◯37番(内田隆典君) 日本共産党市議会議員団を代表して、ただいま議題となっています議案第124号令和2年度静岡市一般会計補正予算(第2号)について、賛成の立場で討論を行います。
今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症に対する緊急対策ということで、国が市民一人一人に特別定額給付金、1人につき10万円を支給する予算。いま1つの事業は、静岡市が県とも連携し、感染拡大防止協力金として飲食店、遊技施設、集会・展示施設等休業に対する協力していただける中小企業及び個人事業主に50万円を支給する予算であり、総額719億8,500万円の予算規模となっています。
新型コロナウイルス対策は、医者、看護師、保健所等関係者の昼夜を分かたぬ奮闘にも関わらず、収束のめどが立たない状況となっています。こうした中、政府は5月6日までの緊急事態宣言の延長で調整に入ったと報道されています。
専門家の中からは、当初、ダイヤモンド・プリンセス号で発生した新型コロナウイルスの初動態勢の遅れが指摘されていました。その後も専門家の意見を聞くことなく、思いつきで対応してきたことが今日の事態を招いたとの指摘があります。
医療関係者の懸命な努力にもかかわらず、このままでは医療崩壊の危機との声もあります。
日本共産党は、医療崩壊を止めるためにもPCR検査の体制の改善強化の新たな予算措置、感染患者を受け入れた病院の減収に対する補償と、必要な人が速やかに検査を受けられる体制に転換するよう提案しています。
また、暮らしと営業を守り抜くには、自粛と補償をセットで行う必要があります。今回の特別定額給付金は10万円となっていますが、当初は4月7日に閣議決定された一部の減収世帯への30万円支給に批判が集中し、安倍内閣はこれを取り下げ、野党が提案していた全国全ての人への給付が世論ともなり、策定し直されました。
今回の給付金は、自治体によって支給日がまちまちでありますが、関係者の努力と工夫によって、一日も早く支給できるよう求めたいと思います。
次に、感染拡大防止協力金事業についてであります。
国が自粛を求めながらも補償を打ち出さない中で、今回の静岡市の対応には関係者の中から一定の評価がされてきているところであります。
一方、4月28日には理・美容業者で作る新型コロナウイルスに立ち向かう美容室・理容室、エステ、リラクゼーション業の会は、市の休業要請と協力金の支給の対象に含めるよう、市に要望を提出しています。
理・美容、エステ等は濃厚接触に当たります。エステ等に設けられている1,000平米以下は対象にならないとなっていますが、エステ等で1,000平米を超える事業者はわずか5店舗で、ほとんどの個人事業者は1,000平米以下で営業しています。
休業要請にあまり高いハードルを設けることなく、安心して感染防止に協力できる環境を市としてとっていただきたいと要望します。
本市においては、様々な市民要望に応えるための2次補正予算により対応を進めていますが、緊急事態宣言の長期化に伴い、市民生活はより深刻化しています。
一方、国の支援策は不十分かつ迅速性に欠け、各地方自治体は独自の支援を始めています。
今回の新型コロナウイルス蔓延は、過去に経験のない緊急事態であることから、市民の命と暮らしを守ることを市政の最優先とし、市が有する人、物、財政を傾注すべきです。
さらに、各施策を進めるため、今年度予算のうち、新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止となった行事、施策、予算をはじめ、不要不急な予算をコロナ対策に充てること、また指定都市市長会等を通じ、国による十分な措置を求めます。
一日も早い新型コロナウイルスの終息を願い、賛成の討論とします。