清水庁舎移転計画について、桜ケ丘病院移計画について

◯37番(内田隆典君) 通告しております清水庁舎、桜ヶ丘病院の移転計画について質問させていただきます。
 市長は6月16日の本会議で、3次総、5大構想の中枢を担う海洋文化施設、新清水庁舎、歴史文化施設という3つの事業の一時停止を判断したと説明しました。総事業費は3つで約400億円、大規模な事業であります。事務手続の一旦停止の理由として、引き続き新型コロナウイルス対策を最優先し、市民の皆さんの命と暮らしを守っていく必要があること、財政の健全化を図りつつ、今後想定される自然災害に対応できるようにしていく必要があること、3つ目に民間事業者が新たな事業投資に対して消極的となっている懸念があることを説明しました。
 また、一時停止した3つの事業について今後再検討を進め、めどが立ったものからリスタートするとも述べました。
 また、昨日の答弁では、9月をめどに一定の方向性を示すとも述べています。
 最初に、清水庁舎の移転計画について伺いたいと思います。静岡市が清水庁舎をJR清水駅東口公園に移転する計画を発表後、この間、賛否両論、様々な議論がされてきました。市長は議会や市民の不安の声に対し、真摯にこの声を受け止めることなく、移転ありきで推進してきたと私は考えています。今回、コロナ危機の中、事業を凍結せざるを得なくなったわけですが、そこで2点について伺いたいと思います。
 1点目は、清水庁舎整備事業の入札手続が一時停止となったが、その判断に至った経過と市民、関係者への説明についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
 次に、住民投票についてであります。
 清水庁舎移転新築の賛否を問う住民投票の実施を目指す市民団体、静岡住民投票の会が市に提出した署名数が審査の結果、5万2,300筆となったと報道されております。今後のスケジュールを見ますと、8月初旬までに臨時議会で審議されることになるのではないかと考えます。短期間でこれだけの署名が集まったわけでありますから、我々議員は慎重に審議をしなければならないと思います。
 本請求が提出されますと、市長は、意見をつけて20日以内に住民投票条例案を市議会に提出しなければならないとなっているわけでありますけれども、市長の意見は議会の審議に大きな影響を与えると考えます。
 そこで、市長は住民投票条例案に対し、どのような意見をつける考えを持っているのか、伺いたいと思います。
 次に、桜ヶ丘病院の移転計画についてであります。
 1点目は、桜ヶ丘病院のほうから市立病院との統合案が示された中、今度は静岡市の側から病院の移転先は清水庁舎の第3駐車場ということを提案したと報道されました。桜ヶ丘病院側は第3駐車場は適地であるとの認識を示したと報道されました。桜ヶ丘病院の新築移転問題は地域の長い間の懸案事項でありますし、今回のお互いの提案は地域にとっても大きな関心事であります。市は今後もJCHOとの協議を進めると思いますけれども、市民への説明責任をどのように果たしていこうとしているのか、伺いたいと思います。
 2点目です。
 医師確保について伺いたいと思います。
 病院運営を進める上で、医師の確保は絶対的なものがあります。田辺市長は医師確保について、これからも病院と一緒に汗をかくと、こういうことを述べておりました。そこで出てきたのが寄附講座というものであります。しかし、この寄附講座も医師確保という点では決して甘くないとも指摘されている問題であります。今回、考えられている寄附講座とはどのようなものなのか、また、自治体と大学の連携により医療に係る寄附講座には、どのようなものがあるのか、伺いたいと思います。
 3点目は、静岡市は病院の移転先を第3駐車場と提案しているわけですけれども、移転予定先は様々な問題があると私は考えております。ここも津波浸水想定区域、土地が2,500平米と手狭、駐車場確保ができるのかどうか、駐車場付近は一方通行があり、利用しづらいのではないかと懸念されます。また、隣には交番があります。病院が第3駐車場に移転するということになりますと、これは当然、事前に県との調整をしなければならないと思いますけれども、事前に県とこの間、どのような調整がされているのか、伺いたいと思います。

◯企画局長(松浦高之君) 清水庁舎整備等事業を一時停止とした経緯と市民や関係者への説明についてですが、本事業を一時停止した経緯については、これまでの答弁のとおり、令和2年3月31日に入札公告を開始し、6月1日から入札参加表明の受付を始める予定で事業を進めていたところ、新型コロナウイルス感染症の影響によって事務手続の一時停止という判断に至ったところです。
 市民や関係者への御説明についてですが、本事業は新清水庁舎建設検討委員会や清水庁舎整備等事業者選定委員会など、多くの方々の御協力の下、進めてきたことから、関係者の皆様には一時停止決定後、速やかに御説明させていただきました。また、市民の皆さんに対しては、市長自ら市民の代表が集まるこの議場にて御報告し、また、記者会見の場でもお伝えさせていただいているところです。
 次に、住民投票条例案に関する市長の意見書についてですが、条例制定の直接請求があった場合は、地方自治法第74条第3項に基づき、市長は議会を招集し、条例案に意見書をつけてこれを議会に付議することと定められています。この意見書とは議会に付議するに当たって必ずつけなければならないものであり、その中で条例案に対する賛否を明確にするとともに、規定の不備などを明らかにするものです。
 今後、住民団体の請求代表者から条例制定請求書等が提出された場合には、法令の定めに従い、提出された条例案に対し、市長の意見をつけて議会にお諮りいたします。

75◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) 桜ヶ丘病院に係る2点の御質問にお答えします。
 まず、JCHOとの協議内容について、市民への説明をどのように考えているのかについてですが、JCHOとの協議に関する情報につきましては、できる限り市民の皆様へお知らせしてまいります。
 次に、寄附講座についてですが、寄附講座とは大学の教育研究機能の充実、活性化を図るため、民間企業や自治体等からの寄附金等により講座を開設し、教育、研究を行うものを言い、医学部に限らず様々な分野において実施されております。その中で、自治体と大学との連携による医療に係る寄附講座は、自治体からの寄附金を活用して、地域医療が抱える課題等をテーマとして教育、研究を行うものです。
 一例としましては、地域の病院に医師を派遣し、医療圏において不足している診療科の強化を図りながら、医師の育成や確保等について調査研究を行うものがあります。

◯市民局長(深澤俊昭君) 交番が立地する第3駐車場への移転に関する県との調整についてですが、今月、市民局及び保健福祉長寿局の両局で、清水警察署及び静岡県警察本部を訪問し、JCHOとの協議状況等について説明を行ったところです。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯37番(内田隆典君) 庁舎の問題でありますけれども、今、関係者には説明したという答弁でしたけれども、私は、この問題はもう平成27年からですよね。だから市内で大きな問題になっているわけですから、関係者には当然説明する責任があると思いますけれども、市民の皆さんに説明責任を果たすということが、私は必要ではないかと思います。ぜひその辺、検討していただきたい。
 それから、住民投票条例案に関する意見書ですけれども、私が気になったのは、昨日の質問でも住民投票の受け止めについて質問がされたわけですけれども、そのときの答弁が請求されたら法令に従って進めるということなんですよ。法令に従って進めると。当たり前のことですよ。あなた方は肝心なことをきちんと正確に答弁しないとまずいと思うんです。
 今、意見書の問題でも質問しましたけれども、議会に付議するに当たって、条例に対する賛否を明確にすることと言いながら、条例請求が出されたら法令に従い、市長の意見をつけて議会に諮る。そのとおりなんですけれども、私の質問はどのような意見をつける考えかということですから、当たり前のこととして受け止めるんじゃなくて、きちんと答えてもらいたいと思うんです。
 それから、住民投票が提案されるというのは、静岡市にとっては初めてのことじゃないかと思うんですけれども、5万2,300筆という署名が短期間に集まったと。このことは、2011年の東日本大震災の教訓を無視して、移転計画を無謀に進めている、こうした市民の意見を聞かない傲慢な市政運営に対する市民の1つの怒りの表れだと私は思っています。
 2001年に静岡県においては、静岡空港の建設の是非を問う住民投票が提案されました。このときの石川知事は、静岡空港の建設は必要と考えると。しかし、建設については県民一人一人が主体的な意思を表明することが適切と考え、住民投票条例の制定について賛意を表明したという流れになっていたようであります。ちなみに田辺市長はこのとき県議会議員の2期目じゃなかったかと思うんです。住民投票に対する市長の意思を明確に示すべきじゃなかったかと私は思います。
 それで、質問ですけれども、庁舎問題で今後どのような施設が求められるか、いかに事業性を高めていくかという視点で再検討するということでありますけれども、私はそうではなくて、新型コロナウイルス終息後は清水駅東口公園への移転ありきでなく、ゼロベースで検討すべきではないかと思いますけれども、改めて伺います。
 それから、桜ヶ丘病院の問題で、市民団体からも市民への疑問についてきちんと説明を求める要請を市は受けています。今の保健衛生医療統括監の話では、市民にできるだけ説明すると。こんなことでいいんですか。市民にできるだけって。やりたくなかったらやらないというつもりですか。全く失礼ですよ。
 質問です。
 庁舎跡地から駐車場移転を提案したわけですけれども、先ほどもありましたけれども、当初は大内に予定していたわけです。しかし、水問題が出てきて、JCHOから静岡市にどこかいい土地はないかと提案があって、市長は桜が丘公園、それから庁舎の跡地と2つを提案したわけです。
 その後、JCHOからは、じゃどっちがいいんですかと言ったら、静岡市は、いや、それはもう庁舎の跡地がいいと、こう提案したわけです。提案したけれども、今日になってコロナ問題で庁舎がそうはいかなくなったと。だとすれば、普通だったら、2番手であった桜が丘公園に、というのが私は普通の流れじゃないかと思うんです。なぜそういう流れにならなかったのか。改めて分かるように説明してください。

◯企画局長(松浦高之君) 清水庁舎についてゼロベースで再検討すべきについてですが、これまでも本会議で答弁させていただいているとおり、本事業は活気があふれ、災害に強い、新たな清水を実現させるまちづくりの中核的な役割を担う重要なプロジェクトでございます。新たに庁舎に求められる機能の検討や、当初から予定していた民間施設の誘致も改めて模索しながら、再開を目指してまいります。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) 桜が丘公園を提案しなかったことについてですが、本年度に入り、桜ヶ丘病院の内野院長から、これまで想定していた新病院の開院時期である令和7年4月より早い時期での開院を目指し、清水庁舎の取壊しを待たずに、庁舎前の第1駐車場に病院を建設することができないか、という旨のお話がありました。このため、課題を整理した上で、6月1日にJCHOに対し、当初、権利移転の対象として提示していた用地の中から、清水庁舎第1、第2、第3駐車場を、庁舎の取壊しを待たずに病院建設が可能な用地として改めて示したところです。
  〔37番内田隆典君登壇〕

◯37番(内田隆典君) 庁舎の問題ですけれども、企画局長は民間施設の誘致を改めて模索していきたいということですが、これまでの経過を見ると、民間施設を誘致してこれから庁舎と一緒になってやっていこうと。けれども、これが破綻したじゃないですか。うまくいかなかったから、庁舎単独で入札を考えたわけでしょう。コロナ禍の中で今後終息した後は、社会環境や経済活動だって大きく変わると思うんです。そういう中でまだ昔の考え方に終始して、元の民間施設を誘致するというやり方は、私はどうかなと思いますよ。ゼロベースで考えるべきだと、改めて私は指摘しておきたいと思います。
 それから、桜ヶ丘病院の問題は先ほど答弁があったように、国会でも問題になっているんですよ。だからこれは相当大きな問題です。市は病院建設は、安全・安心な場所への建設を前提にJCHOと協議すること、医師確保に全力を挙げて取り組むことを求めて質問を終わりたいと思います。