11月 -反対討論-

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 日本共産党市議団を代表いたしまして、上程されております議案第155号静岡市知的障害者福祉施設条例の一部改正について、第156号静岡市重度障害者生活訓練ホーム条例の一部改正についての2議案について反対討論を行います。
 議案第155号はわらしな学園を、第156号はわらしなロッジの現在の市による管理運営を名実ともに民間に譲渡するというものであります。これまでの議論で明らかになったことは、市有財産である土地は無償貸し付け、建物は無償譲与という方法で財産を譲渡し、施設の管理運営を全面的に民間に丸投げするという、いわゆる完全民営化というものであり、これは公的責任の放棄そのものだと言わざるを得ないわけであります。
 これまで当局は、利用者など関係者の理解は得られているとの説明でありました。9月24日及び26日に行ったというふうに聞いておりますが、そこでの資料によりますと、静岡市わらしな学園の法人移管に係る利用者保護者説明会資料というものがありますが、アンケートの回答数は利用者の9割、そのうち8割の方々には法人移管とはどういうことかということについて理解をしていただいたとなっております。つまり利用者の7割ですね、九八、七十二ですから、約7割ということになりますが、法人移管とはどういうことかについて理解をしていただいたということでありますから、必ずしも賛成、賛意が得られたという意味をなしていないということになるのではないか。つまり賛否を問うアンケートではなかったと解さざるを得ないわけであります。わらしな学園そのものを民間の法人に全面的に譲り渡してしまうということに同意されたと解釈できないということであります。つまり依然として民営化について大きな不安を利用者の皆さんは抱いていると言っていいのではないかと思います。
 また、同じ説明資料によりますと、市の財政負担を軽減するためというのも1つの理由になっております。しかし、先日の厚生委員会では、昨年度、わらしな学園は8,000万円の収益があったという説明がありました。障害者福祉施設で大変多額な収益があったということもちょっと理解しがたいといいましょうか、驚きでありますけれども、しかし、逆に言えば、市の財政負担の軽減ということに本当になるんだろうかなという疑問もわくわけであります。市が管理運営をやっても、これだったら財政負担よりはむしろ利益が上がるということになるんではないでしょうか。
 今でも、そしてまた施設からの追い出しというようなこともあると利用者からは聞いております。今後、民間任せになった場合の不安は拭い去ることはできないというのが、この率直な思いだというふうに語っておられます。
 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律という法律があります。その第2条に障害者福祉に係る市町村等の責務をうたっております。民間団体に全面的に管理運営を任せてしまった場合に、この法律で定めた市の責務を果たすことができるのか、その保証の限りではないと言えるのではないでしょうか。厚生委員会の質疑でも、民間法人にこの管理運営を任せるとなった場合には、市がどのような指導責任をこれから果たしていくのか、市の手からも離れてしまうわけですから、そこにはやはり説得力のある説明が必要でありますけれども、なかなかそういう説得力ある答弁には、私はなっていなかったと思います。
 アセットマネジメント基本方針というのが掲げられて、公共施設の削減が今進んでいるわけであります。PPPあるいはPFI、指定管理者制度などさまざまな方法、手法が導入されておりますが、民営化はこの最もその行き着く手法ということになるわけです。とりわけ障害者福祉施設は、公的責任が求められる施設ではないでしょうか。民営化は、そういう意味では本当に最大限の慎重さが求められると言っていいと思います。
 憲法第25条にこういうふうに書いてあります。これは生存権の保障という条項になりますが、その第2項に、国、これはなかんずく地方公共団体ということにもなるわけですが、「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」、つまり地方公共団体などの責務をそこでうたっているわけであります。静岡市が今やるべきことは、民営化ではなく、法に基づいてその役割を果たしていくことが重要ではないでしょうか。
 わらしな学園及びわらしなロッジの民営化はもう強行すべきではない。このことを重ねて強調をいたしまして、両議案に対する反対討論ということにいたします。