市長の政治姿勢について、台風15号への対応について

◯内田隆典 通告に従いまして、質問します。
 最初に、市長の政治姿勢ということですけれども、憲法・地方自治・静岡市自治基本条例への対応についてということで伺いたいと思います。
 日本国憲法でうたう地方自治の基本原則は、地方自治の本旨、すなわち住民自治と団体自治による自主的、主体的に運営されることにあります。地方自治体は、憲法理念に基づいて中央政府と対等に渡り合うことができ、憲法第13条に定める全ての国民の生命、自由及び幸福追求に対する権利の実現を直接担う存在であります。したがって地方自治体は、大きな政治課題、安保法制、原発等について住民の主体的な意見に自治体の態度を決定することが極めて重要であります。
 また、自治立法権、条例制定権との関係でも、国の定める法令に対して常に自治的な態度を貫くことができる。こうした憲法、地方自治法で定める地方自治の考えに照らし、例えば核兵器禁止の条約について、この間、国の専管事項として見解を示さないことや安保法制、原発への静観の態度は問題を感じております。
 また、市民の生命、自由及び幸福追求に対する権利、密接に関係する問題については自治的な態度を貫くべきと考えますけれども、市長の見解を伺います。
 次に、憲法・地方自治法との関係で、学校給食の無償化について市長の見解を伺いたいと思います。
 地方自治法は、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本と定めて、そして、その実践として学校給食の無償化、国民健康保険料の軽減、18歳未満までの医療費の完全無料化などが全国各地の自治体で行われています。
 憲法は、数多い人権条項のうち国に対して具体的な義務づけを行っているのは、基本的生存権を規定した第25条、義務教育は、これを無償化するとした第26条第2項だけであります。いわゆる財政出動条項であり、国、地方を問わず我が国政府の財政支出は、この2つの条項を最優先して行わなければならないと言われております。
 学校給食の無償化、一部補助は、2017年には76自治体だったものが現在224自治体に、5年間で3倍に広がってきています。住民福祉の増進そのものであります。
 静岡市においても一部補助を含め、検討、実施に踏み切るべきだと考えますけれども、見解を伺います。
 次に、静岡市自治基本条例について伺います。
 条例の第1条に、その目的として、「静岡市のまちづくりの基本理念及び市政運営の基本原則を明らかにするとともに、まちづくりに関する市民の権利及び義務並びに市の執行機関の役割及び責務を定めることにより、市民自治によるまちづくりを実現することを目的とする。」と定めています。また、市自身の解説書では、条例の目的は地方自治の本旨の実現であるとしており、前文では、静岡市のまちづくりにおける最高規範としてうたわれております。
 そこで伺いますが、憲法・地方自治法・静岡市自治基本条例に照らし、津波浸水想定区域への清水庁舎移転計画、桜ヶ丘病院移転での市の対応について市長はどのように評価しているのか、また、住民投票条例請求に対する市長の姿勢についての問題を感じておりますけれども、改めて市長の見解を伺います。
 次に、この間議論になっております台風15号に対する対応について伺います。
 9月23日の夜から降り始めた雨は、1時間当たり107ミリ、1974年、いわゆる七夕豪雨の1時間当たり84.5ミリを大きく上回り、大きな災害をもたらしました。清水地域での浸水、静岡地域では約12万戸が停電するという状況が生まれました。清水地域は浸水とともに興津川承元寺取水口が瓦礫で取水できないという状態になり、最大13日間の断水が起こるという状況になりました。
 そこで伺いたいのは、災害対策本部についてであります。当局の説明資料によりますと、災害対策本部の設置は、9月24日の土曜日午後1時となっております。この時点では、清水地域では断水が始まり、巴川をはじめとした主な河川で氾濫が起きておりました。このような状況の中で、静岡市が正式に災害対策本部会議を開催したのが9月26日の月曜日午後1時となっております。初動体制の遅れが災害を大きくした、市民生活に困難を強いたという形になっていると私は思います。
 災害対策本部長として、市長は、なぜ26日まで災害対策本部の開催を行わなかったのか、まず伺っておきたいと思います。
 2点目は、自衛隊の派遣についてであります。これもいろいろ指摘されております。
 全国では、災害が起きたとき自衛隊への出動の要請が早いということが言われております。例えば今年の8月3日の山形県、新潟県の豪雨災害では、翌日の4日朝には両県知事から災害派遣要請があり、すぐさま陸上自衛隊が現地に入り、浸水地域でのボートによる救助、給水活動などを行っている。静岡市の場合は、自衛隊の派遣要請までにどのような調整を行ってきたのか、伺いたいと思います。
 3点目です。災害廃棄物処理計画に関連して伺いたいと思います。
 今回の台風災害、降水量を見ましても1時間最大降水量が107ミリ、最大累積降水量500ミリと言っておりますから大変な豪雨だと言われております。
 そこで、仮置場に指定された公園などの回収場所にはごみがあふれ、回収のめどがたたないという状況が続きました。市の担当者は、事前に場所を用意しておくべきだった、認識が甘かったという報道もされております。
 静岡市は10月3日からJRの清水駅東口エネオス油槽所遊休地に、5日には新たに清水区大内新田の市有地を選定、そのほかにも三保貝島に仮置場を選定していきました。災害発生から1週間が過ぎてからのことでありますが、大変問題があったと思っております。事前に候補地を選定していなかったのか、その点についてどうだったのか、伺いたいと思います。
 4点目は、給水拠点の周知方法と災害時に支援が必要な人への給水方法です。
 先ほども災害弱者を含めてどういう対応をしているのかということがありましたから、私もきめ細かな周知が必要だと思いますから、その点、今回どうだったのかということが1点と、災害時に支援が必要な人たちへの給水方法、この辺をやっぱりきめ細かくやっていかなければならないと思いますけれども、この点でもどうだったのか、伺いたいと思います。
 5点目は、台風15号における現段階での課題について当局はどのように考えているのか。
 今回の台風は9月24日11時時点で降水量が418ミリ、1時間最大降水量が107ミリというんですから、処理能力を大きくオーバーしていたと。そういうことで主要河川は床上、床下浸水、約6,000棟を超えるような大災害を起こしました。興津川の承元寺取水口も大変な状況で13日間の断水をせざるを得ないということでありました。被害を大きくした理由の1つは、やはり災害対策本部の本格稼働が問題だと思っております。
 そういう点で、台風15号における現段階の課題について今、どのように検討されているのか伺って、1回目とします。

◯市長(田辺信宏君) 私からは、中項目、憲法・地方自治・静岡市自治基本条例への対応についてのうち、条例の趣旨から見て清水庁舎整備事業に対する対応など、田辺市政の一連の行政運営をどのように評価しているのかとの御質問にお答えいたします。
 まず申し上げたいことは、私は、市の職員共々、自治基本条例の趣旨を十分に踏まえ行政運営を行っているつもりであります。自治は大事であります。ただし、適切な手法で適切な機会を捉えることが大事であります。
 市民生活に深く関わる重要な政策や計画の策定に当たっては、幅広い御意見をいただく必要性のため、適時適切に意見聴取を行うとともに、自治基本条例の定めに従いパブリックコメントなどの市民参画手続を実施しております。また、自治は、まちづくりにおいて当事者意識を持つかどうかが大事であります。
 例えば、静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」の中にデザインカレッジという講座がありますが、そこで清水区の両河内の自治会の皆さんが学んでおりまして、提言でいただいたのがココバスの事業です。静鉄が撤退した後、自分たちで何とかコミュニティーバスを運営しようということであり、大変高い自治意識がありました。そこで行政がどんな下支えができるのかという検討が始まり、今、地域の皆さんに非常に喜んでいただいております。
 また、お茶カフェ&ランチトークという中で、市民ランナーの有志の方々と接点があったときにいただいた提案が、東京の皇居ランと同じように駿府城ランをやるために何かその施設が欲しいという提言をもらいました。その結果できたのが、中央体育館横のラン・アンド・リフレッシュステーションであります。市民ランナーの方、ウオーキングの方、様々なスポーツをする方々にとって格好のオアシスになっております。これも自治という観点から、まちづくりにつながった例だと自負をしております。
 御質問の清水庁舎整備事業につきましても、基本構想策定の段階からタウンミーティング、パブコメ、アンケート調査、ワークショップなど多岐にわたる手法により市民参画手続を実施して、広く市民の皆さんの御意見を事業に反映したところであります。
 加えて、住民投票条例の制定請求への対応につきましても、議会制民主主義の正当な手続にのっとり意思決定をしたところであります。
 内田議員の御理解を切にお願いいたします。

◯総務局長(渡辺裕一君) 核兵器禁止条約等について、市としてどのように考えるかについてですが、本市では、平成17年に決議した静岡市平和都市宣言により、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明し、本市の姿勢や考え方を明らかにしております。
 このように平和を希求する本市ではありますが、条約の批准等については国の専管事項であり、国政の場でしかるべき議論がなされるものと考えております。

◯教育局長(青嶋浩義君) 学校給食費の一部負担についてですが、本市では、経済的な理由で支援を必要としている家庭については、既に就学援助制度により学校給食費を全額補助しており、そのほかにおいて学校給食費の一部を負担することは、現在の本市の財政事情から非常に困難であり、実施する予定はございません。
 学校給食は、食育を通して食の大切さや携わる人々への感謝の心、地産地消を通した郷土愛の育成など重要な役割を担っているものと考えており、魅力ある学校給食の提供に力を入れるとともに、学校給食施設及び設備の充実などにも取り組んでおります。
 今後も引き続き安全・安心で、おいしい学校給食の提供に努めてまいります。

◯危機管理統括監(梶山 知君) 台風15号への対応について、3つの御質問にお答えいたします。
 まず、災害対策本部会の開催時期についてですが、台風対応については、9月23日の大雨警報の発表に伴い、即座に災害配備態勢を整えた後、洪水警報や土砂災害警戒警報が発表されたことや安倍川、藁科川などが氾濫危険水位等に達したことから、適切な避難行動を促すよう避難指示を発表するとともに、避難所の開設、被害状況の収集と応急対応、市民からの問合せへの対応などを行いました。
 翌日の24日の明け方から、まずは人的被害を含めた被害の全体像を把握するため、孤立集落、浸水被害、土砂の崩落、福祉施設等の状況調査と確認、また、消防ヘリコプターによる救助活動や救急搬送、車両水没に伴う避難支援、土砂の崩壊等による交通規制などの応急対応を最優先に進めるとともに対策本部を立ち上げました。
 また、25日には対策本部検討会議を開催し、孤立集落や断水、土砂の崩落、災害ごみ等の状況を報告、共有するとともに断水への対応や災害ごみの処理方法、災害協定等に基づく応援要請、仮設トイレの設置、飲料水の配布、災害関連情報の提供方法など、迅速かつ横断的な対応が必要な事項について活動調整を行い、今後の対応方法を協議、決定いたしました。
 そして、26日には検討会議における協議事項を踏まえた今後の対応方針等を協議、決定するため、本部会を開催いたしました。
 次に、自衛隊派遣要請までの対応についてですが、自衛隊の災害派遣は、都道府県知事などが災害に際し防衛大臣などに派遣を要請し、要請を受けた大臣などが緊急性、非代替性、公共性の3要件を総合的に勘案して判断し、やむを得ない事態と認める場合に部隊等を派遣することを原則としております。このため甚大な被害が発生し、緊急的な対応が必要とされる孤立解消のための崩落土砂の撤去、飲料水確保のための給水車の派遣、断水解消のための取水口の復旧、災害ごみの撤去、回収等について、派遣の3要件を踏まえた上で、庁内において至急、要請内容を協議・調整するとともに、県との間でも発災後から派遣要請内容を協議するなどの対応を進めてまいりました。
 最後に、台風15号における現段階での課題についてですが、今回の台風では広範囲において浸水被害が発生したこと、大規模な断水が発生したこと、市民の皆さんに必要な情報が届いていないという声が多かったことから、早急に取り組むべき課題は3つあると考えています。
 1点目は、治水対策です。治水対策については、これまでも県と連携し、巴川流域全体で被害を軽減させる対策を計画的に進めてまいりましたが、時間雨量では七夕豪雨を上回る記録的な大雨が降り、現在の整備水準では耐えられなかったことから、早急に大内新田地区等への大規模調整池の設置などの治水対策に取り組むほか、県とのさらなる連携により、流域治水を加速させる必要があります。
 2点目は、断水対策です。興津川承元寺取水口の閉塞などにより大規模な断水が発生したことから、早急な再発防止策を講じるとともに、基本的な対策として、取水施設の機能強化や取水口の複数化、新たな水源の確保なども検討し、安定給水のための取組が必要となります。
 3点目は、情報集約と発信体制の構築です。今回の台風では広範囲にわたり被害が発生したため、被害の全体像の把握と集約化に時間を要し、市民の皆さんが必要とする被害情報や対応状況を速やかに伝えられなかったことから、市民の皆さんが災害時に知りたい情報を一元的かつ総合的に知ることができる災害時総合情報サイトの早期構築が必要です。
 このほかにも迅速な被害状況調査の方法、他都市等からの応援受入体制や災害協定締結先との連携体制の構築、災害ごみの迅速な処理方法などについても見直しが必要であると考えております。

◯環境局長(田嶋 太君) 災害ごみの大規模仮置場について事前に候補地を選定していなかったのかについてですが、大規模仮置場については、事前に一定のスペースのある市内複数箇所を候補地としてリスト化しており、今回は、その中から選定しました。仮置場の実際の設置に当たっては、被害の状況や災害ごみの想定量など様々な要因を考慮するとともに、地権者等との調整や市民の皆さんが安全に搬入できる体制を整えていくことも必要です。
 今後は、今回の災害対応の検証を踏まえ、より迅速かつスムーズに大規模仮置場が設置できるよう取り組んでまいります。

◯上下水道局長(服部憲文君) 給水拠点の周知方法と災害時に支援が必要な方への給水方法について、併せてお答えします。
 初めに、給水拠点の周知方法についてですが、台風15号による断水が発生した9月24日の午前9時に、まずは市ホームページに掲載し、その後、順次、市LINE公式アカウントでの情報発信や報道機関に対する給水場所や開設時間の情報提供、生涯学習交流館でのチラシの配布などを行いました。しかし、給水拠点の現場では市民の皆さんの混乱を招いてしまい、情報発信の内容やタイミングが不十分であったと認識しております。
 この点を重く受け止め、今後は、地区支部や自主防災組織との連携強化をはじめ、スーパーマーケットなどでの紙媒体の掲示や同報無線、広報車の活用など、市民の皆さんが欲しい情報を適時適切に伝えられるよう努めてまいります。
 次に、災害時に支援が必要な方への給水方法についてですが、給水拠点までの移動距離が長くなってしまう方への負担を少しでも軽減できるよう、スピーカー付給水車により各地域への巡回給水を実施しました。
 また、福祉部局では障害者や高齢者などの要配慮者にプッシュ型で早い段階で飲料水のペットボトルなどを戸別配布したほか、地域包括支援センターや社会福祉施設を経由して、合計で約5万3,000本の飲料水を配布いたしました。さらに、足腰が悪くて給水所まで取りにいけないなどの電話をいただき、できる限りの対応をしましたが、人員不足等により支援を必要としている全ての方には十分にお届けすることはできませんでした。
 今後、災害時における要支援者への対策については、関係部局との連携を密にし、自主防災組織や社会福祉協議会などとも協力して、よりきめ細かな支援につなげてまいります。
  

◯内田隆典 憲法・地方自治法に定めることに照らして、核兵器禁止条約についてどうかという質問をさせていただきました。
 私は、これ憲法と地方自治法の問題で、核兵器廃絶問題等々を何度か質問しましたけれども、先ほども指摘しましたけれども、地方自治体は、憲法の理念に基づいて中央政府に対し対等の立場で渡り合うことができる存在であると。だから法令に従うのではなく、国と対等の立場で解釈、運用することであり、あってはならない法令、立法には様々な方法で明確に判断することが求められると。私は、この観点からすると、総務局長は、先ほど平和都市宣言も上げているから核兵器廃絶の問題等々、国に申し上げるのは、これは地方自治体としてといいますか、静岡市として申し上げることはできない旨のことを言ったわけですけれども、私は、そうではなくて、総務局長は今、答弁されましたけれども、平成17年に平和都市宣言をやったということも、それはもう皆さん知っていることで、平和都市宣言を高らかに宣言をしているわけですよ。しかし、宣言をしたからそれでよしとすることではなくて、皆さん御存知のとおり、今国会も開かれておりますけれども、国会の中では、憲法に抵触するような敵基地攻撃能力をどうするかという議論がされています。それで防衛費も2倍化しようじゃないかという議論もしています。そうしますと、当然、市民生活に多大な影響を及ぼすということになるわけで、私は専管事項だから国に対して物申せないということは、平成17年の平和都市宣言を上げたそういう趣旨からしても、私は危惧する問題をきちんと指摘するということが必要じゃないかということを感じました。
 それから、田辺市長から自治基本条例の趣旨からして、この間の対応はどうかという質問に対して、市長は、自治基本条例の趣旨を踏まえて様々な行政手続、その時々の課題についてアンケート調査やパブリックコメント、タウンミーティング等含めて自治会にも丁寧な説明を行ってきたという答弁をされましたけれども、私は、田辺市長が答弁した内容はそれは違っていないと、そのとおりだと思うんです。条例に基づいた趣旨、そういう形で対応してきた、そこまではいいんですよ、市長。その後があるわけですよ。
 その自治基本条例というのは、そういうことをしながら多くの市民の皆さんの意見を聞いて、聞いた意見を、これは2度も3度も4度もここで言っているんですけれども、市長と私は、そこがすれ違うと。聞いた上で、それを幹部職員、市長や二役、幹部職員だけで判断せずに、それを意見を入れなさいということがこの条例の肝なんですよ。聞くだけじゃ駄目だ、聞いただけでやりっ放しじゃ駄目だっていうこれが、自治基本条例の肝なんですよ。ここが対立しているんじゃなくて、意識的に抜かしているのかどうか分からないけれども、ここが抜けていると。そうすると、何でこんな基礎的な条例をつくっているのに、ここを進めないのかと、私は感じるんですね。
 なぜそうなるかということは、私は、この間の庁舎や桜ヶ丘病院の問題で感じるのは、市長はタウンミーティングにも出かけて、いろいろなところで説明しましたよ。そのときの1つの発言で、1,000年に一度来るかどうかの地震より今を大事にしたい旨の発言をしました。私はその時いいのかなと思いましたよ。確かに1,000年に一度か、しかし、最近では大震災が30年に7割、8割の確率で来ると言われているときに、そういう発言をしていいのかなと思いましたけれども、やはりここに私は、この基本条例をきちんと受け止めていない市長、市の幹部の姿勢があるんじゃないかと思っているんです。
 近年、風水害というのはどんどん間隔が狭まって、来ているわけですよね。そういう点で台風15号、その前にも同じような水害が来ていますよ。そういうときに、私は今のような感覚でいたら大変なことになるじゃないか。そういう点で今回の台風15号は、どちらかというと停電があったり、水害で大きな被害が出ているわけで、南海トラフの地震となりますと、台風と違って、いろいろな被害が出てくると思うのです。当然、停電もするでしょう、水問題も出てくるでしょう。危機管理も検討していると思うんですけれども、台風15号でこれですよ、これ。言ってみれば、もうにっちもさっちもできないような、初動の体制の遅れからだと思うんですけれども、こういう状況に陥ったわけですよ。断水が13日間ですよ。
 私は、市長だけじゃなくて危機管理統括監ですか、今話がありましたけれども、災害対策本部会が26日になったのかということを聞きました。自衛隊の問題も聞きました。全体の把握をしてから、それからやったから26日になった旨の答弁をされた。私は違うと思うんです。違う。もう23日、雨が降り続いて、24日の時点ではもう断水ですよ。本来であれば、もう24日の段階で本部を立ち上げたら、そこで会議をやって、そこから全体を把握するように各局に指令を出して、全体を把握する中で、どうするのかということをやるのが本部長の責任であり、危機管理の対応ですよ。26日までに何やっているのか分からない。何だか知らないけれども、敬老会に行った、祭りに行ったなんて後で聞いて、違うでしょうと。まずは、24日の段階で全体を把握するために会議を開いて、市長は各局に指令を出して、いつまでに私のところに情報を寄せなさいと、それについてどうするかということで指令を出すのが災害対策本部の仕事ですよ。それを何か自分たちがやったことを合理化するみたいで、だからこういうやり方じゃ駄目だというんですよ、駄目。
 だから、関連して、先ほど自衛隊の問題も言いましたけれども、これも1日と3日じゃ、災害のときには大変な遅れなんですよ。そこを反省しなきゃ駄目なんです。言い訳をしちゃ、そこが駄目なんですよ。反省するところは反省して、議員から指摘されたら、ああそうかと、違っていましたと、そこで前向きな交流ができるんですよ。何だかね、駄目ですね、そういうやり方は。もうそれくらいにしておきますね。
 2回目の質問に入りますけれども、そういった自治基本条例のことを踏まえてパブリックコメントを通じて、これからいろいろな市民意見の聴取をやると思うんです。施策に反映することについて基本的な考え方を聞きたいんですけれども、この基本姿勢というのは、やはり自治基本条例の肝である、聞くだけでなくて取り入れるということを入れた基本姿勢を聞きたいわけですけれども、その点についての考え方を伺いたいと思います。
 それから台風15号についての対応です。被災者支援について伺いたいと思いますけれども、静岡市もいろいろ対応しています。浸水対策のときについては床上、床下など今回の補正予算にも出されているんですけれども、職員の皆さんが2人組で延べ1,400人ですか、いろいろな要求を聞いているということで説明があったんですけれども、私らも聞きますから、多種多様な願い、要望が出されてきていると思う。そうしますと、静岡市でできること、できないことがあると思うんです。それはしようがない。そうだとすれば、県や国に対してもこういう要望が出ているということを伝えて、やっぱり国・県一体となって、被災された皆さんに十分な対応ができるということをやっていく必要があると思うんですけれども、それについて、今後の支援策についてどのような考えを持っているのか、伺いたいと思います。
 次に、巴川の問題でありますけれども、皆さん御案内のとおり、巴川、山原川、山切川、塩田川等含めて主要河川が本当に大変な状況に陥りました。そういう点では、国土交通省によりますと21年まで30年間で1時間雨量が80ミリ以上を超える短時間の豪雨は、発生回数は1.7倍に増えた。全体的にはもう大変な状況になっています。そういう点では、巴川の河川の浸水をどう防ぐのかという検討はされていると思いますけれども、やはり専門家や第三者機関を含めて、きちんと開いて、今度のような災害はもう二度と招かないというような対応をすべきだと思いますから、専門家の意見も取り入れた対策をどうするのかという考え方について伺いたいと思います。
 それから清水区で断水した6万3,000戸のうち9割が承元寺取水口の被災が原因とされる問題ですけれども、市民の皆さんが大変な状況に追い込まれたと、強いられたという状況なんですね。そういう点では、これも取水口が1つだったということが言われており、これは対応するということでありますから、そこをどうするかということを検討しながら、この対応もしっかりと一日も早く検討して実施ができるようにしていただきたいと思います。
 そういう点で、取水口がどういう状況になってダメージを受けているのか、現在どのような対処をしているのか、伺いたいと思います。
 最後に、学校給食の問題でなかなか難しい問題があろうかと思います。これはコロナ禍の経済状況の中で全国的に大きな要求になっておりますから、そのことも踏まえて、ぜひ前向きな検討をお願いして、私の質問を終わります。

◯市民局長(草分裕美君) 市民意見の市の施策への反映に関する基本的な考え方についてですが、本市では、静岡市自治基本条例の理念である市民自治によるまちづくりの実現を図るため、静岡市市民参画の推進に関する条例を定めています。市民参画推進条例は、市民参画手続の手法や時期、効果的な実施方法等を規定し、本市では、これらに基づきパブリックコメントと市民ワークショップを組み合わせるなど、施策の内容に応じ市民の皆さんが広く市政に参画できるよう努めています。
 また、提出された意見については、市の考えを公表することが義務づけられており、施策の決定過程の透明性を確保しています。さらに、毎年の市民参画手続の実施状況は、有識者や公募市民の皆さんによる静岡市市民自治推進審議会に報告し、市民目線によるチェックも受けています。
 このように、政策の立案、実施及び評価の各段階で効果的な市民参画の機会を確保し、提出された意見については十分に検討し、積極的に施策に反映させていくことが重要と考え、取り組んでいるところです。

◯危機管理統括監(梶山 知君) 申し訳ありません。最初に1点、訂正をさせていただきたいと思います。
 先ほど台風15号における現段階の課題についてというところで、2点目の断水対策につきまして、取水施設の機能強化なども検討するというところを「基本的な」と申し上げましたが、「抜本的な対策として」と訂正をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、被災者支援制度の周知と今後の支援策についてでございます。
 まず、被災者支援制度の周知につきましては、これまでも被災者の皆さんに生活再建のために必要な支援制度の情報を確実に届けるため、罹災証明書発行の際に各区役所に開設している被災者支援窓口の案内を同封することで、被災された市民の皆さんに直接、情報提供をしております。
 また、市のLINE公式アカウントやホームページを活用し、被災された皆さんに支援の案内や申請手続等を行う被災者支援窓口の開設状況や支援制度を広く周知するとともに、生涯学習交流館など市の関連施設に冊子やチラシの配架をしております。
 しかしながら、被災された方の中には声を上げることができず必要な支援が届いていない方もいる可能性があるため、全庁を挙げて被災者調査を実施し、支援制度を案内するとともに、実態調査を踏まえ必要な支援につなげるなど被災者支援に全力で取り組んでおります。
 なお、今後の支援策につきましては、現在、被災者調査を実施する中で様々な声やニーズがあることから、まずは既存の支援制度を活用し、確実に支援につなげているところですが、今後の調査の状況も踏まえた上で新たな支援策の必要性も検討していきたいと考えております。

◯建設局長(池谷 誠君) 浸水対策に専門家の意見を取り入れていくのかについてですが、巴川流域では、静岡市浸水対策推進プランに基づき、河川や下水道施設の整備などを進めてきましたが、台風15号の豪雨により、既に対策が完了した地区においても浸水被害が発生するなど大きな被害をもたらしました。このため、現在、被害の原因分析や対策の検証を進めておりますが、新たな対策や地区の追加など、現行のプランを見直していく必要があると考えております。
 また、見直しを進めていく上では、今回の豪雨や気候変動の影響による降雨量の増加などを踏まえて、整備水準の在り方や効果的な浸水対策などについて学識経験者などの専門家の意見を聞きながら検討していきたいと考えております。

◯上下水道局長(服部憲文君) 承元寺取水口は、どのようなダメージを受け、どのような対処をしているのかとの御質問にお答えします。
 まず、承元寺取水口の被害状況についてですが、興津川の増水により流木や土砂が施設内に流入して取水口が閉塞し、取水不能となりました。また、水中の細かなごみを取り除く除塵機が故障したことをはじめ取水口への進入路が陥没したほか、監視カメラや水位計などの計測設備、遠方監視制御盤などの電気設備、手すりやフェンスなどの安全設備が破損、または水没するなどの被害を受けました。
 次に、被害の対応状況ですが、流木や土砂は事業者や陸上自衛隊の協力を得て撤去し、取水機能は回復しました。また、除塵機や進入路の修繕も早期に完了しました。現在、監視カメラや水位計、遠方監視制御盤をはじめとした施設の復旧に向け作業を進めております。この中で今回の被災状況に鑑み、監視カメラの設置高さや位置を改善するなどの対応を図ってまいります。