おはようございます。
きょうは、私は2つのテーマで質問いたします。
まず最初に、国民健康保険について。
国民健康保険料の負担軽減に向けて質問したいと思います。
昨年度から国民健康保険の運営主体が都道府県に移され、その決算状況がこの議会に初めて報告されております。これまで個々の市町村が運営してきたものを都道府県単位にし、スケールメリットを生かそう、これが主要な目的とされております。果たしてその目的が達せられたのか、市町村における国保の財政運営に余裕ができ、加入者の負担軽減につながったのか、検証が必要であります。
国は3,400億円を国保財政に投入し、加入者の負担軽減を図ったとしておりますけれども、本市の国保料は基金等の活用額を投入して、保険料そのものは据え置きとなったわけでありますけれども、激変緩和の措置がとられたものの負担増になった自治体も出てきているわけであります。
保険者努力支援制度と称しまして、収納率の向上のための取り立てまがいの徴収、あるいは差し押さえ、こんなことまで行われておりまして、低所得者への強制的手段がとられるなど、非情と言ってもいいような措置まで行われているということであります。
ことし6月議会において、私、国保の質問をいたしましたけれども、私の質問に対して、当局は、国保は社会保障の1つである、このように答弁されております。憲法第25条の精神を国保運営の基本に据えるべきことを、改めて強調したいと思います。
さて、都道府県単位化に伴い拡充された交付金の1つとして、1人当たりの医療費が高い傾向にある二十未満の被保険者に関して、自治体の責めによらない要因による医療費増、負担への対応、若い層へできるだけ負担軽減していこうという趣旨でありますが、二十未満の低年齢層は所得がないか、あっても低所得者が圧倒的に多いということであります。このような方々にも、均等割ということで国保料が課せられているわけであります。
昨年度は、今申しました二十未満の方々の軽減ということを目的として、5,400万円余が納付金から控除をされる措置がとられているわけであります。
これまでも、私たち市議団は、子育て世代等の負担軽減策として、子供に係る均等割、保険料の減免などをすべきであると、質問の中でも主張をしてきたわけでありますが、今回は視点を若干変えまして、先ほど申し上げました国の交付金を用いて負担軽減ができないかという思いから、以下、質問いたします。
国からの二十未満の被保険者による財政影響に関する配分に伴う交付金は、子育て世代等の負担軽減に利用すべきではないか、質問いたします。
平成30年度の国保特別会計決算では、11億円の繰越金があったということが報告されております。9月市議会に今年度の補正予算が提案されておりますが、国保基金からの繰入額は6億800万円の減額になっているわけであります。しかし、本市の国保基金は、他の政令市と比較して、まさに断トツの61億円を保有しているわけでありますが、今後これは加入者の負担軽減に活用していくべきものだということを、改めて強調したいと思うんです。
そこで、国保基金の今後の推計をどのように想定しておられるのか、伺います。
次に、児童虐待への対応について、特に児童虐待防止対策の強化充実についてという立場から質問いたします。
児童虐待件数は年々ふえ続けております。本市においても例外ではありません。虐待は子供の命にかかわるものであり、その対応が緊急、切実なものと言えます。野田市、あるいは鹿児島県出水市、ここ1日、2日前ですが、東京都目黒区の裁判の状況なども報道されているわけでありますけれども、関係機関の対応が適切であったのか、問われているわけであります。
その中心となるべき児童相談所の責任が問われる事態にも発展しているわけですが、本市において今後どのような対応が求められるのか、そのための児童相談所や関係機関の体制はしっかり整っているのか、この点について本市における現状についてお聞きします。
児童相談所の開設時と平成30年度の相談対応件数、虐待相談の件数はどのようになっているのか、また児童福祉司などの専門職の職員数は、それに伴ってちゃんとふえているのかどうなのか、こういう点で質問したいと思うんです。
本市の児童相談所は、一時保護所を設置しております。さまざまな理由で緊急に児童を保護する必要が生じた場合に一時保護をする施設でありますけれども、親などから児童が虐待を受けていることが明らかになった場合には、一刻も早く引き離して保護をしなければならないと考えるわけであります。
そこで質問ですが、直近3年間の一時保護の状況はどうか、お伺いいたします。
以上、1回目であります。
5◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 国保料の負担軽減に関する2つの御質問にお答えします。
まず、国からの二十未満の被保険者による財政影響に関する配分に伴う交付金は、子育て世代の負担軽減に利用するべきではないかについてですが、この交付金は、国保の財政基盤の強化を目的としており、被保険者の構成など、自治体の責めによらない要因による医療費負担の増に対応する支援策の1つとして、二十未満の被保険者数に応じて、国から都道府県に対して交付されているものです。
都道府県は、国のガイドラインに基づき、市町に請求する事業費納付金から交付金相当額を控除することとされているため、本市が県に納付する事業費納付金も減額されています。この結果、本市の保険料が抑制されることになり、子育て世代の負担軽減にもつながっているものと認識しております。
次に、国保基金残高の今後の推計についてですが、市町村国保の都道府県単位化に伴い、今後想定される県内の保険料率の統一が令和5年度に行われると仮定した推計を、平成30年度静岡市国民健康保険運営協議会の中でお示ししています。この推計では、本市1人当たりの保険料額が、想定される統一後の保険料額と一致するよう、保険料率を段階的に引き上げる条件で算定を行いました。その結果、基金残額については、令和元年度末で44億円、2年度末で24億円、3年度末で11億円、4年度末で5億円、5年度末で1億円となる見込みとなっています。
6◯子ども未来局長(安本一憲君) 児童相談所に関する2点の御質問にお答えします。
初めに、児童相談所の相談対応件数と専門職の職員数についてですが、まず、相談対応件数は、児童相談所を開設した平成17年度が974件で、30年度が2,481件と、約2.5倍の増加となっております。また、このうち虐待の相談対応件数は、平成17年度が106件、30年度が618件で、約6倍の増加となっております。
次に、専門職の職員数についてですが、児童のケースワークを担当する児童福祉司と心理的ケア等を担当する児童心理司の職員数は、平成17年度は児童福祉司が10人、児童心理司が4人でした。また、30年度は児童福祉司が17人、児童心理司が8人で、相談対応件数の増加に伴い、確実に専門職を増員し、適切な支援を行っております。
次に、直近3カ年の一時保護の状況についてですが、一時保護には、児童相談所の一時保護所を利用する場合と、里親や児童養護施設、病院等を利用する一時保護委託の場合があります。平成28年度から30年度までの一時保護所で保護した児童数は、28年度から順次128人、102人、160人で1.25倍に、一時保護委託は42人、45人、91人で2.17倍に増加しております。
なお、一時保護の実施に当たっては、児童の安全確保を最優先に、委託する施設等とも十分に連携して、適切に行っております。
〔24番寺尾 昭君登壇〕
7◯24番(寺尾 昭君) お答えありましたけれども、また後で、要望で言いたいと思います。
2回目です。ことし6月議会における私の質問に対して、市町村国保は、他の医療保険と比べ、高齢者や低所得者の加入割合が高いという構造的な問題を抱え、さらに高齢化の進展や医療の高度化による医療費の増加で非常に厳しい財政状況にある。そして、さらに続けて、先般の医療保険制度改革における公費拡充や都道府県単位化により一定の効果はあったと言っておりますが、しかし、根本的解決には至らない、至っていない、その対策は急務であると、このように当局は答えております。
全国知事会や政令市長会がさらなる公費投入を国に求めていることは、このような情勢も踏まえてのものだと考えるわけであります。この考え方は、私の認識ともほぼ一致していると言ってよろしいかと思います。
高齢者や低所得者の加入割合が高く、さらにこの傾向は今後進展していくということは、現状でも払いたくても払えない加入者が大勢いる中で、負担軽減はどうしても進めていかなければならない課題だと思うわけであります。
そこで質問ですが、被保険者の負担軽減には、さらなる公費の投入しか方法はないと考えるわけです。この点についてどういうふうに考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
全国知事会や政令市長会がさらなる公費投入を国に求めていると申し上げましたけれども、私たち共産党もこれは大賛成ということで、その実現のために、私たちもやはり国に対して要望しているわけであります。
しかし、これが実現するまでは、財源をどうするか、現状では不透明と言わざるを得ません。都道府県単位化とそれに伴う措置として、国は各自治体による法定外繰り入れを、言ってみれば逆に制限をしているということでありますが、これは理不尽だと言わざるを得ないわけであります。
それに、国と地方自治体は今や対等、平等という関係であるわけですので、そんなに制限する権限はないということにもなるわけであります。地方自治体の自主的な措置に介入することは、そういう点では許されないと言っていいかと思います。
本市がこれまでの実績に基づき法定外繰り入れをしていくことは、市民の強い要望に応える道と言わざるを得ないわけであります。
そこで質問です。
要望しているわけですけれども、国費からの助成が不十分の間は、赤字補填のための一般会計からの法定外繰り入れがどうしても必要だと私は考えます。この点についてどう考えるか、お聞きしたいと思います。
次に、児童虐待の対応についてでありますが、1回目の質問に対する答弁で、さまざまな相談対応件数だとか虐待の相談件数、児童福祉司の配置状況など回答があったわけであります。
いずれにしても、相談対応件数は一貫して増加傾向を示している。そのうちの虐待の相談件数は、ここ数年、若干上下をしているという点がありますが、増加傾向であることは間違いがない。これらの相談に対応する児童相談所として、先ほど専門職の配置については、一定の増員をしてきているという答弁があったわけであります。
しかし、昨年度の全体の相談対応件数が、先ほどありましたように2,481件、平成17年度比で約2.5倍、虐待相談件数は約6倍ということでありますから、この相談件数の増加傾向に比べて、人員の配置は十分体制がとられているかということになりますと、これは比例をしているわけではない。もちろん職員をふやせばいいと単純には言えないわけでありますけれども、しかし、今のふやし方というのは、十分とは言えないんではないでしょうか。
増加する虐待相談等に対応するためには、職員の増員だけでなく、もう1つ、関係する職員の対応能力を向上させるということも必要なことです。さまざまな相談にかかわるケースワーカーの資質向上を図ること、そのための研修の機会をふやすこと等々は今もやられておりますけれども、これはもちろん必要なことです。
しかし、もう一方では、しっかりと経験を積んで対応能力を高めていくということと同時に、関係する職員の指導、教育的役割を果たすべきスーパーバイザーの能力向上がどうしても欠かすことはできないんではないかと思います。
そこで質問です。
ケースワーカーやスーパーバイザーの資質向上に向けた取り組みはどのように行われているのか、お伺いいたします。
虐待による死亡事件をなぜ防ぐことができなかったのか、他県において多くの事例が報道されております。児童相談所の対応に問題があったとの指摘のほかに、虐待問題に対する関係機関の連携の不十分さも要因として指摘されているわけです。しかも、それが迅速かつ的確な対応という点でどうであったのか、問題がなかったのかという点であります。
平成16年度に、児童福祉法の一部改正により、地方公共団体は要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関等により構成され、要保護児童及びその保護者に関する情報の交換や支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会を置くことができることになりました。ほとんどの自治体がこの機関を置いておりますけれども、本市における要保護児童対策協議会がその機能を十分に発揮できる状況にあるのかどうか、その点について、要保護児童対策協議会の構成及び開催状況と関係機関の連携はどうなっているのか、この点についてお伺いして2回目といたします。
8◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 国保料の負担軽減に関する2つの御質問にお答えいたします。
まず、被保険者の国保料の負担軽減についてですが、被保険者の負担を軽減するためには、ジェネリック医薬品の使用促進、生活習慣病の予防につながる特定健康診査の受診率や特定保健指導実施率の向上策の実施などにより、医療費の適正化に努めていくことや、保険料収納率を高め、歳入を確保していくことが重要であると考えております。
一方で、安定的な国保制度運営のためには、国によるさらなる公費の拡充等が必要であると考えていることから、指定都市市長会や全国市長会等を通じて、必要な財政支援の実施を要望しております。
次に、赤字補填のための一般会計からの法定外繰り入れについてですが、赤字補填のための法定外繰り入れについては、国保基金などの活用可能額を初めとする財政状況と、県から通知される事業費納付金を考慮し、国民健康保険運営協議会が示す答申を踏まえ、令和元年度については行わないことといたしました。令和2年度以降についても、これまでと同様にこの協議会の審議を経て決定していく予定です。
9◯子ども未来局長(安本一憲君) 児童虐待への対応に関する2点の御質問にお答えします。
まず、ケースワーカー及びスーパーバイザーの資質向上に向けた取り組みについてですが、児童相談所が対応するケースは年々複雑化・多様化しており、職員の高い専門性や対応力がこれまで以上に必要とされております。このため、児童や保護者の支援を行うケースワーカーには、専門機関が実施する研修や通信教育等により、法律や福祉に関する専門知識の習得に努めさせるほか、職場研修や事例検討を充実することで、ケース対応力のより一層の向上を図っております。
また、ケースワーカーに対して助言、指導を行うスーパーバイザーには、虐待事例対応や家族の再統合などの高度な知識や技術を習得するために、養成機関による専門的な研修を必ず受講させております。あわせて、スーパーバイザーが職場研修の講師やケースワーカーに助言、指導を行うことで、児童相談所全体の対応力の向上を図っております。
次に、要保護児童対策地域協議会の構成及び開催状況と関係機関の連携についてですが、まず、この協議会の構成は、代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議の3層構造となっております。
代表者会議は、関係機関との相互理解を図るため、国、県、市、各関係機関等42機関の代表者で構成され、年2回程度開催しております。
実務者会議は、警察、市の児童福祉関係課、教育委員会等19機関の実務者で構成され、各ケースに係る情報の交換や支援策の協議の場として、各区ごと毎月開催しております。
個別ケース検討会議は、緊急対応を必要とするケースや支援の見直しを必要とするケースについて、個々の事例に関係する機関の担当者が集まり、随時開催しております。
次に、関係機関の連携についてですが、それぞれの機関が所属の垣根を超え、ケースに係る情報を共有することで、今後起こり得るリスクを総合的に予測し、その上で各機関がそれぞれの役割を相互に確認するなど、十分な連携のもと適切に対応しております。
〔24番寺尾 昭君登壇〕
10◯24番(寺尾 昭君) 最初に、国保の問題でありますけれども、お答えいただきました。
現在の状況の中では、新たな公費の投入をするしか負担軽減をする方法はないと、ほかには方法がないということを、事実上、答弁していたと思うんですね。ところが、4番目の私の質問に対しては、当面の間、この公費の投入がされるまでの間は法定外繰り入れをもう少し主体的に考えていく必要があるのではないかと思いますので、その点しっかり取り組んでいっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。