◯12番(寺尾 昭君) 提案者であります日本共産党市会議員団5名を代表いたしまして、国民健康保険に関する意見書の提案理由説明を行います。
今回の意見書の内容は、1つ目が定率国庫負担を引き上げること、2つ目が子供の均等割保険料の軽減措置を導入すること、3つ目が自治体が実施しております独自の保険料減免措置をこれを尊重すること、この3項目であります。
国民健康保険の運営をこれまでの市町村単位から都道府県単位に移行する目的は、幾つかあるわけですけれども、主には慢性的な赤字運営をスケールメリットにより改善させるためと言われております。しかし、もともとの赤字体質の市町村国保を幾ら寄せ集めても根本的な問題をクリアすることなしに解決には結びつかないということは、自明の理であります。国保はその加入者が高齢者や自営業者、非正規労働者などの低所得者層の比率が高く、保険料が高くなるのはその構造的な原因にあると言われております。にもかかわらず国がこの間、国保への国費投入をそれまでの国保財政比率2分の1程度あったわけでありますけれども、これを約半分に減らすと、4分の1の引き下げが一層国保料の高騰を招くということになったわけであります。
現在、国は医療費抑制の効果などに応じて都道府県と市町村に500億円ずつ、計1,000億円の財政措置を行うと言っております。そのやり方は、加入者1人当たりの医療費が低い自治体、保険料の収納率が非常にいいところを評価して配分をすると言っておりまして、保険料負担の軽減ということはなかなか言いがたいと言っていいのではないかと思うんです。
国庫負担の引き上げについては、この静岡市議会でもこれまで全会一致で意見書を採択したという経緯があるわけであります。しかし、残念ながらその後もこの点については改善されていないのがこれまでの経緯であります。
国保料は、とりわけ所得の低い方への負担が高いということがその特徴となっております。国保料の算定をしていくときに所得割、平等割、均等割という計算方法があるわけでありますが、とりわけその均等割が問題でありまして、国保世帯の中には所得が全くない子供も均等割の計算をされております。これが非常に負担を大きくしている原因にもなっている、ここはやはり軽減措置が必要ではないかということを国に求めたいということであります。
これまで市町村が負担軽減のために独自に行ってまいりました一般会計からの繰り入れ、法定外の繰り入れというようなことでありますけれども、これは今後、制限をしていくんだと言われているんですよね。国や県から圧力が強まることが当然予測をされるわけで、これがまた保険料が一層高くなる原因にもなっていくと言う、心配の声が非常に大きく上がっているわけであります。
国や県、国保の都道府県単位化によりまして、当面激変緩和措置をすると言っております。これは逆に言いますと激変緩和せざるを得ないほど市民負担増がふえていくことが予測されるという、この裏返しだということにほかならないわけであります。しかも激変緩和というのは、当然期間が限られてきているわけであります。根本的な解決策、先ほど言いましたような根本的な解決策がどうしても必要だと言わざるを得ません。
都道府県化ということが今回、制度の切りかえになるわけです。制度の切りかえ時というのが実はこのチャンスだと、改善のチャンスだともいえるわけであります。タイムリーな意見書が必要だと言っていいのではないでしょうか。
本議会がこの意見書をぜひ採択していただくことを強調いたしまして、提案理由の説明といたします。よろしくお願いいたします。