清水庁舎について、桜ヶ丘病院について、地域医療構想について

〇(内田隆典) 通告しています3点について質問させていただきます。
 1つ目は、清水庁舎についてであります。
 この問題の移転計画で、住民投票が提案されるまでの問題に発展しました。庁舎移転計画は、桜ヶ丘病院の移転計画と深く関わり、静岡市のこの間の推進計画は、私は迷走してきたのではないかと感じているところであります。
 一昨日の答弁で、JCHOが東口公園を選んだ場合、将来的に現庁舎の大規模改修、現地建て替え、移転建て替えの比較検討もあり得ると答弁されました。この間の検討経過からすると、まさにこれは迷走していると私は考えているわけでありますけれども、そこで伺います。コロナ禍の中で、区役所の機能や働き方についても、大きく変わらざるを得ないと考えております。今後どのような機能を持たせた庁舎を目指して検討していくのか、伺っておきます。
 2点目は、新清水庁舎の建設事業の停止期間が中長期に及ぶ場合には、現庁舎の設備の老朽化対策が必要と考えられますけれども、今後の対応についても伺っておきたいと思います。
 次に、桜ヶ丘病院についてであります。
 この問題でも、この間議論がされてきたわけでありますけれども、当初は大内新田に移転計画をすると。しかし、この地が交通の便や水問題等もあり、JCHOは平成27年5月に、静岡市に対し移転候補地の選定について情報提供を求めてきました。このとき田辺市長は、桜が丘公園と清水庁舎跡地の2か所を情報提供しました。その後、JCHOからこの2か所のうちどちらが病院の移転先としてふさわしいか問われた田辺市長は、庁舎建設後の跡地とJCHOに回答しました。私は、このときの判断が間違いの始まりだと考えているわけであります。その後コロナ問題もあり、庁舎の移転は当面断念せざるを得なくなりました。市は、その後、市役所の第1や第3駐車場をまた提案しましたけれども、JCHOのほうからはこの土地が狭いということで断られ、今度は清水庁舎の建設予定地を含めた4か所を提案してきました。病院移転予定地の提案が二転三転してきているわけでありますけれども、私は病院建設の遅れは、こうした田辺静岡市長の政治判断の誤りだと考えております。市長はこの間の政治判断とここまでの病院の移転についての遅れについて、責任をどう受け止めているのか、伺いたいと思います。
 2点目は、JCHOの移転用地の情報提供の求めに関連し、伺いたいと思います。平成27年5月、移転用地に関し、JCHOからの情報提供の申入れを受けて、桜が丘公園と清水庁舎の跡地を移転候補地と回答しました。この中で、桜が丘公園については、市街地の中央に位置する住宅地にあり、静かな療養環境が期待できる場所であります。現病院から近距離であるため、徒歩により通院している患者にも影響がなく、特に5割を超える近隣住民の患者にとっても利便性が継続されることと考えられます。また、病院建設着手までの期間につきましては、条件に沿うよう努力してまいります。この文章は田辺市長が尾身理事長に回答した内容であります。この文章を読む限り、私は桜が丘公園と回答しても何ら問題なかったと受け止めるわけであります。しかし最近になって、この桜が丘公園に対する移転という言葉はどこにも出なくなったということで、なぜそうなってきたのか私は不思議でならないわけでありますけれども、いつどのような判断の下で市長は方針転換したのか、明確にお答えいただきたいと思います。
 次に、地域医療構想について伺います。
 厚生労働省は、昨年9月26日、公立・公的病院は統廃合してベッド数を減らすべきだと主張し、全国424の病院名を公表しました。静岡県内で13病院が名指しされ、清水区を見ていきますと、厚生病院、桜ヶ丘病院、共立蒲原総合病院の名前が挙がってきています。しかし、その後の新型コロナウイルス感染拡大によって、公立・公的病院の重要性が明らかになってきているところであります。
 そこで、2点について伺いたいと思います。
 国が進めている地域医療構想について、コロナ禍の状況の中で市はどのように受け止めているのか。
 2点目は、厚生労働省から、具体的に対応方針の再検討対象医療機関とされました共立蒲原総合病院についてでありますけれども、この病院を巡っては、この6月、静岡自治労連や蒲原病院をよくする会がアンケート調査を行いました。この調査では、地域医療についての関心が高い、病院が地域に密着した信頼できる病院と評価を受けているという内容が報告されています。地域にとって欠かすことのできない病院であると考えていますけれども、市はどのように考えているのか伺って、1回目とします。

◯企画局長(松浦高之君) 今後、どのような機能を持たせた庁舎を目指し検討するのかについてですが、新清水庁舎については、ポストコロナ時代の新しい社会を見据え、ICTのさらなる進展により変化する行政サービスや感染症対策について、ハード・ソフト両面から調査研究を行ってまいります。これらの調査結果を踏まえ、庁舎に必要な機能や規模を再整理すると考えております。

◯財政局長(川崎 豊君) 新清水庁舎建設事業の停止期間における現庁舎の設備の老朽化対策についてですが、清水庁舎の主要設備の多くが建設当時に設置されたもので、設置後37年が経過していることから、本年6月には空調設備の配管が破損し冷房が効きにくくなるなど、機器類や配管などの老朽化が進んでいる状況にあります。このため、部品の交換等が必要と判断されたものについては、随時対応することで設備の機能維持を図り、市民サービスや執務環境に影響が出ないようにしてまいります。
 また、停止期間が中長期に及んだ場合の対策については、今後の新清水庁舎建設事業の動向を踏まえながら、改修内容や方法などの検討を実施していく予定です。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) 桜ヶ丘病院と地域医療構想に関する4点の御質問にお答えします。
 1点目に、桜ヶ丘病院の移転に係る現在の進捗状況についてでございます。
 本年10月に市長と尾身理事長が会談した際、桜ヶ丘病院の移転については、移転先ありきでなく、清水地域の医療のあるべき姿や、桜ヶ丘病院が担う役割等を地域の医療関係者と協議していくこと、またその中で特に救急医療に係る役割については、11月中にその方向性を示すということで意見一致しました。
 これを受け、11月18日に開催した清水地域の医療関係者、医療関係機関や県、市の行政等が参加する協議会において、各病院の救急医療に係る役割について協議を行い、各病院では、医師の確保を前提とした上で、清水地域の2次救急医療体制の確保と、それに伴う病床数についての方向性が合意されました。
 本市としましては、協議会での協議内容を検証した上で、移転候補地4か所を新たに選定し、JCHOに対し11月26日に情報提供を行ったところでございます。
 2点目に、JCHOへ情報提供した移転候補地の選定条件についてですが、平成28年度に情報提供した現清水庁舎跡地と桜が丘公園は、市民の利便性が高いこと、早期の移転新築が可能であること、安定的な経営ができることなどの条件により選定いたしました。今回情報提供したJR清水駅東口公園の一部などの4か所については、28年度に情報提供した際の条件に加え、コンパクトシティを目指す清水都心のまちづくりに合致すること、清水区における公的病院のバランスの取れた配置や交通弱者へ対応するための交通結節点での配置となること、また必要な敷地面積が確保できること及びより早期の移転新築が可能といった条件により今回選定いたしました。
 3点目に、国が進める地域医療構想について、コロナ禍の状況における市の受止めについてですが、現在地域医療構想については、国のワーキンググループにおいて、新型コロナウイルス感染症の状況を勘案し協議を進めております。今後、県が所管する静岡地域医療構想調整会議においては、国の検討状況を踏まえて協議が進められていくものと考えております。
 本市としては、こうした国や県の動向を注視し、情報収集に努めてまいります。
 最後に、共立蒲原総合病院に対する市の考えですが、共立蒲原総合病院は、静岡保健医療圏及び富士保健医療圏の境界に位置し、急性期から回復期、慢性期までの機能を有する病院として、両圏域から多くの患者を受け入れております。同病院の直近5年の年間利用状況は、入院患者数が平均約7万4,000人、外来患者数は平均約8万人となっております。このうち、由比・蒲原地区の住民の利用割合は、入院患者が約33%、外来患者が約41%を占めており、身近な医療機関としてこの地域の多くの方が利用している状況にあります。また救急医療では、24時間365日、救急患者の受入れを行っているほか、災害医療では、地理的特性もあり、静岡市、富士市、富士宮市から救護病院に指定されております。
 本市としては、同病院の必要性及び重要性は極めて高いものであると考えており、引き続き他の経営主体である富士市、富士宮市と連携して、この地域の基幹病院として医療提供できるよう取り組んでまいります。

◯(内田隆典) 清水庁舎についてでありますけれども、この間大規模改修、現地建て替え、移転建て替えという3案が検討あり得るという形で答弁されているわけですけれども、私は緊急防災・減災事業債についての考え方について伺いたいと思いますけれども、御案内のとおり、この事業は国が公共施設等を建て替える場合に、この事業に当てはまりますと、その後事業費の70%の交付税措置がされるということになっておりますけれども、この事業が年が明けた3月で終了するようでありますけれども、先日の新聞報道では、防災・減災対策を強化する国土強靭化に向けて、この延長が5年間されるのではないか、予算規模も15兆円という形で報道されております。そうしますと、この間企画局長等々が答弁していますように、この清水庁舎を5年間のうちにどうするのかということが語られておりましたけれども、この交付税措置との関係では、かなり有利な財源問題がありますから、リスタートをさせるという段階に入って、この問題をどういう形で静岡市が考えていくのか、その考え方について伺っておきたいと思います。
 それから、桜ヶ丘病院の問題でありますけれども、私はこの遅れた原因は、田辺市長の政治判断、この政治判断はこの間、やっぱり誤ってきたと。そのことに大きな要因があると思っているんです。進捗状況等を私は質問したわけではなく、市長の政治責任、ここはどうだったのかということを聞いているわけでありますから、その点どう考えているのか、明確にしてもらいたいと思うんです。
 それから、移転候補地の変更理由、平成28年当時、市長がJCHOに理由を述べたわけでありますけれども、その理由に対して、私はなぜあそこに移転しなかったかという明確な答弁がされていないと思うんです。確かにコンパクトシティとの関連だとか、全体のバランス、交通、面積等々は説明がありましたけれども、なぜあそこに最初にということで相談しなかったのか、なかなかそこら辺が明確に答えられないということでありますから、改めて、私はこの間の計画からすると、行政の一貫性を含めて、私は桜が丘公園への移転を提案することがこの間の流れだと思いますけれども、なぜそうならなかったのか、伺いたいと思います。
 それから、2点目です。公有地を含めて、津波浸水想定区域ということなんです。これはこの間の議論や3.11の教訓からすれば、静岡市は誤った判断をしていると言わざるを得ないと私は思います。改めてこの件についての考え方を伺いたいと思います。
 それから、医師確保についても伺いたいと思いますけれども、いろいろ、寄附講座をどうするとかこうするとか言っていましたけれども、しかし、私は財源が伴っていないと思うんです。きちんと財源も示して、そしていよいよ静岡市は医師確保について、これはやる気だなということをJCHOさんに示さないと、なかなか病院の移転工事を含めて、積極的に乗ってこないんじゃないかと、そういう点で、財政問題、財源措置の問題、どうしていくのか、伺っておきたいと思います。

◯企画局長(松浦高之君) 緊急防災・減災事業債の活用についてですが、本事業を再開する際には、その時点で利用可能な補助金や地方債について検討してまいります。

◯保健衛生医療統括監(杉山友章君) 桜ヶ丘病院に関する3点の御質問にお答えします。
 まず、桜が丘公園への移転を進めるべきではないかについてですが、今回の提案に当たっては、清水都心のまちづくりに合致すること、公的病院のバランスの取れた配置、交通結節点での配置、必要な敷地面積の確保及びより早期の移転新築が可能といった条件を総合的に勘案し、JR清水駅周辺が適地であると判断いたしました。
 次に、新たな移転候補地について、津波浸水想定区域で問題はないのかについてですが、JCHOは他都市での事例や実績を踏まえて、津波浸水想定区域内であっても、建築手法の工夫などにより、発災後の業務継続は可能であり、病院機能は維持できるとしております。
 最後に、寄附講座設置に関する御質問についてですが、寄附講座の設置については、現在JCHOとともに都内の大学を訪問し、医師派遣に向けた寄附講座の設置について協力をお願いし、協議を進めているところです。この協議の進捗を踏まえ、適切な時期に財政措置を講じてまいります。
  

(内田隆典) 1分ありますから、一言話をさせてもらいますけれども、確かに、津波浸水想定区域であってもJCHOはいいと言いますけれども、一連のこの間の教訓は、なぜあんなところにというか、津波浸水想定区域に提案していいのかどうか、これは誘導しているのは市なんですよ、市長なんですよ。だからそこを私は考えてもらいたいと。今までの教訓を何も生かそうとしていない。
 それと、あそこの位置は予算も一旦議決させて、そして位置条例も早々と変えたわけです。そういう点では、議会に対して私はあまりにも軽視した進め方だと言わざるを得ないと思います。そういう点では、津波浸水想定区域への誘導、これは改めて考え直してほしいということを最後に申し上げて、質問とさせていただきます。