2020年8月臨時議会報告 新清水庁舎建設問題=これまでの経過と日本共産党市議団のとりくみ=

東日本大震災で清水庁舎の再整備が課題に
       日本共産党市議団も再整備は必要と考えます

 2011年3月の東日本大震災を受け、市は津波浸水等の大規模災害による現清水庁舎の
被害想定調査を行いました。
その結果、①建物自体は倒壊する危険性は低いもののかなりの被害を受けること、②最
大クラスの津波(レベル2)では地下設置の電気設備などが被害を受ける可能性がある
ことが分かり、現庁舎の再整備が必要と判断されました。
日本共産党市議団(以下、「市議団」)も、現清水庁舎の整備は必要だと考えています。


清水駅東口公園への移転建設ありきの進め方に市民の不満の声
             市議団は市の傲慢な姿勢を議会で批判

 市は2017年度に入り、「新清水庁舎建設検討委員会」を設置し検討を始めました。
しかし、市は庁舎の移転先を決定する前に、桜ケ丘病院を現清水庁舎跡地への移転を
決めていたことから、新庁舎建設は津波浸水想定区域である清水駅東口公園への移転
が前提とされていました。これに対して、不安を抱く多くの市民から「意見を聞く気
はないのか」と不満の声が上がりました。
 市議団は、「移転建設地の方針は変更しないとの市の姿勢は傲慢。市民の意見でよ
り良い方向への変更もあり得るし、それこそが市民参加の民主的な市政運営ではない
のか」と、議会で厳しく批判してきました。


多数の市民の声を聞かない市と市議会
    市民は、「建設の是非を問う住民投票」を求め運動へ
         共産党含む3会派の野党共闘が実現

 2017年2月~3月の「清水まちなかタウンミーティング」以来、田辺市長は移転建
設に反対する市民団体とは会うことを避け、市長自ら話し合いのテーブルに着くこと
はありませんでした。2019年4月の市長選挙では、清水庁舎移転建設に対し凍結、反
対を訴えた対立候補2人の合計票が田辺市長の得票を上回り、出口調査では移転反対が
賛成を上回りました。さらに9月末の朝日テレビ世論調査でも移転建設反対が3区すべ
てで過半数を超え、住民投票に賛成する世論は6割を超えました。
 この世論に対し、9月市議会では、自民・公明・志政会の3会派が、清水庁舎移転建
設予算94億円と住所地の条例に賛成し可決、一方、創生静岡が発議した「清水庁舎移
転建設の是非を問う住民投票条例(案)」には反対に回り否決しました。
 市議団は、市民合意のないまま巨額の市税をつぎ込む清水庁舎移転建設には反対の立
場を貫き、住民投票条例案に賛成しました。

  このように、市民の意見と市議会の判断が乖離している結果を受け、清水地域の市
民団体8団体は、住民投票で清水駅東口公園への移転建設について市民に直接賛否を問
うことを決意し、「静岡住民投票の会」を結成しました。
 市議団は、この運動に呼応して2019年12月13日、静岡市の葵区、駿河区でも活動し
ている市民団体や労働組合などとともに「住民投票葵・駿河の会」を結成し、住民投票
実現に向けての運動に参加しました。
 また、市議会の中で意を同じくする創生静岡と緑の党とも連携し、住民投票を求める
運動では3会派の野党共闘が実現しました。

青葉公園での署名活動の様子


2カ月間の署名活動で市民の強い思いを実感
         市議団も市民と協力して署名を集める

 2020年1月23日から2カ月間、直接請求に必要な有権者数の50分の1にあたる11,787
人分の4倍を超える52,300人分も集まりました。署名は受任者しか集められず、本人直筆、
ハンコも必要、こんな面倒な署名がわずか2カ月間で、これだけ多く集まったことは、市民
が強く住民投票を求めていた証です。
 街頭での署名訴えに、清水区では毎回100筆を超え、葵区青葉公園前でも列ができました。
「どこで署名できるかわからなくてやっと見つけた」と駆けよってくる人など、集める方が
びっくりするような光景があちこちでありました。個別訪問でも、「いつか来ると思って待
っていた」など、多くの市民が積極的に応えてくれました。
 清水区では4月に衆議院補欠選挙があったことに加え新型コロナの影響で、実質1カ月の署
名活動の中で52,300人の署名数は大変重みのあるものでした。


市民の声を無視した田辺市長ー自民・公明・志政会3会派条例案を否決
 市議団は住民投票条例制定実現に賛成討論を行い、議員の賛同を求めました。

議場での表決の様子
条例案に賛成、起立する8議員(日本共産党3、創生静岡4、緑の党1)