清水庁舎の移転計画について、三保半島の道路整備について

◯37番(内田隆典君) 通告しています3点について質問をいたします。

 最初に、市長の政治姿勢についてであります。
 私は、最近の市長の市民への対応について、大変疑問を持っております。今回でも何人かの議員からパブリックコメントについての対応がただされました。
 それは、1月25日の記者会見で基本構想のパブリックコメントに関係し、反対意見が多数寄せられた場合についても、方針の変更はないと明言したからであります。私は大変傲慢な態度だと思います。
 いま1つは、11月議会での答弁についてであります。11月議会で風間議員の質問に対し、保健福祉長寿局長は、津波浸水想定区域内への病院などの施設への誘導についての質問に対し、「病院や高齢者施設などの福祉施設は津波浸水想定区域内に建設できないとする法令等の規制はございません」と、このように答えました。私は、本当にこんな答弁書をよく書いたものだと、市長が容認したから、市長の最終的な判断でしょうけれども、東日本大震災から7年を迎えようとしています。御案内のとおり、まだ11万人の被災者が生まれ育った土地を離れざるを得ないという生活を余儀なくされております。原発も廃炉に向けたスケジュールを示し切れていないし、大変な状況というのは、もう皆さん御承知のとおりだと思います。
 東日本大震災後の全国の自治体の公共施設における基本的な考え方は利便性やまちづくり、経済性とともに、何といっても津波浸水域外であるということが前提になっております。これからすると、地震学者の中からも、公共施設、病院、学校、福祉施設等は、津波浸水区域外に建設するというのが常識になっています。
 しかし、静岡市は全くこうした計画に反するような進め方をしております。
 市長は、市民のこうした声、学者の声に対してどう考えているのか。市長は3.11、東日本大震災の教訓をどう捉えているのか、まず1点伺いたいと思います。
 次に、清水庁舎の移転計画についてであります。
 昨年から検討委員会が開かれ、1月24日の第5回検討委員会が開催され、基本構想案がまとまりました。2月13日から3月14日までの間にパブリックコメントが開催されています。私は建設検討委員会の傍聴に何度か出かけて、問題意識を持ってみておりました。
 例えば、第1回目の検討委員会では、自治会代表から行政のやろうとしていることがオブラートにくるまれていて、一本筋が通ったものが見えない。もう1つは、市民の関心が薄いという発言であります。この点ではパブリックコメントが行われ、2月27日の時点で39件との関心が薄いという記事もありました。
 また、資料には、津波対策について余り表現されていないという指摘がありました。私はこうした状況の中、市は何かにつけて丁寧な説明をする、丁寧な説明をすると繰り返しておりますけれども、市が言う丁寧な説明というのは、具体的にどのような説明のことを言うのか、伺っておきたいと思います。
 次に、パブコメについてであります。
 現在真っ最中であります。先ほども日数の点で少ないという紹介をいたしました。いろいろ原因はあると思います。検討委員会でも指摘されているように、区民の中で庁舎移転問題が十分知らされていない、またパブリックコメントに関する記者会見において、市長は、意見は聞いても大きな計画の変更はしないという発言であります。
 こうした中で市長は、2月13日、パブリックコメント当日、職員の皆さんと清水駅においてパブコメの意見を求めるPRをしました。山本政策官からは、先ほどこれをもって何かもう市民が周知徹底しているような発言がありましたけれども、私は市長、何考えているのかなと思っています。パブリックコメントをどのように位置づけているのか、考え方について改めて伺っておきたいと思います。
 3点目は、パブコメの資料には東口公園の移転理由について、防災の観点が全く抜けていると私は感じております。移転、建てかえを選択した理由について、清水都心地区のまちづくりの方針に沿った清水駅周辺に移転させることで、来庁者が便利になる、商業・業務の中心としてエリア発展の第一歩となる。
 それから、清水駅東口公園を選択した理由では、あすの清水のまちづくりの実現につながる、新たな財政の負担がなくなるという記述であります。いろいろ観点はありますけれども、津波対策や防災の観点がすっぽり抜けているんですね。当局の見解を伺っておきたいと思います。
 4点目は、タウンミーティングを開催しない理由であります。
 この間の新聞報道によりますと、昨年開催したタウンミーティングで大きな声が発せられて、市長が十分な説明ができなかったことを理由に書いてあります。私は、これはこの間、桜ヶ丘病院の移転計画、これに関連して、清水庁舎を駅前に移転させるという計画について、清水区民の率直な疑問からではないかと考えております。なぜ津波浸水区域内に病院や清水庁舎を移転させるのか、市の説明に区民の理解が得られていないからではないでしょうか。
 仮に庁舎を建設するとすれば、50年間、半世紀以上、これを利用する。今の市の試算でも70億円以上の税金を投入するという、いわゆる大型の公共事業であります。慎重の上にも慎重を期し、そして市民の財産や生命を守るという、この観点に立つべきではないんでしょうか。
 市長は、移転先の東口公園が最適と答えているわけでありますから、改めてタウンミーティングを開催しない理由について、市長から答弁をいただきたいと思います。
 次に、三保半島の道路整備について伺います。
 県道三保駒越線、通称三保街道でありますけれども、世界遺産、富士山の構成資産になり、多くの観光客が訪れています。駒越から三保地域に向けて整備が進められておりますけれども、今後の工事計画について伺います。
 いま1つは、一昨年、富士山の眺望を妨げているということで、一部電線を撤去しました。こうした中、国のほうでは2016年、無電柱化推進法が成立し、ことし3月には計画が策定されると言われております。国だけでなく、都道府県、市区町村にも計画作成の努力義務が課せられていますが、静岡市の取り組み状況について伺って、1回目とします。

◯危機管理統括監(荻野敏彦君) 東日本大震災の教訓をどう捉えているのかについてでございますが、防潮堤などの構造物は、津波を防ぐために重要な役割を果たしますが、東日本大震災では、防潮堤を越えたり、防潮堤が破壊されるなどして、津波による多くの被害が発生しました。
 また、避難する時間があったにもかかわらず、適切な行動がとれなかったことが、被害の増大につながったという例もございました。
 教訓として、構造物のみでのハード対策には限界があることから、命を守るソフト対策とあわせて、住民の安全な避難体制を確保し、被害を抑えることが必要となります。
 本市は、津波浸水想定区域の大半が既存の市街地であることから、津波そのものを防ぐ防潮堤などのハード対策と並行し、津波避難タワーの整備、避難ビルの指定、ハザードマップの配布、また次の日曜日にも実施されますけれども、津波避難訓練、避難経路の案内表示、防災出前講座、防災講演会などのソフト対策を進めております。

◯公共資産統括監(森下 靖君) 清水庁舎の移転計画についての4点の質問にお答えいたします。
 まず、丁寧な説明とは、具体的にはどのような説明なのかについてですが、従来から新清水庁舎建設検討委員会の開催後に、ニュースレターを作成し、清水区で組回覧を行ってまいりました。丁寧な説明とは、それに加え、第5回の検討委員会での意見を踏まえ、基本構想案の内容をわかりやすくまとめたリーフレットを新たに作成し、清水区への全戸配布や葵区、駿河区での組回覧を行っていくこと、これらを指しております。
 次に、パブリックコメント制度をどのように考えているのかについてですが、志政会の代表質問にも答弁しましたとおり、パブリックコメントは市民の皆さんから多種多様な御意見をいただき、施策案をよりよいものとするための手法であると考えております。
 次に、パブコメリーフレットの記載の移転理由の中に、防災観点が入っていないのはなぜかについてですが、基本構想案には、4カ所の候補地を防災面から比較検討した結果を掲載しております。
 しかしながら、防災面の観点には、候補地間に明確な差異がなかったため、リーフレットには掲載いたしませんでした。
 最後に、タウンミーティングの開催についてですが、先ほどの風間議員への答弁のとおり、タウンミーティングの開催は考えておりません。

◯建設局長(伊東正高君) 都市計画道路清水港三保線の道路整備についてですが、都市計画道路清水港三保線は、清水区入船町から三保地区に至る清水区中心市街地と三保半島を結ぶ海洋文化拠点の骨格となる重要な道路であります。
 現在、駒越東交差点から市営清水折戸西団地までの区間において、道路改良工事、用地交渉を実施しております。市営清水折戸西団地から東の区間については、平成28年度に都市計画決定の変更を実施したところであり、次期工区となる市営清水折戸西団地から折戸四丁目交差点までの区間について、30年度より事業に着手してまいります。
 次に、無電柱化に向けた取り組みについてですが、世界文化遺産である富士山の眺望に配慮し、短期的な対策として平成26年度から27年度にかけて架空線の撤去を実施したところであります。
 抜本的な対策となる無電柱化については、国土交通省がコスト縮減などの整備手法を踏まえ、現在策定している無電柱化推進計画案に基づき、静岡市第3期無電柱化推進計画を策定し、当路線を位置づけ、事業を進めてまいります。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯37番(内田隆典君) あなた方は、丁寧な説明していると言うけれども、丁寧じゃないよ、それは。全然丁寧じゃない。全くふざけた答弁だよ。
 ニュースレターを回覧していると言ったけれども、改善すると言ったじゃないですか、改善されていないじゃないですか、同じようなことをやっている。
 パブリックコメントに向けて15日やって資料も届けていると言ったけれども、概要は入っているけれども、意見くださいと言ったって、中に意見を入れるチラシが入っていないじゃないですか。私は2月15日に市長宛てに申し入れしましたよ、なぜ入れていないんだって、2月15日ですよ。そうしたらもう時間がないということですね、時間がないと。最初から入れる気はないし、聞く気がないんじゃないですか、何がそれで丁寧ですか、笑われますよ、全くふざけているよ。
 質問です。
 検討委員会に賛否をとらなかった理由について、先ほどもありましたけれども、5回目の検討委員会では、ニュースレターの配信について、拙速過ぎて説明し切れていないという件について、公共資産統括監はこれまたニュースレターよりも少し大きなサイズでパブリックコメント用の資料を作成、これだって改善されていないんですよ、言うばかりだよ。計画を体裁よく変えているだけで、主体性に欠けているという感じがすると、部分が多くあるという指摘もされていました。私は厳しい意見が出されながら、賛否をとることなくスケジュールに沿った形でこの5回目を閉じてしまったと、改めて賛否をとらない理由についてお聞かせください。
 ニュースレターについてであります。
 反対意見がなかったとの記述が、ごらんになった方は中段ですか、反対意見なかったと書いてありました。しかし、わざわざ書き込んだというのも私は変だなと思ったんです。だって、賛否をとっていないんでしょう、賛否をとらなかったけれども、市民の皆さんに配布するニュースには反対意見はなかったと。恣意的に書き込んだんですよ、市が。
 学識経験者の中では、庁舎の中に入るものが何も決まっていないまま進められているのが気がかりだと。庁舎の建設、5年とかおくらせることはできないのかと、こういう指摘ですよ。5年。議事録を私とってみたら、5年という数字はこれだって恣意的に見ているんじゃないですか、あなた方は。正確に市民に資料を提供して、議論するのがあなた方の役目じゃないですか、全くこれだってふざけているよ。
 こうした検討委員会の中身からすると、私は反対意見がなかったとするニュースの出し方というのは大変問題があると、正確でない。行政がやるべき対応じゃない、見解を伺います。
 質問3つ目です。
 パブコメでやられた意見についてでありますけれども、構想計画に反映すべきだという考え方についてなんですが、先ほども風間議員からありました。先日の答弁で公共資産統括監は、市が公表した施策の趣旨に対して広く市民の皆さんの意見を募り、施策に効果的で有用なものを積極的に反映するための手続ですと、このように当たり前といえば当たり前ですけれども、こういう答弁をしました。
 それで、我が党の寺尾議員が質問しました、2日。市長はパブコメで反対意見が多数寄せられたとしても、基本的方針は変えないのかと、答弁を求めましたけれども、変えないということでの答弁です。私は、静岡市自治基本条例からも、市長は大変大きく外れているんじゃないかと思っているんです。
 基本条例ではパブリックコメント制度について、このように位置づけています。市民生活に重大な影響を与えると思われる事業の実施や条例などの制定改廃する場合には、市の執行機関だけで決定せずに、事前に住民に内容を示した上で、それに関する意見を住民が提出する機会を設ける制度と位置づけているわけですね。
 その上で、市民参画の推進に関する条例第9条では、パブリックコメントについて単に市民の意見を聞くだけでなく、聴取した意見を十分に検討し、市政に反映していくこと、この規定の趣旨であると。聞くだけでなく反映すると。市長聞いたらもう大きな問題は反映しないと。
 だから、これは市長、あなたがつくった市の条例ですよ。自分らがつくっておいて、こんなものは知らない。市民が何を指針にあなたたちを信用するんですか、そう思いませんか。市の条例ですよ。私が勝手に言っているわけじゃない、そうしなさいとあるんです、パブリックコメントは。こんなのがありながら、聞かないよ、意見を言ってくれ、だけれども俺は聞かないからと、そんな傲慢な市政運営をされては困るんですよ。
 市民から出されたこうした貴重な意見について、構想や計画に反映させるべきだと、改めて思いますけれども、伺っておきたいと思います。
 タウンミーティングについてであります。
 市長は施政方針の中で、新年度は葵区と駿河区でタウンミーティングをやると。しかし、清水区ではもうやったからやりませんという報告でありました。しかし、大事な問題だから、この問題に関して2つの団体から要望書が市長宛てに出されております。市民の意見を十分に聞いてくれという要望である。だからこそ基本条例の観点に立って、行政は、私は運営をしなければまずいんじゃないかと思っているんです。
 何も私は、市長は忙しい方ですから、全て市長に会場に来て、説明しろとは言いませんよ。しかし、必要なときは出てきて、あとは関係する職員が来て説明すればいいじゃないですか、21地区の自治会に。皆さん知っているように、静岡市でごみ減量の問題、ごみがたくさんたまってどうにかなったときに、もうこれはたまらんということで、市の職員が各自治会を一生懸命回って、静岡市のごみの現状はこうなんだと、何とか協力してくれということで、説得、理解を求めたわけですよ。それでごみ減量にもつながったと、こういう経過があるわけですから、市にとって大きな問題ですから、そのくらいのことは説明責任を果たすべきだと思います。私は21自治会でタウンミーティングを開催すべきだと思いますけれども、考え方を伺いたいと思います。
 最後です。
 移転候補地は当初4カ所、駅の東口公園、現地、そして民有地の4カ所です。いずれも津波浸水区域ですよ。私は確かに清水市の歴史からすれば、港を中心に発展した、それはわかります、誰だってわかっているんだ。だけれども、3.11を教訓とすれば、少なくとも1カ所や2カ所は浸水域以外にもって市民の皆さんどうですかと、議論する、そういう提案をしてもよかったと思うんです。
 東北地方では、陸前高田という土地は、市のほうは高台に提案しましたよ。しかしけんけんごうごう市民の議論の中で、しかしそうはいってもいろんな形の中でもとのところということで、浸水域といいますか、あそこに落ちついたという経過があります。しかし、提案は違ったんです、最初は。そういう提案を私は静岡市もすべきじゃないかと、いろんなことがありますけれども、時間がありませんから、改めて津波浸水想定区域内に4カ所を決めたのか、その辺について再度聞いて、2回目の質問にします。

◯公共資産統括監(森下 靖君) 清水庁舎の移転計画についての5点の質問に一括してお答えいたします。
 まず、第5回委員会で賛否を問わなかったのはなぜかについてですが、新清水庁舎建設検討委員会は、新清水庁舎の建設について、必要な事項を検討するに当たり学術的及び専門的な見地からの意見を聴取するとともに、市民の意見を把握するため設置したものであり、賛否を問う組織ではございません。
 次に、ニュースレターの記述は正確ではないと思うがいかがかについてですが、検討委員会では、江尻エリア全体のまちづくり計画の策定を求める意見やオフィスの省スペース化など、働き方改革に係る提案等をいただきましたが、東口公園へ庁舎を移転建てかえするという本市の提案に対して反対する意見はございませんでした。
 次に、パブコメで得られた市民意見は構想や計画に反映すべきと考えるがいかがかについてですが、1回目の答弁のとおり、施策案をよりよいものとする御意見は積極的に基本構想に反映してまいりたいと考えております。
 次に、タウンミーティングの清水区21自治会での開催についてですが、同じく1回目の答弁のとおり、タウンミーティングの開催は考えておりません。
 最後に、移転先候補地がいずれも津波浸水想定区域なのはなぜかについてですが、移転候補地は公共交通機関が利用しやすく、まちの主要機能が集積し、市民の利便性にすぐれていること、また庁舎建設に必要な一定の面積を有していること、この2つの観点から選定いたしました。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯37番(内田隆典君) よりよい意見は取り入れると、私が言ったのは、津波浸水区域に市民の財産や生命を守るというのがよりよい意見なんですよ。あなたはよりよい意見と思っていないでしょう。わからない。何考えているか。
 この間の市長の行政運営というのは、問題が多過ぎますよ。私はこの問題を取り上げたときに、最初に検討委員会で市の考えと違うような方向を言ったらどうですかと、そうしたらそうならないように話を持っていくと。あげくの果ては、市民に意見を公募しておいて、意見は聞くけれども、方針は変えないと、むちゃくちゃですよ。市民の意見は聞く、方針は変えないでしょう。自治基本条例の精神からも、大きく逸脱していますよ、田辺市長の市政運営は。みずから決めた自治基本条例の立場に立つんだったら、私はそういう慎重な声に耳を傾けるべきだと、そう思いませんか、市長。
 市長が法を守らずに俺についてこいといったって白けますよ。俺が言うことが全部正しいんだと、俺の言うことが間違いないからついてこいと言ったって、そんなの白けていますよ。私たちはこんな大事な問題を市長に白紙委任できませんよ。できないですよ、大事な問題、市長。市長、おごる平家は久しからずと、こう言いますよ。本当にこういう声があちこちで聞かれるんです。何をあんなにかたくなになって意見を聞こうとしないのかと。市長はあくまで提案でありますから、基本はやっぱり市民の声を市政に反映させる、よりよいまちづくりをしようというのは、それは知っているんです。しかし、そこで問題なのは、市長がその声を聞こうとしないからなんですよ。本当ですよ、もう清水に行ったら大変なことですよ。いや、本当に、政策にいろんな違いがあってもいいですよ、それは。だけれども、声を聞いてくださいよ、声をまずは。 市長、何か反論があったらどうぞ。