◯12番(杉本 護君) それでは、日本共産党市議団を代表して、議案第124号令和2年度静岡市一般会計補正予算(第2号)の質疑を行います。
初めに、新型コロナウイルスの感染症でお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表明し、闘病中の方々にもお見舞いを申し上げます。
さらに、医療従事者をはじめ、社会インフラを支えていただいている方々に感謝を申し上げたいと思います。
さて、新型コロナウイルスの猛威は、私たちの市民社会に大きな打撃を与えています。命を奪い、暮らしを壊し、自粛によって経済活動が収縮するもと、中小企業や小規模企業は倒産、廃業の危機に直面しています。
医療や介護の現場では、人手も道具も不足する中、必死に命を守っています。
政府は4月7日、7都府県に緊急事態宣言を行い、16日には対象地域を全国に広げました。この宣言を受けて、県は4月25日から5月6日までの期間、遊興施設などを対象に休業要請を行い、本市も連携をして飲食店などに対象を広げて休業要請を行っています。
そして昨日、政府は緊急事態宣言を5月末まで延長することを表明しています。今、感染爆発、医療崩壊を止めて、国民の暮らしと営業、命を守るために国と地方自治体が力を合わせてあらゆる手だてを尽くすことが求められています。
そこで、市は今回、新型コロナウイルス感染症に対する緊急対策の第2弾として、1人10万円の特別定額給付金を給付する事業と、休業要請に協力した事業者に協力金を支給する新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金支給事業の補正予算として、719億8,500万円を計上しました。
まず、この給付金事業についてお聞きします。
この給付金は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、政府によるイベントや外出の自粛要請などの影響で、収入が急減している事業者や個人の支援策として全国民に一律10万円、現金で給付するものです。
この案は、当初共産党など野党共同会派が4月2日に政府に対して、一刻も早く届けるために、収入などの条件をつけずに全国民に1人10万円以上の支給を行うことを提言していました。
一方、安倍政権は、収入が激減した世帯にこだわって、収入が半分以下になるなど、厳しくて複雑な条件をつけ、1世帯30万円の支給で4月7日には一旦は閣議決定を行っています。
ところが、新型コロナで全国民が影響を受けているのに、もらえる人ともらえない人がいる、相当収入が減らないともらえない、こういった国民からの猛反発があり、そうした世論に押され、4月7日に閣議決定した補正予算案を大幅に見直し、全国民に10万円支給することを盛り込んだ補正予算が昨日成立しました。
安倍政権の迷走で補正予算の成立を遅らせたことは大変重大です。
政府の自粛要請は2月から始まって、小学校、中学校などの休校も3月から始まっています。3月、4月はイベントなどほとんど中止となり、経済が収縮する中で、仕事を失う人や、経営困難で倒産、廃業も出ています。休校による学校給食の中止が引き金で倒産した企業も出ています。
こうしたもとで、今求められているのは、この10万円の給付金を正確に、しかも一刻も早く国民の手に届けることです。そのためには、まず事務手続が簡単でなければなりません。
そこで質問しますが、申請の手続の流れはどのようになっているのか。また、どのような形で支給されているのか、お答えください。
さらに、いかに早く届けるかということですが、西伊豆町は今日1日に申請受付を開始し、早ければ5月11日にも10万円が届くと報じられています。
また、静岡市よりも大きい神戸市でも、オンライン申請を行いながら、5月15日には申請書の郵送を開始し、5月末には支給を始めるとしています。このスピード感が必要です。
政府が10万円の支給を決定した後、所管する市民自治推進課には、支給はいつになるのかと問合せが相次いでいると伺っています。それほど市民の生活が切迫していて、待ち望まれていることの表れです。
そこで質問します。
安倍首相が衆参両院本会議の質疑の中で、早い地方団体では、5月中のできるだけ早い時期を目標に給付を開始していただけるよう準備を進めていると答弁していますが、本市はなぜ6月の申請で6月からの支給とのスケジュールになっているのか、お答えください。
次に、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金支給事業についてお聞きします。
日本共産党は、新型コロナ感染症が拡大していく当初から、自粛要請と一体に補償を行っていくことこそ安心して休業することができ、感染拡大防止の実効性を確保できる、と主張してきました。
財政の厳しい地方自治体からは、地方創生臨時交付金を休業要請する事業者への損失補填に使えるようにしてほしい、こういった要望も出されていましたが、政府は国として事業者の休業補償をとる考えはない。したがって、国からの交付金は自治体が実施する事業者への休業補償には使えない、このように否定しています。
営業自粛に伴う損失を直接補填する休業補償は、財政支出が膨らむおそれがあるためだと言っています。
ところが、全国に感染拡大する中で、全国知事会などからも強い要望を受け、臨時交付金を地域の様々な形の協力金などにも使えることになりました。つまり、この臨時交付金は、休業補償には使わせないが、休業協力金なら使えるとしたもので、これでようやく財政的な裏づけもできて、思い切った休業要請ができるようになったと認識しています。
ここでも、安倍政権の事態への認識の甘さと迷走ぶりを感じています。
さて本市は、実質4月27日から5月6日まで対象とした約4,400事業所に休業要請を行い、協力した事業者には50万円、2店舗以上ある事業者は全て休業した場合、100万円の休業協力金を支給することとしました。
そこで質問ですが、今回なぜこの休業要請を行うこととしたのか。また、休業要請によりどのような効果を期待しているのか、お答えください。
本市が、この休業要請の詳細を発表したのは4月23日で、協力金の支給対象の休業期間は4月27日から5月6日の全期間となっています。休業開始日まで中3日間しかありません。この間に対象となる約4,400事業所全てに知らせなければなりません。この協力金の支給を伴う休業要請を発表した直後から、産業政策課には電話が殺到しているとのことです。
内容は様々だそうですが、その中には、先ほども松谷議員からも話がありましたが、理・美容店など対象外の事業者からはなぜ対象外なのか、あるいはエステサロンなど対象になっていても、面積で対象外となる事業者はなぜ対象が1,000平米以上なのか。こういった自分の店が対象にならない、対象から外れたことへの抗議の内容も多々あったと聞いています。
理容組合などからも休業要請の対象にしてほしい、との要望が出されています。
休業要請の対象から外れたことで不満を言うのは、それだけお客が減っていてやっていけない。10日間店を閉めたら50万円もらえるなら、そのほうがましと思うほど、窮地に追い込まれているのが現状です。
やむなく税金の滞納などがある場合、融資も受けづらく、このような協力金は運転資金の代わりとなっていくのです。
私の知り合いで、英会話の塾を営んでいる人がいますが、3密を避けよう、世間のそういった状況の中で、3月から自主的に休業し、4月の収入は全くありません。しかし、家賃は払わなくてはならない。大した蓄えもなくて本当につらい、先が見えないと嘆いていました。
市は、感染拡大防止のための協力金との立場ですが、受け取る事業者にとっては、コロナ危機による損失補填です。それを受け取るには、しっかりと知らせてあげなければなりません。
そこで質問します。
市の休業要請から休業開始まで中3日間しかなかったが、今回対象の約4,400事業所の全てに知らせるために、どのような広報、知らせ方を行っていたのか、お答えください。
また、休業に協力した場合、10日間全く売上げがなく無収入です。中には、25日から休業したり、それ以前から休業している事業所もあります。飲食店など仕入れがある事業者の場合、月末に支払いがあるところもあります。潤沢な運転資金を持っていればいいですが、毎日の現金収入でやり繰りしている事業者も大勢います。
先ほども言いましたが、市の立場は休業協力金ですが、給付を受ける事業者にとっては、新型コロナによる自粛で商売が疲弊していることへの損失補填であり、休業期間が終わったら、1日でも早く協力金を支給することが求められています。
そこで質問です。
協力金の申請から支払いまで、どのような流れになっていくのか、お聞きします。
以上、1回目です。
◯市民局長(深澤俊昭君) 特別定額給付金についての2点の御質問にお答えします。
まず、申請手続の流れと、どのような形で支給されるのかについてですが、感染拡大防止の観点から、給付金の申請方法は国が示す郵送申請方式及びオンライン申請方式を基本としています。
郵送申請方式は、受給権者である世帯主宛てに、その世帯の給付対象者が記載された申請書を郵送し、必要事項を記入の上、本人確認書類及び振込先口座の確認書類の写しとともに返送していただくものです。
オンライン申請方式は、マイナンバーカードを持っている世帯主が政府が運営するオンラインサービス、マイナポータル上の特別定額給付金の申請画面において所要の手続を行うものです。
給付の方法につきましては、原則として世帯主の本人名義の銀行口座への振込となります。また、銀行口座がないなど、真にやむを得ない場合に限り窓口において給付を行います。
次に、本市のスケジュールについてですが、本日の市議会臨時会で御審議いただき、議決をいただけましたら、直ちに必要となる契約業務等に着手いたします。
市内およそ69万7,000人を給付対象とし、申請書類を各世帯に送付するまでには給付金管理システムを構築し、分かりやすい申請書類とするための調整と、各種テストやチェックを経て、およそ31万9,000世帯分の申請書類を整え、封入の上、発送する作業が必要となります。
また、支給に当たりましても、返送された申請書に基づき、大量のデータ入力と確認作業が必要となります。
現在、6月からの申請開始を予定しておりますが、可能な限り早期の支給開始を目指し、準備を進めております。
迅速かつ的確に1日でも早く市民の皆様に給付金をお届けできるよう、精いっぱい努めてまいります。
◯危機管理統括監(海野 強君) 休業要請を行うこととした理由と、期待する効果についてですが、本年4月16日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態措置を実施すべき区域が全都道府県に拡大されました。
これは、全国的に感染拡大の傾向が見られることから、地域の流行を抑制し、特に大型連休期間中における人の移動を最小化することを目的として決定されたものでございます。
本市としても、市外、県外からの来訪をできる限り抑制するとともに、市内における人の移動を最小化するため、食事提供施設、遊興施設、遊技施設など市内約4,400の事業者に対し、大型連休期間が終わるまでの12日間、休業の協力を要請することといたしました。
これまでの3つの密を避けることをより一層推進し、大型連休期間中の規制や市外、県外からの来訪者の抑制により、人と人との接触の機会を削減し、感染の拡大を抑えたいと考えております。
◯経済局長(加納弘敏君) 休業要請の広報など、2点の質問にお答えいたします。
休業要請について、どのような広報を行ったかについてですが、まず本年4月23日に静岡商工会議所や清水商工会などの経済団体や市内の飲食業に関する組合など業種別団体を通じて、休業要請の対象となった事業者の皆さんにお知らせするとともに、本市ホームページやSNSに掲載し情報発信をしました。
さらに、臨時の記者会見を行うとともに、翌日には市長と静岡商工会議所会頭が緊急の共同声明を発表し、感染拡大防止対策の効果を高めるため、事業者に対して休業などの協力を要請いたしました。
次に、協力金の申請から支払いまでの流れについてですが、まず申請者の皆様には申請書等を市ホームページからダウンロードしていただくか、各区役所にて入手していただきます。
次に、必要事項を記載するとともに、休業状況が分かる書類、申請内容に虚偽がないことの誓約書等を添付し、電子申請または郵送で市に提出していただきます。
市は、申請書等が提出された後、書類審査を経て、支払い手続を行います。要請に御協力いただいた皆様に早期にお支払いができるよう、迅速な事務処理に努めてまいります。
〔12番杉本 護君登壇〕
◯12番(杉本 護君) 2回目です。協力金支給事業について最後に1点だけお聞きしたいと思います。
1回目の質問で、休業要請をどのようにして広報したか、お聞きしました。ただいまの回答ですが、市は、記者会見をやっての報道だとか、あるいは市のホームページやSNS、あと業種別団体などからの通知ですか、こういったことをして周知をしたと答弁したように思っています。
しかし、静岡市は全国的にも大変広い面積の都市であり、山間地もあり、そこにも事業者はいます。対象となっている約4,400の事業者はかなりの数でもあり、広範囲に店を開いているのではないかと思っています。
ですから、その全ての事業者に今回の休業要請をこの中3日という26日までに知らせる、要するに実質27日から休まなくちゃいけませんから、その前の日までには知っておかなくちゃいけないということで、26日までに知らせることはかなり私は困難ではないかと今感じているんです。
しかもその約4,400と言っている中で言いますと、約がつくということは、市は要するにこの対象事業者が4,400いながらも、全部の事業者を把握していないんではないかと思っています。
協力金の支給も、休業期間が終了した後に事業者からの申請によるものですから、まさに知らなかった事業者はそのまま放置されるということではないかと思っています。
何度も言っていますが、この休業協力金は、国が実態に見合った支援策をきちっと持たない中で事業者にとっては、この新型コロナに対する損失補填、そういう意味合いを非常に強く感じていると思います。
ですから、10日間休業したら協力金が支給される。それならば休業を選んだほうがましだという事業者がたくさんいると思っています。
ですから、そうした中で、休業要請が伝わっていない中で、休業開始が遅れる、こういった事態の場合、一定の範囲でも私はいるんではないかと感じているんです。
そこで、最後の質問になるんですが、休業要請が伝わらなかったことにより、休業開始が遅れた場合の対応はどうなるのか、これを伺って質疑を終わります。
◯経済局長(加納弘敏君) 休業の開始が遅れた場合の対応についてですが、本市は本年4月23日に4月25日からの休業を要請しましたが、周知期間を勘案し、協力金を支給する要件については、4月27日から5月6日までの間、休業した事業所を対象とし、その期間を通じて感染の拡大防止に御協力頂いた事業者への協力金であることから、休業開始が遅れた場合は対象といたしてございません。