田辺市長大型公共事業について前のめり
市民軽視の来年度予算
<寺尾 昭議員が反対討論>
来年度予算の特徴は、大型公共事業について前のめりの田辺市長の姿勢が鮮明になったことです。清水に建設予定の海洋文化施設、新清水庁舎、アリーナ、サッカースタジアム等に関わる予算が計上されました。このうち海洋文化施設事業は、清水のまちづくりに相応しいと言えるか、市民の批判も強く議論は深まっていません。来年度以降に支出する予定の169億6千万円を予算化しましたが、入場者が目標に達しない場合の収入不足を市が補うシステムまで準備しています。
大型事業は将来の市民の大きな負担に
市は4次総策定の途上にありますが、人口70万人維持方針は変更を余儀なくされているもとで、高度成長時代を彷彿とさせる重厚長大な施設をつくり続けることは将来の市民に大きな負担を残すことになることは必至です。
また、2014年から30年間で公共施設の総床面積2割を削減するアセットマネジメント計画とも明らかに矛盾します。
一方、この議会には補正予算として、「公共建築物整備基金積立金」50億円が初めて計上されました。現状でもこのような積立金を予算化せざるを得ない厳しい財政状況です。財政中期見通しでは、毎年度50~70億円の財源不足が生じるとしています。
消費税廃止でこそ税収増
収入となる地方消費税交付金は168億円余ですが、市が予算執行で支払う消費税は104億円余であり、差し引きは約64億円です。財政局長は、最悪の不公平税制の消費税について、「広く公平に課税されており、地方消費税として地方への安定的、重要な財源になっている。」と答弁しましたが、消費税を廃止し、労働者の賃金を引き上げ、中小企業の収益を増やすことができれば、地方消費税を上回る税収が期待できます。
日本共産党は、学校給食の無償化、国保料・介護保険料の引き下げ、子ども全員の保育料無償化などを要求してきましたが、これらについて市長は財源難を理由にして拒否しており、市民軽視の本末転倒予算と言わなければなりません。