新型コロナ、豪雨災害、物価高騰のもと市民の命と暮らし最優先の市政求める

〇杉本 護
日本共産党の杉本 護です。ちょっと風邪を引きまして、聞きづらいと思いますけれどもよろしくお願いします。やめるわけにはいきませんから。
 日本共産党市議団を代表して、質問します。あと1時間半、頑張ってください。
 この2月定例議会は、田辺市長にとっては任期最後の市議会となります。
 これまで我が党は、地方自治法がうたう住民の福祉の増進に照らして、是々非々の立場で論戦を交わしてきました。今回、最後ですので、ぜひかみ合った議論をしたいと思います。市長、各局からの明快な答弁をお願いして、質問に入ります。
 初めに、第4次総合計画についてです。
 これから8年間の市政の基本的な方向を示し、今後の具体的な政策、施策へとつながりますので、改めて考え方について確認しておきたいと思います。
 まず、静岡市基本構想についてでございます。
 市は、基本構想の中で、人口や産業が過度に集積し、時間の流れが急速に進む大都市ではなく、一定の経済力を有しながら、経済・社会・環境が調和した、世界の中で存在感を示す都市を目指していくため、世界に輝く静岡の実現を掲げたとしています。
 そこで、2点お聞きします。
 1つは、一定の経済力を有するとはどの程度の経済力を意味しているのか。
 2つ目に、経済・社会・環境が調和したとはどのような状態を示しているのか、お願いします。
 さらに、基本構想の中で、世界に輝く静岡とは、「市民(ひと)が輝くこと」と「都市(まち)が輝く」ことの2つを要件としています。我が党は、4次総策定に向けて、「市民が主人公の静岡市」を提言してきました。その意味では、「市民(ひと)が輝く」のは大いに歓迎いたします。
 そして、「都市(まち)が輝く」とは、「市の地域資源を磨き、輝かせ」となっており、このことも意義を感じています。しかし、その先に「世界から注目され」とあり、ここが分かりません。
 「市民(ひと)が輝く」ことに注力していけば、暮らしやすく住み続けたい市が見えてくるのではないでしょうか。そして、そうした中にシビックプライドが生まれてくる気がしています。
 そこで、お聞きします。
 4次総基本構想では、市はどのようなまちづくりを考えているのか、お答えください。
 次に、基本計画の第4章、人口活力の向上について伺います。
 4次総策定の当初案では、定住人口について数値目標を示していませんでしたが、最終的には社人研が示す2030年64万6,000人を上回る定住人口を目指すとなりました。我が党が、定住人口回復を目指し、数値目標を持つことの必要性を主張してきたことへの一定の反映と理解しています。
 一方、人口減少は、経済の収縮、都市の魅力の低下、地域の担い手不足やコミュニティの衰退など、様々な問題が引き起こされるとも述べています。人口減少が様々な問題を引き起こすとしながら、社人研の推計する定住人口の減少を容認した目標を持つことは、自己矛盾しているのではないでしょうか。
 さらに、生産年齢の定住人口が減れば、交流人口を受け入れる体制もつくれなくなるのではないでしょうか。
 そもそも、社人研の推計というのは、過去の取組による人口の増減を基に推計したもので、この推計を上回る程度の目標では、今以上の人口減少対策を行わない、このことを宣言したことになるのではないでしょうか。
 この4次総の前期実施計画の定住人口増加の主要事業を見ても、従来施策の踏襲にすぎません。交流人口や関係人口を増やすためにも、定住人口の増加に向けた思い切った対策が必要だと考えます。
 そこで、2点お聞きします。
 人口活力の向上とはどのような考えか、定住人口増加のために新たな人口減少対策は行わないのか、お聞きします。
 現在の出生状況を見れば、しばらくは人口減少、自然減が止まりません。日本全体の人口が減っていく中、移住での人口増は結局、国内外の人口の取り合いにすぎず、日本全体で見れば人口減少の歯止めにはなりません。やはり、この静岡で暮らし、家族をつくり、希望する子供を産み育てたい、そう思えるような環境をつくることが求められると思います。そして、その結果として、合計特殊出生率が上がっていくことが人口活力の向上につながるのではないでしょうか。
 昨日も、前年度の出生率が過去最低という報道がされていました。市の取組の評価として、合計特殊出生率を見ることは重要と考えます。
 そこで、お聞きします。
 合計特殊出生率を指標に持つ考えはあるか、お願いします。
 次に、今後の政策、施策、市長の政治姿勢に関わって、順次、お聞きします。
 我が党は、4次総策定に当たり対案を示し、来年度の予算編成と行財政運営についての申入れも行っています。そのうちの幾つかを取上げて、提案もしながらお聞きしていきます。
 最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 この3年間、新型コロナの波が8波まで押し寄せ、今、感染が縮小してきていますが、終息したわけではありません。
 そうした中で、国は5月8日から新型コロナウイルス感染症を5類にする方針を固めました。今後、マスクをするなどの感染予防は自己判断に委ねられることになります。
 この新型コロナは変異を繰り返すことから、今後も第9波、10波が懸念されます。このまま5類にして大丈夫なのか、市民の反応は様々です。
 そこで、2点お聞きします。
 感染症法上の位置づけを5類に変更する方針が示されたことで不安に感じている市民がいますが、感染予防策や医療提供体制はどのようになるのか。
 2つ目に、保健予防課の人員体制が強化されており、5類移行後も体制は維持されるべきと思っていますが、市はどのように考えているのか、お願いします。
 次に、災害対策についてお聞きします。
 市は、台風15号に係る災害対応検証の中間報告を行いました。今回の災害対応には、多くの課題があったと思います。検証された10項目のうち、何点かに絞ってお聞きします。
 まず、今回の検証で最も違和感を覚えたのが、検証項目1の災害対策本部及び本部会の設置時期、役割・機能の検証で、災害対策本部長である市長の対応について一切触れていないことです。
 市長の行動には、マスコミ各社、市民からも厳しい批判の声が上がり、市長は4選出馬を断念した経緯として、台風15号に関する対応への自身の責任を痛感したと述べています。市長が自ら責任を感じたと言いながら、この中間報告では全く触れられていない。
 昨日の風間議員の質問に答えて、災害対応について、組織としての検証を行ったとしていますが、それならなおさら、本部長である市長は災害時にどうあるべきかしっかり検証すべきであり、これは新しい市長と市民に対する責任であると考えます。
 昨日の答弁で、検証の最終報告には位置づけられるとの答弁でした。しかし、私は批判を受ける前に自ら検証するべきだったと思います。
 それでは、具体的なところをお聞きします。
 まず、検証項目2、応援体制の中の自衛隊の役割についてです。
 興津川の承元寺取水口が瓦礫や土砂で埋まり、約6万3,000世帯が断水しました。市は当初、重機で取り除くとしていましたが、結果的には重機は使わず、取水口内の土砂などは自衛隊の人力で撤去しました。
 市は、要請時期について、自衛隊派遣要請の3原則である緊急性・非代替性・公共性に照らして問題はなかったとしています。しかし、9月25日15時に第1回の本部会を行いながら、派遣要請がなぜ翌26日の午前8時半になったのか。そもそも、災害対策本部の設置の遅れが自衛隊の派遣要請の遅れにつながったのではないかという見方もあります。
 いずれにせよ、誰でもいいから一刻も早く断水を解消してほしい、これが市民の率直な気持ちだったと思います。最終的には自衛隊の人力で土砂を撤去したことから、もっと早く自衛隊が来ていればと思うのも無理からぬことです。
 そこで、お聞きします。
 承元寺取水口の土砂の撤去作業については、もっと早く自衛隊に要請できなかったのか、伺います。
 次に、検証項目7、応急給水活動です。
 市は、断水への対応として給水所を設置しましたが、取りに行けない弱者のことを考えていたのでしょうか。例えば、たまたま骨折していて十分に動けない人がいるかもしれない。車のない人やお年寄りの人の独り暮らしなど、給水所に行くこともできず非常に困ったとの話もお聞きしています。
 私の近所の知人は、但沼の知り合いに24日から3日間、水を運んでいます。近所の人同士の助け合いはあったと思いますが、お互いに被災し、そして断水している中で、遠慮もあったのではないでしょうか。
 そこで、お聞きします。
 給水拠点に行けない、支援が必要な方への対応として、巡回給水はできなかったのか、お願いします。
 次に、検証項目6、災害廃棄物の収集運搬です。
 災害ごみの処理として、本市は近くの公園などを一時的なごみ集積所として定めました。被災直後、一部では集積所となった公園などに入り切らないほどごみが集まり、混乱を招きました。
 中間報告では、市民への情報伝達の不備などが課題、問題点として挙げられていますが、高齢化が進む中で、ごみの出し方を知らされても、集積所にも出せない世帯があったと思います。そして、防災計画の中には、そうしたことへの対応が十分に示されていないように思います。
 そこで、お聞きします。
 市では、災害ごみについて、どのような考えの下、市民の排出方法を決めたのか、お願いします。
 次に、リニア中央新幹線建設についてお聞きします。
 JR東海は、リニア中央新幹線建設工事に当たり、2014年8月に環境影響評価書を公表しました。そして、リニア中央新幹線の事業の実施に当たっては、環境保全に十分に配慮して計画を進めることが重要であり、できる限り環境影響の回避または低減を図っていきますとしています。
 具体的な回避及び低減策を示す責任は、JR東海にありますが、その後の静岡県との対話の経緯を見ると、私は誠実性に欠けているように感じています。
 静岡県がJR東海との対話結果をまとめていますが、その中で、そもそもの環境影響評価書は不十分と、環境大臣や国土交通大臣の意見を引いて断じています。
 現在、大井川の水量をどう確保するのか、地下水位の低下による生態系への影響、大量の残土発生による自然への影響や災害発生の懸念は、何一つ解決していません。
 ところが、2月21日、JR東海は、水の全量戻し工法の説明のないまま、約束をほごにして、山梨県側からの水平ボーリングを始めました。県境には破砕帯があり、水が抜かれる危険があります。この行為は、静岡市と結んだ基本合意にも反するものではないでしょうか。
 南アルプスは、ユネスコエコパークに指定され、ヤマトイワナなど貴重な動植物が生息しています。リニア建設工事での重大な影響を回避することはできないのではないでしょうか。静岡市の一部である南アルプスの自然を守るのは、本市の責務です。
 市長は、昨年6月議会での私の質問に対して、日本は様々な環境問題を引き起こしたが、新しい技術で乗り越え、経済発展をしてきた、このように答えていらっしゃいます。しかし、今、その技術がない中で強引に進めようとしているのがJR東海の姿勢です。環境への重大な影響が出てからでは遅いんです。これも歴史の教訓ではないでしょうか。
 そもそも、リニア中央新幹線は、1962年、昭和37年に東京、大阪間を1時間で結ぶことを目指して研究が始まりました。今から60年前です。あれから世の中は大きく変化し、高速道路も整備され、飛行機は国内線が日々発着し、リモート会議などの導入も進む中で、リニアの必要性は薄らいでいます。
 しかも、リニア中央新幹線は新幹線の4倍もの電力を消費すると言われ、省エネの時代にはもはや不要な乗り物になったのではないでしょうか。
 田辺市長がリニア推進の立場なのは分かってはいますが、しかし、水を守り、自然を守り、市民の命を守ることを優先するならば、市長はリニア中央新幹線建設の中止を求める姿勢を明確にすべきだと考えますが、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
 次に、浜岡原発についてです。
 政府は、原発の運転期間制限を現行の原則40年から60年まで引上げ、新増設も盛り込んだ方針を閣議決定しました。原発回帰の動きです。
 現在の使用期間40年は、福島第一原発事故を受け、当時の民主党政権と自民党、公明党で合意したルールです。これは、福島第一原発の事故は運転開始40年目の1号機が爆発したためで、もし1号機が持ちこたえていたら他の爆発はなかったとされています。
 さらに、当時の環境大臣が40年の根拠として、圧力容器の中性子の照射による脆化などを挙げ、原則として40年以上の原子炉の運転はしない。経年劣化の状況を踏まえて、延長する期間において安全性が確保されれば例外的に運転を継続するが、極めて限定的なケースになると述べています。
 原発を運転すると、核燃料で核分裂が生じ、その際に中性子が発生します。金属は中性子に触れると原子の並びが悪くなり、金属がもろくなるという問題があり、これが中性子照射脆化と呼ばれる現象です。原子炉容器は交換が難しく、ずっと使っているものなので、老朽化による事故が懸念されるわけです。
 このように、根拠を持ってつくった40年ルールを何の根拠もなく60年に延長するなど、福島を忘れ、国民の命を軽んじているとしか言えません。
 しかも、停止期間は使用期間に含めず、例えば10年間停止したものは70年使えるようになります。原発の安全性に関する重要なルールを破壊することは許されません。
 さらに言えば、国際原子力機構の調査で、2021年12月時点で廃炉を決めた原発は199基、平均運転期間は29年です。世界では、40年もたたずに廃炉にしています。本市は、使用期間40年を60年にすることをどう見ているのか、そして、原子炉が運転できる期間に安全規制等の変更に伴い生じた運転停止期間を含めないことについてどのように考えているのか、お答えください。
 原発を動かせば使用済み核燃料、いわゆる核のごみが発生し、行き場のない危険な放射性物質を何万年もの未来に残すことになります。
 浜岡原発も同様で、川勝知事も使用済み核燃料の処理方法が明確になっていないことなどを理由として、浜岡原発の再稼働には不同意の立場を示しています。本市は、市民の命を守る立場で、原発に対する考えを明確にする責任があると私は考えます。
 そこで、お聞きします。
 原子力発電所の再稼働について、どのように考えているのか、お答えください。
 次に、消防体制についてです。
 静岡県吉田町で起きた工場火災と静岡市葵区呉服町の飲食店の火災で、4人の消防隊員が殉職しました。
 総務省消防庁の消防白書によれば、この10年間で、全国で12名の消防隊員が亡くなられています。本市は2年間で4人もの貴い命をなくしたことを重く受け止め、二度と繰り返さないために、徹底した検証と対策が求められています。
 何よりも原因究明が必要ですが、吉田町の事故は2年たっても事故報告書が公表されず、呉服町の事故も調査委員会が3回開催されていますが、中間での経過報告もされていません。理由は様々、昨日の質問でも述べていましたが、こうしたことに対し、隠蔽しているのではないかとの疑念の声も上がっているんです。
 検証結果が出ない中でも、対策は強化しなければなりません。火災現場は千差万別、同じものはないと思います。様々な場面を想定した行動マニュアルがあり、消防隊員は日々訓練しています。そして、現場の経験を積みながら、より精度の高い行動マニュアルへと改善していくものと思います。
 そこで、お聞きします。
 吉田町、呉服町の事故を受け、消防活動のマニュアルについての問題点や今後の改善点など、どのような検討をされているのか、お願いします。
 次に、国民健康保険料についてです。
 国保料については、今年度、国保運協は来年度据置きと市長に答申し、これで3年連続据置きとなりました。毎年、市民団体の皆さんが署名を集め、引下げを請願していますが、そうした取組に一定、応えたものと理解しています。
 しかし、据え置いたとしても、所得の1割をはるかに超え、協会けんぽと比べ1.5倍を超える水準は高過ぎます。国民皆保険制度の下で、国民はいずれかの健康保険に加入しなければならず、加入した国民健康保険料が高過ぎて悲鳴を上げているという実態を当局もよく理解する必要があると思います。
 そこで、2点お聞きします。
 国保料は、加入者に低所得者や高齢者が多いという構造的な問題があるため保険料が高いとの認識はあるのか。
 もう1点は、市は国に対し、国保財政への公費拡充を要望していると聞いていますが、どのような機会を通じて要望しているのか、お答えください。
 以上、1回目です。

◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、リニア中央新幹線建設についてのうち、市長はリニア中央新幹線建設の中止を求める姿勢を明確に示すべきであると考えるが、どのように考えるかとの御質問にお答えいたします。
 結論を申し上げれば、私は、工事中止を求める姿勢は全くございません。
 議員御指摘のとおり、60年間の技術の積み重ねであります。そして、社会状況も変わっております。SDGs未来都市であり、4次総の中でもSDGsの推進をうたっております。SDGs、まさにサスティナブル・ディベロップメント、持続可能な開発を追い求めていかなければならないということであります。
 自然環境か技術開発かという二者択一ではなくて、科学技術の実装と自然環境の保全の両立を求めていくと。これが持続可能な開発というのが静岡市の立場であります。
 以上であります。
 以下は、局長及び統括監から答弁させます。

◯企画局長(松浦高之君) 4次総の基本構想に関する3点の御質問にお答えします。
 まず、一定の経済力の程度についてですが、市民一人一人が健やかに、やりがいや充実感を持って暮らし、働くのに必要にして十分な、豊かな都市として有する経済力であり、少なくとも現在の本市の経済力を維持するレベルと言えます。
 次に、経済・社会・環境が調和した状態についてですが、例えば、経済成長だけを追い求めるあまり、市民の健康や自然環境が著しく損なわれることや、逆に、環境を過度に重視するあまり、産業の発展が大きく阻害されることは避けなければなりません。
 SDGsの3側面である経済・社会・環境、これらのいずれかに極端に偏ることなく、公益性と事業性のバランスが取れた持続可能なまちと捉えております。
 最後に、4次総基本構想におけるまちづくりについてですが、4次総では世界に輝く静岡の実現をまちづくりの目標に掲げ、新たに「市民(ひと)が輝く」「都市(まち)が輝く」と定義しています。
 これはすなわち、人の輝きがまちを輝かせ、まちの輝きが人をさらに輝かせるという、人とまちの好循環を生み出すまちを目指していくというものでございます。
 次に、人口活力に関する3点の御質問にお答えします。
 まず、人口活力の向上とはどのような考えかについてですが、国全体で人口減少、少子高齢化が進む中にあっても、定住人口が都市活力の源泉であることに変わりはありません。さらに、交流人口の増加や関係人口の拡大と併せ、都市の活力を高めていこうとするものです。
 次に、新たな人口減少対策を行わないのかについてですが、市街地再開発など、まちの魅力を高め、住む人の満足度を上げる事業を引き続き推進するとともに、ソフト面では、新幹線通学費貸与事業など既存の取組に加え、令和5年度からは子育て世帯の負担軽減を図るため、指定都市初となる第2子以降の保育料完全無償化の実施や、さらなる移住者獲得に向け、メタバースを活用した移住セミナーの開催などの人口減少対策に取り組んでまいります。
 最後に、合計特殊出生率を指標とすることについてですが、令和4年9月定例会で御答弁したとおり、定住人口に交流人口、関係人口を加え、人口活力の向上を図っていくことから、合計特殊出生率を指標として定める考えはございません。

◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) 新型コロナウイルス感染症対策に関する2点の御質問にお答えします。
 初めに、感染症法上の位置づけを5類に変更する方針が示されたことで不安に感じている市民がいるが、感染予防対策や医療提供体制はどのようになるのかについてですが、まず、主な感染予防対策のうち、マスクの着脱については、現在の取扱いを改め、個人の判断に委ねられることが基本となります。
 ワクチン接種については、引き続き、自己負担なく受けられる予定です。
 次に、医療提供体制については、5類移行に伴い、原則、インフルエンザ等の他の5類疾患と同様になり、医療費の自己負担が生じること、保健所による受診先の相談や入院調整がなくなることなどが考えられます。
 このため、国では、医療費の急激な負担増が生じないように、一定の公費支援を行うことや、市民の不安に対しては、発熱等受診相談センターの業務を継続することなどが検討されております。
 本市としては、5類移行後も、関係機関と連携しながら、国が示す経過措置を踏まえつつ、感染予防対策の呼びかけや流行状況の情報提供を行うなど、市民の皆さんの不安解消に努めてまいります。
 次に、保健予防課の人員体制が強化されており、5類移行後も体制は維持すべきであるが、市はどのように考えているのかについてですが、現在、新型コロナウイルス感染症に対応するため、保健予防課新型感染症係に保健師、薬剤師、事務職員、計13人を配置し、人員体制を強化しております。
 国からは、5類移行後の医療提供体制や患者への対応については、さきに述べたとおり、一定の業務を継続する方針が示されています。
 加えて、令和5年度は、改正された感染症法に基づき、新たな感染症の発生及び蔓延防止に備えるため、市予防計画の策定などにも取り組んでまいります。
 このため、適宜、必要となる人員体制を確保しつつ、今後の保健所の機能強化に関する国の方針に合わせ、対応してまいります。

◯上下水道局長(服部憲文君) 災害対策に関する御質問のうち、まず、承元寺取水口の土砂撤去作業における自衛隊への要請についてですが、被災直後の令和4年9月24日は興津川の水位が著しく高かったため、作業員の安全を考慮し、翌25日から流木等の撤去を開始しました。
 しかし、依然として水位は平常時より高く、また、承元寺取水口は施設が狭い上、流木等で十分な作業スペースが確保できなかったことから、施設の構造を熟知している本市職員と地元業者のみによる人力での作業としました。
 その後、流木等の撤去が完了した27日の午前、土砂が取水口内部に大量に流れ込んでいることが確認され、この撤去には相当の時間を要することが見込まれたことから、一刻も早く取水を再開するため、同日午後、自衛隊に土砂撤去の応援を依頼するに至りました。
 これにより、翌28日午前1時過ぎに土砂の撤去が完了し、同日午後1時には取水量が平常時の6割程度に回復しました。
 このような経緯から、承元寺取水口の土砂撤去作業における自衛隊の要請については、現場の条件や作業の進捗状況に応じて適切に対応できたものと考えております。
 次に、給水拠点まで行けない、支援が必要な方への対応についてですが、給水車による応急給水活動は、人命救助や生命維持のための水の運搬を第一目的として、まずは救護病院、給水拠点となる避難所などに優先的に行うこととされております。
 令和4年9月の台風15号による断水対応では、通水作業を段階的に行い、時間の経過とともに断水区域が縮小したため、巡回給水を行う体制が確保できました。
 このことにより、スピーカーつき給水車延べ8台で9月30日から10月2日まで、坂が多い駒越地区や不二見地区の一部地域と、断水解消まで長時間を要することとなった小島地区、宍原地区、茂畑地区などで巡回給水を行いました。
 しかしながら、地域への巡回給水が実施可能な場合であっても、個人宅への戸別給水に係る給水車の対応には限界があるため、1人1日3リットル、7日分の水の備蓄をこれまでどおりお願いするとともに、今後は、関係部局との連携を密に行い、自主防災組織や社会福祉協議会等とも協力し、よりきめ細かな支援体制を図ってまいります。

◯環境局長(田嶋 太君) 災害ごみの排出方法についてですが、今回の台風15号では、当初、被害の状況から、約2万5,000トンの災害ごみが発生することが見込まれました。
 これを全て適正かつ迅速に処理するため、市民の皆さんの利便性や負担軽減を最大限考慮しつつ、全体的な方針として、臨時ごみ集積所や大規模仮置場の設置、収集体制の構築など、活用可能な人員、車両等の状況も踏まえながら、最も実効性の高い方法を検討しました。
 具体的には、発災直後、まずは地域の公園などを臨時ごみ集積所として利用していただき、約1週間後からは申込みによる戸別回収を実施したほか、清掃工場や大規模仮置場での受入れも並行して行いました。
 さらに、臨時ごみ集積所の災害ごみの回収が完了した後、御自宅に残っていた災害ごみをローラー作戦により網羅的に一斉回収しました。
 一方で、今回の災害では、ごみの出し方などについて周知が徹底されず、臨時ごみ集積所の一部では、無秩序な排出により悪臭や安全上の課題が生じたと認識しています。
 今後は、市民の皆さんへの情報の伝え方をはじめ、臨時ごみ集積所の設置や運営方法などについて、地域とも連携を図りながら災害に備えてまいります。

◯危機管理統括監(梶山 知君) 浜岡原発について、2つの御質問にお答えします。
 まず、原子炉の運転停止期間についてですが、発電用原子炉の運転期間について、政府は令和4年12月に、既存の原子力発電所を最大限活用する観点から、現行制度と同様に、運転期間は40年、延長を認める期間は20年との制限を設けた上で、再稼働の審査や司法判断などで停止した期間を運転期間から除外し、実質的に60年を超える運転を可能とする方針を決定いたしました。
 一方で、令和5年2月に原子力規制委員会では、高経年化した発電用原子炉に必要な安全規制を引き続き厳格にするため、運転開始後30年を超えて原子炉を運転する場合は、10年を超えない期間における施設の劣化を管理するための計画を策定し、規制委員会の許可を受けなければならないなど、安全規制に関する法的な枠組みを決定したところです。
 これらに関する方針は、昨日に閣議決定され、改正案が国会に提出されたことから、今後はその中で運転期間や安全規制の考え方についても審議、判断されるものと考えております。
 次に、原子力発電所の再稼働についてですが、政府はエネルギーの安定供給を確保するため、グリーントランスフォーメーション実現に向けた基本方針を令和5年2月に閣議決定し、その基本的な考え方として、足元の危機を乗り切るためにも、再生可能エネルギーや原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用するとしております。
 また、今後の対応として、原子力はCO2を排出せず、出力が安定的で自立性が高いという特徴を有しており、エネルギー基本計画に定める2030年の電源構成に占める原子力比率20%から22%の確実な達成に向けて、いかなる事情より安全性を優先し、原子力規制委員会による安全審査に合格し、かつ、地元の理解を得た原子炉の再稼働を進めるとしています。
 このため、原子力発電所の再稼働については、これらの考え方などを踏まえた上で、慎重に判断されるものと考えております。

◯消防局長(秋山義隆君) 吉田町、呉服町での事故を受けて、消防活動のマニュアルについての問題点や今後の改善点など、どのような検討をしているかについてですが、消防局では警防活動基準を策定し、火災や特殊災害などの災害種別ごとの活動について、標準的かつ基本的な要領を定めております。
 また、災害は一つとして同じものはないことから、それぞれの災害に対応した経験や知見から、より具体的な活動を示す必要がある場合には、個別に通知として指示し、基準を補完する対応を取っており、それらを総じて、いわゆる消防活動のマニュアルとしております。
 吉田町での倉庫火災事故を受け、組織の改編や装備の強化などと併せて、火災時の屋内進入の判断の明確化や緊急退避の活動などを通知で指示し、消防活動のマニュアルの強化を図っております。
 今後は、呉服町での建物火災の事故調査委員会からの報告を踏まえた再発防止策を講ずる中で、これまでの通知による指示を網羅し、さらに安全な基準の再構築の検討を進めてまいります。

◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) 国民健康保険に関する2点の御質問についてお答えします。
 まず、保険料は高いとの認識があるかについてですが、厚生労働省の資料によると、国保は給付費等に多くの公費負担がされており、加入者1人当たり平均保険料は、国保が8.9万円、協会けんぽが11.9万円となっており、1人当たり平均保険料は国保のほうが低くなっています。
 一方、所得に対する保険料の割合は、国保が10.3%、協会けんぽが7.5%となっており、国保は被用者保険と比べて低所得者や高齢者の割合が高いことから、被保険者の所得に占める保険料割合が高くなっていると認識しております。
 次に、国への公費拡充の要望についてですが、全国の共通の課題であることから、全国市長会、指定都市市長会、政令指定都市国保・年金主管部課長会議等を通じ、国に対して、公費拡充について重ねて要望しているところでございます。
  〔杉本 護君登壇〕

◯杉本 護
 それでは2回目です。
 意見・要望は最後に言おうと思っていたんですが、時間がなくなると困るので、市長に一言だけ言わせてください。
 当然、市長はリニア推進派ですから、かみ合わないことは分かってお聞きしました。
 ただし、私は、少なくとも市長が言っている自然と経済の調和という点で言うと、今のJR東海はまさに経済を優先して、工事を優先して、自然環境を守るということが後回しになっているのではないかという気がしてならないんですね。
 ですから、そういう点をしっかりと見ていただきながら、できれば市長としても、合意書を結んでいるわけですから、その精神から見てどうかという意見はぜひ述べていただきたいと思います。
 ということを一言言って、質問に入ります。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてですが、先ほどの答弁で、今後も市として感染対策はしっかり行っていく、予防体制も維持されるということを確認しました。
 さて、本市は静岡、清水が合併して政令市となりましたが、合併する前は、保健所は旧静岡市には2つあり、旧清水市にもありました。現在は、葵区の保健所1つになっています。
 新型コロナ感染症が蔓延する下で、保健師などの専門職の不足が保健所業務を圧迫しました。だから、体制を強化したわけですが、今後も新たなウイルスによる感染症が懸念される下で、体制強化が望まれると思います。
 そこで、お聞きします。
 保健所は感染症対策を担う保健師などの専門職を計画的に育成、確保するとともに、清水支所を保健所として体制を強化するべきではないか、お答えください。
 次に、災害対策についてです。
 1回目の質問で、台風15号に係る災害対応検証の中間報告について実践的な面でお聞きしましたが、ぜひ今後の防災計画に生かしていただきたいと思います。
 今回の豪雨災害を受けて、市民の中からは、東海地震が想定される中で、豪雨と地震が同時に来たらどうなるんだろうかという不安の声があります。また、沿岸部では津波も心配されています。全くあり得ないことではないだけに、心配されるわけですね。
 そうしたことも想定した防災計画をつくることは自治体の責務ではないかと思います。
 そこで、お聞きします。
 豪雨と巨大地震の複合災害などの状況を想定した防災計画をつくる考えはあるのか、お聞きします。
 次に、国民健康保険料についてです。
 1回目の答弁で、国保料は高いとの認識は共有できたと思います。要は、被保険者が実際に払う保険料が所得に対して高いかどうかという認識でいうと、高いということですよね。
 本市が、国に公費拡充を様々な機会で求めていることも示されました。しかし、なかなか上がっていかない。国全体は3,400億円を超えていませんから。ということは、国はそうした要望に応じてくれないというわけなんです。それならば、自治体の裁量で減額してはどうかという提案です。
 ちょっと長くなりますが、国民健康保険法の第77条第1項は「市町村及び組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」となっています。
 その下で、静岡市国民健康保険条例第31条に保険料の減額または免除が規定され、その中の第1項第3号は、特別な事情がある者は減額または免除できるとしています。
 そして、その特別な事情については、静岡市国民健康保険条例等施行規則の第20条第1項第3号エで、「特別な事情により保険料の納付が著しく困難なものであると市長が特に認めるものにあっては、別に市長が定めるところにより減額し、又は免除する。」としています。要するに、国民健康保険料は市長の判断で減免できることになっているんです。
 さて、ここで市長がどういう判断をするかです。
 市長、子供がいることが特別な事情と市長が判断すれば、子供の均等割を減免することができるんです。
 さらに、国保法第77条に基づく減免による法定外繰入れは、削減、解消すべき赤字には該当せず、決算補填等目的以外の一般会計繰入れとなっています。つまり、赤字補填の繰入れとみなされず、国のペナルティーの対象にならないということです。子供が多いほど国保料が高くなる仕組みは、子育て支援に逆行しているのではないでしょうか。
 そこで、お聞きします。
 子供の均等割保険料について、令和4年度から未就学児の5割軽減が始まっていますが、さらに、市として独自に18歳までの全ての子供の均等割保険料がゼロになるように一般会計からの繰入れを行い、保険料の減免措置を講じるべきと考えますが、お答え願いたいと思います。
 次に、海洋文化施設整備事業についてです。
 この2月議会に関連する3議案が上程され、残念ながら賛成多数で可決されました。日本共産党は、一貫して本事業の中止を求め、今議会でも中止を求める意見も出されています。
 今、物価高騰の下で実質賃金は下がり、市民の暮らしが脅かされている中、このような大型施設に回す金があるのか、もっと市民の暮らしを支える分野での投資が必要ではないでしょうかということです。
 この1月、総事業費約62億円の歴史文化施設がオープンしました。今後、運営費として毎年、3億5,000万円が見込まれています。さらに、清水庁舎の大規模改修、市民文化会館の再整備、そして大浜公園のリニューアル、この3つだけでも合わせると250億円を超える大事業です。そして、その上に海洋文化施設の169億円があります。
 清水都心のまちづくりでは、桜ヶ丘病院の清水駅東口への移転、清水庁舎は現在地での大規模な改修となるなど、当初案が変更され、サッカースタジアムのエネオス跡地への移転構想など、不確定な要素も加わっています。
 そして、様々な開発がJR清水駅の東側、清水港周辺に今、集中しているわけですが、駅西側の清水銀座商店街や、あるいは少し離れた次郎長通りなど、こういったところの回遊性はどうなっていくのか。検討すべき問題があると感じています。
 いま一度立ち止まって、清水のまちづくりを再検討するためにも、海洋文化施設の建設計画は一旦中止し、見直す時間をつくるべきと考えます。
 そこで、お聞きしたいのは、清水のまちの計画が変化している中で、なぜ今、海洋文化施設を造らなければならないのか、お願いします。
 次に、教育対策についてお聞きします。
 まず、教職員の体制についてお聞きします。
 この間の総括質問でも取上げてきましたが、教職員定数割れの問題が深刻です。
 全日本教職員組合が2022年10月に行った調査結果を2月に発表しましたが、24道府県、4政令市で合計1,642人の欠員となっています。2022年5月の調査と比べて大幅に増え、その主な要因が、産休、育休、病休などの代替者の欠員としています。
 本市は、今年度初めに19人の欠員があり、秋には増加していました。私が総括質問で聞いたとき、当局は、年度初めの欠員は特別支援学級が増加したことなどが主な要因として、やむを得ないことのようにおっしゃっていました。しかし、行き届いた教育をするためには、教職員の欠員を見過ごすことはできません。それどころか、年度途中でさらに欠員が増えているのはなぜでしょうか。
 そこで、お聞きします。
 現在の欠員の状況はどうなっているのか、また、欠員を生じさせないためにどのような取組を行っているのか、お願いします。
 教育現場では、いじめや不登校など、放置できない問題が山積しています。
 本市もスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、訪問教育相談員などで対策を行っていますが、事後対処になっています。
 私は、学校でいじめが起きない、不登校を生まないことにもっと力を入れるべきと考えています。そのためには、教職員がゆとりを持って一人一人をしっかりと見てあげられる、そうした少人数学級が必要と考えています。
 そこで、お聞きします。
 将来を見据えて、当面、30人以下学級を目指す必要があると私は考えますが、今後の少人数学級に対して市はどのように考えているのか、お願いします。
 次に、学校給食費についてです。
 我が党は、学校給食費の無償化について、義務教育は無償とする憲法の要請であることと併せ、子育て支援として主張していますが、さらに、昨今の物価高騰では、生活支援としてもますます重要となっています。
 小中学校ともに給食費完全無償化の自治体は、全国で今、254自治体に広がり、県内でも小山町や御前崎市が始めています。
 さらに、関東地方では、新年度に向けて、例えば葛飾区は導入を決定済み、品川区、中央区、水戸市は前向きに検討、世田谷区や足立区も実現に向けて検討中となっています。この流れは、静岡から東京方面への人口流出を一層強める懸念があります。
 そうした中で、川勝静岡県知事が、所得の少ない世帯を対象に学校給食費の助成を検討したいと表明しています。まだ、検討したいの段階ですが、知事がそのような考えを示したことは1つのチャンスではないでしょうか。県と市が連携して、本市も実現に向けて検討すべきではないでしょうか。
 そこで、お聞きします。
 学校給食費の無償化について、どのように考えているのか、お願いします。
 次に、医療費支援についてです。
 国は、出産・子育て応援給付金を創設し、出産前後に5万円ずつ支給するなど、子育て支援の取組を強化しつつあります。
 本市も、田辺市長の英断で、保育料を第2子以降無料にするとし、来年度予算案にも反映されています。政令市初の取組であり、このことは大いに評価したいと思っています。
 そこで、さらなる子育て支援として、2点提案したいと思います。
 まず、妊婦の医療費助成制度です。
 新型コロナの感染拡大がやまぬ中、妊婦さんは僅かな体調の変化でも、無事に生まれてくるかと、今まで以上に不安を抱えながら過ごしています。そんなとき、医療費がかからなければ、ちゅうちょなく病院に行けるのではないでしょうか。
 日本産婦人科医会も、晩婚化や高齢妊娠、合併症を有する妊婦さんが増えている中で、出産を社会全体が支援する明確な意思表示として、妊産婦医療費助成制度の普及を求めています。
 そこで、お聞きします。
 妊婦の医療費の窓口負担を無料にする考えはないか、お願いします。
 もう1点は、子ども医療費助成制度です。
 現在、本市は、18歳までを対象に入院は無料とし、通院は1歳から18歳までを対象に、1回500円を限度に、超えた部分を助成しています。
 子供の医療費助成は1960年代から始まり、保護者や民主団体、医療団体などが運動した成果で、全国に広がっています。
 無料にすると過剰な受診の要因になるとの意見もありますが、この助成制度が広がってもレセプトは横ばいとのデータがあります。そして、同年齢の時間外・夜間診療件数が減少していて、これについては、助成制度の拡充で子供が早めに受診できるようになり、病気の重症化が防止された結果と言われています。
 そこで、お聞きします。
 子供の医療費について、入院同様に、通院も18歳まで医療費の窓口負担をなくして完全無料とする考えはないのか、お答え願います。
 次に、障害者支援についてです。
 今回は、指定障害福祉サービス事業所などの適正な運営についてお聞きします。
 障害者施設での虐待が全国で起きており、実は、私も静岡市内のある施設での虐待の相談を受けたことがあります。
 障害のある家族を預けるわけですから、保護者にとってはしっかりと見てもらえているのか、心配するのは当然です。特に精神疾患のある方は、本人が虐待を受けていることすら分からない、そういったケースがあります。
 施設を運営する側は高い倫理が求められますが、設置の届出を受け、チェックする本市もその管理責任を問われています。
 そこで、2点お聞きします。
 指定障害福祉サービス事業所などにおいて、サービス管理責任者が適正に配置されているかなどのチェックはどのように行っているのか。
 2つ目に、同事業所における虐待の事実をどのように把握し、どのように対応しているか。また、虐待防止対策はどのように行っているのか、お願いします。
 次に、中小企業支援について。
 まず、住宅リフォーム助成制度についてです。
 コロナ禍の下、本市も事業者の経営支援として、キャッシュレス決済によるポイント還元やクーポンの発行、スマホのスタンプラリーなど、小売やイベントなどへの支援を行っていますが、建設業に関する直接支援策はあまり見当たりません。暮らしの3大要素の1つ、住まいを担うのが建設業者で、災害などの早期の復旧には欠かせない存在です。
 さて、私は以前から、中小業者支援として、住宅リフォーム助成制度の創設を訴えてきました。この住宅リフォームは、建設関連事業者にとっては直接仕事になります。
 既に実施している自治体では、助成額をリフォーム金額の20%で上限を20万円、発注先は市内の中小業者などと条件をつけ、直接の経済波及効果は10倍から20倍と言われています。
 また、リフォームすると家財道具の買換えや、あるいはお祝いの飲食など、幅広い関連産業に波及します。住宅リフォーム助成は、市内の建設業者が仕事をすることで地域循環型経済をつくることになり、経済対策にもなると思います。
 本市は、経済対策としての住宅リフォーム助成に以前から難色を示していますが、御殿場市では経済対策助成事業として、住宅や事業場に対する助成を行っています。本市でできない理由が分かりません。
 本市には柱・土台100本プレゼント事業があり、新築や増改築などで地域材の普及啓発を行っています。この事業は私もいいと思っていまして、ぜひ継続をお願いしたいと思っているんですが、残念ながら木材を使わない、例えば屋根工事、あるいは塗装工事、水回りなど部分的なリフォームには対応できません。多くの建設業者が対象となり得る事業が有効と考えます。
 そこで、お聞きします。
 住宅リフォーム助成制度は、経済波及効果が高く、導入メリットは十分にあると考えますが、市として制度を創設する考えはあるのか、お願いします。
 次に、インボイス制度についてです。
 今年の10月から、消費税のインボイス制度が導入されます。これは、業者間の取引のたびに消費税額など6項目が記載された適格請求書、いわゆるインボイスの発行を義務づけるものです。
 インボイスを発行できるのは課税業者のみであり、免税業者は発行できません。課税業者は役務の対価を支払っても、相手が免税業者だとインボイスがもらえず、支払った消費税額を消費税の申告で差し引くことができず、納税額が増えてしまい、損をすることになります。
 ですから、免税業者は、取引先からインボイスを発行できる課税業者になるよう迫られ、あるいは、取引が停止になったり、消費税分の値引きを迫られたりすることになります。
 例えば、年収300万円の個人タクシーが課税業者になった場合、簡易課税で計算しますと消費税は約15万円。この金額は、所得で見れば1か月分が吹き飛んでしまいます。
 また、フリーランスの多いアニメや声優、漫画、演劇のエンタメ4団体が、インボイス制度見直しを求める記者会見をしています。各業界は、年収200万円から300万円以下が半数を占め、将来を夢見ている人たちに支えられています。ところが、アンケートでは、このインボイス制度の導入で、2割以上の人が廃業を考えているとのことです。日本の文化・芸術を潰すなと訴えています。静岡市内にもそうした方たちがいて、活動しています。
 本市は、中小企業・小規模企業振興条例を持っています。この条例の趣旨からも、中小・零細業者を廃業に追い込むようなインボイス制度は相反するものではないでしょうか。
 そこで、お聞きします。
 インボイス制度の導入は中止すべきである、私はそう考えています。市としても国に要望すべきではないか、お答え願いたいと思います。
 インボイス制度については、最後まで導入反対を私は訴えていきますが、本市としては導入された場合の対策を行う必要もあると思います。
 取引のたびにインボイスを発行する手間や、消費税の申告も複雑になり、中小業者にとっては事務負担が増えます。そうした事業者の心配に応えることが求められています。
 そこで、お聞きします。
 市の中小企業支援の取組の現状はどうか、お願いします。
 次に、再生可能エネルギーの推進についてです。
 地球温暖化による気候危機打開には、再生可能エネルギーの普及と省エネルギー社会の実現は待ったなしの課題です。
 本市は、温室効果ガスの削減目標を2030年までに2013年比で51%と定め、現在、第3次静岡市地球温暖化対策実行計画を策定中です。これは、市長の強い思いがあって51%になったと思います。
 そして、4つの基本目標を設定し、その1つが再生可能エネルギーの拡大です。
 取組の例として、PPAなどでの太陽光発電設備の導入がうたわれていますが、51%の削減目標を達成するには、多くの事業者や家庭がもっと積極的に太陽光発電設備を導入することが必要ではないでしょうか。固定買取価格も年々引下げられる中、導入意欲を喚起するためには積極的な補助制度が必要です。
 また、太陽光発電と農業の振興をセットで考えるソーラーシェアリングやバイオマス発電なども、静岡の自然環境を生かした取組として検討する価値があると思います。
 そこで、3点お聞きします。
 家庭での太陽光発電を進めるために、本市としての補助制度を設ける考えはないのか。
 2つ目に、耕作放棄地をはじめとする未利用地を活用した太陽光発電の普及促進を進める考えはないか。
 3点目に、本市の豊かな山林を有効活用するため、間伐材などを利用したバイオマス発電を推進する考えはないか、お願いします。
 最後の質問になりますが、ジェンダー平等社会についてです。
 この分野も多くの課題がありますが、パートナーシップ宣誓制度と同性婚について伺います。
 同性婚は、世界の先進国では当たり前になっていますが、この日本は自民党の一部議員の強い抵抗で法整備がされていません。
 そうした下で、本市が県に先駆け、パートナーシップ宣誓制度を創設したことは、憲法が保障している個人としての人権を認めることの具現化として大いに評価しています。
 そして、静岡県も、今日、3月1日からパートナーシップ宣誓制度を創設することになりました。しかし、この制度を生かすには、社会の深い理解が欠かせませんし、つくった後の取組こそ重要であると言えます。
 そこで、3点お聞きします。
 制度の利用状況や課題はどのようになっているのか。
 2つ目に、今日から静岡県の制度が始まりますが、本市の制度との連携や行政サービスの提供内容について、どの程度進んでいるのか。
 3つ目に、同性婚を法的に認めるべきと私は思うんですが、ジェンダー平等を4次総の横断的視点として取り組む本市としてはどのように考えているのか、お答えをお願いします。
 以上、2回目です。

◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) 保健所は、感染症対策を担う保健師等の専門職を計画的に育成・確保するとともに、清水支所を保健所として体制を強化するべきではないかについてですが、新型コロナウイルス感染症への対応のほか、新たな感染症の発生に迅速かつ的確に対応するためには、保健師等の専門職の役割が大きくなると考えております。
 そこで、本市としましては、保健師の研修において、感染症対策に関する内容を充実するとともに、国や県が実施する研修会を活用するなど、質の高い専門職を育成することにより、感染症対策に対応できる職員を確保してまいります。
 次に、清水支所についてですが、本市が感染症対策を行うに当たっては、統一的な視点や情報を一元化した上で、受入れ病院や関係機関と連絡を取ることが重要であると考えます。
 このことから、引き続き1か所の保健所に人的資源を集中させることで、迅速に対応していきたいと考えております。

◯危機管理統括監(梶山 知君) 複合災害などを想定した防災計画についてですが、地域防災計画では、市民の生命、身体及び財産を災害から守るため、想定し得る最大規模の降雨や地震、津波を前提に、防災に関する業務や対策などを定めております。
 また、この計画では、様々な災害に共通した対策などを一般対策編に定めていることから、大雨や地震などによる災害が同時に発生した場合には、計画に定めた対策を柔軟に運用するとともに、複合災害を想定した訓練などを実施することで対応していきたいと考えております。

◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) 国民健康保険における子供の均等割保険料の減免についてですが、議員御案内のとおり、国民健康保険法第77条において、市町村は、条例等により、特別の理由がある者に対し、保険料の減免等を行うことができるとされています。
 子供の均等割保険料を市が独自に減免する場合について、改めて国に確認したところ、それは受益に見合った負担とはならないものであり、適切でなく、決算補填等目的の一般会計繰入れに位置づけられ、保険者努力支援制度において市が受ける交付金が減額される旨の回答がありました。
 こうしたことから、市としては、子供の均等割保険料減免を独自に行うことは困難であると考えております。
 国に対しては、引き続き、子供の均等割保険料の軽減制度の対象年齢や軽減割合の拡大について要望してまいります。

◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 清水のまちの計画が変化している中、なぜ今、海洋文化施設を造らなければならないのかについてですが、議員御指摘の清水都心のまちづくりについては、公民のまちづくりの動きが相互に連携して進められるよう、清水みなとまちづくり公民連携協議会が令和3年度から地元自治会への説明やシンポジウムなどにより広く市民の皆さんの声を聞きながら、清水駅東口・江尻地区、日の出・巴川河口地区の2つのガイドプランを順次、取りまとめてきました。
 このガイドプランは、公民が将来像を共有し、それぞれが具体的な取組を進めていく上で、面的なまちづくりの視点を失わないようにするための共通の指針であり、海洋文化施設については、国際交流と海洋研究の拠点を形成するゾーンの核となる施設として、日の出・巴川河口地区ガイドプランに位置づけられております。
 本市としては、このガイドプランに位置づけられ、また、昨日、寺澤議員に答弁しましたとおり、周辺開発の起爆剤となり、地域経済の活性化や交流促進につながることが期待される本施設を着実に進めていく必要があると考えております。

◯教育局長(青嶋浩義君) 教育に関する3つの御質問にお答えします。
 最初に、学校における教員の欠員状況と対策の取組についてですが、学校の教員が配置できていない状況、いわゆる欠員の状況は、本市としても喫緊の課題であると捉えております。
 本市の小中学校教員の欠員状況は、令和4年度当初19人でしたが、産・育休や長期の病気休暇等による年度途中からの新たな欠員も生じております。
 令和5年1月末の欠員は26人となっており、現状ではさらなる常勤職員の確保は困難であるため、代替措置として非常勤講師を配置し、対応しております。
 欠員を生じさせないための取組として、令和3年度、4年度は、本市で教員採用を開始した平成18年度以来、過去最多の正規職員を採用するとともに、退職予定者や退職教員に対し、再任用職員等として勤務するよう、個別の働きかけや市ホームページでの教員募集を随時、行っております。
 また、大学生や高校生の教員志望者への説明会や、現職教員の生の声を伝える動画作成など、本市教員の仕事の魅力や働き方改革等の状況を発信し、より多くの人材確保に努めているところです。
 次に、少人数学級に対する本市の考え方についてですが、少人数学級については、児童生徒の教育環境をよくするための重要な施策と捉えております。
 現在、国が定める学級編制の標準は、小学校が35人、中学校が40人となっております。このうち小学校については、段階的に35人学級が導入され、令和7年度をもって全学年が35人学級となる見込みですが、中学校においては40人学級のままとなっております。
 一方、本市においては、個に応じたきめ細やかな学びを実現するため、国に先駆けて、平成25年度から小中学校全ての学年において35人を基準とする静岡市型35人学級に取り組んでいます。
 この35人学級を推進してきたことで、学校からは、子供たちが授業で発言する機会が増えたなどの声があり、一定の成果が表れていることからも、少人数学級の重要性を認識しております。
 議員御質問の学級規模の在り方については、教員確保の課題とも密接に関係するため、本市としては当面、35人学級の取組を継続しつつ、その効果について検証してまいります。
 最後に、学校給食費の無償化についてですが、学校給食費の無償化は、現在の本市の財政事情から非常に困難であると認識しています。
 なお、経済的な理由で学校給食費の負担が困難な家庭については、就学援助制度により全額補助しております。

◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 妊婦と子供の医療費助成についての2つの御質問に一括してお答えします。
 本市では、妊婦や子育て家庭が安心して出産・子育てができるよう、様々な負担軽減策を行っております。
 まず、妊婦には、健康管理のために実施する健診費用に対し、1人当たり最大で約10万円の助成をしているほか、妊婦歯科健診と、分娩前に不安を抱える妊婦へのPCR検査を無料で行っております。
 次に、子育て家庭には子供の医療費を助成しており、費用負担が大きいゼロ歳から18歳までの入院費とゼロ歳児の通院費を無料とし、1歳以上の通院費は1回500円までを負担していただいております。
 さらに、妊娠時と出産時、合わせて10万円を支給する出産・子育て応援給付金事業を本年2月から開始するとともに、令和5年度からは、妊娠8か月と子供が1歳、2歳のタイミングで助産師や保育士等が家庭訪問する相談支援も新たに実施する予定です。
 このように、今後も妊婦や子育て家庭に対して様々な支援を実施してまいりますが、議員御質問の妊婦や子供の医療費窓口負担を無料にすることは考えておりません。
 なお、子ども医療費については、既に多くの自治体が独自の助成を実施していることから、国において統一的な医療費助成制度を創設することを要望してまいります。

◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) 指定障害福祉サービス事業所等の適正な運営に関する2点の御質問にお答えします。
 初めに、事業所に対する本市のチェック体制についてですが、令和2年度までは事業所の指定、指導を担当している職員2名でチェックを行っておりましたが、事業所数の増加に対応するため、令和3年度に2名増員し、現在、4名体制で行っております。
 事業所の新規指定時のほか、毎年4月に全事業所に対して事業体制の届出を求め、サービス管理責任者などの人員、設備、運営について、指定基準を満たしているか書面にて確認し、必要に応じて支援員配置の見直し等の指導を行っております。
 さらに、事業所訪問による実地指導を国の基準どおり、おおむね3年に1度行っております。
 実地指導では、担当者が実際に現地に赴き、事業所の勤務体制、利用者への支援状況、給付費の請求内容等が基準に照らして適正かどうかを調査し、必要に応じて書面または口頭での指導等を行っています。
 今後とも、事業所の指導等を通じて、適切な障害福祉サービスの提供に努めてまいります。
 次に、事業所における虐待の事実の把握と虐待防止対策についてですが、虐待通報は障害福祉サービス事業所等の利用者御本人、御家族、事業所の職員、相談支援専門員などからあります。
 市では、通報から48時間以内に障害者支援推進課や基幹相談支援センター等により構成される対応会議を開催し、被害者の一時保護等の初期対応を決定しております。
 その後、利用者や事業所職員への聞き取り調査等を実施し、調査結果を基に対応会議で虐待の事実の有無の判定を行っております。
 虐待が認められた場合は、事業所に対し改善指導通知を送付し、再発防止のための改善計画の提出を求めております。
 また、虐待防止対策としては、全ての事業所を対象に、大規模な会場で講義形式で開催する集団指導において虐待防止に必要な取組を周知・指導するほか、随時、市内外で発生した虐待事例の注意喚起を行うことなどにより、虐待の未然防止に努めております。

◯経済局長(稲葉 光君) 住宅リフォーム助成制度を創設する考えがあるかについてですが、本市ではこれまで、建築に関わる事業者を含め、広く中小企業に対して資金繰り支援や経営相談、補助金等により、事業の継続や拡大、新分野進出などに向けた支援を行ってきました。
 加えて、コロナ禍、物価高騰下においては、地域消費促進事業費助成やモバイル決済サービスを活用した生活者支援、地域経済活性化事業など、生活者、事業者に対する幅広い消費喚起策を行ってきました。
 こうした地域経済の振興施策の実施により、経済波及効果の創出に努めてきたところであり、現時点で、中小企業支援策として住宅リフォーム助成制度を創設する予定はございませんが、今後も引き続き、市内の経済状況を注視し、事業者の声を丁寧に聞きながら、実効性の高い施策の検討、実施に努めてまいります。
 続きまして、国に対するインボイス制度の中止要望についてですが、令和4年6月議会でお答えしたとおり、インボイス制度については、消費税率の複数税率下において適正な課税を確保する観点から導入される制度である旨、国において説明がされており、現時点で市として中止を要望する考えはありません。
 次に、インボイス制度に関する中小企業支援の取組の現状についてですが、本市ではこれまで、広報紙による情報発信、清水産業・情報プラザでのセミナー開催等による制度周知のほか、デジタル機器導入に係る経費の補助を実施してきました。
 また、本年1月から、静岡商工会議所及び清水商工会と連携し、市内中小企業等に対して現在の準備状況や制度導入に係る課題等に関するアンケート調査を実施し、実態把握に努めているところです。
 今後については、本年3月までの調査結果を踏まえ、産業支援機関や商工会議所等と情報共有しながら、必要な支援策を協議してまいります。

◯環境局長(田嶋 太君) 再生可能エネルギーの推進についての3点の御質問にお答えします。
 初めに、家庭での太陽光発電の補助制度についてですが、本市では、2つの補助メニューにより太陽光発電の導入を促進しています。
 1つ目は、戸建住宅のZEH化支援事業です。
 これは、年間の一次エネルギー収支が実質ゼロとなるZEHを取得する個人を支援するもので、太陽光発電設備も補助の対象としています。
 2つ目は、グリーン電力地産地消事業です。
 これは、住宅所有者に初期費用が発生しない第三者所有モデル──PPAに対する支援で、PPAにより設置した太陽光発電設備から得られた電力の一部を脱炭素先行地域に供給することを条件に、PPA事業者に対し補助金を交付するものであり、本年度から事業を開始しました。
 現在、新たな補助制度を設ける考えはございませんが、現行制度を着実に実施していくことで、家庭への太陽光発電の導入を促進してまいります。
 次に、未利用地を活用した太陽光発電の普及促進についてですが、本市において、再生可能エネルギーの中で最も導入ポテンシャルの高い太陽光については、住宅はもとより、社屋や工場等への積極的な整備を図るとともに、建物の壁面や現在、有効活用されていない未利用地への導入についても検討していく必要があると考えています。
 一方で、未利用地等への導入には、土地や施設の所有者の意向や初期投資、事業採算性など、様々な課題があります。
 このため、太陽光パネル等の新技術を注視していくとともに、国の支援制度なども踏まえ、PPA手法の活用も視野に入れながら、未利用地への太陽光発電の普及促進に向け、調査研究を進めてまいります。
 次に、間伐材などを利用したバイオマス発電の推進についてですが、急傾斜地の多い本市では、木材の搬出コストが高く、採算性の確立や発電施設用地の確保など、大きな課題があります。
 一方で、現在、市内には、小規模ながら間伐材などを燃料にしたバイオマス発電設備を運営する林業者や、大規模な木質バイオマス発電設備の整備を研究している事業者も見られます。
 今後、それらの事業者との意見交換を重ねるとともに、関連技術の動向や他都市での成功事例などを調査研究してまいります。

◯市民局長(草分裕美君) パートナーシップ宣誓制度に関する3つの質問にお答えします。
 初めに、パートナーシップ宣誓制度の利用状況と課題についてですが、令和4年4月から制度を開始し、5年2月末現在、23組が宣誓しています。
 宣誓したカップルに対しては聞き取りとアンケートを行い、制度への御意見や、行政や企業サービスの利用状況等について確認しています。
 現時点において2点の課題を認識し、対応しております。
 1点目は、宣誓した方が利用できる行政や企業の制度、サービスが限定されていることです。
 そのため、本市においては、全ての部署を対象に、適用可能となる制度やサービスを拡充するよう継続的に働きかけを行っており、市営住宅等の入居や市職員の特別休暇制度への適用などを追加いたしました。
 また、事業所に対しては、制度紹介のチラシや性の多様性に関する企業ガイドラインを配布し、制度の周知を図るとともに、適用となるサービス拡充について働きかけを行っています。
 2点目は、宣誓受付が平日であるため仕事を休むのが大変という意見や、宣誓手続に不安があるなど、宣誓における利便性や安心感が求められていることです。
 そのため、令和4年12月と5年1月の休日に、2日間試行的に休日の宣誓受付を実施し、3組の利用があったことから、今後も休日の受付を行う予定です。
 また、事前に宣誓受付の流れがイメージできるように、市ホームページを改善し、宣誓手続の不安解消に努めました。
 次に、静岡県の制度と本市との連携についてですが、現在、県と本市を含め、制度を導入している県内4市において、宣誓手続や行政サービスに関する連携について協議を進めているところです。
 宣誓したカップルの利便性の向上が図れるように、相互に協力し、取り組んでまいります。
 最後に、同性婚についての本市の考え方ですが、現在、国では同性婚について議論を深めておりますので、今後も引き続き、国の動向を注視するとともに、令和5年度から実施する第4次男女共同参画行動計画の目指す姿、ジェンダー平等に基づき、全ての市民が安心して自分らしく暮らせるまちの実現に向けて取り組んでまいります。
  

◯杉本 護 それでは、3回目は意見・要望です。
 時間があまりありませんから、先にちょっと言いたいことを言っておきますけれども、まず、国民健康保険料の減免についてです。
 先ほどの答弁で、厚労省に聞いたら駄目だというふうに言われたということですよね。
 私の記憶ですと、77条の減免というのはペナルティーの対象になっていないはずなんですね。ですから、例えば災害のときなんかで、収入が減った方の国保料を減免するとき、77条を使います。でも、それは絶対にペナルティーにはならないはずなんですよ。同じ77条を使っているのに、厚労省は違うと言うのは、何か考えをねじ曲げているんじゃないかと感じてならないんですね。
 時々、厚労省というか国は、通達文書なんかを見ても、分かりづらい文書をよく地方に出すんですね、混乱させるような。そういう意味では、ちょっと国のほうに私も確認したいと思っているんですが、法的に間違ってはいないはずなんです。法令違反ではないはずなんです。ですから、本当でしたら、市長が決断すればやれるはずだと私は思っています。もう一遍確認しますけれどもね。
 それで、それとはまた別の問題として、もし本当にペナルティーがあるんだったら、それでもやりましょうと言いたいと思います。
 国保の中で、子供がいる世帯というのは一定、40代、50代、30代もいるんですが、それなりに所得があるところなんですね。非常に負担が重いんです、そういう世帯は。ですから、そういった子育て世帯に対して支援するという点でいうと、ペナルティーがあったとしても、ぜひ一般会計からの繰入れもしながら減額するということを市としては考えていただきたいなと。
 少なくとも、もしそれをしたら幾らお金がかかるのかぐらいは検討していただきたいと思いますので、要望いたします。
 今、国は、この5年間で43兆円の大軍拡を進めようとしています。5年後にはGDP2%の世界第3位の軍事大国に向かっているわけですね。こうした流れの中で、社会保障の削減だとか、あるいは大増税が懸念されるわけです。
 現在でも、物価高騰で市民の暮らしは大変です。この4月からは、もう1万品目以上が値上げをするとも言われています。
 こうした中で、今、地方自治体がやるのは、やっぱりそうした市民の暮らしを支えることではないのかなと思います。寒い地域でいうと、電気代の補助だとか燃料費の補助というのをやっている自治体もあります。ですから、静岡市として今、何ができるのかというふうに考えていただきたい。
 私が今回質問したのは、そうした中で、大型箱物ではなく、学校給食費や子供の医療費、あるいは暮らしを応援していくということが今、求められていると思っています。
 最後に、今年度で退職される職員の皆さんは本当に御苦労さまでした。これから皆さんは新たな人生が始まるわけなんですが、何よりも体に気をつけて、元気に活躍していただきたいと思います。お疲れさまでした。
 田辺市長も、本当に12年間御苦労さまでした。
 私と市長の出会いは、おそらく私がちょうど小学校のPTAの役員をやっていた頃だと記憶しています。ちょうど市長が国政選挙に挑戦していた頃だと思います。
 もう1つ言うと、私は合併に反対の運動をしていた立場でしたから、市長とはその当時からウマが合っていないなとも思うわけなんですね。
 ただ、お互いに信念を持ってやっているわけですから、それはそれとしていいんですが、市長はまだ私より若いわけですから、これで政治家の人生が終わるわけではないと思うんですね。終わっちゃうのかな。
 そういう意味では、12年間この静岡市をそれなりに引っ張ってきていただいた、また、意見も随分闘わせましたけれども、今後は市長も体に気をつけながら、しばらく少し休んでいただいて、またどこかで論戦できればいいかなと思います。
 そういうことで、私も最後までしっかりと対峙しながら、市長もあと数日間というか、今月いっぱいは市長ですから、ぜひよろしくお願いします。
 以上で全ての質問を終わります。