◯内田隆典
通告しています3項目について質問します。
最初に、市長の政治姿勢ということで、田辺市長の任期もあと半年となりましたけれども、この間の田辺市長の行政運営について伺いたいと思いますし、市長がどのような形で市民の声を反映したのかという点について伺いたいと思います。
この間の田辺市長の行政運営は、市民の声を十分聴くという上で、十分聴いてきたのか。極めて不十分だと私は考えております。中でも、この間、LNGの火力発電所計画や津波浸水想定区域への清水庁舎の移転計画、併せて、桜ヶ丘病院の移転問題等々、市を二分するような形で議論されましたけれども、声を聴く上では十分じゃなかったと。極めつけは清水庁舎の移転問題ですけれども、これは住民投票というような状況が生まれました。署名は地方自治法で定める必要数の4倍を超え、5万3,000名分が集まりましたけれども、田辺市長は議会に提案した議案に対し、住民投票は必要ないと明記いたしました。
大規模事業に対する事業決定に当たり、市長は市民の声をどのように反映してきたと考えているのか、まず1点伺いたいと思います。
次に、安倍元総理の国葬問題について伺いたいと思います。
岸田総理は何ら根拠のない国葬を国会に諮ることなく閣議決定し、今月の27日に強行するということを聞きました。市長はこの問題について、公費を支出せず、私人の立場で参列するということを記者会見で言われておりましたけれども、これも不思議な話でありまして、私人であれば当然、参加を求められないじゃないかと私は思います。市長は当日、半旗の掲揚等を実施するのかどうか、伺いたいと思います。あわせて、国葬儀の実施について、どのように受け止めているのか。
次に、平和行政について伺いたいと思います。
2月24日、ロシアのウクライナ侵略行為以降、国内でも防衛費を増やせ増やせの大合唱が行われています。国は現在、防衛費、GNPの1%を5年以内に倍化させようという動きがあるわけでありますけれども、この間、岸田総理大臣は、NPTの再検討会議、広島・長崎の原爆の記念式典への参加がありましたけれども、核兵器禁止条約については全く触れることなく、無視してきました。
田辺市長も、この問題では繰り返し私どもの質問に対し、核兵器禁止条約についての参加について、これは国の専管事項ということで、明確に答弁をしようとしません。しかし、同じ首長でもこの問題についてきちんと答弁している市長もいるわけで、田辺市長の姿勢が問われているわけであり、改めてこの件について、どのような見解を持たれているのか、伺いたいと思います。
次に、清水みなと祭りについて2点伺います。
第73回清水みなと祭りが3年ぶりに開催されました。しかし問題は、このみなと祭りに自衛隊の参加がありまして、参加状況はどうだったのかが1点。
2点目は、平和な祭りに私は自衛隊の参加はふさわしくないと思っています。私は見直しを図るべきではないかと思いますが、見解について伺いたいと思います。
3項目は、高齢者・低所得者対策についてであります。
円安による物価高騰、ロシアのウクライナ侵略などで電気、石油製品、食料品等20%前後の値上げが進んでいます。政府も静岡市も生活困窮者や住民税非課税世帯への支援を進めておりますが、極めて不十分だと私は考えております。1点に絞って伺いたいと思います。高齢者・低所得者に対するエアコン設置に対する助成を静岡市で検討できないかということであります。
東京23区において、熱中症に関連し調査が行われたそうであります。7月末の段階で、屋内の熱中症死亡が97人、そのうち、エアコン未設置が23人、エアコンがあるのに未使用が60人、使用は3人で、エアコンを使っているかどうか分からない11人を除くと、死亡者の97%がエアコンを使っていなかったという結果が出たそうであります。そういう点では、高齢者、所得が厳しい人たちにエアコンを設置するということを静岡市は独自施策として検討する必要があると思いますけれども、当局の考え方について伺います。
1回目です。
◯企画局長(松浦高之君)
大規模事業の事業決定に当たっての市民の声の反映についてですが、大規模事業については、その基本構想や基本計画案を策定する過程において、パブリックコメントなどの市民参画手続を実施し、市民の皆さんの御意見を計画案に反映し、確定しております。したがって、各事業には市民の皆さんの御意見を適切に反映していると考えております。
◯総務局長(渡辺裕一君)
国葬儀と平和行政に関する3点の御質問にお答えいたします。
まず、国葬儀当日に半旗の掲揚等を実施する考えがあるかについてですが、現時点では未定です。
次に、国葬儀の実施についてどのように受け止めているかについてですが、国葬儀については国の行事であると認識しており、市は国葬儀の実施について言及する立場にはないと考えております。
最後に、核兵器禁止条約への参加についてどのように考えるかについてですが、条約の批准等については国の専管事項であり、国政の場でしかるべき議論がなされるものと考えております。
◯観光交流文化局長(望月哲也君)
清水みなと祭りに関し、2点の御質問にお答えします。
まず、清水みなと祭りへの自衛隊の参加状況についてですが、3年ぶりに開催されました第73回清水みなと祭りは、8月5日から7日までの3日間、港かっぽれ総おどりや海上花火大会を中心に、清水区内のさつき通りや清水港日の出埠頭をメイン会場として、盛大に行われました。
自衛隊の参加状況につきましては、陸上自衛隊は装備品の展示、海上自衛隊は護衛艦の一般公開、航空自衛隊は清水港上空にて航空機の展示飛行がそれぞれ行われました。
次に、清水みなと祭りに自衛隊が参加することは見直すべきではないかについてですが、清水みなと祭りは、市民ボランティアで構成されている実行委員会が主催し、経済界や観光団体、自治会の皆さんと一体となり運営されています。自衛隊の参加は、市民の皆さんに災害時の対応や平和を考える場としてほしいとの願いから、実行委員会が自主的に計画しているものであり、本市としましては、その思いを尊重したいと考えております。
◯保健福祉長寿局長(増田浩一君)
エアコンを持たない生活困窮者に対しての支援についてですが、生活に困窮されている方は、静岡県社会福祉協議会が実施している生活福祉資金の貸付制度を利用して、エアコンを購入・設置することができます。この貸付けは、生活保護を受給中の方や連帯保証人がいる方は、無利子で利用することができます。このほか、高齢者、障害のある方、子供など熱中症予防が特に必要とされる方のいる世帯が新たに生活保護を受給する場合は、一時扶助の申請によりエアコンを購入することができます。したがいまして、現在のところ、独自施策等を検討することは考えておりません。
◯内田隆典
まあ冷たい答弁でして、高齢者や所得が低い人への対策についてでありますけれども、これは全国いろんなところで助成制度が進められております。御存じだと思いますけれども、福島県喜多方市で65歳以上、上限3万7,000円、東京都足立区でもやはり上限7万円、新潟県魚沼市でも上限5万円、大阪府泉佐野市でも65歳以上と、大体、住民税非課税という形での助成をやられているわけでありますけれども、静岡市の消防局管内の資料を頂きましたけれども、熱中症の問題をちょっと調べてみました。昨年の統計ですと、5月から10月までの半年で搬送人数、合計で187人、うち、65歳以上が91人、搬送者のうち、住宅での発生が54人となっています。この統計から搬送者を見ますと65歳以上が半数を超えていると。そのうち半数以上は住宅での発生ということで、高齢者がこの暑さの中でかなり搬送されていると思うんですけれども、私は全国の例を若干紹介しましたけれども、今の答弁で、保健福祉長寿局長は社会福祉協議会の貸付けがあると。これは無利子ですけれども、貸付けなんですよ、貸付け。そうしますと、やっぱり低所得者は、貸付けですから返済しなければならないというのが当たり前のことで、これがなかなか大変な状況なんですよ。
それから、生活保護のことも出てくるんですけれども、生活保護だってこれはなかなか厳しい生活をしているわけで、単に低所得者がすぐ生活保護に回れといったって、そう簡単ではないと私は思うんですね。そういう点では、ぜひ、長寿局長ですからね、この低所得者対策を課で検討していただければありがたいなと思います。
それから、市長の政治姿勢について、基本構想や基本計画、パブコメ等で聞いたということで今答弁がありましたけれども、ここはもう当然、私は意見が分かれるところなんですね。不十分だから、諸問題で市を二分するようなことの問題が起きているという点では、私は不十分だと思っています。
それで、国葬問題ですけれども、半旗の掲揚等を実施する考えはないと。いまだに未定ということなんですけれども、それから、国がどういう形で言ってくるか、文科省はどういう形でこの問題に関わってくるか分かりませんけれども、国民の中で二分しているんですよ。それで、60%以上の方々は、これはうまくないぞと言っているわけですよ。だから、6割の方がなぜ駄目だと言っているのか、それはもう、憲法第14条の法の下の平等、第19条の思想の問題等々で駄目だと言っているんですよ。だから、そういう意向を反映して、市長も清々と、公費じゃなくて、私人として公費を使わずに、どうか分かりませんけれども、私はそうかなと思っているんです。そういう点では、きちんと私は未定じゃなくて法に沿った対応をすべきじゃないかと思っています。いろいろありますけれども、本人の評価が分かれているという、国民の中で二分しているわけです。私は、市長は参加を見合わせるべきだと思いますし、国葬儀というのはやっぱり諸問題、法律上も大きな問題を抱えているわけですから、市長はどう思っているか分かりませんけれども、国に対してこういうことは法に引っかかっているんですから、中止をという立場で申し入れるべきだと私は思っています。
それから、4次総の問題です。4次総は今、いろいろ検討されて進めていますけれども、市民の声を十分反映するという点では、タウンミーティング等の市民の声を直接聴く機会を持つべきだと思いますけれども、この点どうお考えなのか。
平和行政についてであります。国の専管事項と、すぐこれでもう片づけてしまうわけなんですけれども、国の専管事項と一般的にそう言っても、自治体は住民生活を守る立場から、国の政策の具体的な問題点を指摘し、その改善を求める権利と義務があり、国はそれを尊重しなければならないと。憲法第92条はこう規定しているわけですから、国の専管事項ということで一言で片づけられないということで、きちんと私は主張すべきだと思うんですね。
もう1つ気になったのは、自衛隊の参加です。局長は、自治会や実行委員会がいろいろやっているから、そこを尊重したいという答弁だったんです。分かります、実行委員会がやって、自治会も入ってやっているんですけれども、しかし、補助金を静岡市も出しているわけであって、やはり市民の平和な祭りにふさわしくないと私は思っているんです。やっぱりこう意見が出ているわけですから、市にも、教育委員会にも団体から申入れ等々もされています。毎回、毎回こういう問題が引き起こっていますから、私はこの辺は実行委員会任せでなくて、きちんと市の考え方も示す必要があると思います。
それから、質問ですけれども、平和行政を推進する問題で、予算を充実させ、広島・長崎に参加をしたらどうだということで何回も何回も質問してきました。近隣市はどうしているかと思い見てみますと、富士市も核兵器廃絶の平和都市宣言をやって、この宣言板を市内公共施設に20か所ぐらい配置するだとか、富士宮市はどうかと思いましたら、富士宮市には今年度、市の職員等3名、中学生18名を、広島市に派遣しているんですね。この間、ずっとこうやられているんです。それで、帰ってきたら当然、報告書や報告会もやっているんですけれども、やはりこれは大事な事業だと思うんですね。派遣したらどうだということに真正面から答えないんですが、私は、中学生とか高校生を広島・長崎に派遣して、そして成人前から平和教育に対してきちんと市としての姿勢を新たな形でやる必要があるかと思いますけれども、その点について見解を伺います。
◯総務局長(渡辺裕一君)
国葬儀と平和行政に関する2点の御質問にお答えいたします。
まず、国葬儀について、国へ中止を求めるべきではないかについてですが、国葬儀については国の行事であると認識しており、市は国葬儀の実施について言及する立場になく、市として中止を求める考えはございません。
次に、平和行政を推進していくために予算の充実を図る必要があるのではないかについてですが、本市が平成17年に決議した静岡市平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念は、行政のあらゆる分野に関わるものと考えております。未来を担う子供たちに平和の大切さを伝える教育の分野はもとより、文化、スポーツ、国際交流などの様々な事業において必要な予算を措置し、平和の理念を持って事業を実施してまいります。
◯企画局長(松浦高之君)
4次総を充実するためにも、市民の声を直接聴く機会をさらに設けるべきではないかについてですが、4次総の策定に当たっては、令和3年度からこれまで、市民の声を直接聞くVoice of しずおかや市長ミーティング室をはじめ、市民アンケート、2度にわたるパブリックコメントなどを通じ、市民の皆さんの御意見を伺ってまいりました。
現在は、令和4年8月に実施した2回目のパブリックコメント結果を受け、11月市議会定例会に向け基本構想、基本計画案の策定を鋭意進めているところでございます。
◯内田隆典
4次総について答弁があったんですけれども、11月議会に向けて基本構想や基本計画をやっていく、これはもう分かっているんです。私は、タウンミーティングを含めてやる必要があるというのは、この間、3月、8月にパブコメをやっているんですね。3月は約150件ですよ。8月は、その倍の300件ぐらい。倍になったのはなぜかというと、やっぱり丁寧に説明しているからだと思うんです。そういう点では、もう少し丁寧な説明をして、タウンミーティング等をやっていただきたいと思います。
それから、国葬と平和行政、国の問題だ国の問題だと言うんですけれども、国がやっていても、憲法に違反するようなことをやっているよね。やっぱり市長はきちんと言うし、核兵器の問題でも長崎市の市長は、きちんと発言しているんですね。だから、国が言っているからということで、国に対してものを言わないというのはよろしくないのではないか。