超甘の財政見通し
田辺信宏静岡市長は、「世界に輝く静岡の実現」を掲げ、5大構想の実現を図るとして、新年度予算で普通建設事業費約395億円、2月補正予算と合わせると投資的経費471億円を確保したと胸を張りました。静岡市の財政中期見通しでは、経済成長率を名目で2020年度プラス2.1%、その後も毎年プラス1.5%となることを前提としつつもなお毎年約50~70億円の在源不足が生ずるとしています。消費税10%への増税以後の昨年10~12月のGDP(国内総
生産)は年率換算でマイナス7.1%となり、今年に入ってからは新型コロナウィルスの影響で国内経済は大打撃を受けています。市の財政見通しは早くも崩れています。
スタートでつまずいた清水庁舎移転
5大構想の目玉は、清水庁舎の移転、海洋文化施設(水族館)の建設です。津波想定区域への清水庁舎の移転に関しては、市長の独断に多くの市民から批判の声が上がっており、住民投票による判断を求め運動が盛り上がっています。民間事業者を庁舎建設に組み込み市街地の活性化を図るとした計画が、一社の応募もなくスタートからつまずい
ていること、現庁舎撤去費用を過少に見積もっていたのではないかとの疑問など多くの問題が噴出しています。
結局赤字分は市民が負担
海洋文化施設(水族館)は民設民営と言われていますが、建設費と運営費併せて240億円、その7割は税金でまかなう一大プロジェクトです。このうち70億円を入場料でまかなうとしています。しかし入場料不足分を税金で補てんするとして運営するPFI企業とのリスク分担まで用意しています。全国では約60の水族館がありますが、黒字経営は数えるほどしかありません。
来年度、国保料や水道料の値上げで市民負担を押し付ける一方で、アリーナやサッカースタジアム建設構想は財政状況を無視した市政運営との批判は免れません。