◯24番(鈴木節子君) おはようございます。
では、通告に従い2つのテーマで質問します。
初めに、子どもの貧困対策についてです。
日本の子供の貧困率は13.9%、子供の7人に1人が相対的貧困状態に置かれ、OECD35カ国中9番目と高く、362万人もの子供が貧困ライン以下で暮らしています。
子どもの権利条約を批准し、憲法第25条がある国で、このような状態が続く背景には、1つに低賃金、不安定雇用の拡大による低所得層の増大、2つには、消費税増税、社会保障制度の後退による国民負担の増加、3つには、保育の受け皿不足、教育費負担増など、子育て、教育を社会的に保障する制度の縮小などが挙げられます。
根本的要因は、国策にありますが、なぜ深刻化、拡大されたのか、原因を究明し、子供の現状を正面から捉え、解決への道を探る本気度が国や自治体に問われています。
本市は子どもの貧困対策推進計画の見直しに当たり、パブリックコメントを実施中です。多くの市民が関心を持って意見を寄せることにより、社会と行政が共通認識を持ち、実効ある手だてにすることが求められています。
お手元に資料を配布しましたので、参考にしてください。
国は、2013年6月、子供の貧困対策の推進に関する法律を制定し、翌8月には大綱を制定しました。しかし、貧困の概念が不明確で、改善のための数値目標と具体的改善策が一切示されず、現状分析で終わっています。行政サイドに求められているのは、改善のための課題と具体的な数値目標を明らかにした子供の貧困の改善、解決のための政策形成です。
質問の1点目に、策定から3年経過した子どもの貧困対策推進計画の見直しをどういう観点で、どのような趣旨で行うのか、伺います。
2点目に、昨年夏、子供のいる世帯の状況を把握するために、子供の生活実態調査を行いました。調査により浮き彫りになった困難を抱えていたり、抱えやすい子供や家庭の特徴、課題、また支援に当たっての課題は何かを伺います。
3点目に、制度の周知、支援体制、関係機関の連携、相談窓口体制についてです。
子どもの貧困対策は、子ども未来局、保健福祉長寿局、教育局の3局で連携して行っています。それぞれの局が所管事務に沿って事業を展開しているため、本来なら貧困対策とは言えない事業、例えば放課後児童クラブ、放課後子ども教室などの施策が紛れ込み、子どもの貧困対策としてクローズアップされるべき施策が隠れてしまい、支援を求めている家庭にストレートにつながらないという問題もあります。
また、支援制度を知らない、申請窓口がわからない、申請できる人がいない、どこに相談に行っていいのかわからないという理由で、支援につながっていない家庭もあります。調査によって浮き彫りになった制度周知、相談窓口、関係機関の連携について課題は何か、伺います。
4点目に、現在の施策の目標値の検証についてです。
現計画は、平成31年度までの目標値が事業ごとに設定されています。改善目標を定め、いつまでに達成するのかを示していることは評価できますが、毎年目標値に対する進みぐあい、到達などを確認、把握し、課題は何かなど検証を行い、適切な対策を立てているのかを伺います。
続いて、市民文化会館の再整備について質問します。
今年度、まちづくり懇話会が施設のあり方、施設構成、規模などについて意見交換した内容を踏まえ、再整備の最終決定は来年度以降の基本構想につなげることになっています。
議論では、文化・スポーツ拠点施設として突如アリーナ構想が持ち上がり、現在の市民文化会館の役割を従来どおり担うか、アリーナのような新たな役割を担うか、再整理する目的で議論されました。
今回の質問は、市民の文化芸術活動のシンボルとして位置づいてきたホールの役割と存続方針、規模の検討過程について質問します。
1点目に、現市民文化会館は1,200席の中ホール、2,000席の大ホール、このホール機能があり、40年間、演劇、音楽鑑賞、講演会や舞台芸術、古典芸能、創作活動の拠点として市民に親しまれてきた施設です。市民にとってはコンサートや演劇など、鑑賞の中心は市民文化会館です。中高生や高校生のブラスバンド、合唱、コーラス発表など、世代を超えて市民が活用してきました。
文化振興の観点から、市民文化会館のホール機能が担ってきた役割を含め今後の存続について考え方をお示しください。
以上、1回目です。
◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目、市民文化会館の再整備について、ホールの存続についてどのように考えているのかと、質問にお答えをいたします。
初めに、私から申し上げたいことは、市民文化会館の施設整備に当たって、アリーナとともに800席規模のホールは必要だということであります。
議員御指摘のとおり、今年度有識者懇談会を開催し、市民文化会館の再整備について検討を進めていただきました。その公共性と事業性の両立という観点から、800席規模のホールと2,000席規模のホールの併設が有効であるという御意見もいただいているところであります。
私は、広報課の主催でずっと市長とお茶カフェ&ランチトークという少人数の方々との会合を重ねておりますが、ちょうど2年前の1月に、演劇鑑賞が根づいたまちづくりをテーマに、NPO法人の有志の方々と議論をし、五大構想でまちは劇場というものを打ち立てようとしているやさきでありましたので、大変いろいろなヒントをいただきました。これの母体となるNPOの方々は昭和33年といいますから1958年、ことし創立60周年を迎えるわけですね。長きにわたって静岡市民に対して質の高い演劇を提供してきた、あるいは観客としてその文化を担ってきたという演劇を愛する方々ばかりでありました。
その方々からいろいろ学ばせていただいたのは、この800席規模の演劇空間というのがプロの演者と観客が一体となれるような劇場空間になりますし、またアマチュアの団体の発表の機会としても、とてもいいサイズなんだということであります。
ですので議員御指摘のとおり、これはこういう方々が今まで市民文化会館を守ってきてくださったならば、それをこれからも存続をしていかなければならないなというふうに思っております。
きのうも温故知新、古きを温めて新しきを知ると明治維新150年の節目なんだということを申し上げましたが、これもそういうことなんですね。こうやって伝統といいますか、それを守ってきてくださった市井の演劇を愛する方々にやはり敬意を表して、そしてそれを未来につなげていくというのも、私どもの責任だろうというふうに思っています。
一方で、伝統と革新、つまり古きよきものというものは守っていかなきゃいけないけれども、時代は刻々と変わる、世界レベルの歴史文化拠点をつくっていく、そのためにはやはり大規模なコンサート、イベントができるアリーナということも必要であります。そういう伝統と革新をどう両立をさせていくかということがこれから市民文化会館を発展させていくポイントになるのではないかなというのが私の認識です。
私は保守の立場でありますが、何か逆転をしているようでありますけれども、今まで伝統を守ってくださった、そういう方々の古きよきものというものを議員と同じように大事にしていきたいし、またこれから新しい時代を切り開いていくという意味でも、アリーナ化を視野に入れた新しい市民文化会館のあり方ということも追い求めていきたいなというふうに思っています。
その中で、平昌の冬季オリンピックが終わったばかりでありますけれども、そこで大規模なスポーツイベントが行われるスポーツの力とか、音楽の力、演劇の力というのは人々の心を一つにする、平和の灯をともすという大事な機能を持っているというふうに私は思っています。
徳川家康公の築いた駿府城址の一角に、その平和のとうとさというものを発信していく、それが大規模な音楽コンサートであろうとあるいは演劇であろうと、あるいはスポーツイベントであろうと、それがこれから歴史文化拠点、SDGsの実現という立場から大変大事なことであろうかというふうに私は考えております。御理解をお願いしたいと存じます。
また、演劇を愛する方々にそんな市長の気持ちをよろしくお伝えをいただきたいというふうに思います。
今後は、2020年代の半ばの市民文化会館の完成を目指し、さらに多角的に検討を進め、市民の皆さんが、今までの市民文化会館がそうであった以上に、これからもその建物に愛着と誇りを持てるような設備に再整備をしてまいりたいと思います。
以下は局長から答弁させます。
◯子ども未来局長(石野弘康君) 子供の貧困対策に関する4点の御質問にお答えします。
まず、静岡市子どもの貧困対策推進計画の見直しの趣旨についてですが、本市では平成26年度末に策定した静岡市子ども・子育て支援プランにいち早く、子どもの貧困対策推進計画を位置づけ、27年度から31年度までを計画期間として、総合的な子供の貧困対策を推進してきました。
そして、現計画をより実効性のある取り組みとして実施していくため、本年度、子供や世帯状況のより詳細な現状把握のための実態調査を行いました。
さらに、総合教育会議などでの議論を踏まえ、今後2年間で子どもの貧困対策を一層推し進めるため、今回、事業の拡充などについて計画の見直しを行うものであります。
次に、子供の生活実態調査によって、浮き彫りになった課題についてですが、困難を抱える子供には勉強におくれが見られる、学校の授業に集中できないあるいは基本的な生活習慣が身についていない、生活リズムに乱れがある、他者とのかかわりがうまくできないなどの課題が浮かび上がりました。
また、困難を抱える家庭の保護者においては、子供とのかかわりが少ない、心身の不調を抱えている、身近に相談できる場所がないあるいは相手がいないと感じるなど、子供、保護者ともにさまざまな課題を抱えていることがわかりました。
そして、支援に当たっても、次に述べますが、課題を抱えていることがわかりました。
次に、制度の周知などに関する課題についてですが、今回の調査から制度の周知についての課題としては、支援の対象となり得る家庭でも、就学援助や奨学金、スクールソーシャルワーカーといった制度を知らないと答える割合が一定程度あるなど、情報が十分に届いていないということがわかりました。
また、相談窓口については、どこに相談していいのかがわからない、忙しくて相談できないなど、相談場所や時間に関する課題があり、関係機関の連携については、お互いの話し合いの機会や時間がとりにくいなどの理由により、支援者同士で情報が十分に共有されないことがあるなどといったことが課題としてみえてきました。
最後に、各事業の進みぐあい、把握、検証についてですが、現計画に位置づけている各事業については、毎年度各担当部署において、実績値及び進捗状況を評価し、全事業を取りまとめた上で、静岡市健康福祉審議会児童福祉専門分科会における審議に付し、検証を受けた後、公表しております。
〔24番鈴木節子君登壇〕
◯24番(鈴木節子君) では、2回目の質問ですが、先に市長から今ホールの存続については800席のホールは必要だと考えると、最初に市長から見解が、お答えがありました。
このことは文化活動をされている皆さんにとっては大変心強いお答えですので、市長の今のお言葉を胸に、また多くの皆さんが関心を持っている事業ですので、私も関係者の皆さんにはしっかりとお伝えをして、さらにこの立場で進んでいただきたいと思います。
それでは、2回目の質問をいたします。
まず、子どもの貧困対策についてです。
ひとり親世帯の半数は貧困状態に置かれ、また子育て世帯の低所得化が進んでいます。民間団体の調査では、低所得世帯が経済的理由で諦めた内容の7割は塾や習い事という結果です。子供時代に経済的に困難な状態で生活していた子供が教育を平等に受けることができず、進学したくても諦めざるを得ず、就職機会の不利によって低収入、低労働条件という貧困の連鎖から抜け出せない状態です。この連鎖を断ち切る実効性ある処方箋が必要です。
教育を平等に受ける権利、健康で文化的な生活を受ける権利、また家庭的な食生活を保障するなどの観点から質問していきます。
1点目に、子供の居場所づくり、学習支援についてです。
実態調査に寄せられた子供の声は、勉強がわからないときに教えてくれる場所が欲しい、勉強のための環境をよくしてほしい、勉強ができるフリースペースをふやしてほしいなど、率直な意見です。
また、中高生は家庭で落ちついて勉強できる居場所がないという実態もあります。
子供が1人で通える範囲に学習支援の場所をふやすなどの対策も必要です。
現在、本市では、学習支援、生活支援を行っていますが、各区に1カ所から2カ所ずつしかありません。夜、遠方まで子供1人で通うことは困難です。通いやすいよう箇所や回数をふやすなど、拡充が求められていますが、子供の居場所づくりや学びの支援についてどのような拡充策をとるのか、伺います。
2点目に、健康や食生活の保障についてです。
全国では、新鮮な食材で手づくりの食事を家庭的な雰囲気の中で味わえる子供食堂の取り組みが広がっています。三度の食事がとれない、家族団らんの経験がない、季節の食文化が伝えられないなどへの対策だけではなくて、一緒に食事をとることで、居心地のいい場所ができる、相談相手や友達ができるなど、居場所づくりにつながる効果もあります。運営は主婦、飲食業者、NPOなどがボランティアで運営にかかわっています。
全国では、行政が子供食堂と連携を密にし、支援する動きが広がっています。広島県は、来年度から小学生に朝食を無料で提供する事業を始めます。朝食をとらず、学習面でつまずく傾向を断ち、学力向上につなげる取り組みとして4,000万円を計上しました。
本市の子供食堂は、ボランティアに頼るところが大きいのですが、行政の責任で積極的な支援を行うべきです。
本市の子供食堂は、どういう形で運営され、現状はどうか、市はこの取り組みをどう認識するのか、お聞きします。
また、今後、市の財政支援、連携システムなど公的支援をどう拡充するのか、方針をお聞きします。
3点目に、スクールソーシャルワーカーについてです。
いじめ、不登校や学校でのさまざまな問題を抱える児童生徒に対応するスクールソーシャルワーカーは、学校現場でも教師の支えとなり、児童生徒からも頼られる存在です。これまで数人が拡充され、ふえてはいますが、拡充による効果はどういうものか。また、今後は小学校、中学校だけでなく、こども園や高校まで対象を広げるという説明ですが、今後の拡充や活動方針を伺います。
4点目に、就学援助について質問です。
入学準備金支給が早まり、7月支給から入学前の2月支給に改善されました。また、支給額も倍額になり、入学前に買いそろえることができ、多くの保護者から歓迎されています。この改善は、全国的に広がり、小学校実施は711自治体、4割の自治体に、中学校では856自治体、5割の自治体に広がりました。本市も同様に2月支給が開始されましたが、支給状況を伺います。
また、課題として、就学援助を受けるべき世帯が受給できているのかの検証も必要です。受給率の全国平均は15%です。本市は9%台と低いのはどういう理由によるのでしょうか。
アンケートによると、所得が低いほどこの制度が知られていない傾向があらわれています。本市の受給率の推移と受給すべき世帯に周知を徹底し、活用を促す方策をどうとるのか、方針を伺います。
続いて、市民文化会館の再整備についてです。
全体の議論の方向性はホール機能800席と2,000席、そしてアリーナは5,000席以上と複合施設が基本方針です。多くの市民が心配しているのは800席、2,000席のホールが配置できたとしても、楽屋、リハーサル室、搬入の十分なスペースなど、余裕のある広さ、部屋数が確保できるのか、また建蔽率40%の敷地内に5,000席以上のアリーナを含めた大規模な施設が配置できるのかという点です。
先ほどの市長の大変お心強い答弁は、私たちも大変安心をし、市長にはしっかりとこの立場を委ねるというか、信頼をして、今後も運動しますけれども、800席のホールができたとして、必要な諸施設を本当に確保できるのかという心配があります。限られたスペースにホールともろもろの機能、そしてアリーナが備わるのか、市民の関心はそこにあります。
市長もNPO法人の団体と懇談した際に、いろんなことをもうよく御存じだと思いますけれども、現施設の特徴をもう一度言いますと、あの市民文化会館は搬入、搬出がしやすい、舞台のスペースが広く、大道具の転換がしやすい、楽屋や廊下が広く移動もしやすい、また舞台と客席に一体感があるなど、全国の施設を知り尽くしている劇団から、利用しやすさでは群を抜いてすぐれた施設だと、お墨つきをいただいている施設です。市長もぜひまた多くの劇団の方と懇談をしていただきたいと思いますが、こうしたようにホールの規模の議論と同時に、芸術性を保障するための最低限必要なスペースをどう確保するのかの議論も必要です。利用団体の声などしっかり反映し、使いやすい施設とすべきですが、どのようなプロセスを経て規模を検討するのかを伺います。
以上、2回目の質問です。
◯子ども未来局長(石野弘康君) 子供の貧困対策に関する2点の質問にお答えします。
まず、子供の学びや居場所に関する支援の拡充策についてですが、実態調査により浮かび上がった課題から、子供の状況に応じた多様な学び、体験の支援や家庭、学校だけでない、第三の居場所づくりが重要であると考えました。
そのため、具体的に取り組む事業としては、市の生涯学習施設などを会場として実施する生活困窮世帯などの子供への学習支援について、実施箇所数をふやすとともに、小中学生に加えて高校生にまで対象を拡大します。また、不登校児童生徒の自立に向けた取り組みを支援する適応指導教室を駿河区へ新設し、全区で実施する体制を整えるなど、子供たちが自身の可能性を最大限伸ばし、心身ともに健やかに成長できるよう、必要な事業の拡充を図ってまいります。
次に、子供食堂に関する現状と市の認識、また今後の取り組みについてですが、子供食堂はひとり親家庭など支援が必要な家庭の子供を対象として、食事の提供を主な目的としているものもあれば、子供から高齢者まで幅広い世代を対象として世代間交流や地域のネットワークづくりを主な目的としているものもあるなど、趣旨や目的はさまざまです。
こうした現状を踏まえ、本市として、子供食堂は子供にとっての学校や家庭以外の身近な居場所、人と人とのつながりの場として意義のあるものと認識しております。
また、今後の取り組みとしては、こうした子供食堂に対し、地域による支援の手をより広げていくために、行政としてどのような連携や支援が必要なのか、関係者などと情報交換を初めとした調査研究を進めてまいります。
◯教育局長(望月 久君) 子供の貧困対策について3点お答えします。
まず、スクールソーシャルワーカーの配置拡充によるこれまでの効果と今後の方針についてですが、平成28年度の総合教育会議における子供の貧困対策の議論を踏まえ、29年度はスクールソーシャルワーカーを2名増員し12名といたしました。
12名のスクールソーシャルワーカーは、市内12支部に1名ずつ配置され、それぞれの担当支部内の小中学校を積極的に巡回して学校や家庭を支援しております。
その結果、相談件数は昨年度の同時期と比べて22.4%増加しており、隠れた貧困の掘り起こしにつながっています。
また、教職員が貧困家庭に気づく力を養うため、スクールソーシャルワーカーによる教職員への研修を実施しており、家庭環境に問題を抱える児童生徒の早期発見につながっています。
平成30年度は、新たにスクールソーシャルワーカーが小学校入学に当たって不安を抱えている家庭や、中学校卒業後も相談が必要な生徒や家庭にも支援を広げることで、就学前から中学校卒業後までの切れ目のない支援が行われるよう拡充してまいります。
次に、就学援助制度の入学準備金支給状況についてですが、これまでは入学後の7月に支給していましたが、援助を必要とする時期に速やかに支給が行えるよう、平成30年度入学予定者から2月に入学前支給を開始いたしました。
平成30年度入学予定の新小学1年生では332人、新中学1年生では399人の保護者に対して支給を行っており、8割から9割程度の方が入学前支給を選択しているものと考えられます。
最後に、就学援助受給率の推移についてですが、平成27年度は8.75%、28年度は9.08%、29年度は30年2月現在で9.82%と増加傾向にあります。
また、今後の就学援助制度の周知の取り組みについてですが、新入学児童生徒の保護者に対しては、就学時健康診断や入学説明会、在学している児童生徒の保護者に対しては保護者会などの機会を捉え、全世帯へ周知が行き届くよう徹底しているところです。
なお、平成29年度中に保健福祉長寿局、子ども未来局と連携し作成している就学前から中学卒業後までの切れ目のない支援事業のリーフレットにも掲載し、広く周知に努めてまいります。
◯公共資産統括監(森下 靖君) ホールの規模について、どのようなプロセスを経て決定していくのかについてですが、平成29年度は現市民文化会館の稼働率や公演ごとの入り込み客数、近隣施設との役割分担などから、想定されるホールの規模を検討してまいりました。
今後は、平成30年度に策定する歴史文化の拠点づくりの一翼を担う当該計画地のあるべき姿を示した整備方針を踏まえ、その後に策定予定の基本構想の中で、最適な規模を決定してまいりたいと考えております。
なお、基本構想策定に当たっては、利用者団体へのヒアリングやワークショップを通じてニーズの把握に努めるとともに、市民公募委員を含む検討委員会の開催、さらにはパブリックコメントを実施するなど、さまざまな場面において市民の皆さんの御意見をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
〔24番鈴木節子君登壇〕
◯24番(鈴木節子君) お答えいただきました。では、3回目です。
まず、子供の貧困についてですが、見直し案では、今後2年間で重点的に推進する取り組みを整理し、その中でも特にスピード感を持って進める重点取り組みに、7項目の成果指標をつけました。期限を区切って目標値が設定されているのは、国よりは前向きです。しかし、なぜこのような数値目標値つけたのか、根拠がわかりません。
また、数字を示さずに、ただ減少とか、増加させるという目標もあります。これで効果を検証、評価できるのでしょうか。
質問です。
成果指標はどのような根拠で、どのような意図でつけたのかを伺います。
2点目に、周知の工夫や相談窓口、支援体制についてです。
実態調査では、保護者からどこに相談に行ったらいいのかわからない、どういう制度があるのか知らない、申請の仕方がわからないという声が貧困層に集中しています。支援を必要とする世帯にこそ、ワンストップで対応できる組織づくりが必要です。
来年度から児童生徒支援課が創設されます。事業内容は、健康診断や就学援助など、既存の事業を統合したような印象もあります。ここにぜひ児童生徒支援課として果たすべき役割、集中していただきたいのですが、保護者の声としては、ここに相談に行けば安心して相談できる、手続がスムーズに進む、個々の事業に応対した支援につながるなど、支援を求める側の立場に立った支援体制が必要です。
また、予算や権限を持った独立した組織となっているのでしょうか。支援を必要とする子供や家庭にわかりやすい相談窓口、情報提供、支援体制をどのように充実をさせるのかを伺います。
最後に、要望を申し上げさせていただきます。
魂を入れた子供の貧困対策をするには、思い切った財政投入が必要です。奨学金制度を返済なしの給付制度にするとか、さまざまな問題を抱えた子供や家庭に的確に対応するためには、職員体制の充実も不可欠です。
ちなみに、市長が主張されておられる、この議会でも話題になっておりますSDGsの一番先に掲げられているのは貧困をなくそうです。誰も置いてきぼりにしないと、この精神、私は大変いい精神だとは思いますけれども、この精神でぜひ子供の貧困対策に魂を入れて、そして予算もしっかりと投入をし、そして職員体制もここに充実をさせる、こうした制度体制、組織にしてこそ、子供の貧困対策に魂を入れることができるのではないかと思います。
全ての子供が平等に子供の権利が保障されるよう、貧困対策に魂を入れ、取り組むことを要請いたします。
あわせて、市民文化会館の再整備についてです。
この規模についてどのような検討をしていくのかという質問に対しては、これからですよということでしたけれども、私はホールとしてはしっかりと存続をしていただきたい。
そこにアリーナが入るという市民からの要望も強いことは承知をしています。ただ、あそこの施設は今の建蔽率が40%と聞いておりますので、そこに5,000席以上のアリーナが入って、また今の市民文化会館のホール、全国の劇団から利用しやすいとお褒めをいただいているホール機能、諸室や楽屋やリハーサル室、そして搬入や搬出のしやすい、このようなゆとりのあるスペースをしっかりとる、こうしてそのためにじっくりと期間をかけて検討していただきたいと思います。 せっかくお金をかけてつくる大事業ですので、つくるからには、市民に親しまれる愛される利用しやすい、そして文化芸術活動の拠点となるような施設にするべきだということを申し上げて質問を終わります。
◯子ども未来局長(石野弘康君) 子供の貧困対策についての2点の御質問にお答えします。
まず、成果指標の設定の考え方についてですが、特にスピード感を持って進めていく重点取り組みとして整理した3つの方向性が目指すべき姿を達成できているのか、その効果を数値により検証、評価するものとして7つの指標を設定しました。
今回、子供に関する指標や保護者に関する指標などを複数設定することで、重点取り組みの進捗状況を多面的かつ正確に評価することができ、これを踏まえた適正な進捗管理を進めることにより、支援の推進が図られるものと考えております。
具体的には、子ども若者相談センターにおける相談者の改善率という指標は、困難を抱える子供の状態が支援の拡充によりよい方向に向かう効果が図られる、またスクールソーシャルワーカーが実際に支援を行った子供の数という指標は、制度が周知されていることにより、適切な支援にもつながるという取り組みの効果が図れるものと考えたものです。
次に、支援体制の充実と周知の工夫についてですが、支援体制については支援を必要とする子供や家庭に必要な支援を届けるために、まず困っているという状況に気づき、そして適切な支援機関につなげることが重要であると考えております。
そこで、子供に直接かかわる学校、こども園の教職員の気づく力を高めるための研修を行うほか、支援者同士が顔の見える関係になり、適切に支援がつなげられるよう行政、学校、地域など、関係機関が情報共有、情報交換をする場や機会を設けるなど、支援体制を整えてまいります。
また、周知の工夫については、支援情報をまとめたリーフレットを作成し、保護者みずからがあるいは支援者が活用することで、適切な支援につながるよう努めてまいります。
これらの取り組みを通じ、子供や家庭に必要な支援を確実に届けられるよう、引き続き保健福祉長寿局、教育局及び子ども未来局が連携して、施策を推進してまいります。