こども医療費助成制度に関する意見書 -提案理由説明-

◯24番(鈴木節子君) 私は、こども医療費助成制度に関する意見書の提出会派である日本共産党市議会議員団を代表して、提案理由の説明をさせていただきます。
 静岡県は、本年10月よりこども医療費助成制度の対象年齢を引き上げ、高校生世代まで対象とします。意見書は、これに伴い、政令市であっても全県民と等しくサービスを受けられるよう、政令指定都市への財政支援を求める内容です。
 これまで、子供を安心して産み育てられる社会の実現を目指し、子供の健康保持、子育て世帯の負担軽減、人口確保策の有効な手だてとして、こども医療費助成制度を着実に拡充させてきたのは、幅広い市民・県民の強い要求があったからです。だからこそ、国が制度に踏み切らない中でも、県内自治体と県の努力で制度を拡充させることができたのです。
 こうした中、制度拡充に向け、静岡県市長会と静岡県町村会は共同声明を発表し、対象年齢引き上げによる安定的な財政運営への懸念から、県の補助率を一律2分の1にすべきと要望しました。一方、浜松市、静岡市の両政令指定都市は県の補助対象外であり、県内他市町と同様の対象年齢引き上げには多額の財政負担を伴います。子育て環境の充実を図ることは、子育て世帯の期待が大きく、対象年齢引き上げは多くの県民が待ち望んだ施策です。本来、政令指定都市の市民も県民であることに変わりはなく、どの市町に住んでいても助成対象は同じ水準であるべきです。ー
 6月28日、浜松市、静岡市が静岡県に対して、県の制度として県民が等しく享受することが必要であり、政令指定都市も助成対象とするよう協議の場を設けることを要請しました。これまで、義務教育年限までの医療費助成は市の単独事業として実施してきましたが、高校生世代まで対象年齢を拡大するのは全く新しい制度となります。協議の場を持つことが手続の第一歩となります。浜松市長もそのように同様のお考えです。
 こういう事態だからこそ、二元代表制のもと、当局とは立場が違う静岡市議会の総意として、県に対し強く意見を申し上げることは、当局への強い後押しとなります。この行動がいかに重要かよくお考えいただきたいと思います。
 市議会の皆さんは、政令市が県に対し協議を要請したのだから様子を見ようというお考えかもしれません。しかし県は、協議の場を設定する考えは示したものの、政令指定都市は補助対象外という姿勢を崩していません。一方、政令指定都市移行時の協定書を理由に、高校生世代まで拡充されたのに、相変わらず助成対象外をこのまま継続する根拠も曖昧なままです。だからこそ本市議会が傍観者であっていいはずはありません。
 また、制度拡充を求める幅広い市民の要求に応えることが本市議会に課せられた使命です。今こそ本市から静岡県民として同じ水準でサービスを享受できるよう、政令指定都市も助成対象とするよう県に意見書を提出することは必要不可欠です。この場に立ち、ぜひ全市議会議員が意見書に御同意いただけますよう訴えまして、提案理由説明といたします。