたとか、あるいは子ども医療費の助成制度は、中学3年生までですごく助かったという声を聞きます。しかし、ここにしか住んでいないと、その静岡市の充実ということについて、なかなか実感が湧かないし、そこのところの情報発信の強化ということにも取り組んでいかなければなりません。
 そこで、まずは、市内の子育て家庭に向け、子ども・子育て支援の情報発信を強化して、必要な家庭に必要な支援を活用してもらい、子育てのしやすさを実感していただくことが何よりも重要であります。
 また、市外や県外の子育て世代の皆さんに対しても、静岡市にいらっしゃいという定住施策、移住施策を促進するためにも、平成28年度の組織改編で広報部門を強化することを通じて、子育てしやすいまち静岡市を積極的に発信してまいります。
 私としては、このたびの評価に決して満足することなく、若い世代に対しましては、子育て支援、出産支援、そして結婚支援の3つのレベルでの対策を強化するとともに、子供の目線からは、出産でオギャーと生まれてから乳幼児期、学童期、青年期までの切れ目のない支援の充実に努めることはもちろん、子育てしやすいまち静岡市が住みたいまちとして選ばれるよう、今後も取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 2つ目の子供の貧困対策についてお答えいたします。
 昨日の新聞でも、山形大学の戸室准教授がまとめた貧困家庭についての記事、やっぱり世間の関心があるのか、新聞各紙がこぞって報道しておりました。
 それによりますと、18歳未満の子供のいる子育て世帯のうち、生活保護費以下の収入で暮らす割合が平成24年の資料で13.8%に上っているということです。これは、20年前に比べて倍増したという調査結果であります。
 幸い静岡県は、全国平均以下ではありますが、しかし、ここの対策を強化しなければいけないという気持ちは、私自身大変強く思っておりますし、午前中、市行政としては、この対策について子ども未来局長から答弁させてもらったとおりであります。
 私が心強く思っているのは、市行政の対策と相まって官民連携でこの5年間、現地、現場に向かってみますと、NPOの方々とか、ボランティアの方々、学生の方々がそれぞれで貧困家庭の子供たちに手を差し伸ばしているいろんな取り組みがあるということをとても心強く思いました。
 また、子供たちが信頼できる大人たちと一緒に食事や遊び、勉強して過ごす生活、学習の支援の現場、彼らと話をしてまいりましたが、こうやって子供の貧困の問題を直視して、正面から取り組んでいる民間の方々と今後も連携を強化していきます。
 つい先日も、あるひとり親の家庭のケースについて、私のところに報告がありました。母子家庭で、中学1年生の男子生徒の家庭であります。母親は、児童扶養手当の存在も知らされず、数年間、行政や民間の支援もなく、全く孤立の状態でありました。そしていよいよガスや電気、水道などのライフラインがとめられるまでの困窮に追い込まれ、そして最近になって初めて男の子の様子の変化に気づいた学校の先生が、静岡市がトップクラスで配置しているスクールソーシャルワーカーに相談し、やっと行政とのつなぎ、支援につながったというケースであります。静岡市にもこういう家庭がいるということは、承知しております。
 子供の貧困の問題は、目に見えない問題であります。一見豊かに見える静岡市においても、現実には存在しているのです。我々大人には、この子供たちのかすかな叫びに気づき、支える責任があります。誰も置き去りにしない、そんな気持ちでこのことに取り組んでいかなければなりません。
 また、生活、学習支援の場に通うお子さんからは、こんなに自分のことを真剣に考えてくれる大人がいるんだという声、また支援される側だった親御さんが、やがて支援する側として参加するようになり、人の役に立って初めて救われた思いがするといった声にも接しました。
 これは、教育長と話をしていることでありますが、たくましく、しなやかな子供たち、自分が大切にされる経験、他者の役に立つ経験、それが不可欠であります。たくましく、しなやかな子供に育つためには、こういった経験から、困難を抱える家庭のお子さんも自己肯定感や自己有用感を取り戻す、それが大事であります。私たち行政は、地域にそういった場をつくり、そして子供たち一人一人が大切にされる地域にしていかなければなりません。
 平成28年度予算では、国による手当の拡充等に応じるだけではなく、本市が先進的に取り組んでいるスクールソーシャルワーカーの増員や、生活学習支援事業の拡充などを盛り込みました。これは、目の前の困窮に対応する経済的支援などはもとより、支援を必要としている家庭や子供たちを支援につなぐとともに、生きる意欲を培う場を確保することが重要であると考えるからであります。
 これらにより、子供の貧困対策全体の予算額では、前年度を上回る約2億2,000万円の予算の措置、拡充をしているところであります。私としては、子供の貧困の問題から目をそらすことなく直視し、何よりも子供たちのことを第1に考え、また支援の現場の声を大切にして、全ての子供たちが夢を持ち、将来の静岡市を担う人材として育つよう、子供の貧困対策に正面から取り組んでまいります。一緒にやっていきたいと思います。御理解、御支援をよろしくお願いします。
 以下は、局長より答弁させます。

◯経済局長(築地伸幸君) 国政についてのアベノミクス及び消費税増税による市民生活への影響について、私から御答弁させていただきます。
 本市の経済状況についてみますと、有効求人倍率は、静岡地区、清水地区、いずれも上昇傾向にあり、また中小企業の投資意欲を示す機械設備設置の助成件数も、平成27年度は過去最高の約90件の見込みとなっております。
 一方、本市が実施している景況調査における企業の景況感では、依然として悪化が好転を上回る状況で推移しております。
 今後につきましては、平成29年4月に予定されております消費税増税を初めといたしまして、不安定な海外経済動向など、さまざまな不確定要素はございますが、本市といたしましては、27年3月策定の第2次静岡市産業振興プランや、同年7月策定の第2次静岡市ものづくり産業振興基本計画を着実に実行することで、雇用の場を確保し、仕事が人を呼び、人が仕事を呼ぶ、好循環を生み出して、経済、産業面から市民生活を支えてまいります。

◯総務局長(三宅 衛君) 平和安全保障関連法に関する見解についてですが、防衛や安全保障の分野については、国の専権事項であり、平和安全保障関連法は、衆参両院合わせて210数時間の国会審議を経て、昨年9月19日に可決成立しました。この平和安全保障関連法の成立は、憲法の立憲主義や民主主義をもとに、平和に関する議論を踏まえたものであると認識しております。

◯企画局長(山本高匡君) 総合戦略の3点の御質問について、一括してお答えいたします。
 まず、総合戦略における人口減少の原因の分析ですが、人口動態などの各種統計データに加えて、要因分析のために、高校生年代を対象としたアンケート調査や、首都圏在住者を対象としたアンケート調査など、市独自の調査を実施いたしました。
 これらを分析し、本市の人口減少は、自然減と社会減の両方の側面がありますが、分析の結果、全国や県に比べて未婚率が高く、晩婚化の傾向が強いこと。18歳から22歳までの若者と女性の首都圏等への転出超過が大きいことが主な要因であることがわかりました。
 さらに、首都圏在住者に本市のイメージが伝わっていないこと、県内企業と大学卒業者の就職によるミスマッチなどの弱みも明らかになりました。
 そこで、このような分析結果を踏まえて、本市独自の6つの戦略体系から、人口減少対策を展開する総合戦略を策定いたしました。
 次に、議員が掲げられました持続可能な自治体の鍵となる雇用、子育て、社会保障、福祉など、市民生活に密接した課題でございますが、こちらも総合戦略の中に位置づけております。
 本市の総合戦略は、新たに未来市民という概念を取り入れ、これらの市民にとって魅力ある雇用や子育て環境の充実等を図ることにより、未来市民の確保を目指すほか、移住、定住、広域連携、あるいは人口減少社会の適用なども視野に入れております。この戦略を総合的に推進していくことが持続可能な自治体の維持、発展につながるものと考えております。
 次に、総合戦略におけるKPI、重要業績評価指標についてですが、KPIは総合戦略の6つの戦略に掲げる基本目標につながる事業に、本市がその事業効果を検証するために事業内容に応じて独自に定めたものであり、国が地方交付税の算定への反映を見込んでいる人口増減率、女性就業率などとは異なるものです。
 本市で定めた基本目標やKPIは、中心市街地のにぎわいや魅力が増したと感じる市民の割合や、将来の夢や目標を持っていると答える児童生徒の割合など、市民サービスの向上につながるものと考えております。

◯危機管理統括監(中野達也君) LNG発電所建設計画に対する地震、津波、液状化の被害想定と市街地に及ぶ危険性を市独自に調査、検討すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
 行政が行う被害想定は、地震動や津波などの自然の外力と、それらがもたらす地域全体の被害の様相を事前に予測し、効果的な地震、津波対策を実施するためのものでありますので、LNG発電所建設計画に係る被害想定は、事業者において対応すべきものと考えております。
 また、LNG発電所の建設が計画されている場所は、石油コンビナート等災害防止法により、特別防災区域に指定されており、万が一、災害が発生した場合には、静岡県石油コンビナート等防災計画に基づき、事業者、県、市等が連携して、被害の拡大を防止する対策を講ずることになります。
 したがいまして、LNG発電所建設計画についての地震、津波被害想定や危険性に対する調査を市が独自に実施するという考えはございません。
  〔25番鈴木節子君登壇〕

◯25番(鈴木節子君) では、2回目の質問ですが、私としては、大変満足のいかない答弁でした。
 2回目は、具体的に質問させていただきますが、我が党の予算要望をもとに、政策提案型の質問をさせていただきます。
 2つ目の柱、地方自治を発展させる行財政運営についてです。
 1つ目に、職員適正配置計画について伺います。
 定員管理計画で10年間で585人の職員を削減し、非常勤職員を増員、その結果、政令市比較では人口10万人当たりの職員数は9番目に少なく、政令市平均よりも25人も下回っています。職員の抱える業務は膨大になり、責任は重くなり、ゆとりのない職場環境が危惧されています。
 真の意味での市民の公僕としてのしっかりとした役割が果たせているのか、検証が必要ですが、定員管理計画の分析、検証を伺います。
 また、非常勤職員が3割を占める職員体制の課題をどのように分析しているのか。職員配置計画は、正規職員の増員でこそ、公的責任を果たし、市民サービス向上、雇用創出につながりますが、見解はどうか、伺います。
 2つ目に予算編成について。
 持続可能な自治体の鍵は、元気で活力ある地域経済と子育て応援の施策が整っていることです。
 予算編成を見ますと、民生費が一定のウエートを占めるのは、住民福祉の充実のため当然ですが、商工費は1.6%あたりをずっと推移しています。そして、教育費は6、7%台とどちらも低い比率です。
 商工費は、地域経済の主役である中小企業の支援策の拡充・そして教育費は正規教職員増員で、ゆとりある教育、古い校舎の改築など、喫緊の課題が山積しています。
 商工費と教育費の比率と推移はどうか、また増額すべきと考えますが、方針を伺います。
 3つ目に、マイナンバーについてです。
 本格施行から2カ月が経過いたしましたが、チップのふぐあい、機構のシステム障害が全国ではたびたび発生しています。
 本市では、この制度に13億円もお金をかけていますが、制度は個人情報漏えい、なりすまし犯罪、国家が個人の情報を一元的管理など、国民にとってはデメリットでしかありません。全国では300万人が未配達ですが、本市の未配達数とその方への対策を伺います。
 また、個人番号カードは、現在、身分証明書以外に使い道がありません。コンビニで証明書の発行ができるといっても、必要性が高いとも言えません。顔写真、氏名、住所などが一体で記載されているカードを持ち歩くほうがよほど危険です。カードの紛失、盗難により、他人に悪用されれば、被害の回復は困難です。現時点のカード申請件数、交付数はどのぐらいか、伺います。
 また、多くの住民は、制度を熟知しておらず、不安、戸惑いも広がっています。お年寄りは、金融機関から手続を求める書類が届いただけで不安を募らせています。市民への説明の徹底、特に高齢者への不安を取り除く説明は、どのように行うのか、伺います。
 3つ目の柱、市民の暮らし、いのちと健康を守り、福祉最優先にについてです。
 安倍政権によって、生活保護基準の引き下げ、年金制度改悪、医療介護改悪など、社会保障の削減が進められ、日本の総体的貧困率は16.1%と、過去最悪となりました。国の政治に対し、自治体が市民の命と暮らしを守る防波堤としての役割を貫くことができるのかが問われています。
 5つの分野について質問します。
 初めに、介護保険、高齢者介護についてです。
 医療介護総合法に基づき、要支援1、2の訪問介護と通所介護が保険から外され、自治体の新総合事業に丸投げする制度が2017年4月にスタートします。
 国は、低廉な単価のサービスの利用普及、認定に至らない高齢者の増加、自立の促進を指示しています。要支援の次は介護度1、2のサービス外しが狙われています。
 こういう状況の中、事業所は昨年4月の介護報酬引き下げにより、減収、利用者確保で苦労し、人件費の工面、介護人材確保に奔走するなど、経営はさらに悪化しています。
 1点目に、このような介護事業所の抱える問題点を踏まえ、地域の介護基盤維持、強化のための施策はどう進めるのか、伺います。
 新総合事業に向け、国は多様なサービスが提供できるとか、認定審査に時間をかけず、チェックリストで簡単にサービスが提供できるなど、無資格者、ボランティアなどによる安上がりサービスに置きかえ、基準を緩和したサービスに振り分けようとしています。
 ここで大事なことは、国の言いなりではなく、自治体の努力と工夫で介護制度をより充実できるかどうかが自治体の姿勢にかかっています。
 2点目に、新総合事業の基本方針は、チェックリストに誘導するのではなく、認定申請権を保障し、現行サービス利用を保障し、基準を緩和したサービスへの誘導はしないことを軸にすべきです。方針を伺います。
 2つ目に、国保についてです。
 今年度に続き、来年度も引き下げが提案され、2年連続で引き下げが実現することは、市民から大きな喜びとして受けとめられています。
 我が党も、これまで国保料引き下げに向け、条例改正提案、予算組み替え提案を繰り返し行ってきましたが、ようやく重い負担軽減に当局がかじを切ったことは、大きな前進と評価しています。
 しかし一方で、一般会計からの法定外繰り入れを2年で段階的に引き下げ、これまで20億円維持してきたものを来年度は3億円に減額します。法定外繰り入れにより、低所得者が多く加入する国保は、社会保障として負担軽減が行われてきました。来年度、国が負担軽減の目的で6億円も補助するのに、市が9億円も減額では、国の方針と矛盾します。
 また、保険料を9億円引き下げるのだからと、法定外繰り入れを同額減額するのは、余りに乱暴です。法定外繰り入れを一定水準堅持し続けることが安定的運営につながりますが、考え方はどうか。市民の負担軽減を貫き、法定外繰り入れ減額ではなく、むしろ増額すべきですが、見解を伺います。
 2点目に、国保の都道府県単位化の問題です。
 県が示す納付額を自治体は100%支払うことが義務づけられ、本市の加入世帯の所得水準、医療水準により算定され、保険料を増額したくなければ医療費を抑制せよと、迫られることになります。
 県単位化により、保険料引き上げ、医療費抑制が懸念されますが、受けとめはどうか。
 県や国の言いなりではなくて、住民の立場でむしろ積極的な政策提言はどのように行うのか、伺います。
 3つ目に、保育について。
 今年度から、子ども・子育て支援新制度が始まり、本市は、市立保育園、幼稚園を全て認定こども園に移行しました。行財政改革では、さらにこの先があります。市立保育園をこども園に移行後は、民営化が示されています。既に株式会社立の企業が進出し、平成28年4月1日時点で保育園56園中4園、小規模事業所19園中10園、合計14園が株式会社で、今後もその動きは強まる傾向です。
 こども園の民営化が進み、企業の施設がふえれば、親の子育て負担に応え、保育の質を守り、責任を果たすのは一体どこか、大いに疑問です。
 中核となる公立こども園は残すとしても、経験豊かな公立の保育士集団の層が薄くなれば、若手保育士を育成、牽引する力量も薄れ、保育の質をどうやって維持していくのでしょうか。
 質問の1点目に、公立園がこれまで果たしてきた役割は何か。また、民営化後もその役割は確保されるのか、お示しください。
 2点目に、保育の量の確保についてです。
 市は、3年間で定員を3,080人ふやし、そのうち私立幼稚園からこども園への移行は24カ所、2,000人分の目標です。計画どおり移行が進まない理由は、経営上の不安があるからです。不足する保育の量を確保するためには、民間でも企業でもなく、市が公立の保育機能を確保することが、市の責任を果たすと考えます。方針を伺います。
 3点目に、保育料について。
 国は、新制度移行に伴い、子供の人数によって保育料を軽減していた年少扶養控除のみなし適用をやめました。そのため、全国の自治体では、子供が多くいる世帯ほど、保育料が一気にはね上がっています。
 本市は、みなし適用は前年度から入所している児童に限定し、新年度から入所する園児には適用しません。これでは、数年後には、全てみなし適用はなくなり、多子世帯ほど負担が重くなり、少子化対策に逆行します。
 子育てしやすさナンバーワンと言われますが、実感が湧かないのは、支援策が親の希望に到達していないからです。子育て世帯は負担軽減に敏感です。保育料の年少扶養控除みなし適用を今後も継続し、また同時入所でなくても、2人目、3人目など多子世帯の保育料減免策をさらに拡充すべきです。その見解を伺います。
 4点目に、保育士確保策についてです。
 定員をふやすことと一体に保育士の確保策も重要な課題です。保育士確保の取り組み状況を伺います。
 また、公立と民間保育士の給料の格差も深刻です。勤続年数が長く、経験豊富なベテラン保育士ほど、一定年齢になると給料は頭打ちで、公私格差は広がります。
 保育の仕事に差を生じさせないよう、待遇の差は解消し、私立保育士の処遇改善策をさらに拡充させることが必要ですが、方針を伺います。
 4つ目に、放課後児童クラブについてです。
 子ども・子育て支援新制度に伴い、今年度から小学6年生までが対象となり、クラブの単位はおおむね40人以下と規定されましたが、低学年でも待機児童が生じ、60人を超す大規模クラブなど、課題が残されています。
 質問の1点目に、支援員の処遇の問題です。
 支援員は、時間給のパート扱い、賞与も昇給制度もありません。支援員の待遇を抜本的に強化する方針について伺います。
 放課後児童クラブは、母親が就労している児童が放課後安全に、心身とも健やかに過ごす、遊びと生活の場です。放課後子ども教室とは、役割が全く異なりますが、今後、全ての小学校で一体的に実施することになっています。先行事例では、大規模になる危険性が高い、子供たちの関係、居場所づくりが困難になる、児童クラブの役割の低下、また子ども教室が児童クラブのかわりに使われるなどが指摘されています。メリット、デメリットを検討せず、一体化をなぜ進める必要があるのか疑問です。
 2点目の質問に、児童クラブの運営に支障のないよう連携できるのか、その方策をお聞かせください。
 3点目に、待機児解消や大規模クラブ解消に向け、本年度の整備状況と今後の方針をお聞きします。
 5つ目の児童虐待について。
 このところ、子供への暴力、監禁、ネグレクト、食事を与えないなど、痛ましい児童虐待は後を絶ちません。この根底には、親の育児能力に問題があると同時に、社会全体で子供を育てる力が後退しているとも言えます。
 虐待は、親を責めるだけでは、解決できる問題ではありません。地域全体で子供を健やかに育てる地域の輪、保育園、幼稚園、小学校、保健福祉センターとの連携、連帯網をつくり上げておくことも必要で、その中心となるのが児童相談所です。児童相談所への相談や措置など、対応件数が増加していますが、職員の体制は充足できているのか、職員の資質向上、専門性の確保、経験の蓄積など、どのような取り組みをしているのか。児童虐待がエスカレートし、深刻な事態となる前にどのような取り組みをしているのか、3点お聞きします。
 次に、4つ目の柱、地域経済を振興の中心にについてです。
 中小企業は、日本経済、地域経済の根幹であり、地域社会と住民生活に貢献する存在です。
 2014年6月、小規模企業振興基本法が成立し、成長発展だけでなく、事業の持続的発展の重要性を明確にしました。中小企業の悩みは仕事づくり、事業の継続、後継者づくりです。この解決に向け、3つの提案をいたします。
 1点目に、行政が仕事づくりを応援する制度として、全国では住宅リフォーム助成、商店リフォーム助成が波及効果を生み出しています。
 例えば、高崎市のまちなか商店リニューアル助成事業は、従来の商店街整備への補助金とは異なり、個々の店舗の改装や備品へ助成するものです。店を元気に、やる気を引き出し、おもてなし向上、仕事づくりのよいことづくめで、経済波及効果も進み、税収もふえています。
 本市でも、商店街活性化、経済波及効果につながる商店リフォーム助成を実施すべきではないか、見解を伺います。
 2点目に、中小企業振興条例制定の必要性を我が党は以前から指摘していますが、全国では39道府県を含む184の自治体が制定しています。全国の制定状況とその効果はどうか。また、本市も制定に向け、研究すべきです。その見解を伺います。
 3点目に、公契約条例について。
 これは、公共工事、公共サービスを民間事業者に発注、実行する際、公務、公共サービスの品質確保や労働者の働くルール、労働条件を確立させるものです。
 全国では4県と他自治体へも制定が広がり、政令市では川崎市、相模原市、京都市が制定していますが、目的、メリットは何か、また本市の制定に対する方針を伺います。
 次に、農業支援策についてです。
 本市は、市街地から山間地まで、広大な自然環境を生かした豊富な農産物が生産されています。都市近郊農業で栽培される作物は、生産者の顔が見え、安心・安全・新鮮な農産物として、消費者にも喜ばれています。
 都市農業振興基本法が平成27年4月施行され、速やかな都市農業振興策の強化が待たれています。
 農業委員会から提出された建議書が示す課題の受けとめと都市農家支援事業の継続、都市農業振興策の強化要望への対応策をお聞きします。
 また、TPP批准が正念場を迎えています。TPPは、日本の農林水産業に壊滅的打撃を与え、国民への安定的な食料供給と食の安全を土台から壊すものです。自国での農業と食料生産を潰し、外国に頼る国にしてよいのか、根本的なあり方が問われています。
 TPPによる影響を県は49億円、農協静岡中央会は農畜産物の減少額を257億円と試算し、額に開きがあります。本市は、かんきつ類、マグロなど、特有の生産がありますが、TPPによる影響をどのように認識をしているのか、お聞きします。
 以上、2回目の質問です。

◯総務局長(三宅 衛君) 職員適正配置計画について、まず、これまでの定員管理計画の評価についてですが、平成17年度以降、2次にわたり定員管理計画を策定し、限られた経営資源のもと、効率的で質の高い行政サービスを提供するため、定員の管理を進めてきました。
 この2次にわたる計画を通して委託化、指定管理者制度など、民間活力が積極的に導入されたほか、非常勤職員や再任用職員を初めとした多様な任用形態、勤務形態による職員の活用が図られたものと考えております。
 次に、非正規職員が3割を占める現状についてですが、行財政改革に基づく事務事業の見直しなどにより、補助的な業務や定型的な業務には非常勤職員を、また行政需要の変動が見込まれる業務や短期間で終了することが明らかな業務には臨時職員を、短時間のみ必要となる業務にはパートタイマーを配置しています。
 このように、業務内容や任用期間などを総合的に勘案した上で、非常勤職員等を配置しており、適正な職員配置であると考えております。
 次に、正規職員の増員についてですが、職員適正配置計画は、職員という貴重な経営資源を効果的、効率的に配置し、最少の経費で最大の効果を図り、市民サービスの向上につなげていこうとするものです。
 これまでも、社会情勢の変化などにより、職員の増員が必要となった場合には、新たな行政需要を見きわめた上で、増員すべきは増員するというめり張りを持った職員配置を行ってきました。
 今後も、適正な職員配置を行い、より質の高い市政運営に努めていきたいと考えております。
 続きまして、マイナンバー制度の説明などの対応についてですが、本市では、マイナンバー制度の開始以前から、自治会や町内会の集まり、民生委員の皆さんの会議などに参加して、制度に関する説明を行っておりますが、その際には、成り済まし、詐欺などが心配だという声も伺っております。
 また、国が設置していますコールセンターなどには、マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得を行うとする情報が寄せられているとのことです。
 そこで、国においては、テレビCMやチラシ、ポスターなどを活用して、注意喚起を図っておりますが、本市におきましても区役所などの窓口でのチラシによる周知やホームページ、広報紙を活用した呼びかけを行っています。
 さらに、自治会等での説明会などにおいては、特に高齢者の方の不安が解消されるよう、具体的な事例等を使って説明したり、民生委員の方への説明の際には、高齢者の方への注意喚起を徹底するようお願いしており、今後も市民の皆さんの不安を解消すべく、さまざまな対応を行ってまいります。

◯財政局長(河野太郎君) 私からは、予算編成についてと中小企業支援策に係る公契約条例の制定について、お答えいたします。
 まず、予算に占める教育費、商工費の比率と推移及び予算の拡充についてのお尋ねでございますが、平成28年度一般会計予算における教育費の比率は、27年度の6.7%に対し、0.2%増の6.9%、予算額は194億8,400万円余で約5億7,500万円の増額となりました。
 特に、教育関連施設の老朽化に対応するため、小中学校校舎トイレリフレッシュ事業を初めとする大規模改修や学校給食センター建設事業、小中学校校務支援システム整備等、積極的な予算配分をしたところです。
 次に、商工費の比率は、平成27年度の1.7%に対し、28年度は0.1%減の1.6%、予算額は46億1,000万円余で、約1億9,000万円の減額となりましたが、これは平成8年に建設されたツインメッセ北館に係る出資金3億円が終了したことなどによるものです。
 一方で28年度は、企業立地促進事業費助成等の拡充や中小企業融資制度信用保証料補給事業の創出など、地域経済活性化のための予算に手厚い措置を行いました。
 今後も、財政の健全性を確保しつつ、適切な予算配分に努めてまいりたいと考えております。
 次に、公契約条例についてでございますが、本年1月末現在、川崎市、相模原市及び京都市の3市の政令市が制定しております。いずれも、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保を図ることを目的としており、その趣旨は重要であると認識しております。
 しかしながら、労働者の賃金等の雇用条件については、労働基準法等の労働関係諸法令を遵守し、雇用主と労働者との雇用契約に基づき定められるものであるため、市が介入することへの是非が指摘されております。
 また、条例を制定した場合、全ての公契約を対象としたときにはその実効性が、対象範囲を限定したときには公平性の確保が問題となります。そのほかにも調査に要するコスト増の問題、客観的基準に基づく賃金の設定、企業への影響等が課題とされていることから、引き続き議論の推移を注視してまいります。
 一方、本市では、これまでも市内業者への優先的な発注、ダンピング防止のための最低制限価格制度及び低入札価格調査制度の見直し強化、市内業者の育成確保のための総合評価方式の見直し、建設工事における社会保険への加入徹底などに努めてまいりました。
 今後もこれらの取り組みを通して、公契約の充実を図ってまいります。

◯市民局長(海野耕司君) 本市のマイナンバー通知カードの未着件数とその対策などについてでございます。当初、マイナンバー通知カードの送付数は30万8,594通で、その後市内で生まれた方などに対して順次送付しております。
 そのような中、郵便局から区役所に戻ってきました通知数は、ピーク時に約2万3,000通でございましたが、2月28日現在では9,183通まで減少しています。
 戻った通知の対策については、広報紙や市ホームページなどにより、市で通知カードを保管している旨をお知らせし、住所地の区役所専用窓口において随時お渡ししています。
 さらに、12月下旬からは、隔週日曜日の午前中を臨時開庁して、平日に来庁することができない方へ対応しております。
 また、本市の個人番号カードの申請件数及び交付数ですが、2月28日現在で申請数は4万5,398件、交付数は4,997件でございます。

◯保健福祉局長(村岡弘康君) 介護保険、高齢者福祉と国保についての4点の御質問にお答えいたします。
 最初に、介護事業所の抱える問題点への対応ですが、まず、今回の介護報酬の改定は、要介護者などの増加に伴い、介護サービスなどの必要な経費を確保し、持続可能な介護保険制度とするために必要なことと考えております。
 次に、介護人材の確保については、資格取得に係る研修費の一部を介護職員として3カ月以上就労することを条件に5万円を限度として助成しており、本年度は2月末現在14人に対し助成を行いました。
 また、就労されていない介護の有資格者の掘り起こしを図るために、介護業務の流れやケアの演習などの研修を本年3月に行う計画で20人の参加を予定しております。
 一方で、介護報酬の改定が事業者の経営に影響することから、昨年7月に大都市民生主管局長会議などを通じて、報酬改定の効果の検証や、質の高い介護人材を安定的に確保し、継続した介護サービスが提供されるよう、適切な報酬単価を設定することなどを国に対し要望しております。
 次に、新しい総合事業の実施についてですが、平成29年4月からは、従来の要支援認定に加えて、新たに基本チェックリストに通所介護などのサービス利用が可能となります。このため、地域包括支援センターなどの窓口では、新しい総合事業のサービスについて丁寧な説明を行った上で、いずれの手続を選択するか、本人の意向を十分に伺うことになります。
 また、新しい総合事業の実施に伴い、現行の訪問介護、通所介護のサービスに加えてNPOや地域住民などが主体となって提供するサービスの利用も可能となり、選択の幅が広がります。
 これらのサービスの選択については、これまでどおり地域包括支援センター職員などが本人の意向を十分尊重した上で、適切なケアマネジメントを行い、その方に適したサービスを提供していきます。
 こうしたことから、新しい総合事業のサービスを利用する方の権利は、十分尊重されております。
 次に、国保の法定外繰入金の考え方についてですが、社会保障制度の1つである国民健康保険事業の運営では、保険給付費等の見込みから、国や他の保険者などからの交付金等を差し引いた残りの金額を加入者からの保険料で賄うことが原則となっております。
 このような原則の中で法定外繰入金は、保険料収入の不足を補うための財政補填的な措置であり、その財源は、市民全体で負担していることから、全体の公平性を考慮し、保険料を引き上げる場合は、法定外繰入金もあわせて減額すべきであると考えております。
 最後に、国民健康保険の都道府県単位化に対する認識についてですが、都道府県単位化は、高齢者や低所得者が多いといった国民健康保険制度が抱える構造的な問題の解決のため、公費拡充による保険者の財政基盤の強化を図ることなどにより、安定的で持続可能な医療保険制度を構築することを目的としており、保険料増額や医療費抑制を誘導するものとは考えておりません。
 しかしながら、都道府県単位化の際には、県内各市町の医療費水準や所得水準などにより、県へ納める国保事業費納付金が算定されるため、市町によっては保険料負担が上昇する可能性もあると考えられます。
 このため、納付金の算定方法などを盛り込んだ国保運営方針を県が策定する際には、本市の保険料が増加することがないよう、積極的に意見を述べていくとともに、国に対しても指定都市市長会などを通じて、必要な財政措置等の要望を行ってまいります。

◯子ども未来局長(平松以津子君) 保育、児童クラブ及び児童虐待に関する11点の御質問にお答えします。
 たくさん御質問いただきまして、ありがとうございます。時間が少しかかりますが、あらかじめ御承知おきください。
 まず、市立園が果たしてきた役割と民営化した場合の役割の確保についてですが、本市ではこれまでも市立保育園の民営化、適正配置に取り組んでまいりました。
 一方で市立園は、例えば、保健福祉センターや児童相談所を初めとする公的機関との連携、山間地における教育、保育の提供、特別な支援を要する子供への支援、保護者のニーズや現場の課題等の把握と施策への反映など、さまざまな役割を担ってきたものと認識しております。
 今後、市立園の民営化を含む配置適正化について検討する場合には、こうした市立園の役割に配慮して進めていきたいと考えております。
 次に、待機児童解消のための保育の定員の確保についてですが、保育の定員を確保するための施設整備については、民間に積極的な参入意欲があることから、これまで同様、民間事業者による整備への補助を通じて、効果的に進めてまいります。
 次に、保育料算定における年少扶養控除のみなし適用についてですが、平成26年度までは、国の規定により保育料算定における年少扶養控除のみなし適用が行われていましたが、27年度から施行された子ども・子育て支援新制度では、これまでのみなし適用に一定の配慮をして保育料を設定することで、みなし適用を原則廃止し、市町村の判断で在園児に限り適用が可能とされました。
 このため本市では、平成26年度から継続して保育を利用している乳幼児について、経過措置として年少扶養控除のみなし適用を実施しているところであり、新入園児までの適用は考えておりません。
 一方、多子世帯への軽減につきましては、平成28年度からの拡充策が国から示されております。従来は、同時入所の場合、第2子が半額、第3子以降が無償とされていたところ、年収約360万円未満相当の世帯については、兄弟の同時入所や年齢にかかわらず、ひとり親世帯等では第1子が半額、第2子以降が無償となり、その他の世帯では第2子が半額、第3子以降が無償となる予定です。
 次に、保育士確保の取り組み状況についてですが、公立、私立の園が必要な保育士を確保できるよう、平成26年4月、静岡市保育士・保育所支援センターを立ち上げ、県と連携協力して、保育士の求人、求職のマッチングや、合同就職説明会による就職支援のほか、再就職を支援する研修を行っております。
 また、平成27年度には、保育士資格はあるが、保育には携わっていない潜在保育士の現場復帰を促進するため、保育士名簿登録者5,000名に対して、支援センターへの登録勧奨を行ったところです。
 さらに、平成28年度からは、保育士資格を取得する場合の就学資金のほか、新たに保育所等に勤務する場合の就職準備金や、子供を保育所に預けるための保育料の資金を貸し付け、一定期間就労した場合に返済を免除する貸付制度を県と共同で新設し、さらなる保育士確保に取り組んでまいります。
 次に、民間保育士の処遇改善についてですが、保育の定員拡大に対応した保育士の確保や質の高い保育環境を維持するためにも、処遇改善が重要な課題であると認識しております。
 子ども・子育て支援新制度では、公定価格の中に各施設において給与改善を行うための額が含まれており、各施設にはこれに対応した給与改善が義務づけられております。
 その上で、本市独自の取り組みとして、保育を必要とする児童を受け入れる施設に対し、職員の平均勤続年数に応じた給与改善を支援するための補助を行っております。
 次に、児童クラブ支援員の待遇改善についてですが、児童クラブの運営において、児童クラブ支援員の果たす役割は大きなものであると認識しております。
 現在、児童クラブの職員は、各運営受託者が雇用し配置しており、これまでも委託料算定における賃金単価の引き上げや主任手当の創設など、待遇改善につながるよう努めてきたところです。
 今後も引き続き、適切な待遇の確保に努めてまいります。
 次に、児童クラブと放課後子ども教室の役割の違いと連携についてですが、児童クラブは、放課後家庭にいない保護者にかわり、児童の健全な育成を図る事業であり、放課後子ども教室は、全ての児童を対象として地域住民等の協力により、体験活動や交流活動などを行う事業です。
 本市では、国の示す放課後子ども総合プランに基づき、児童クラブの児童を含め、全ての児童が放課後子ども教室の活動プログラムに参加できるよう、同一の小学校内等における両事業の一体的な実施の拡大に取り組んでおります。
 また、子ども未来局、教育委員会、そして両事業の運営者や学校が互いに理解を深め、児童クラブと子ども教室が適切に事業運営されるように運営委員会を設け、そこでの協議を通じて、適切な体制づくりに努めてまいります。
 次に、児童クラブの整備についてですが、平成27年度は教育委員会及び学校との協議に基づき、校舎内の教室改修により6カ所、独立型の専用施設設置により2カ所の整備を行いました。
 今後の整備につきましては、学校教育に支障が生じないことを前提に、子供の安全・安心への配慮及びアセットマネジメントの考えから、教室等の既存の学校施設の活用を第1として進めてまいりたいと考えております。
 次に、児童相談所における職員体制についてですが、個別のケースに対応する児童福祉司につきましては、児童福祉法施行令第2条により、人口4万人から7万人に1名を配置すること、また児童の心理判定業務に携わる児童心理司は、厚生労働省諮問機関からの提言により、児童福祉司3名に対し2名を配置することが望ましいとされています。
 本市では、現在児童福祉司16名、児童心理司11名の配置となっており、いずれもこの考え方を満たす職員数を配置しております。
 平成17年の児童相談所開設時と比べ、児童福祉司が6名、児童心理司は7名の増員となっています。
 本市では、平成26年度の児童虐待相談件数が511件となり、児童相談所開設以来、初めて500件を超えたことに伴い、28年度は児童福祉司1名の増員を予定しています。
 今後も相談件数の増加が予想され、迅速かつ的確に対応できる職員数の配置が必要であることから、引き続き児童相談体制の強化に努めていきたいと考えております。
 次に、児童相談所の職員の資質の向上についてですが、初任者研修から指導役を担うスーパーバイザー研修まで、経験年数及び職位に応じた研修を実施し、それぞれの職員の専門性の確保と経験の蓄積を図っているところです。
 また、計画的な研修受講のため、各職員が研修ノートを作成し、研修履歴を管理するほか、研修で得た知識、技術の共有を図っています。
 さらに、児童相談アドバイザーや嘱託員、また児童相談関係機関の職員を交えての具体的事例検討研修を定期的に実施しているところです。
 このほか、児童相談に対応する職員の心得を示した児童福祉司ハンドブックと、児童虐待に関する共通認識を保つための静岡市子供虐待ガイドラインを本市独自で作成し、どちらも研修等の際に活用して、職員の資質の向上を図っているところです。
 最後に、児童虐待が深刻化しないための取り組みについてですが、まずは早期対応が重要であり、虐待通告があった場合、初期対応班等が休日、夜間にかかわらず、48時間以内に児童を目視による安全確認を基本として対応しているところです。
 また、虐待の未然防止と早期発見のために、児童相談所、家庭児童相談室を初め、福祉事務所、保健福祉センター、教育委員会、警察ほか関係機関が地域の支援を必要とする子供たちの情報交換、情報共有を行う要保護児童対策地域協議会を設置し、それぞれの機関が役割を発揮することで、迅速かつ適切な対応に努めています。
 さらに、平成27年7月から運用開始された児童相談所全国共通ダイアル189──イチハヤクの周知啓発を行い、市民に積極的な通報や相談を呼びかけております。

◯経済局長(築地伸幸君) 4点の御質問をいただいておりますけれども、最初に中小企業支援策に係る2点の御質問にお答えします。
 1点目の商店リニューアル助成についてですが、商店リニューアル助成は、個別店舗の資産形成の側面が強く、高崎市では例年の予算規模が3億から4億円となっており、この事業は多大な予算措置が必要となるものです。
 本市においては、商業振興策として、ハード面では商店街のアーケードや街路灯といった、公共性の高い共同施設の整備に対して助成を行っており、個店に対しては新規顧客の獲得や個店の魅力アップにつながるようなソフト面での支援を行っております。
 このことから、現時点では、本市での個別店舗へのリニューアル助成の実施は想定しておりません。
 2点目の中小企業振興条例の制定状況と効果についてですが、平成27年12月現在での全国商工団体連合会の調査によりますと、都道府県においては8割、市区町村においては1割弱、このうち政令指定都市では20市中9市が、また県内の35市町では3市が制定しております。
 また、先例市によりますと、中小企業振興の基本理念が明文化され、市民や事業者、行政の意識の共有等に効果があると伺っております。
 本市では、第2次静岡市産業振興プランを定め、広く中小企業の活動を下支えする各種施策を行うとともに、中小企業支援法に基づく、静岡市中小企業支援計画を策定し、産学交流センターなどの産業支援施設を拠点とした支援に取り組んでおります。
 議員御提案の条例制定につきましては、今後も国や他都市の動向などを注視しながら引き続き検討してまいります。
 次に、農業支援策に係る2点の御質問にお答えします。
 まず、1点目の農業委員会建議書が示す課題の受けとめと都市農業支援事業の継続など、都市農業の振興に関する要望への対応についてですが、建議書は市内農家の皆さんが日ごろの生産活動の中で感じられている課題などに対する御意見や御提案が集約されたものと真摯に受けとめております。
 建議事項にもありますように、国は平成27年4月から都市農業振興基本法を施行し、その中では国が基本計画を示し、それに基づき地方公共団体が地方計画を策定することとされております。
 しかしながら、国の基本計画がいまだ示されておりませんことから、今後の道筋が明確となっておりません。
 このため、本市としては、これまで行ってまいりました都市農家支援事業を平成28年度も1年間継続して実施をすることで、都市農業を支援していきたいと考えております。
 最後の御質問ですけれども、TPPによる影響をどのように認識しているかについてですが、中項目、農業支援策に係る農業への影響についてお答えいたします。
 農林水産省が平成27年11月に公表した農産物の生産額への影響についてでは、関税率10%以上、かつ国内総生産額10億円以上の19品目の農産品について試算が示されております。この試算によりますと、国内の農産物の生産減少額は19品目合計で約878億円から1,510億円と見込まれているところです。
 本市の主要な農産物であるお茶とかんきつ類を見ますと、お茶はTPP参加国からの輸入量が国内の生産量の0.7%とごくわずかでありますことから、TPP合意による特段の影響は見込みがたいと、分析されているところです。
 また、かんきつ類については、本市の主力であります温州ミカンは、現在輸入オレンジの約2倍程度と割高ではございますが、食味や食べやすさが異なりますことから、輸入オレンジと差別化が図られており、TPP合意による影響は限定的と見込まれております。
 このような国の分析につきましては、本市も認識を共有するところでございまして、引き続き今後の影響について注視をしてまいります。

◯副議長(遠藤裕孝君) この際暫時休憩いたします。
        午後3時6分休憩
   ───────────────────
        午後3時20分再開

◯議長(繁田和三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 総括質問を続行します。
 鈴木節子さんの発言を許します。
  〔25番鈴木節子君登壇〕

◯25番(鈴木節子君) たくさんの質問をしましたが、御答弁ありがとうございました。
 では、3回目の質問をいたします。
 第5の柱、自然環境・文化を守り、人にやさしい安心のまちづくりについてです。
 1つ目に、リニア新幹線について質問します。
 リニア新幹線は、経済性、技術面、環境保全の視点が欠如していると、各方面、そして関係自治体からも指摘されています。建設によって動植物生態系に及ぼす影響や電磁波、騒音、振動、水枯れ、そして本市にとっては、膨大な残土を積み上げることによる自然、生活環境への影響ははかり知れません。
 燕沢残土置き場が斜面崩壊によって土石流により崩壊した場合、土砂ダムの発生・決壊が懸念されると、静岡県の対策本部も表明しました。
 現在、本市はJR東海と協議中とのことですが、残土処理、水環境など、南アルプスの自然環境や生活環境に及ぼす懸念が払拭されたのか、協議の進捗、見通しはどうか、お聞きします。
 2つ目に、地震対策についてです。
 木造住宅耐震補強事業は、地震の際、倒壊した家屋から市民の命を守る事業として、市民に歓迎され、制度が拡充されてきました。あわせて、地元建築業者の仕事づくりにつながり、経済波及効果も生み出しています。
 工事を行った方から、地震に備え、安心ができ、家もきれいになり、もっと早く工事すればよかったという声をよく聞きます。
 しかし、市民意識調査によると、補強事業があることを約半数の方が知らないと答え、工事をしない理由は経済的理由や、古い家にお金をかけたくないというものです。特に、高齢者にとって、経済的不安や、住宅の一部の補強工事も助成対象であることなど、知られていないことも要因ではないでしょうか。
 地震に備え、効果ある事業ですので、特に高齢者が工事に足を踏み出せるよう後押しが求められています。
 今年度の取り組みの成果、現状と新たな目標設定、今後の周知活動の取り組み、事業推進の方針を伺います。
 3つ目に、市営住宅について。
 市営住宅は、建築後30年を経過した団地もあり、古い設備や部屋数、狭い面積が生活スタイルに合わない、バリアフリーがないなど問題を抱えています。
 また、居住歴の長い単身高齢者の割合が高いため、団地の自治会活動、コミュニティーづくりにも影響を及ぼしています。
 市営住宅整備計画やアセットマネジメントでは、建物の長寿命化、統廃合、管理戸数削減などが掲げられましたが、財政的観点からではなくて、人が住む、住民が住みやすい環境、団地のコミュニティーづくりの観点が必要です。市営住宅の望ましいあり方は、子育て世帯や若い世帯、高齢世帯、障害のある方など、多様な世帯がともに生活することです。
 また、バリアフリーが整備され、高齢者が自立した生活が送れるシルバーハウジング機能、子育て世帯に対応した部屋数があり、近くに保育園、特養ホームがあるなど、多様な世帯に対応する機能を整備することです。
 例えば、富士見団地など、私も拝見しましたが、子供さんの元気な声が響き、多世代がともに生活する理想的な団地です。これは、国交省からも表彰を受けたという団地で、ぜひ皆さんも行っていただければと思います。
 質問です。子育て世帯の入居を促し、また高齢者世帯が安心して生活できる機能など、多様な世帯が入居できるような対応をどのように進めていくのか、方針を伺います。
 4つ目に、文化施設についてです。
 市民文化会館は、1978年にオープンし、演劇、舞踊、伝統芸能など、多彩な文化芸術活動の拠点として位置づけられ、また市街地の中心地にあり、駿府城公園、中央体育館とも隣接する文化施設として市民に親しまれています。
 前回の議会で、市民文化会館の整備方針ついて、多目的アリーナとの複合化が示され、新聞報道で大きな波紋を起こしました。
 また、アセットマネジメントでは、類似施設がグランシップ、清水テルサ、あざれあなどあり、今後は配置状況を勘案し、広域的観点から役割分担を推進するとあります。
 市民には、建てかえ後も同じ場所に文化の拠点として文化会館が再整備されるものとの意識は根強くあり、新聞報道により文化会館がなくなるのではないかとの心配の声が多数寄せられています。
 市民文化会館の役割、位置づけ、建てかえの必要性をどう考えるのか、また、建てかえをする場合の時期、位置、規模などの方針をお聞きします。
 次に、6つ目の柱、教育条件整備についてです。
 子供と教育をめぐる状況は、いじめ、不登校、苛烈な競争教育に加え、子供の貧困、虐待など、子供たちはさまざまなストレスを抱えています。
 また、日本の子供たちの自己を肯定的に捉えている、将来に希望を持っているなどの割合が諸外国と比べ極端に低いことは深刻です。子供に勉強が楽しいと言わせたい、将来の夢を語らせたいというのは、全教職員共通の願いです。どの子にも行き届いた教育を推進するため、5つのテーマで質問します。
 まず、少人数学級について。
 財務省が小中公立校の教師3万7,000人削減を求めたことに対し、容認できないとする指摘が各方面から上がっています。学校では、手厚いケアが必要な子供がふえ、学級崩壊や立ち歩き、トラブル増加など、さまざまな困難が広がっています。
 本市は、小学1年生から中学3年生まで、少人数学級を実施していますが、児童生徒、教師にとってメリットは何か。今後、少人数学級をどのように進めていくのか、伺います。
 2つ目に、教員の負担軽減についてです。
 教師の超多忙化、長時間勤務が依然として解決されていません。過労死ラインで働いても授業準備に追われ、子供と接する時間もとれないと教師は訴え、教師の自己犠牲の上に教育現場が成り立っています。
 また、臨時講師がクラス担任を受け持ち、部活の顧問もこなし、臨時講師への依存が高まっていますが、次年度の採用の保障はなく、不安定雇用も解決されてはいません。
 小中学校の教諭と臨時講師の人数はそれぞれ何人か、伺います。
 また、学校現場における教員の長時間勤務の実態はどうか、伺います。
 教師の負担軽減のためには、正規の教職員を増員することです。校務支援システム導入もありますが、人間を育てる教育は、正規の教職員をふやすことが根本的な対応策です。教師の負担軽減に向け、どのような対応をしていくのか、伺います。
 3つ目に、小中一貫教育についてです。
 学校教育法改正により、小中一貫の義務教育学校が法制化されることになり、本市も推進方針が策定され、平成30年度からはスポット校で、平成34年度には全小中学校で取り組みを目指す方針です。
 推進する理由の1つに、いわゆる中1ギャップ、中学の不登校が挙げられますが、この原因は学力や進学競争や管理教育に起因し、小中一貫校により全て解決できるとは立証されていません。思春期への適切な対応は、むしろ一人一人にどう寄り添うかです。小中一貫教育の目的は学校の統廃合です。
 また、小学校高学年のリーダーシップの消失、前倒し、詰め込みカリキュラムによる教師の多忙化の促進など、デメリットのほうが多く、小中一貫教育に教育学的根拠もなく、具体的検証もされてはいません。
 成果として、中学への進学に不安を覚える児童の減少、小中学校教職員間で協力して指導する意識が高まったなど示されていますが、小中一貫校と一般の小中学校を比較調査したものではなく、科学的根拠もありません。
 また、いじめの減少や学力向上は、他の要因で容易に変化するもので、成果とは言えません。
 質問の1点目に、小中一貫教育の教育的成果の検証はされているのか、伺います。
 2点目に、小中学校間の乗り入れ授業や離れた校舎への移動で教職員の負担が増大したり、小学校高学年のリーダーシップが薄れるなど、課題があります。
 また、限られた予算の中、教職員増員もせずに推進できるのか、疑問だという声も上がっています。これら課題に対し、解決の見通しはあるのか、伺います。
 3点目に、今後も地域住民、保護者、教師の意見を十分取り入れ、多角的な議論をすべきと考えますが、方針をお聞きします。
 4つ目に、学校司書についてです。
 学校図書館の司書配置は順次拡充され、今年度は6クラス、そして60人以上と、対象校に生徒数が加わり、6クラス以下でも配置されるようになりました。
 司書配置のメリットは、子供の読書や学習支援として、また教師の教材研究のニーズに応え、不登校児の居場所など、はかり知れません。配置は129校中100校に、専任101名、兼任2名、計103名が1日4時間のパート扱い、5年の雇いどめです。
 平成27年、学校図書館法が改正され、学校司書が法的に位置づけられ、学校司書が継続かつ安定して職務に従事できる環境の整備に努めることが重要であると附帯決議に盛り込まれました。本市では、5年の雇いどめが障害となり、雇用が継続できず、能力の大きな損失です。本市の他の部署、消費生活相談員は、来年度から5年の雇いどめがなくなります。同じ自治体ですので、適用を平等に広げ、学校司書にも5年の雇いどめは早急に解消できるはずです。
 そして、今、学校司書が配置されていない学校、そして兼務の学校では、子供さんの条件に大変差があります。一日も早く学校司書を平等に全校に配置すべきですが、その学校司書の配置拡充に向け、どのように取り組んでいくのか。また、専門的知識、技能習得に向け、研修や市立図書館との連携はどのように行われているのかを伺います。
 5つ目に、就学援助制度についてです。
 本市の就学援助受給率は8.8%と、少しずつ増大傾向ですが、制度を活用すべき世帯にしっかりと行き渡らせることと、内容を拡充させることが必要です。
 提案型の質問をいたします。
 1点目に、入学前に学用品や制服、自転車など、全て買いそろえる必要がありますが、入学準備金支給は7月と遅過ぎます。保護者は大変な苦労を強いられています。事務手続を改善すれば、解決できる問題です。所得証明を今は前年度ですが、それを前々年度にして、審査手続きを早く進めれば、支給を早めることは可能です。入学準備金の支給前倒しを検討すべきではないか、伺います。
 2点目に、生活保護基準が引き下げられたことによる影響です。
 今、就学援助の適用は生活保護基準の1.3倍です。これに伴って対象となる世帯も狭められ、対象となるべき世帯が受けられずに、不利益が生じます。影響を生じさせないため、どう手だてをとるのか、伺います。
 例えば、生活保護基準1.3を1.5に引き上げるとか、これまで受けていた方たちの所得をそのまま引き継ぐとか、やり方はいろいろですが、その対策を伺います。
 最後に、7つ目の柱、平和行政についてです。
 平成25年の国連軍縮会議開催時は、市民や子供さん参加の平和の取り組みが多彩に行われました。その後、継続して平和行政がどう発展しているのか、検証の意味で質問します。
 先日の「Middle East Peace Project in Shizuoka」では、イスラエル、パレスチナの青少年が来静しました。彼らは、紛争で親族を亡くしましたが、紛争でこれ以上、人の命が奪われることがないように、全世界が平和の中で共存するとうとさを訴え、そして、これ以上、紛争を起こしてはならないという、大変平和のメッセンジャーとしての役割を立派に果たしました。これは観光交流課MICEの取り組みではありましたが、平和のとうとさを訴えるジャストタイミングな取り組みであったと評価しています。
 3点、質問します。
 市民参加型の平和行政をどのように今後発展させていくのか。国連軍縮会議開催時のあの取り組みを一過性にすることなく、今後もしっかりとこれを発展させていく必要があります。その観点をお聞きします。
 2点目に、学校教育において読書感想文、原爆記念式典参加への助成など、他自治体では実施しています。小学生、中学生が広島の原爆祭典には参加しております。それへの助成をしておりますが、本市でも積極的に実施すべきです。
 ほかにもいろいろやることはできます。例えば、平和都市宣言がありますが、この認識を子供たちに深めさせるために、卒業時にはその平和都市宣言が書かれた文言の記念品を贈呈するだとか、アイデアは豊富にあります。子供たちへの平和教育にどのように取り組んでいくのか、伺います。
 3点目に、平和資料センターの位置づけについてです。
 他自治体では、平和資料センターは公設公営で、行政が責任を持って運営していますが、本市は平和資料館をつくる会の皆さんの献身的な活動によって支えられています。静岡空襲の惨禍を二度と繰り返さないようにと、さまざまな資料を収集、展示していますが、スペースに限りがあり、展示資料を絞らざるを得ず、保管場所にも不自由しています。戦争と平和にかかわる資料、書籍、映像が保存され、子供たちや青少年、市民がいつでも閲覧できる平和資料館を公設で建設することが望まれています。
 この平和資料センターについては、今議論されております歴史文化施設として位置づける性格も持っています。この平和資料センターには、静岡であった空襲の出来事、そしてその出来事を後世に伝えるために、大変大勢の方たちがボランティア的に参加しております。この戦争の悲惨さを後世に伝え、平和資料センターが平和を軸にした活動の拠点となることが本来のあり方です。
 平和資料センターには、子供さんや青少年の皆さんが大勢入館し、平和の語り部が直接平和のとうとさを訴えています。この平和資料センターの活用状況はどうかを伺います。
 以上が7つの柱を軸にした質問ですけれども、先ほどから御答弁がありました内容についてコメントさせていただきます。
 最初に、1回目で質問しました安保法制について、市の御答弁ですけれども、国会が決めたことだと、なかなか人ごとのようなお答えをしておりますが、3月29日にこの安保法制が施行されます。そして、今、一番この問題で自分のこととして受けとめておられるのは、自衛隊の皆さんです。
 今、改正PKO法では、南スーダンに自衛隊の皆さんが派遣されております。そして、いざここで何か一触即発で事が起これば、自衛隊の皆さんは武器を持って、相手の国の少年兵や民間の人たちにも武器を向ける、武器を使用する、これが現実的なものとなっています。まさに日本が戦争に足を踏み出す、人を殺し、殺される、これにつながる安保法制です。だからこそ、国民の6割が反対して、立憲主義にも反する、平和主義や民主主義にも反すると、大勢の皆さんが声を上げています。
 我が党は、この安保法制の一日も早い廃止を求め、全国では総がかり行動実行委員会の皆さんと一緒に2,000万署名の早期達成を目指して活動を皆さんにも呼びかけていますが、ぜひとも安保法制、一日も早い廃止を求めるべきだと考えます。
 そして、この市政についてですけれども、今まで御答弁いただきましたが、市の職員をどんどん削減する、そしてその先には民営化、指定管理、そして学校給食センターを企業が建設し、運営するという問題も出ております。
 こうした人、職員を減らして、どんどん市民サービスが削減される、民営化、指定管理、こういう実態をもっと促進するような答弁がこれまでも繰り返されてきました。しかし、これでいいのかというところに一度立ちどまって、市民サービスのあり方をもう一度根本から検討するべきではないでしょうか。
 地方自治体の行政のあり方は、市民の皆さんの暮らしをしっかりと守ることです。国の政治が今大変危うい方向に行こうとしております。消費税増税や年金の改悪、そして暮らしが厳しくなり、平和が脅かされるもとだからこそ、市民の利益最優先で社会保障や福祉の充実をしっかりと拡充させる、これがこの静岡市に求められている課題だと思います。
 福祉や教育、そして地方自治を発展させる、こうした立場で、市の皆さん、職員の皆さん、そして市議会の皆さんも一丸となって、この充実に向けて活動すべきだと考えます。
 我が党も、28年度に向けて、予算編成に向けた129項目の要望を出させていただきましたけれども、今後とも住民、福祉の充実の立場で活動していくことをお誓いいたしまして、全ての質問を終わります。

◯教育長(高木雅宏君) 学校教育における平和教育への取り組みについてでございますが、子供たちが広い視野で世界を見詰め、日本及び世界の歴史や文化を理解することは、これからの社会の平和について考える上で、とても大切なことです。
 子供たちは、例えば、小学校国語科の学習において、原爆ドームの世界遺産登録を題材にした教材文や、地域の戦争体験者の話などをもとに、平和について考え、学びを深めています。
 また、平和都市宣言をしている本市の取り組みとして、2月にはイスラエルとパレスチナの青年を招くという中東和平プロジェクトを実施いたしました。プロジェクトでは、本市の高校生との交流活動を行ったほか、小学生が世界一大きな絵の作成に参加しました。このような活動が世界平和に通ずるものと、強く受けとめております。
 今後も各教科の学習や平和祈念行事などを通しまして、日本及び世界の平和を希求し、その実現に向けて貢献する子供の育成に努めてまいります。
 もう1点、お答えします。
 平和資料センターの活用についてでございます。
 静岡平和資料センターでは、本市が戦災の記憶を語り継ぎ、市民の皆さんに平和の大切さや命のとうとさを知ってもらうために、展示事業や各種資料の貸し出し、市内の戦跡めぐりなどの主催事業を実施するなど、さまざまな学習機会の提供が行われております。
 教育委員会では、平和教育、平和学習の推進の一環として、静岡平和資料センターの運営に対して支援を行うとともに、所蔵図書の借り受けやセンターの見学、戦争体験者の話を伺うなど、次の世代を担う児童生徒たちに、後世に引き継いでもらうため、静岡平和資料センターを活用しております。
 今後もこれまでどおり、平和教育、平和学習を推進するとともに、現在の平和資料センターを有効に活用させていただきたいと考えております。

◯環境局長(小林正和君) 中央新幹線建設事業にかかわる自然環境保全に関するJR東海との協議の進捗と見通しについてですが、現在、平成27年7月に設置した静岡市中央新幹線建設事業影響評価協議会において、有識者の意見を伺いながら、主に発生土置き場の選定やその管理、大井川の流量確保の方策として想定されている導水路トンネルの影響などについて、自然環境の保全にかかわる懸念の払拭に向けた協議を進めております。
 さらに、今後、JR東海から示される予定の発生土置き場における土石流シミュレーションなどを十分に検証し、自然環境への影響を最大限回避できるよう、さらに議論を深めてまいります。
 その上で、南アルプスの豊かな自然を次世代に引き継げるよう適切な環境保全措置を求めてまいります。

◯都市局長(塚本 孝君) 大項目5番、自然環境・文化を守り、人にやさしい安心のまちづくりに関して、2点お答えいたします。
 初めに、地震対策についての御質問です。木造住宅を含む住宅の耐震化の現状と目標及び今後の周知活動の取り組みについてです。
 住宅の耐震化につきましては、現在の耐震化率は88.9%で、本年度策定中の第2次静岡市耐震改修促進計画の中で、耐震化率の目標を平成32年度末に95%と設定いたします。
 周知活動の取り組みにつきましては、木造住宅の耐震化の促進に向け、本年度、新たに行った周知方法の取り組みのうち、特に効果のあったものは2点ございます。
 昭和56年以前の建築物の所有者に、直接、診断事業等を周知するダイレクトメールを送付したことと、耐震補強に係る手続や費用などに関する不安を解消するために行った行政、設計者及び施工者による合同説明会の開催です。
 新たに行った取り組みにより、木造住宅の補強設計件数は平成26年度99件だったものが、27年度現在119件です。工事の実施件数は97件であったものが、107件と増加いたしました。
 平成28年度は、これまでの取り組みに加え、本年度特に効果のあった2点を重点に、自治会との連携や高齢者世帯への周知活動を強化し、新たな目標の達成に向け取り組んでまいります。
 次に、多様な世帯に対応した市営住宅の改修についての御質問です。平成23年度に子育て世帯の市内への定住促進を図ることや、高齢者の居住の安定確保を推進することなど方針を示した静岡市市営住宅整備計画を策定し、既存の市営住宅の改修を進めております。
 子育て世帯への取り組みとしては、世帯の人数が多く、広い間取りが必要であることから、1戸当たりの居住面積を広げ、間取りの見直しや台所、浴室の設備改修を安倍口団地などで行っております。
 高齢者や障害者世帯への取り組みとしましては、日常生活の負担を軽減するため、室内の段差を解消し、建物にエレベーターを設置するなどのバリアフリー化を清水蜂ヶ谷団地などで行っております。
 今後も多様な世帯に対応した市営住宅の改修を進めてまいります。

◯観光交流文化局長(木村精次君) 静岡市民文化会館の役割や建てかえの必要性、方針についてですが、静岡市民文化会館は、年間50万人を超える利用者と高い稼働率を誇り、昭和53年の開館以来、本市文化を振興していく上で、中心的な役割を果たす施設として、また多くの市民に愛される施設として大きな役割を担ってきました。
 老朽化は進んでいるものの、市民の芸術文化の向上を図るという施設の設置目的や、MICEとしての中心市街地のにぎわいづくりや市民交流、集客効果の観点から、市民文化会館は引き続き必要な施設だと考えております。
 建てかえの必要性やその時期、手法、規模等については、財政状況やアセットマネジメントの観点を踏まえるとともに、市民ニーズを十分把握し、慎重に検討を重ねた上で、進めていきたいと考えております。
 平成28年度は、文化施設、スポーツ施設が集積する駿府町地区において、老朽化した市民文化会館の再整備に係る整備手法の検討などを実施する予定でございます。

◯教育局長(池谷眞樹君) 教育条件整備についての12点の御質問にお答えいたします。
 最初に、少人数学級のメリットについてですが、小中学校の学級編制に関しては、現在、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に示された学級編制の標準を参考に、県がその基準を定めています。
 これに基づき国の施策による小学校1、2年生の35人学級に加え、小学校3年生から中学校3年生までについても、静岡式35人学級とし、全学年で少人数学級編制を実施しています。
 実際に少人数学級を実施した学校からの報告では、きめ細やかに個に応じた支援をすることで、学習意欲が向上し、基礎的な学力を伸ばすことができた。学級担任がふえたことで、学年内の指導体制が充実したなどのメリットが挙げられております。
 次に、少人数学級の今後の進め方についてですが、教員が一人一人の子供と向き合うことができる環境を整えていくためにも、静岡式35人学級などの少人数学級編制のよさを今後も引き継ぐとともに、現場の声にも耳を傾け、有効性を検証していきながら、進めることが重要であると考えております。
 次に、本年度の教諭と臨時講師の人数についてですが、5月1日現在の小学校教諭1,419人、中学校教諭810人に対し、臨時講師は小学校119人、中学校104人です。全体では、教諭2,229人対して臨時講師223人です。
 次に、学校現場における教員の長時間勤務の状況についてですが、平成26年度の長時間勤務者の実態調査の結果、時間外勤務者が最も多い6月時点で見ると、1カ月で100時間を超えた教員が271人、2カ月連続で80時間を超えた教員が146人、3カ月連続で45時間を超えた教員が753人でした。
 主な要因といたしましては、教材研究や成績処理、学習指導などのほか、中学校においては部活動や生徒指導などが挙げられます。
 次に、教員の負担軽減に向けた対応についてですが、学校には、学校行事や会議の見直し、部活動における活動日数の適正化、定時退勤日の実施を引き続き指導してまいります。
 また、業務の効率化に大きく寄与することが期待される校務支援システムの整備を進めるとともに、技術的な側面から部活動顧問を補佐する部活動指導員、専門的な知識と経験を有するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの外部人材や、生徒指導を補佐する非常勤講師の配置などに今後も努めてまいります。
 次に、小中一貫教育の教育的効果を検証したのかについてですが、教育委員会では2年間をかけ、小中一貫教育について十分に検討を進めてまいりました。
 平成26年度には、先進自治体である品川区やつくば市の事例調査、文部科学省の行った小中一貫教育に係る全国調査の分析等を行いました。
 平成27年度には、大学教授や保護者、地域住民の代表等を構成員とする、静岡市小中一貫教育のあり方協議会を設置し、26年度の検討結果をもとに議論を進めてまいりました。
 また、本市では、平成21年度より小中連携研修に取り組んでおり、小学校の教職員には、9年間で子供たちを育てるという意識が広がりつつあります。
 このように、先進事例の分析、外部有識者や関係者との協議、小中連携研修の成果も踏まえ、小中一貫教育は学力の向上や、いわゆる中1ギャップの緩和といった効果を得ることのできる教育施策の1つであると判断し、推進していくことにいたしました。
 次に、小中一貫教育を推進する上での2つの課題の解決の見通しです。議員御指摘のとおり、施設一体型小中一貫校では、小学校高学年のリーダー性が薄れるのではないかという懸念がありますが、小中の9年間の中で、これまで以上にリーダーシップを発揮する行事をふやすことなどで、解消できるものと考えております。
 また、教員の多忙化については、例えば、学校業務や部活動のさらなる見直し、校務支援システムの活用などにより、軽減できるものと考えております。
 次に、今後も小中一貫教育について多角的な議論をすべきとのことですが、平成28年度には、各学校における教育課程の編成方針とひな形となる、仮称静岡型小中一貫教育カリキュラムを策定するなど、小中一貫教育の準備を進めてまいります。
 このカリキュラムの策定に当たっては、地域住民、保護者、教職員の代表などに入っていただく協議会を設置いたします。
 また、平成27年度に開催した教育委員会版タウンミーティングである移動教育委員会を28年度も引き続き開催し、広く市民の皆さんの意見を取り入れていきたいと考えております。
 さらに、静岡型小中一貫教育に対する市民の皆さんの理解、協力が得られるよう、今後も自治会連合会やPTA連絡協議会、校長会などとの意見交換の場を積極的に設定していきたいと考えております。
 次に、学校司書の配置拡充についてですが、本市では、6学級以上の学校103校全てに学校司書1人を配置しております。
 さらに、学校司書の確保が難しい山間地域の5学級以下の小規模校2校にも併任として配置を進めることにより、合計で105校に配置しております。
 これは、静岡市教育振興基本計画策定前の平成21年度と比較して、24校の増加となっております。
 1人の学校司書が近隣2校を併任している場合においても、図書館の環境改善等の効果が見られ、貸し出し冊数や来館人数が増加しているという報告を受けております。
 今後も複数校の併任を視野に入れながら、小規模校への学校司書の配置拡充を目指してまいりたいと考えております。
 次に、学校司書の研究内容や市立図書館との連携についてですが、学校司書の専門的な知識や技能の向上を目指して、年に3回、学校図書館研修会を行っています。この研修会では、まず、学校図書館には、学習センター及び読書センター等の機能が求められていることを理解します。そして、これらの機能を果たすために、各教科等における図書館利用を促す具体的な方策や、子供たちが積極的に本を手にしたくなるような環境整備について学びます。
 また、市立図書館の職員を講師に招き、専門的な知識や技能を学ぶ場も設けています。
 平成27年度は、子供に本への関心を持たせる具体的な方法を学び、実演を通して理解を深めることができました。
 今後も、市立図書館と連携しながら、学校司書の専門的な知識や技能の向上を目指していきたいと考えております。
 次に、入学準備金の支給時期の前倒しについてですが、本市の就学援助制度では、4月までに就学援助の申請をし、認定を受けた新入学生の保護者に対して入学準備金を7月に支給しております。
 この入学準備金の支給時期を前倒しすることは、認定事務を適正に行うための期間が確保できないため、困難な状況でございます。
 しかし、他市では本市より早い時期に支給しているところもあることから、今後は本市におきましても調査、研究を行ってまいりたいと考えております。
 最後に、生活保護基準引き下げによる影響が生じないための手だてについてですが、平成25年8月に、生活保護基準の引き下げが実施された際に、国において生活保護基準の引き下げに伴う、他制度への影響については、それぞれの制度の趣旨や目的、実態等を十分に考慮しながら、できる限りその影響が及ばないように対応する方針が示されております。
 この方針を受け、本市においても就学援助を受けている児童生徒の保護者が生活保護基準の引き下げに伴い、就学援助を打ち切られることのないよう対応してまいりました。

◯総務局長(三宅 衛君) 平和行政について、どのように進めていくかについてですが、本市では、静岡市平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念のもと、教育や文化、スポーツ、国際交流など、行政が行うさまざまな場面に平和の理念に沿って事業を進めています。
 昨年は、戦後70年の節目の年ということもあり、8月に静岡市民ギャラリーにおいて、教育委員会及び静岡市平和資料館をつくる会との共催により、戦争と静岡展を開催いたしました。5日間で約2,000人の方が来場され、来場者からは本市における戦争の悲惨さを知る機会が得られたなどの声を多くいただきました。
 さらに、この2月には、「中東和平プロジェクトin静岡」が開催され、市民の皆さんとの交流を通じて、平和のとうとさを再認識するとともに、国際社会や異文化への理解を深めたところです。
 これからも全ての市民の皆さんが国籍や文化、性別、障害の有無などの違いを乗り越え、その多様性を社会の豊かさとし、交流することにより、誰もが笑顔でともに生きる平和な地域社会づくりに取り組んでいきたいと考えております。