被災者生活再建支援制度の見直しを求める意見書 -提案理由説明-

◯1番(望月賢一郎君) 提案会派である日本共産党静岡市議団を代表して、発議第8号被災者生活再建支援制度の見直しを求める意見書の提案理由の説明を行います。
 この意見書は、近年多発する大規模な自然災害、ことしに入ってからも西日本豪雨災害、大阪府北部地震、北海道地震などが頻発しておりますが、これらの大規模災害について、被災者生活再建支援制度の見直しを国に求めるものであります。1995年の阪神・淡路大震災では、創造的復興のかけ声のもと、再開発ビルが林立しても、シャッターが閉まったままの区画が目立ち、肝心な商店や事業所などはそこでの事業の再建ができずにいるというのが23年もの時間が経過した現実です。
 東日本大震災の復興についても、21世紀のあるべき姿を目指すことや我が国が直面する諸課題等の解決に資する先導的施設への取り組みなど、国の施策を押しつけるのではなく、被災者を中心に据えた復興を進めることが重要です。被災者の住宅、なりわいが再建し、人々が戻ってこそ地域の復興と言えます。
 被災住宅については、被害認定は住宅としての機能喪失に着目した認定に改め、被災小規模事業所の施設や設備の再建への直接支援など、被災者や被災地の実態に即した実効ある支援制度を確立する必要があります。被災者に公的補償をという阪神・淡路大震災後の粘り強い運動と世論で被災者生活再建支援法は創設され、ことしで20年になります。当初は、この支援法は住宅再建には使えないものでしたが、被災者と被災地の実態を拝見した運動で改善が重ねられてきました。
 しかし、原則として支援の対象が住宅の全壊、大規模半壊に限られていることなどから、支援の対象になるのは、東日本大震災を見ても住宅被害があった被災者の一部にすぎません。全壊や大規模半壊に加え半壊や一部修繕に対象を広げるなど、現場の声を反映させ、使い勝手のよい制度にしていく必要があります。また、支援金を300万円から500万円に引き上げることも喫緊の課題です。
 さらに、なりわいの再建も重要です。人々が生活していく上で、そのなりわいが必要なことは言うまでもありません。政府は支援パッケージとして廃棄物、土砂などの除去、グループ補助金などの支援制度をつくっておりますが、いずれも間接的な支援となっています。これを直接補助に切りかえていくことが地域の復興の速度を決めるといっても過言ではありません。
 さらに、財源について言いますと、現在、国の補助率は2分の1、残りは都道府県の出している基金からの拠出となっています。国の補助率を3分の2に引き上げる財政措置が必要であると考えます。
 頻発する自然災害はこの静岡市にとっても無縁ではありません。いつ起こっても不思議ではないのです。その災害自身に備えるとともに、発災後の市民生活の再建をスムーズに進める必要があります。そのためにも被災者生活支援制度の拡充は重要です。こうした点からも、この被災者生活再建支援制度の見直しを求める意見書を御採択いただき、静岡市議会として国に要望していただきますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。