清水LNG火力発電所、環境影響評価法について、学校給食について

1番(望月賢一郎君) 午前中、最後の質問となります。端的に質問をしますので、

聞いてください。


 去る2月21日、この本会議場におきまして、2万5,829名から提出された駅前LNG火力発電所建設反対決議を求める請願が不採択となりました。
 この清水LNG火力発電所の問題について、本日は行政当局の見解を伺いたいと思います。
 まず、この請願の提出とともに公表された住民意向調査について質問いたします。
 この発電所の建設に反対する市民団体は、建設予定地周辺の江尻、辻、袖師の各地域で住民意向調査を実施し、その結果をまとめ、請願の提出とともに結果を公表しております。皆様のお手元に資料として配布いたしましたものがその調査結果であります。
 この調査は、市民団体の皆さんが毎週末に調査地域を決め、2人1組で各戸を訪問し、LNG火力発電所について賛成、反対、わからないについて聞き取りを行ったものです。この結果をまとめた後、静岡大学人文科学部の統計学の専門家にこの調査の手法、処理方法について、見てもらったところこの結果、おおむねこの地域の住民の意向を反映したものだと、こういう評価を受けたとのことです。
 この調査は2016年に江尻地域、2017年に辻地域、そしてことし2018年に入って袖師地域の西久保、袖師、横砂というように、発電所建設予定地を取り囲む全ての地域で行われました。全体で1,102世帯の回答を得ています。
 その結果は、カラーで印刷した面の円グラフにあるとおり、55%から71%の住民が建設に反対という結果になっております。また、昨年11月には、一昨年調査が行われた江尻地域の伝馬町自治会が自治会独自の調査を実施しております。結果は資料の裏面下段に掲載してあります。
 これによりますと、回答者の88%がこの計画に反対ということになっております。一昨年の時点では江尻地域全体ですが、反対が55%という結果でした。ですから、この2年間でわからない、賛成が大幅に減り、反対がふえていることがわかります。2年前というのは、環境影響評価方法書手続が終わったばかりで、住民もこの問題について、まだ具体的によくわからないという時点の調査です。
 その後、マスコミ等でこの問題が徐々に取り上げられ、昨年は川勝静岡県知事や田辺市長の意見表明があり、関心が高まってまいりました。
 また、この間、市民団体による地域を対象にしたチラシ配布や学習会なども数多く、地道に取り組まれてきました。こうした中で、この計画について住民が知れば知るほど反対がふえるという状況になっているわけです。
 また、当初、賛成理由の中で多かった清水の経済活性化につながるのではないかという意見も、逆にマイナス効果のほうが大きいということがわかってきたということもあると思います。これは同じ、江尻地域の本郷町大規模店舗跡地再開発計画、これは西友跡地の開発計画ですが、この状況を目の当たりにしているということもあると思います。
 また、資料裏面上段にあるのは、駅前の高層マンションを含む辻地区大和町自治会の反対決議と採択状況です。この高層マンションは、さきの環境影響評価方法書の市長意見の中で、特に大気質の面で影響を考慮し、評価すべきと指摘されたマンションです。請願の賛成討論でも述べましたが、このマンションの住民は、この市長意見をもとに事業者に測定器の設置を要求したわけですが、事業者は拒否したということであります。
 こうしたことから、今回、圧倒的多数の賛成で白紙撤回要求が採択をされております。こうした住民意向調査の結果、自治会の意向調査や反対決議で、建設予定地周辺の住民の意思は明確に示されていると思います。市民団体では、このチラシを1万1,000枚印刷して対象地域の全戸に自力でポスティングをするとのことです。
 つきましては、まずこの調査結果に対する当局の見解をお伺いしたいと思います。
 もう1点伺います。
 この調査結果から見れば、昨年8月に田辺市長が行った、この発電所計画について、私どもが進めようとするまちづくりの方向と一致するものにはなっていない、事業者に計画の見直しを要請するとした意見表明は、住民の意向を反映した妥当なものであったと言えると思います。住民の声を市長が受けとめるのは当然のことであります。
 そこで、端的にお伺いをいたします。
 市長の意見表明から7カ月が過ぎました。現在も静岡市当局は、昨年8月の市長の意見表明の考えに変わりはないでしょうか。
 以上、2点お伺いします。

◯企画局長(松永秀昭君) 清水LNG火力発電所と清水都心まちづくりに関する2点の御質問にお答えいたします。
 まず、住民意向調査に対する受けとめについてですが、このような調査を1,700を超える世帯に戸別訪問して行った熱意と行動に触れ、市と同じくいいまちづくりをしていきたいという市民の皆さんの思いのあらわれを感じたところでございます。
 今後も官民問わず、各種の事業計画にさまざまなお考えがあることを念頭に、官民産学皆さんとともにまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。
 次に、火力発電所に係る昨年8月の市長発言についてですが、事業者から示されている計画は、市が進めようとしているまちづくりの方向性と一致するものになっていないという考えから、計画の見直しを含めて再考いただきたいという見解を示したものです。現在もその考えに変更はございません。
  〔1番望月賢一郎君登壇〕

◯1番(望月賢一郎君) ただいま答弁をいただきました。住民意向調査については、市民の熱意に触れ、いいまちづくりをしていきたいという市民の思いを感じたということです。
 しかし、ただ単に熱意や思いを感じるだけでなく、建設予定地周辺住民の多数がこの計画に反対であることをしっかりと受けとめていただきたいと思います。
 昨年8月の市長発言については、現在もその考えに変更はないと、明確に御答弁をいただきました。
 それでは次に、この計画の許認可に欠かせない環境影響評価法についてお伺いをしたいと思います。
 先般の駅前LNG火力発電所建設中止を求める決議の請願が議会運営委員会で審査された際の討論で、委員から次のような発言がありました。
 現在、準備書が出ていない段階で、詳細のわからない中で、判断は今のところ早いだろうという認識、また別の委員からはLNG火力発電所の建設の可否ということについては、環境影響評価の手続を初め適正な法律の手段によって判断をされていくべきものであるとの発言もありました。
 そこでお聞きします。
 そもそもこの環境影響評価法の目的とは一体何でしょうか。
 さらに、この環境影響評価法の手続において、事業の可否を問うことは一体可能でしょうか。準備書を検討して問題があるから、この計画を許可しないということができるのでしょうか。
 以上、2点について質問をいたします。

◯環境局長(糟屋眞弘君) 環境影響評価法の目的と事業の可否に関する御質問についてお答えをさせていただきます。
 この法律の目的は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業に関して環境影響評価の手続を定め、地方公共団体などの関係機関や住民等の関与を求めつつ、事業が環境の保全に十分配慮して行われるようにすることです。したがいまして、この法律に基づく手続では、事業そのものの可否を問うことはできないものと認識しております。
  〔1番望月賢一郎君登壇〕

◯1番(望月賢一郎君) ただいま環境局の答弁がありました。環境影響評価法というのは、いわゆる手続法であります。その目的は今、環境局長がおっしゃったとおり、事業に関して関係機関や住民の関与を求めつつ、環境の保全に十分配慮して事業が行われるようにするということであります。まさに事業が行われるようにすることが目的なのです。したがいまして、環境局長がおっしゃったとおり、環境影響評価法に基づく手続では、事業そのものの可否を問うことはできないということです。この点は非常に重大です。
 環境評価の手続が再開された時点で、もうこの計画はとめられないということになるわけです。
 去る2月28日、東京のJXTGエネルギー本社に市民団体のメンバー23名が出向き、代表6名が本社ビルに入り、担当者と面談申し入れを行いました。面談を行った感想では、準備書はいつ出てもおかしくない状況だということです。
 一方で、昨年9月の記者会見で、事業者が出すと言った見直し案はまだ出ておりません。この見直し案が出ていない状況で、準備書だけを提出するようなことはあってはならないと思います。
 また、見直し案については、行政や市民がこの内容を検討する時間も必要になってくると思います。拙速な準備書の提出とならないよう、行政当局は事業者に十分周知をしていただきたいと思います。
 次に、学校給食についてであります。
 現在、静岡市の学校給食の提供について、特に清水区では、大まかに小学校は自校調理方式、中学校は校外調理方式というように認識をしております。平成31年度からは、中学校の給食が東部学校給食センターを活用してスタートして、各中学校の受け入れ施設の整備が今年度に引き続き来年度も行われる予定です。
 現在の校外調理方式というのは、いわゆる弁当給食です。年度初めあるいは学期初めに希望者を募り、校外で調理された弁当が配食される。その他の児童は自分で食事を持参するということで今までやってきたわけです。この校外調理方式は、注文率が低いことや注文が任意であることから、全員そろったものが食べられないという食育上の問題、さらに弁当が冷たいなど、さまざまな問題が指摘をされてきました。今回弁当給食が解消され、清水区の全中学校で正規の学校給食が行われる見通しとなったことについて、日本共産党静岡市議団は、現状からの改善と評価をしております。何でも反対ではありません。
 清水の小学校については、長年、自校調理方式が行われてきました。私も清水の辻小学校の出身でありますが、小学校のころは昼が近くなると給食室のほうから何ともいいにおいがしてきます。前を通ると調理員の方が給食をつくっているのが窓越しに見えるわけです。当時は食育という言葉はありませんでしたが、自校調理方式にはそれに通じるものがあると思います。
 お隣の富士市では、この自校調理方式を合併した旧富士川地域を除く全小中学校で実施をし、地元産の食材の使用割合も非常に高くなっています。
 静岡市の総合教育会議の学校給食関連の中で、地元産食材の活用による全国学校給食甲子園の出場なども議論されています。
 ここで、私の経験を話させていただきます。
 私は、議員になる前は、清水区の水産加工会社の役員をしておりました。主力の事業は、学校給食向けの水産加工品の製造で、安価な中国産やベトナム産に対抗するため、代表質問で志政会の池邨議員からも紹介があった由比の西倉沢、この定置網で漁獲された魚を学校給食に加工するという仕事をやっていました。当然地元の水産資源を有効に活用したい、地域に貢献したいという思いもありました。
 今から3年前の2015年7月、静岡市から卸会社を通して家康公没後400周年を記念したメニューをつくりたい、ついてはセグロイワシの唐揚げをつけたいが、市内産のものでできないかという問い合わせがありました。由比の定置網では毎年6月から8月半ばにかけて、量は多くありませんが、セグロイワシが漁獲されます。1尾ずつ凍結するIDFという方式で凍結した後、魚というのは当然サイズの大小がありますので、その中から規格サイズを選別していくわけです。使用は9月ということで少しずつやれば間に合うだろうと判断して仕事を受けたわけです。ところが、予定数量の8割程度ができた時点で、全くイワシがとれなくなってしまいました。台風などで海がしけると、その後、漁獲される魚が全く変わってしまうことがあります。漁業関係者はこうしたことを海が変わるというふうに言っていましたが、まさにそういう状況になったわけです。当然、卸会社からはひどいかなりの叱責を受け、静岡市に対しても何枚もおわびの顛末書を書くなど、その後の対応で大変苦労をしました。大型センターの場合、数量が間に合わなければこういうことになります。
 自然を相手にした水産物はそうですが、農産物も同じことが言えると思います。地元産を使おうとすれば、こういうことが起こります。
 一方、自校方式、自校調理方式、小規模センターの場合には、不足分については卸会社が漁獲の状況などを説明し、サイズを変えてもらう、最悪の場合は魚種を変更してもらうなどの対応ができます。
 このように地元産食材の供給サイドから見て、地元産の食材を有効に使うという点では、自校調理方式あるいは同じ学区内の小中学校を組み合わせた親子方式などの小規模センターに利点があると言えます。
 清水の学校調理室の老朽化の問題もあり、整備が急がれていると思いますが、静岡市の公立小中学校の給食の現状とその中で今後の清水区の方向性についてどのように考えているか、お聞かせください。
 以上で質問を終わります。

◯教育局長(望月 久君) 学校給食の提供の現状についてですが、現在市内ではセンター方式、自校方式、校外調理方式という異なる方法で給食が提供されており、食育の一環として、どの学校に通っていても同じようにおいしい給食が提供できるように、ハード、ソフトの両面からの取り組みを実施しております。
 ハード面としては、学校給食センターの整備による安心・安全な給食の提供、ソフト面としては地産地消や伝統的食文化などを取り入れた静岡ならではの献立の提供とさらなる食育の推進に取り組み、日本一おいしい学校給食の提供を目指しております。
 今後の清水地区の方向性については、まずは校外調理方式を解消し、平成31年4月より東部学校給食センターからの提供に移行するための準備を進めております。
 また、将来の児童・生徒数の推移や民間活力の導入、既存施設の有効活用などを考慮し、センター化を進め、より安心・安全な給食の提供、食育の充実に取り組んでまいります。