日本共産党の杉本 護です。
通告に従い、質問します。
最初に、仮称海洋・地球総合ミュージアムの整備についてです。
この海洋文化施設に関しては、既に大村議員や、あるいは風間議員の質問で市の考え方は一定示されました。重なる部分もありますが、私は、施設の運営における持続可能性や市民との連携と理解、そして本市の財政面への影響などから施設の必要性を検証したいと考えています。
まず、施設の運営に関しては、収入と支出の妥当性を見ていく必要があります。初めに収入ですが、このような施設を運営する上で最大の収入源は、入館料となります。市は15年間で約700万人、平均で年間46万人強を見込み、入館料収入は大人で1,500円とし、約72億円を見込んでいます。しかし、三保の東海大学海洋科学博物館は現在、年間入館者数約20万人と言われ、全国の水族館も入館者の減少で苦戦しているところが多くあります。博物館と水族館を融合した今までにない施設として、市内外や海外から大勢の人を呼び込もうとするとしていますが、700万人という想定に確実性があるのか、1,500円払って見てくれるのか、不安を拭えません。
そこで質問します。海洋文化施設の運営収入の想定について、入館料の想定や根拠、入館者数の見込み、施設での飲食、売店などの収入の扱いなどどのように考えているのか、お答えください。
次に、支出となる施設の運営経費についてです。開業後15年間の運営費と展示更新費の総額は約142億円で、平均すれば1年間で9億5,000万円近くになり、入館料を引いた不足分は年平均で5億円近くになります。全国の同規模の施設の運営経費はどれくらいになっているんでしょうか。運営経費の妥当性も明らかにする必要があります。この施設は、運営では東海大学には水族館として魚の維持・管理などへの協力、また東海大学とJAMSTECに海洋研究や地球の調査など研究成果や調査資料などの情報を企画・展示などで協力をいただくことになると思います。運営経費だけで1年間に9億5,000万円は、この規模のいわゆる水族館や博物館として妥当かどうかが問われます。
そこで、2つ目の質問です。運営経費の想定について、どのような費目でどのように見積もったものか、東海大学やJAMSTECとの連携に係る費用などは見ているのか、費用の妥当性という点から説明をしてください。
次に、市民との連携についてお聞きします。
この海洋文化施設の整備事業は魅力ある清水を創る会からの提言書が発端であり、施設をつくることによるさまざまな効果が記されていますが、大事なことは清水のまちに活気をつくることです。下関市の水族館はイルカのショーなどを加えて年間60万人の集客を維持していますが、周辺の商店街は活気がないように見えたとの視察の感想です。この施設でこの地域を元気にするには地域との連携が欠かせません。
そこで質問です。海洋文化施設と周辺の住民や商店街などとの連携について、どのように取り組んでいるのか、お答えください。
次に、リニア中央新幹線の南アルプストンネルの工事についてお聞きします。
静岡県及び大井川水域の市町の皆さんが8月29日に行った意見交換会でJR東海は、山梨、長野両県からのトンネル工事での湧水は全量戻すことはできないとし、県及び利水団体、関係市町から大きな反発を招きました。現在も命の水は譲れないと交渉が続けられています。
さて、8月上旬の中日新聞の報道によれば、田辺市長はインタビューに答え、林道トンネルの建設や林道改良でJR東海と合意したことに触れて、「政治とは利害調整。それができるのが政治家」と述べ、「県や流域市町からの「抜け駆け的」との批判を一蹴した。」と報じられています。流れを見れば、水問題などが解決していない中での静岡市がJR東海と合意書を結び、リニアのトンネル工事に必要な資材などの運搬するための林道整備とトンネル工事を許可し、見返りに工事費220億円全額をJR東海に負担させたことになります。これは抜け駆け的と言われても仕方がないのではないかと思います。
そこで質問します。現在、大井川の水量減少が大問題となっている中で、政治とは利害調整との発言は、静岡市に利があれば流域市町が水に困っても構わないということなのでしょうか、お答えください。
以上で1回目とします。
87◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 仮称海洋・地球総合ミュージアムの御質問にお答えをいたします。
まず、海洋文化施設の運営収入の想定について、入館料の想定・根拠、入館者数の見込み、施設での飲食、売店等の収入の扱いなどについてどのように考えているのかについてでございます。
本施設は、先ほども出てまいりました公民連携PPP導入可能性調査において想定する施設面積、周辺の圏域人口等を検証し、類似の水族館や博物館施設を参考としながら、入館料大人1,500円程度、入館者見込み数を初年度で67万人、安定期で40万人前後が適正であると見込んでおります。なお、入館料についてはあくまでも現時点の市の見込みであり、今後の事業者からの提案をもとに審査を経て決定することになります。
次に、飲食や売店等の収入の扱いについてでございます。
本施設が公共施設である性格上、これらの施設は行政財産の目的外使用に当たることから、運営収入上は除外をすることになります。しかし、飲食や売店等の収入は運営事業者の経営意欲を高める重要な財源になるものと考えております。先ほども出てまいりましたが、福井県立恐竜博物館の取り組みを、大村議員への答弁でお答えしましたけれども、オリジナル商品開発ですとか、広域販売などにより集客力の向上が期待されますので、売店等の運営に関しましても積極的な提案を期待しております。
次に、海洋文化施設の運営経費の想定について、どのような費目でどのように見積もったのか、東海大学、JAMSTECとの連携に係る費用は見ているのかについてでございます。
運営費の積算については類似施設を参考としたほか、企業へのヒアリング等から人件費、一般管理費等の固定費や魚などの水生生物の飼育・管理経費、質の高い展示物や映像コンテンツの更新などに必要な経費等を積算いたしました。
次に、東海大学やJAMSTECとの連携に係る費用についてでございますが、本市は、両団体が保有する研究成果やコンテンツを本施設で展示することのほか、双方の団体のアウトリーチ活動を本施設で展開していただくことなどについて覚書を締結する予定になっており、現在、具体的な手続を行っております。SPC──特定目的会社がこうしたコンテンツを施設に取り入れるための経費については、積算に盛り込み済みですが、具体の事業内容については、今申し上げました覚書をベースに民間事業者と両団体が協議の上決定することになります。
最後に、海洋文化施設と周辺住民や商店街との連携について、どのように取り組んでいるのかについてでございます。
海洋文化施設に訪れた人たちを、これから開発が見込まれる日の出地区はもとより、市内全域に回遊させるということは、国際海洋文化都市の拠点施設として本施設が目指す広域からの集客や市全域の経済波及などの視点から大変重要であると考えております。
具体的な周遊策としましては、現在のクルーズ船の寄港時に商業者、観光事業者、交通事業者等と連携して実施しております乗船客向け市内回遊トライアル事業に1年以上取り組んでおりますが、この事業を参考に、地元企業や商店街等のほか周辺の観光施設、文化施設、関連事業者などと連携し、有効な回遊策を見出していきたいと考えております。
88◯企画局長(前田誠彦君) 大井川の水問題に対する本市の考えについてでございますが、本市はJR東海に対して平成27年に提出した8項目の要望書において、要望項目の1つに水環境の保全を掲げ、建設工事による大井川の流量減少への対策を求めてまいりました。
さらに、平成30年6月に締結したJR東海との基本合意書の中に、流域市町の皆さんが抱いている懸念が払拭されるよう、あえて中下流域にも配慮した誠実な対応という項目を設けたところであり、これが本市の基本的な考え方でございます。この本市の流域市町への思いが実を結ぶよう、今後JR東海の動向を注視してまいりたいと考えております。
〔12番杉本 護君登壇〕
89◯12番(杉本 護君) 2回目です。
1回目で海洋文化施設の収入や支出、そして周辺商店街などとの連携についてお聞きしましたが、わかったことは、まだ何一つ確実性のないことがはっきりとしたと私は思いました。その上でさらに質問を続けます。
市はこの施設を15年間運営する中で、収入を約72億円、経費は142億円かかると見ています。このもとで、経費を収入で賄う運営独立採算制をとらずに不足分は市が負担をする差し引きサービス型の事業形態を採用し、赤字分の約70億円は市が負担する仕組みとなっています。この施設はPFI方式により民間の資金を活用しますが、土地ははなから静岡市が買い、そして建物も市が所有し、そして運営経費の不足分も市が負担する仕組みですから、参入する業者のリスクはほとんどありません。こうしたことを、市民から見れば、何が何でも施設をつくるために、民間事業者のリスクを減らし参入をしやすくするために、はなから赤字補填を保障した、このように見えるのではないでしょうか。
さらに、収入の減少や経費の増加で生じたさらなる不足分は官民で分担をするロスシェアも導入するため、市の負担がさらにふえることも懸念されます。
そこで質問します。運営経費に対して収入だけでは不足するとして、差し引きサービス型を導入した理由は何なのか、お答えください。
次に、市の関与の点ですが、この施設は赤字補填をして研究・教育施設としての役割も担っていますから、運営・経営に関して相当程度市が関与せざるを得ないのではないかと思います。
そこで質問ですが、開業後の運営に市はどのようにかかわっていくのか、お答えください。
さて、この施設に対する市民の理解はどうでしょうか。地域の方々はどのように見ているのでしょうか。清水を元気にするために施設に期待を寄せる声がある一方、クルーズ船、客船ボランティアの皆さんからは、観光客を案内して見せるところが余りなく、まちが汚い、人気が100円均一ショップではむなしい、空き店舗や空き家を有効活用してほしい、水族館より広い公園のほうがいいなどの意見があり、次郎長通り商店街の方からは、駐車場がなくて不便、170億円ものお金があるなら人が集まる商店街になるようもっと具体的な支援をしてほしいなど、海洋文化施設を大歓迎する雰囲気にはなっていません。
そこで質問です。170億円の税金を使う施設として市民の理解を得られていると考えているのか、お答えください。
この施設についてはもう1つ、安全対策についてお聞きします。
30年以内にかなりの確率で南海トラフ巨大地震が来ると言われている中、新たな施設を津波浸水想定区域に建設しようとしています。
そこで質問です。この臨海部に建設される海洋文化施設は、津波などについてどのような対策を考えているのか、お答えください。
次に、市の財政との関係についてお聞きします。
市の3次総後期となる今年度から4年間の実施計画では、この施設以外にも、延期はしましたが歴史文化施設55億円、新清水庁舎88億円──現在95億円と言われていますが、示され、市民文化会館は建てかえか、もしくは大規模改修の再整備、そして、総額140億円とも言われている日本平公園の整備事業が継続され、巨額の財政支出が予定されています。市の歳入予測は、経済成長率を今年度2.4%、その後毎年1.5%成長することを前提としていますが、消費税増税や米中の経済摩擦、日韓問題などで経済への悪影響が懸念されています。さらに、イギリスのEU離脱問題など世界的な経済情勢の不透明感の中で、かなり楽観的な経済成長予測に見えます。そうしたもとで立てた歳入による中期見通しでも今年度は50億円の不足、その後3年間は毎年約70億円前後の不足が続くと見通しています。確たる財政保障がない中での大規模事業計画です。市はこの赤字をどのように解消していくと考えているのか懸念するところです。
そこで質問します。今後、財政不足が見込まれる中で、海洋文化施設整備事業を進めていくことによって生活関連予算へのしわ寄せが出てくるのではないかと考えます。どのように財源不足を解消していくのか、お答えください。
次に、リニア中央新幹線の工事に関してです。
1回目の質問に対しての市の答えですが、私からしてみればまともな回答になっていないと感じています。いろいろ言いたいところですが、時間もありませんから先に進んでいきたいと思います。
田辺市長はことし2月議会の2019年度施政方針で、リニア中央新幹線建設工事では、エコパークの理念である自然と人間社会の共生に基づき、環境保全と地域振興の両立を目指しますとして、JR東海に対する考え方も示しました。そこで、2つほどお聞きしたいと思います。
1つは、田辺市長の施政方針では、工事に伴う環境への影響を最小限に抑えるよう求めていくとしています。この最小限とはどの程度を示すものなのでしょうか。ぜひわかりやすくお答えください。
2つ目は、環境保全対策の確実な実施と水問題の不安の払拭を求めていきますとしていますが、この間JR東海と環境保全対策について、具体的にどのような対応を行ってきたのか、お答えください。
さて、本市はJR東海との基本合意のもと、条例に基づいてJR東海の宿舎建設のための建設資材運搬車両の通行を許可しています。8月27日に現地を視察してきましたが、宿舎建設はかなり進んでいました。既に一定程度の環境への影響が懸念されるところです。
そこで、リニアに関する最後の質問です。
宿舎建設など既に進行している工事による自然環境への影響を調査する必要があると考えますが、市はどのような対応を行っているのか、お答えください。
以上で2回目とします。
90◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 仮称海洋・地球総合ミュージアムに関します4点の御質問にお答えをいたします。
運営経費に対して収入だけでは不足するとして、差し引きサービス型を導入した理由は何かについてでございますが、本施設は駿河湾をテーマに水族館と博物館の垣根を超えた他に類を見ない視点のミュージアムとして、集客や教育普及・研究等の拠点としての役割を担うことを事業者に求めてまいります。
こうした新たな視点によるミュージアムはこれまで例のない施設であり市場規模が想定しにくいことや、研究機関との連携、教育普及活動等の公共性の担保が必要な施設であることなどの理由から、本事業ではSPCが施設で提供するサービスの一部を、市が負担する差し引きサービス型の導入を予定しております。
次に、開業後の運営に市はどのようにかかわるのかについてでございますが、本市は、SPCの運営や財務状況を把握するため、SPCが本施設で提供する展示や運営などのサービス水準を現場確認や報告書確認等を通じ、維持管理、運営、財務に対するモニタリングという方で実施いたします。これは定期的にやってまいります。
また、展示等に対しては、SPCが東海大学やJAMSTECから提供される最新の研究成果や映像コンテンツなどを取り入れた展示や体験、イベント、教育プログラム等が実施できるよう、市、SPC、JAMSTEC、東海大学の4者が展示内容や連携事業などを協議する場を設けてまいります。
このほか、1回目で答弁をさせていただきましたとおり、日の出地区の観光・商業事業者、それから国、県等の行政機関のほか、周辺地域の市民や関係事業者等と密接に連携を図れるよう、本市がSPCとのパイプ役として深くかかわってまいりたいと考えております。
続きまして、170億円の税金を使う施設として市民の理解を得られていると考えているのかについてでございます。
本施設は平成26年5月に、地元経済界の方々で組織する魅力ある清水を創る会から清水港周辺のにぎわい創出に向けて学術・研究機関として、仮称でございますけれども、ちきゅう海洋科学館構想の御提言を受け、検討を開始しました。いわゆる市民発意の事業だと考えております。
施設の整備計画については、平成29年2月の広報しずおか特集号で清水都心のまちづくりの中での位置づけをお示ししたほか、29年度の基本構想、30年度の基本計画、PPP導入可能性調査、それから本年7月の清水港開港120周年記念事業開港祭等において施設建設費や事業内容等の周知を図ってまいりました。その際に伺ったパブリックコメントやアンケート調査では合わせて1,000件を超える御意見をいただきましたけれども、好意的な御意見が大多数を占めておりましたことから、事業内容に対する市民の皆様の理解は得られているものと考えております。
最後に、臨海部に建設される海洋文化施設は津波等についてどのような対策を考えているのかについてでございます。
本施設は日の出地区の臨海部に建設を計画しているため、自然災害等に対する建物の安全性とともに、来館者の安全確保には十分に配慮をするよう、事業者に対して提示する要求水準書に明示してまいります。
建物の安全対策についてですが、安全性能を確保するため、地震対策としては南海トラフ巨大地震を想定した静岡県の基準を、それから、津波対策としては国土交通省が東日本大震災以降に示した建築物の構造計算に関する各種の告示を、それぞれ満たすように求めてまいります。
次に、来館者の安全確保については、有事の際に来館者や日の出地区周辺に訪れた方々が速やかかつ安全に一時避難できる津波避難ビルとしての指定要件を満たすよう求めてまいります。
91◯財政局長(川崎 豊君) 今後、どのように財源不足を解消していくかについてですが、現在、5大構想に掲げられている海洋文化施設整備事業については、3次総に位置づけ、計画的に実施しております。整備費については市債などを活用するため、単年度における財源不足への影響は少ないですが、新たな施設の維持管理費などのランニングコストについては、財源不足の要因の一つにはなり得ると考えております。このため、今後も引き続き市税等の収納率の向上などによる自主財源の確保、事務事業の見直しやアセットマネジメントの着実な実施などにより必要な財源の確保に努め、バランスのとれた予算編成に留意しつつ、持続可能な財政運営を図ってまいります。
92◯環境局長(櫻井晴英君) リニア中央新幹線に関する3点の質問にお答えをします。
最初に、施政方針における最小限の考え方についてですが、本市ではこれまでJR東海に対し、平成27年10月に提出した要望書や30年6月に締結した基本合意書の中で、また、宿舎建設等の工事の際にJR東海から提出された事後調査報告書に対する市長意見などを通じて、中央新幹線建設工事に伴う環境への影響の回避、低減に向けた配慮や対応を求めてまいりました。JR東海によりこうした環境への配慮や対応が計画的かつ誠実に履行され、効果を上げることをもって最小限と評価されるものと考えております。それらの効果につきましては、市が行う南アルプス環境調査や現地調査、JR東海の年次報告などを通じて、専門家の意見も伺いながら検証を進めるとともに、必要に応じてさらなる対応をJR東海に求めてまいります。
次に、環境保全対策に関するこれまでの具体的な市の対応についてですが、本年2月以降本市は、植物や水質などの分野の有識者で構成される静岡市中央新幹線建設事業影響評価協議会を3回開催するとともに、JR東海と環境保全対策について協議を行ってまいりました。本年3月に開催した協議会では、宿舎建設のためのコンクリートプラントヤードの造成に関して委員から、ウラジロモミの天然林について伐採範囲の縮小を求める意見などが出され、市長意見としてJR東海に伝え、対応を求めました。これを受けJR東海は、天然林の伐採範囲を縮小しております。
また、本年4月、5月に開催した協議会では、林道東俣線の改修工事に伴う環境保全対策に関して、周辺地域の在来種によるのり面緑化などの自然環境に配慮した工法や、外来種の侵入を防止するために林道入り口にタイヤ洗浄プールを設置することなどについて、委員の意見を求めました。タイヤ洗浄プールについては、その適切な管理などを求める委員の意見に対し、JR東海から作業員の常駐による管理方法が提示され、既に実施されております。
今後も引き続き協議会での意見聴取や検討を進めるとともに、JR東海と協議を行い、適切な環境保全対策を求めてまいります。
最後に、現在行われている工事による環境影響への対応についてですが、本市は平成26年度から毎年独自に南アルプス環境調査を実施し、年度により調査項目は異なりますが、希少動植物、水質、大気質などについて調査し、自然環境の現状や変化の把握に努めております。令和元年度に実施している希少動植物調査においては、宿舎建設工事等に伴いJR東海が移植・播種した重要種の生育状況について、専門家による確認も進めているところでございます。また、JR東海は動植物、流量、環境保全措置の実施状況等について年次報告書にまとめ、平成28年6月から毎年1回本市に提出しております。
本市は、これら南アルプス環境調査の結果やJR東海の年次報告などに基づき職員による現地調査を行っているほか、静岡市中央新幹線建設事業影響評価協議会委員と相談しながら、現状を的確に把握するよう努めております。
今後は、コンクリートプラントの稼働や宿舎への作業員の入居などが想定されますので、引き続きその進捗に応じて必要な調査を行ってまいります。
〔12番杉本 護君登壇〕
93◯12番(杉本 護君) 3回目は意見・要望です。
まず、仮称海洋・地球総合ミュージアムについてですが、今回の私の質問でいろいろとお聞きしました。しかし最も大切なことは、市の税金を170億円かけてこの施設をつくることについてどれだけの市民が知っていて、そして必要と感じているかです。アンケートやパブコメがありましたけれども、このときにはまだ170億円という総額が出ていません。今問題なのはこの金額を使ってつくることについて市民がどう思っているかというふうに思います。市長はよく待ったなしとの言葉を発しますが、市民の理解を十分に得られないままで突き進むのはリーダーシップではなく、傲慢だと言わざるを得ません。この施設、いま一度立ちどまって、市民に対して必要性、有効性、持続性、安全性などあらゆる角度でしっかりと説明し、多くの市民の理解を得た上で決めるのが行政としての正しい姿勢だと思います。この9月議会で性急に決めるべきではありません。
リニア中央新幹線のトンネル工事についてですが、日本共産党は以前からこの工事については反対の立場をとっていました。それは環境面、水問題だけではなく、自然環境の問題も含め、経済問題も含めて反対をしてきました。田辺市長においては、今回環境への影響を最小限などと曖昧なことではなく、県や関係市町と連携して水問題は譲れないとの立場を鮮明にすべきです。それが市民の暮らしに責任を持ち、中部連携の中心となっている静岡市のあるべき姿ではないでしょうか。私はこの点を厳しく指摘させていただきまして、今回の質問を終わりといたします。
以上です。