◯内田隆典
日本共産党静岡市議会議員団を代表しまして、市長の市政運営について、憲法尊重擁護義務に関して伺いたいと思います。
3期12年続いた田辺市政から、4月の市長選挙で新しい市長が誕生しました。私たち議員団は、これまで市政運営の基本として、憲法と地方自治法、静岡市自治基本条例に基づく市政運営を一貫して求めてきました。しかし、前市政はこの観点からの行政運営をしてきたかと思われない節が度々ありました。市長が新しくなりましたから、憲法尊重擁護義務に関して伺いたいと思います。
日本国憲法第13条は、全て国民は個人として尊重されるとうたい、これは憲法の根本部分と言われています。また、憲法は国家権力を制限して、人権を保障するものであり、人権を守る手段として、地方自治制度が置かれています。憲法が定める地方自治の本旨、すなわち住民自治と団体自治により、地方自治は住民の意思に基づき、また国から独立した団体として、自らの意思と、責任の下で行うとされています。
市民の生活に直結するのは、市政の場であり、その意味では、市は市民の基本的人権を守り、地域で実現する場となっています。そして、憲法第99条により、憲法尊重擁護義務のある市長は、この立場で市政運営をする責務を負っています。このことからすれば、市民の人権に関する問題については、市民の意思に基づき、自治体として国に物を言うことは、地方自治制度上、当然のことです。
例えば沖縄県は、国の政策である米軍基地問題に対して、自らの主張を述べ行動し、広島市長、長崎市長は、核兵器禁止条約締約国会議に参加し、日本政府が参加しない中で、議場から核廃絶を訴えています。
市長には、静岡市民の命と暮らしを守る責務があり、時と場合によっては、国の政策と対峙して意見を述べることは、憲法尊重擁護義務を課せられた市長として、当然の立場だと考えます。
市政を運営するに当たり、根本的な姿勢について伺いたいと思います。
次に、静岡市自治基本条例について伺います。
この条例は、政令指定都市への移行に合わせ、平成17年4月1日から施行されております。市は、平成15年8月に、静岡市自治基本条例等検討懇話会を設置し、本市の憲法と言うべき条例の制定、策定作業に着手しました。懇話会は市民の代表者と職員が同じテーブルで議論し、また、傍聴者にも発言の機会を設けるなど、終始開かれた会議を行ったとしています。
さらに、公開講座や出前講座を開催しながら、条例のたたき台を市民から募集し、寄せられたたたき台は検討懇話会で1年に及ぶ議論を行い、その結果をタウンミーティングで公表し、懇話会は市民の意見を反映し、条例案をまとめ上げてきています。
この条例は第1条の目的から第28条の条例の見直しからなっています。第23条は、市の執行機関の市民に対する説明責任について規定しています。静岡市自治基本条例解説書では、次のように記されています。
「第1項は、市政に関する施策の市民への説明責任について規定しています。従来は、施策に関する説明が市民に十分行われていない、という批判もありましたが、今後情報の共有化を進めるうえでも、市の執行機関が行う施策に関しては市民が十分理解できるよう説明が必要となります。そこで、立案から実施、評価という施策のいずれの段階においても、分かりやすい説明をする責任を市の執行機関に課すものです。」としています。
この条例は、市の憲法とまで位置づけられ、私もすばらしいものだと感じています。
しかし、ここ数年の静岡市の行政運営は、この条例に沿った形で進められてきたのか、大変問題を感じております。例えば、清水区で議論になったLNG火力発電所建設計画、清水庁舎の津波浸水想定区域への移転計画、桜ヶ丘病院建設計画など、市民の命に関わる計画が静岡市の自治基本条例に沿った形で議論され、十分な説明責任が果たされてきたのか、甚だ疑問に思っています。
市長が新しくなりましたから、改めてお聞きします。自治基本条例に基づき、市政運営を行うべきだと考えますが、市長の考え方について伺っておきます。
次に、防災・減災対策について。
昨年9月の台風15号は、市内各所において、大規模な浸水や土砂災害が発生し、住宅被害や広範囲の停電、断水などを引き起こしました。中でも清水区では興津承元寺にある取水口が機能不全に陥り、長い地域では13日もの断水に見舞われ、日常生活が麻痺する事態となりました。
9月23日夜から降り始めた猛烈な雨は、台風の動きが比較的ゆっくりだったため、線状降水帯が発生し、予想を上回る記録的な大雨となりました。災害発生後、静岡市として課題、問題点を検証してきていますが、何といっても第1回目の災害対策本部の開催が9月26日月曜日となり、市民に市の災害対応の方針を伝えることが遅れたことを挙げています。6月補正予算には8,900万円を計上し、市管理の巴川支流に新たに設置する水位計などを基に、今年度は水害予測のシステムの在り方を探るとしています。システムの運用に当たっては、市が2024年10月に開設予定の災害時総合情報サイトで連動させることを検討しているとのこと。事前予測に基づき、防災情報を多くの市民に伝え、被害を最小限にとどめるのではないかと期待しております。
こうした情報を市民へどのように徹底していくのかが重要であります。水位氾濫予測システムによる市民への情報提供の方針について伺いたいと思います。
次に、消費税についてです。
以前に私は、消費税に対する当局の見解について伺いました。財政局長は、消費税は商品、製品の販売やサービスの提供など、取引に対し広く公平に課税され、社会保障の安定財源の確保と財政の健全化のため、重要となっていると肯定してきています。
しかし、消費税は低所得者ほど負担が大きい逆進性の最も高い税金だと、私は考えております。
昨年2月24日のロシアによるウクライナ侵略による影響で、エネルギー関係をはじめ食料品等多くの品目が値上げとなってきています。国や自治体からも国民生活を守る観点から幾つかの経済対策をこの間、打ち出してきましたが、物価高騰に追いついていかないというのが現実であります。
我が党は当面、5%への消費税減税を打ち出しています。世界を見てみましても消費税の減税が最も効果があるのではないかと、100を超える国が消費税の減税に踏み切っています。
私は、消費税をもって社会保障費を賄う重要財源とする考え方は、改めるべきだと考えています。市長が新しくなりましたから、改めて伺いますけれども、消費税そのものに対する考えについて伺いたいと思います。
次に、今年10月からインボイス制度が実施されようとしています。インボイスが実施されれば、1,000万人を超える人たちに多大な影響を及ぼすと言われています。この間、インボイス中止を求めるネット署名は18万人余分が財務省に提出されております。インボイス中止、延期を求める意見書も5月11日の段階で431の自治体で上がっています。1989年、消費税が導入されたときは、零細業者に配慮して3,000万円以下の免税制度を設け、その後1,000万円以下の業者になり、今度はその枠組みがなくなります。日本は、先進国の中で唯一30年近く成長が止まった国だと言われております。インボイスが導入されれば、フリーランスをはじめ零細業者に計り知れない影響を及ぼすと考えられます。市内業者に対するこの対応についてどのように対応していくのか、伺いたいと思います。
リニア中央新幹線について伺いたいと思います。
昨日、本会議でも改めて難波市長から推進の立場の表明がされました。中央新幹線の南アルプストンネル工事により、大井川の河川流量が多いところで毎秒2トン減少するという予測がされています。毎秒2トン分の水量は約60万人分の生活用水に相当。JR東海は2018年10月、原則としてトンネル湧水の全量を大井川に戻す措置を実施することを表明しました。しかし、その後、先進抗がつながるまでの工事期間中、山梨、長野両県にトンネル湧水が流出し、一定期間は水を戻せないと、このように表明しました。県とJR東海の対話が深まらない状況にもなっている。
水問題だけでなく、断層や破砕帯など、流域を含む沢においては、地表水と地下水は水理学的に連続している可能性があり、沢の流量の減少による生態系への影響も指摘されています。
さらに、ツバクロ発生土置場については、上流部や周辺における深層崩壊により受ける影響など解決すべき課題が山積しています。
そこで伺いますが、来年、南アルプスユネスコエコパーク登録10年を迎えますが、この影響についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
次に、学校給食について伺います。
憲法第26条には、義務教育は無償とするという規定があります。昨年2月24日、ロシアによるウクライナ侵略後、世界経済に深刻な影響が出てきています。国内においても、諸物価の高騰で、市民生活は窮地に追い込まれています。
こうした状況下、子育て世代への負担を軽減し、子育て支援、少子化対策という位置づけになることもあって、学校給食の無償化が全国的に広がりを見せています。現在、250を超える自治体で学校給食の無償化が進められております。開催されております6月定例会にも、静岡市よりよい学校給食をめざす会より、無償化を求める請願署名が市議会へ提出されています。4月の市長選挙の際にも、2人の候補者が学校給食の無償化を公約に掲げていました。難波市長も一部導入と公約に掲げたと私は認識しています。
全国的に学校給食の無償化の流れになりつつあると思われますが、静岡市として学校給食無償化についてどのような見解を持っているのか、市長が新しくなりましたから、改めて伺いたいと思います。
清水区の学校給食について伺います。
清水区では、この間、自校方式、小中での親子方式など単独での調理場方式を進めてきました。しかし、施設の老朽化、栄養士、調理員の人材不足等を挙げ、6年後には1万食を作るセンター方式に切り替える計画です。
清水区にも随分前から清水・学校給食を考える会という組織がありました。食育推進基本計画にある学校給食で地産地消を積極的に進め、食を通じて地域を理解し、自然の恵みや勤労の大切さを伝える、生きた教材になる、この観点で活動を進めています。
考える会では、自校方式は、調理場と子供たちの距離が近いことが大切であり、自校方式とセンター給食では食後の残菜の量の差が一目瞭然。阪神・淡路大震災や東日本大震災の経験から、災害時においても、被災者が身をもって自校給食の果たした役割の重要性を認識したとのことです。誰のために誰を中心に考え、計画を進めるのかが、重要ではないか。この観点からすると、清水区の学校給食について、単独調理場方式への再検討は考えないのか、改めて伺います。
平和行政について伺います。
日本国憲法第9条では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と、高らかにうたっています。
しかし、最近、岸田内閣の下で安全保障政策の大転換が起こっています。それは、2022年12月の安保三文書、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の改定で2018年以来、計画されてきた敵基地攻撃能力の保有を決定したこと。反撃能力と言い換えながらも、日本国憲法が否定している先制攻撃の危険性が現実のものとなりました。
こうした中、防衛費は、5年後には43兆円に膨れ上がり、対GDP比2%、これはアメリカ、中国に次ぐ世界第3位の軍事予算を持つ国となります。防衛財源は実質増税になるのか、国債発行と消費税の増税になるのか決まっていません。
このような国防に関する国の現在の動きについて、市長の認識について伺いたいと思います。
あわせて、関連してもう1点、先ほども指摘しましたが、安全保障政策の大転換の中、敵基地攻撃能力保有を可能とした2015年の安保法制による集団的自衛権が承認され、日本は海外派遣から派兵と大きくかじを切り、自衛隊の役割は増大しました。日本は米国の統合防空ミサイル防衛──IAMDに参加し、米国の指示どおり、自衛隊が米国のトマホークで敵基地を攻撃できるようになります。トマホークというミサイルは、射程距離1,600キロメートル、1発5億円もするものをアメリカから400発も購入する計画です。トマホークは、アメリカがアフガニスタン、イラクへ侵略したときに使用した先制攻撃のミサイルです。
こうした国の動きを懸念するところですが、敵基地攻撃能力に対し市長の認識も併せて伺いたいと思います。
第4次総合計画について伺います。
今年度からの8年間、第4次総合計画は、関係人口、交流人口の事業を総合的に進め、前期計画で総人口目標を67万人に設定し、人口活力を高めるとしています。
3次総では、人口目標を70万人に設定し進めてきましたが、目標達成には届かず、4次総で定住人口ではなく、交流人口、関係人口増加で、目標の総人口の維持をするということです。果たして、そのことで目標達成できるのか心配であります。
私は、これまで取り組んできた静岡市の施策、例えば、新幹線通学への補助、看護学生への支援、今年から始まった第2子への保育料無料などの施策で十分だったのかの検証、昨日の答弁もいろいろありましたけども、こうした施策を同時に打ち出して、今年度から来年度、目標年度の2026年度までにどのようなスケジュールに基づいて進めていくのか、もう少し明確に示していく必要があるのではないかと考えます。
定住人口をどのように増やしていくのか、抜本的な見直し、新しい施策はこれからだと思いますが、これまで取り組んできた定住人口確保に向けた移住者へのフォローについて、静岡市の移住者数を見てみますと、平成27年は13世帯23人、令和元年37世帯70人、令和4年度には128世帯255人と、関係者の皆さんの努力もあって増え続けています。
所信表明で、定住人口分析の中で出生率、未婚率への言及や移住センターや新幹線通学等への施策によって、静岡市への移住者が増えているのかと思いますが、定住人口確保に向け、移住者をどのようにフォローしてきているのか、伺いたいと思います。
次に、ハコモノに対する対応について伺います。
海洋・地球総合ミュージアムについてであります。
議会で議決後、市民の間では、なぜ今、水族館なのか、疑問の声がいまだに聞こえてきます。市長も選挙期間中、169億円の市の負担は巨額過ぎる、見せ方を含め検討したいと発言しました。
しかし、5月12日の定例記者会見では、候補者の立場と市長の立場は違う。既に契約済みであり、契約を重んじ、減額を前提とした見直し交渉はしないと発言しました。就任後、こうした発言は公人として私はあり得ないのかと思いますけれども、私は有権者に対しても大変失礼じゃないかと考えます。
そこで伺いますが、見直しによる事業者の反応はどのようなものか。
2点目は、単なる見直しじゃなく、延期、中止を含めた選択をすべきじゃないかということを考えております。この事業は、総額169億円の事業費と入場料収入について、計画どおりいかない場合は、事業者と静岡市が減収分を負担し合うという中身であります。
先日の新聞報道でも、静岡市民文化会館建設の総事業費160億円が諸物価の高騰で20~30%の値上げになるのではないかとも報道されました。
海洋・地球総合ミュージアム事業も同じようなことになるならば、全体の財政運営は大変厳しくなっていくのではないでしょうか。本格的な見直しを行い、事業の中止も選択肢として考えていくべきだと考えますけども、見解を伺いたいと思います。
スタジアムについてであります。
今年度のスタジアム調査内容と調査結果公表後の進め方について、どのように考えているのか、伺いたいと思います。
アリーナ建設について伺います。
目指すべきアリーナ像、今後の課題等について有識者による静岡市アリーナ誘致検討委員会における議論等を経て、令和5年3月、誘致方針を策定しています。市場調査を令和2年から4年にヒアリング実施、広域から集客できる駅前立地、音楽イベント、プロスポーツで一定の需要、利用が見込まれるということで、5,000、8,000、1万席規模の可能性。今後の課題として地質調査、交通、騒音、振動、事業の採算性と重要な部分が課題として残っています。アリーナ建設は、現在の市の財政状況、景気動向から見たときに、一旦棚上げにすべきだと考えますけども、当局の認識について伺っておきたいと思います。
次に、清水庁舎についてです。
清水庁舎については、2011年、東日本大震災を受け、改めて耐震診断を行い、その結果を受け、建て替えと新築移転で議論、結局、市有地である清水駅東口公園への移転へと移ってきました。しかし、この過程で建設予定地が津波浸水想定区域ということもあって、市民の間で大きな議論になり、住民投票条例の制定の直接請求にまで発展していきました。しかし、2020年から新型コロナウイルス感染症の広がりの中、一旦予算化した予算を白紙に戻しました。その後いろんな経過があり、現庁舎の耐震診断を行い、改修20年間の使用という結論になっていきました。
そうした中、清水駅東口に建設議論がありますサッカー場の横に、清水庁舎を建設するかのような新聞記事も出されました。市長は、この記事に対しても抗議もしないという態度でありましたけども、こうした流れを見てきますと、市の本音がよく分からないところもあります。
そこで伺いますが、検討委員会の整備の方向は第3次の耐震診断の調査を行い、改修により庁舎を活用するとの考えだが、こうした方針で事業を進めるということで確認していいのかどうか、伺います。
検討委員会の方向は、耐震診断を行い、結果を見て改修し20年間、現庁舎を活用するとの考えでありますけども、診断結果はこれまでの予想と大きく異なった場合、再度検討を行うということもあり得るのか、伺いたいと思います。
次に、原子力発電について伺います。
今月21日に閉幕した通常国会で、原発の最大活用を掲げた原発推進等5法案が強行されました。この法律は、60年間稼働を可能に新増設するものです。国民への説明や議論を欠いた政策の大転換であります。将来にわたり、原発に依存し続ける、12年前に甚大な被害を招いた東京電力福島第一原発への痛苦の教訓を投げ捨てるものです。
静岡市は、中部電力の株主となっております。明日が中部電力の株主総会のようでありますが、静岡市はここ数年間、株主提案による浜岡原子力発電所の廃止に関する規定の新設等の議案に対し、白票を投じております。
市は、原発廃止に関する是非について結論を出すことや当該判断につながる事業の是非について結論出すことは、電力需要の変化、代替電源としての再生可能エネルギーへの移行、電力の安定供給の課題も多いと考えられ、現時点では明確な判断材料がないためと理由づけをしております。
この原発回帰の原発推進法はとんでもない安全神話の復活であります。東南海地震の震源域の真上の浜岡原発は即廃炉にすべきだと私は考えますが、当局の浜岡原子力発電所に対する認識について改めて伺います。
次に、新型コロナウイルスの対応について伺います。
2020年に発生した新型コロナウイルスは、そのウイルスが次から次へと形を変化させ、世界中を恐怖に陥れました。新型コロナウイルスは、第8波まで広がりを見せる中、政府はこれまでの感染症法上の2類相当の対応からインフルエンザ並みの5類への移行へ踏み切りました。これまで、毎日感染状況が報道されていたものが、定点医療機関1週間当たりの推計が出されている中で、市民の間では、果たしてコロナウイルスが収まってきているのかどうか、不安の声が聞かれます。
第8波では、医療崩壊、高齢者施設でのクラスターの多発、救急搬送の困難など、第7波で大問題になったことがより深刻な形で繰り返され、2万人を超える死亡者が出ました。政府はこの反省もなく、新型コロナを5類に引き下げることと併せ、感染対策や検査、治療への公的支援を後退させようとしています。新型コロナの検査、治療、予防接種の公費負担を継続し、発熱患者を検査、診療する外来体制の拡充、入院医療、救急搬送の体制強化、高齢者施設の入所者を感染、重症化から守る対策の抜本的強化が求められています。
そこで、2つの点について伺いたいと思います。
1点目は、5類移行後の感染者数把握と医療提供体制について、現状と第9波対策をどのように考えているのか。
2点目は、2類感染者相当の対応を踏まえ、今後、新たな感染者の発生に対してどのような対応をしていくのか聞いて、1回目の質問とします。
◯市長(難波喬司)
私からは、市長の市政運営と平和行政についてお答えをいたします。
まず、憲法尊重擁護義務についてどのように考えるかについてですが、日本国憲法第99条では、公務員等は憲法尊重擁護義務を負うとされており、当然に私も憲法を遵守し、市政運営に取り組んでまいります。
次に、国防に関する国の現在の動きと敵基地攻撃能力保有についてどのような認識かについてですが、市長として山積している地域社会の諸課題に対し、正面から取り組んでいくことが重要であると考えております。
国防に関する国の現在の動きや敵基地攻撃能力保有などの具体的な諸問題については、個人しては、もちろん考えがありますが、市長としてこの問題についてはあえて述べないで、やはり山積している地域社会の諸課題に対し、正面から取り組んでいくということを優先したいというのが基本的考えであります。
そして、沖縄や広島のお話が出ましたけれども、静岡市とはおかれている状況が異なっていると認識しております。
◯企画局長(松浦高之)
自治基本条例に基づく市政運営についてですが、静岡市自治基本条例は、本市のまちづくりの基本理念と市政運営の基本原則を定め、市民自治によるまちづくりを実現することを目的として制定されたものです。
そのため、本条例において、市民意見の聴取、市民からの提案等の反映を規定しており、これまでも重要な政策の決定や計画策定の際には、市民の皆さんから御意見をお伺いし、その施策に反映するよう努めております。
今後も自治基本条例に基づいた市政運営を行ってまいります。
◯副市長(本田武志)
水位氾濫予測システムによる市民への情報提供の方針についてですが、災害のおそれがある際には、市民の方々が自ら避難行動を起こすことが重要であることから、行動を促す情報の提供が必要と考えております。そのため、気象情報や避難情報などの情報提供に努めてきたところでございます。
しかしながら、令和4年台風15号では、河川の氾濫前に車両の移動や避難ができなかったことなど、事前の避難行動が円滑に行われなかったことが見られております。そのため、情報提供が課題となっております。
このような状況を踏まえ、巴川流域における水位氾濫予測システムを令和6年度までに構築し、浸水予測情報を災害時総合情報サイトや同報無線などを通じて広く情報提供することにより、事前避難につなげ、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
◯財政局長(大石貴生)
消費税に対する市の考えについてですが、消費税は急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられており、社会保障制度を支える重要な財源である旨、さきの通常国会の中で改めて国において説明がされています。
本市においても、地方消費税が交付されており、社会福祉や保健衛生分野など、市民の安全・安心の確保に向けた施策を支える安定的財源として重要な税であると考えております。
◯経済局長(稲葉 光)
インボイス制度の導入に向けて市内事業者にどう対応していくのかについてですが、本市では、中小事業者の実態を把握するため、本年1月から3月まで、静岡商工会議所、清水商工会に協力いただき、インボイス制度の導入に関するアンケート調査を実施しました。調査では、法人102件、個人事業主427件から回答をいただき、法人のインボイス登録率が88%、個人事業主の登録率は47%という結果でした。
また、法人からは、会計システム等の導入費用への助成、個人事業主からは制度の内容について相談するための窓口の開設を求める声が多くありました。
事業者が求める会計システムの導入費用の助成制度や相談窓口などについては、国や市、商工会議所が既に取り組んでおりますが、本市としてはそうした情報等を改めてSNSを活用して周知したところです。
今後も広く事業者に情報が行き渡るよう、商工会議所や産業支援機関と連携して、周知を図ってまいります。
◯環境局長(田嶋 太)
南アルプスユネスコエコパークの登録継続への影響についてですが、南アルプスユネスコエコパークは、令和6年度に登録10周年を迎えます。エコパークの登録継続には、過去10年間の保全及び利活用に係る取組やその評価などを定期報告書にまとめ、ユネスコに提出する必要があります。
現在、本市を含む構成10市町村が定期報告の準備を進めており、エコパークエリア内の動植物の保全活動やモニタリング調査、生態系の変化の有無に加え、登録を継続すべき理由などを記載することとしています。
リニア中央新幹線建設工事については、自然環境の保全が図られるよう、JR東海が様々な調査や対応策の検討を進めており、それらについても定期報告書に盛り込みます。
本市としては、自然と人間社会の共生を理念とするエコパークにおいて、リニア中央新幹線は自然環境の保全の下、地域振興に資するものであるため、登録継続には影響がないと考えております。
◯教育局長(青嶋浩義)
学校給食に関する2つの御質問にお答えします。
最初に、学校給食費の無償化に関する見解についてですが、現在、生活保護世帯をはじめ経済的に困窮する家庭の負担を軽減するための学校給食費の無償化に関しては、生活保護制度や就学援助制度により、全額支援の対象となっております。
さらに、対象を広げての無償化に対しては、賛否両論があるものと認識しており、今後、大長副市長をトップとする子育て・教育環境の充実に向けた研究会で検討してまいります。
次に、清水区の学校給食に関する単独調理場方式等への再検討についてですが、本市が進める共同調理場方式、いわゆるセンター方式には、一元管理により、安全面や衛生面について、高い水準で維持できること、食物アレルギーに対応した給食が提供可能なこと、そして栄養士や調理員など、限られた人材を集中的に配置できることなどの優れた点がございます。
一方、単独調理場方式等には、作り手の顔が見えること、幅広いメニューに対応が可能なことなどの特徴がありますが、調理員の不足や食物アレルギーへの対応をはじめ、衛生面を確保した調理場の十分なスペースが確保できないなどといった課題があることから、センター方式へ移行することといたしました。
今後は、SNSやホームページなどを活用した情報発信により、調理員の声を直接子供たちに届けたり、新たなメニュー開発による多彩な献立を提供したりするなど、単独調理場方式のよさを併せ持つ、身近で親しみのある新しい学校給食センターを目指してまいります。
◯企画局長(松浦高之)
定住人口の確保に向けて、移住者をどのようにフォローしているのかについてですが、静岡市移住支援センターや市役所の移住コンシェルジュが関わって、海外から移住された方々は、平成27年度から令和4年度までの8年間で合計288世帯647人いらっしゃいます。
支援センターの相談員や移住コンシェルジュは、移住された方々が静岡市にお住まいになった後の相談にも対応しており、その内容は店舗を開くための場所のこと、仕事先のこと、地域活動のことなど、生活全般にわたっています。また、移住された方々の知り合いを増やすために、移住者交流会を開催しております。本年3月の会には、子供連れの方など、20組32人の参加がありました。交流会をきっかけにママ友ができた、フットサル仲間ができたといった御報告もいただき、静岡ライフを楽しむお手伝いができていると感じています。
今後も移住してよかったと思っていただけるよう、丁寧で温かい対応を行ってまいります。
◯海洋文化都市統括監(野村一正)
海洋・地球総合ミュージアムの見直しに対する事業者の反応はどうか及び見直しによる事業中止の選択肢はあるのかについて一括してお答えいたします。
まず、今回の見直しでは、昨日の繁田議員への答弁のとおり、教育への普及など公共が担う意義を明確にした上で、最先端のデジタル技術を活用し、展示の魅力を高めること、カーボンニュートラルを取り入れることを検討しております。
この見直しに対する事業者の反応についてですが、事業者は本市と5月11日以降、継続している協議の中で、見直しの内容を理解し、受け止めていただいていると考えております。
次に、見直しによる事業中止の選択肢はあるのかについてですが、今回は内容についての見直しであるため、事業の中止は想定しておりません。
◯企画局長(松浦高之)
初めに、先ほどの答弁で、市役所の移住コンシェルジュが関わっている移住された方々について、海外からと申し上げましたが、県外から移住された方々でございます。訂正させていただきます。
それでは、スタジアムとアリーナに関する御質問にお答えいたします。
まず、スタジアムに関する今年度の調査内容と調査結果公表後の進め方についてですが、今年度はJR清水駅東口エネオス株式会社清水製油所跡地について、民間の投資判断における不確実性を減らすため、都市計画上の位置づけの検討や地質、土壌汚染の状況などの調査を行います。
さらに、この土地でのスタジアム整備が難しい場合の対応として、IAIスタジアム日本平の改修や施設の機能の拡充などに要する概算事業費も算出します。
市としては、これらの調査結果を広く公表することで、民間における自由な発想による検討が進むことを期待しております。
次に、アリーナ建設は一旦棚上げにすべきではないのかについてですが、令和5年度はアリーナ整備調査・検討業務を行い、改めてその意義を評価し、最適な事業手法や公と民のリスク分担について精査します。その結果については、市民の皆さんに分かりやすく説明し、社会的合意を得た上で、事業を進めていきたいと考えております。
◯財政局長(大石貴生)
清水庁舎に関する2点の御質問にお答えします。
初めに、庁舎改修の進め方についてですが、庁舎の使用年数を20年程度に想定した改修を基本とし、改修案の検討精度を上げるため、令和5年度に第3次診断等による精緻な耐震性の解析を行い、整備内容の検討を進めてまいります。
次に、第3次診断等の結果により、改修方針を再度検討する考えはあるかについてですが、第3次診断等の結果が第2次診断等と大きく異なり、改修に係るコストが多額になる場合は、再度整備方法を比較検討する必要があるものと考えております。
〇危機管理監(増田浩一)
浜岡原発の再稼働についてですが、国が令和5年2月に閣議決定したグリーントランスフォーメーション実現に向けた基本方針においては、原子力の活用について、いかなる事情より安全性を優先し、原子力規制委員会による安全審査に合格し、かつ地元の理解を得た原子炉の再稼働を進めるとしています。
本市としても、浜岡原発の再稼働については、国の方針を踏まえ、いかなる事情より安全性を優先し、地元の理解を得ることが不可欠であると考えています。
◯保健衛生医療統括監(山本哲生)
新型コロナウイルスへの対応に関する2点の御質問にお答えします。
まず、5類移行後の感染者数等の現状と第9波対策をどのように考えているのかについてですが、感染者数については、インフルエンザと同様に指定された25か所の定点医療機関からの報告により把握する方法に移行しています。そのため、現在、定点医療機関当たりの患者数と第7波、第8波の状況を基に算出した1週間当たりの推計患者数とを公表しております。
6月第3週の定点医療機関当たりの患者数は4.56人、1週間当たりの推計患者数は988人でした。
また、医療提供体制については、厚生労働省から移行措置として示された治療薬の一部公費支援の継続、コロナ患者受入れ病院の病床の確保に加え、受診や療養に関する市民からの相談窓口として、発熱等受診相談センターも24時間体制で継続しております。
次に、第9波対策についてですが、本市としては5類移行後も新たな変異株の監視を継続するとともに、流行状況の情報提供や感染予防対策の呼びかけを行い、医療提供体制が確保されるよう、県などの関係機関と連携しながら対応してまいります。
次に、2類相当感染症の対応を踏まえ、今後新たな感染症の発生に対してどのように対応していくのかについてですが、令和4年12月に成立した改正感染症法では、新たに国が策定した基本指針に基づき、保健所設置市も令和5年度中に新たな感染症発生に備えるための予防計画を策定することとされました。
そこで、本市では、予防計画策定に先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応について、医療機関や市民へのアンケート調査を実施し、課題などを整理することとしています。
その上で、新たに設置した市感染症対策協議会の委員の意見も参考にして、より実効性のある予防計画を策定してまいります。
本市としては、予防計画を基に県や医療機関等との連携強化や患者発生を想定した訓練の実施のほか、保健所の機能強化のため、国や県が実施する感染症対策の研修会等を活用し、質の高い専門職の育成に努め、新たな感染症の発生に備えてまいります。
◯内田隆典
2回目の質問をさせていただきます。
市長から憲法尊重擁護義務についてお話しいただきましたし、自治基本条例についてもお話を伺いました。
当たり前といえば当たり前で、言われるとおりなんです、憲法を遵守することは。市長答弁にあったように、日本国憲法第99条では、公務員等は憲法尊重擁護義務を負うとされており、当然私も憲法を遵守すると。それは当たり前ですから、そのとおりだと。そうでなきゃ困るわけですよね。
ところがですよ、そう言いながら、国防に関する具体的な問題についてはいろいろ考えがあるんだろうけども、これについては、私は話をしないと、こうなってくるわけですよね。私は違うんじゃないのかなと思っているんです、そこは。
なぜかというと、最初に話しましたように、沖縄県知事や広島市長や長崎市長が基地問題を含めて核兵器廃絶問題を発言しているわけです。だから、私は憲法との関係でも、これは言うべきことはきちんと国に言うということが市長の役目だと、個人的な見解じゃなくて、その立場で言うべきだと思う。
なぜなら、先週の21日に終わった通常国会の中で、大変大きな問題が議論され、強引に私は決められたと思っているんです。入管法の問題や原発推進法の問題、それから防衛費の問題、マイナンバーの問題等いろいろ議論されました。これは全てが国民や市民の命に関わる問題ですよ。別に国の問題じゃないと、これは。私たち静岡市民にも関わる問題だから、静岡市民の暮らしや命を守るという立場から、難波市長は見解を持っていれば、憲法擁護、遵守、この立場で国に対しても対峙して物を申すべきだと、私はここが最初の発言としてちょっと違うのかなと思っています。そういう点では、きちんと難波市長には、国に対してもいろいろ憲法遵守という立場から話をしていただきたいなと、これは質問じゃありませんから、要望しておきますけども。
消費税について考えを伺いました。これは度々、財政局長に質問してまいりました。地方消費税の交付金、これ決算額で例年どうですか、160億円前後、決算ベースで入ってくるんじゃないかということが言われているんですけど、確かに収入としては入っています。しかし、当然自治体ですから、地域の業者を含めて取引があるわけですから、そのときに支払があると。支払があると、決算で入るだけではなくて、支払いがあるわけですから、決算ベースの160億円が静岡市の財源として丸ごと入ってくるわけじゃないんですね。これを安定的な財源といっては、それはいっぱい上げれば、消費税の収入というのは上がるわけで、静岡市に対する収入が上がるわけですから、それはそのとおりだと思います。
しかし、これは何度も言うように、逆進性が最も強い税ですから、ここは改めていくべきだと私は思っているんです。
そういう点では、インボイスの関係もありますけども、私はこのことは、安易に消費税で安定する意味で福祉の財源という考え方だけで進めていってはまずいのかなと思っていますから、これも意見として言っておきます。
インボイスですけども、今いろいろ説明がありましたように、インボイスに対して市としてやれることはやっているし、調査等もやっているような感じですけども、これはなかなか大変な問題ですよね。この10月から強引に進めようとしているんですけども、消費税が導入月の3,000万円から1,000万円に下がったと、先ほど話をしました。今回はこの10月からは1,000万円の収入の人にもインボイスの選択が迫られるということになりますから、中小業者や小規模事業者、フリーランスやクリエーターなど、数百万人の人たちが経済的にも事務的にも、これはもう大変な状況になると。そういう点では、経済問題だけでなく、日本の文化の後退、衰退に大きな影響が出てくると、私は思います。
そういう点では、懸念される事業ですから、私はこれに対しても、10月から強引に国が進めようとしていますけれども、これは中止、延期を含めて、しっかりと物を申していくべきだと思いますけども、見解についていただきたいと思います。
それから、リニアの問題ですけども、今、リニア中央新幹線トンネル工事が南アルプスの自然環境に与える影響等についても、国交省でも議論がされ、第10回の専門家会議が開かれたと言われております。会議ではJR東海が大井川上流部の沢の流量に与える影響、解析分析がされたということも言われておりますし、上流35か所の沢のうち、7か所は掘削前と比べて10%以上の流量減が予想され、そのうち1か所はトンネル湧水量を低減させる工法、いわゆる薬剤注入を施しても渇水期に流量が極めて小さくなる傾向があったと説明されております。
水問題では、JR東海がリニア中央新幹線トンネル工事に伴う湧水の県外流出対策として、田代ダムの取水抑制案をめぐり、ダム管理者と具体的な協議を開始したと。開始しましたけども、見通しはついていないと。
リニア問題は、難波市長も水問題のほか、残土の置場、南アルプスの生物多様性の影響等指摘しております。コロナを経験し、新しい生活様式が定着しつつありますから、高速鉄道による移動のニーズも減少するのではないか。2013年当時、JR東海の社長は、リニアはペイしないと言っておりましたし、JR東海自身が有価証券報告書に工事費の増大、難工事による工事の遅延、人口減少による収入減、訴訟の提起など、リスクを挙げています。
今、挙げられた問題だけでなく、コロナを経験し、働き方も大きく変化してきております。私はリニア中央新幹線のプロジェクトは、中止を含め大幅な見直しが必要と考えます。市長は、リニア推進という立場でありますが、見直しの必要性についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
それから、学校給食の話も出てきました。現在、経済的に困窮する家庭に対し、生活保護や就学援助制度によって負担も軽減していると、そういう話をされました。本来であれば、静岡市がやるというより、国が責任を持ってやる筋のものですよ、学校給食の無償化というのは。本来はそうだと思います。
先ほど私は、敵基地攻撃の問題や軍事機の問題を話しましたけども、5年間で43兆円と、このお金を給食費無償化に使えばいいんです、100年間ぐらい無償にできますよ。これ43兆円じゃなくて、今の防衛費と軍事費の半分でやれば、50年間は全国の学校給食がやれるんです。だから、本来であれば国がやっていただきたい。変なほうにお金を使わずにね。
だから、そういう点で静岡市も教育委員会もいろいろ苦労しているところだと思いますけども、小中学校の生徒が4万4,000人ぐらいいると思いますし、無償化すれば、物価が上がっていますから、24億円ぐらいかかると言われておりますけども、どうやってこれをつくり出すのか、大長副市長を中心とする議論をこれから進めようということですから、子育て支援やそれから少子化対策にも大きな役割を果たすと思いますので、ぜひですね、この辺は前向きに議論していただければありがたいなと思います。
それから、いま一つ、給食センターの問題ですけども、単独方式の根強い関心が持たれておりますけども、清水地区の学校給食。今度、船越地域に畑総事業の一角を購入して、1万食分の食事を提供する、こういう事業が計画されています。6年後には建設しようとしておりますけども、これは問題もあるんでしょうけども、残念ながら、十分市民に知られていないという状況でありますから、この辺の徹底をどういう形で進めようとしているのかも伺っておきたいと思います。
それから、教育委員会に質問ですけども、この間も子供たちの広島、長崎への派遣の問題を私は質問させていただきました。
先日、核兵器廃絶を国内外へ訴えようとする26代目の高校生平和大使の結団式が11日、広島で行われたという新聞記事がありました。静岡など16都道府県から22人が選ばれたと。被爆者の話が聞ける最後の世代として頑張るんだという記事が載っておりました。この間も教育委員会はいろんな場所で子供たちに平和教育をいろんな形で広げていこうということをやっていると思うんですけども、私がよく話をさせていただくのは、具体的に予算化して、生徒たちに広島、長崎に行っていただいて、持ち帰った経験をいろんな形で広げていくということがやはり今の国の動きとの関係でも重要な位置づけを持つのではないかと。そういう点では、このことについて改めてお聞きしますから、ぜひお願いしたいと思いますから、答えていただきたいと思います。
それから、自衛官の募集事務について伺いますけども、2年前から18歳になる市民の皆さんの名簿をシールにして自衛隊の方々に提供しております。しかし、この自衛隊の名簿については、提供していること自体も知らないし、提供を嫌だという人には除外の申出もできるんだということもありますけども、そのこと自体も知らないわけです。
私はこんなプライバシーに関心のある問題を自衛隊から申入れがあったと、法的に問題がないということで、すいすい進めていくという行政について問題も起こっておりますし、仮にですよ、百歩譲って、そういうことが可能であるから問題がないというのであっても、私は除外申請という手続がされれば、載せられないということがあるんだったら、併せてここも徹底すべきだと思うんですよ。
そういう点では、やることが一方的で、私はそういうことをきちんとやるべきだと思いますから、その辺の見解についても伺っておきたいと思います。
それから、庁舎の問題について伺いますけども、第3次の耐震診断を行うと。使用年数を20年程度に想定し、改修するという流れになっていますけども、診断結果によっては、使用年数も変わってくるのかと思いますし、そうしますと当然行く行くは庁舎も移転することになるのかなと思いますけども、私は津波浸水想定区域にこういう施設を持っていくのは、東日本大震災の教訓からしてもうまくないということで、この間、大きな問題になりましたし、このことについては慎重にやるべきだと。
確かに、当局が言っているように、まちづくりとの関係でも庁舎を中心に清水地域のまちづくりをつくっていくと、これは重要です。否定するわけではありませんけども、しかし、命をどう守るのかということもきちんと考えていかないといけないと思いますから、今後、庁舎を移転するという流れになってきた場合には、津波浸水想定区域について除外するという検討も頭の中に入れていただきたいと思いますけども、その辺についての考えも伺いたいと思います。
それから浜岡原発の問題ですけども、私が気になったのは国の方針を踏まえて、安全性を優先し、地元の理解を得ることが不可欠だと。確かに安全性も大事、地元の理解も大事、それは当然です。しかし、今、国がやろうとしていることは、あの東日本大震災で東京電力の原発が事故を起こしてもう12年目です。まだまだ先は見通せないと。先が見通せないけども、しかし汚染水がたまってにっちもさっちもいかないからということで、これを基準内に薄めたから、放出しようじゃないかという動きになってくるわけですよね。
しかし、基準内といっても、地元の漁協は、まだこれを理解していないと。理解はしていないけど、海外からこれを調査に呼び込んだりしながら、国が強引にやろうとしているわけですよ。
そういう点では、よく安全だ、安全だと言われてきた原発の安全神話はまだ消えていないわけですよ、安全神話は。それと原発はクリーンだし、安いといったって、安くないって。一旦事故を起こしたらとんでもないことになっていると、そういう点ではどういう形で明日の株主総会に対応するのか分かりませんけれども、原発の認識もやはり私は当局としてもう少し考えていく必要があると思いますから、その辺どうなのかということです。
再エネの問題です。
稼働を60年まで認めた原発の動きがありました。日本のエネルギーの自給率は10%ですよ。気候危機打開のためには、海外の化石燃料に依存する状況から、国産の再生可能エネルギーへ大胆な転換が私は必要だと思っております。日本の再エネの潜在量は、現在の使用量の7倍と言われておりますから、こうした地域からの省エネと再エネを推進することは、地域に仕事と雇用を生み出し、地域経済振興の大きな力になると思います。
そこで伺いますが、市域への再生可能エネルギーの導入に向けて当局はどのように進めていこうとしているのか、伺いたいと思います。
最後に、清水区への保健所の設置について伺います。
前にも清水区へ保健所を設置する必要があるじゃないかということを質問しました。この間、第8波まで経験しましたし、最近の5類移行後は少しずつ患者が増えてきていると。昨日の報道では第9波に入ってきたのではないかと言われておりますけども、コロナを経験し、改めて保健所の必要性、体制強化が求められたと思いますし、昨年、私も保健所の体制問題で質問しました。新型コロナウイルス等の発生で対応できなかったのは、やはり保健所の体制が整っていなかったということが大きな要因でないかと。
そういう点では、保健所法が全面改悪され、地域保健法の下で、保健所数が1990年代の850か所から2020年代の469か所へ減らされたこと。職員数も3万5,000人から7,000人も減らされたと、こういうことで大きな打撃を受けたのではないかと。旧保健所法でも人口10万人当たり1か所、保健所設置の目安が地域保健法でも20万人に1か所と言われておりますから、この基準で、私は少なくても今の1か所から、当面は清水区への保健所の設置を求めたいと思いますけども、この点について当局の考えを改めて伺って、2回目とします。
◯財政局長(大石貴生)
消費税のインボイス制度に係る質問にお答えします。
消費税の複数税率化において、適正な課税を確保する観点から、必要な制度である旨、国において説明がされております。これまでも国では、円滑な導入に向け、制度開始後6年間は、インボイス発行事業者以外の者からの仕入れについて、仕入れ税額の一定割合を控除できる経過措置などを設けるとともに、制度の周知、専用相談窓口の設置などの取組が行われております。
さらに、本年10月からの制度開始に向け、新たな支援策として、免税事業者がインボイス発行事業者となる場合は、3年間、納税額を売上税額の2割に軽減する激変緩和措置や1万円以下の少額取引について、インボイスの保存を6年間不要とする事務負担の軽減措置などが設けられております。
このようなことに鑑み、市として現時点で中止または延期の要望をする考えはございません。
◯企画局長(松浦高之)
リニア中央新幹線プロジェクトの見直しについてですが、先日も市長から答弁させていただいたとおり、リニア中央新幹線事業については、国の事業認可等の手続を経て行われている民間事業であります。その事業については、沿線自治体のほとんどが賛成し、既に事業が行われている段階であることから、リニア事業に協力すべきであると考えております。
◯教育局長(青嶋浩義)
最初に、清水区での学校給食センター建設の周知についてですが、新しい学校給食センターは、従来の安全・安心でおいしい給食の提供はもちろん、子供たちに対し、食に関する正しい知識や体験を提供する食の拠点としていく必要があると考えております。
本市が目指す新たな学校給食センターの姿を市民の皆さんに御理解していただくため、今後はホームページ等による情報発信を積極的に行ったり、小中学校の保護者や地域の皆さんに向けた新給食センターの見学会や試食会を企画したりすることで、学校給食センターの機能や魅力等について広く周知してまいります。
次に、平和教育の実施についてですが、不安定な国際情勢の中、子供たちが世界の平和を願うとともに、多様な価値観を持つ人々と共に生きていこうとする気持ちを育てていくことは重要であると考えます。
学校では、子供たちが平和な国際社会を築き上げようとする意識を養うため、社会科や道徳、総合的な学習の時間において、地域の戦争体験者の方から戦争や戦時中の生活について学んだり、国際社会における日本の役割や異なる文化、習慣への理解を深めたりしています。
議員御提案の子供たちが広島や長崎など現地へ赴くことで、戦争の恐ろしさを目の当たりにし、平和の大切さを実感することも有意義なことと思いますが、一部児童生徒の派遣では、その広がりも限定的であると考えます。
そこで、まずは1人1台ずつ配備された学習用端末の効果的な活用を図りながら、より多くの子供たちの主体的に平和な国際社会を築き上げようとする意識を醸成できるよう、平和教育の取組について研究してまいります。
◯総務局長(大村明弘)
自衛官募集事務における適齢者情報の提供に係る除外の申出についてですが、申出の受付状況は、令和4年度はゼロ件、5年度は昨日で申込みを締切り1件となっております。
この手続につきましては、市のホームページに掲載し、周知するとともに、同サイトから除外の申出を受け付けております。
◯企画局長(松浦高之)
清水庁舎を建て替えする場合は、津波浸水想定区域外を検討する考えはあるかについてですが、新たな庁舎を整備する際には、その時点のまちづくり方針との整合性を図り、適切な場所を検討してまいります。
◯環境局長(田嶋 太)
再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、どのように進めていくのかについてですが、本年3月に策定した第3次静岡市地球温暖化対策実行計画では、2030年度までの再生可能エネルギーの導入目標を、太陽光発電を中心に約1,200メガワットと定めています。この目標は一般的な戸建住宅約24万戸への太陽光発電設備の導入に相当する大変高いものとなっています。
目標達成に向け、本市では、太陽光発電設備の導入の障壁となっている初期投資を必要としない第三者所有モデル──PPA手法を積極的に活用していくため、得られた電力の一部を市内の脱炭素先行地域に供給するPPA事業者をグリーン電力地産地消推進事業により支援しています。
また、引き続きネット・ゼロ・エネルギーハウス──ZEHに対する支援を通じた太陽光発電の導入拡大を図ることに加え、安価で屋根以外の場所へも設置が可能となる次世代型太陽電池の普及促進に向けた取組も今後の実用化に合わせ検討してまいります。
◯保健衛生医療統括監(山本哲生)
清水区への保健所設置を検討すべきと考えるがどうかについてですが、令和4年2月定例会にて答弁したとおり、清水区には保健所清水支所を設置し、葵区の保健所とほぼ同様の申請や届出の受付業務を行っており、市民サービスの提供の公平性は確保されています。
また、感染症対策を行うに当たっては、統一的な視点や情報を一元化した上で、受入れ病院や関係機関と連携することが重要となります。そのため、保健所は1か所とし、人的資源を集中させることで、引き続き感染症対策に迅速に対応してまいりたいと考えております。
◯内田隆典
3回目ですけれども、インボイスの問題がありましたけども、消費税の問題、それからインボイスも国の制度ですけど、私はこの2つとも大変な問題を抱えていると思うんですね。インボイスの導入で様々な業種の方たちが多大な影響を受ける。倒産や廃業の危機にあると言いましたが、例えばアニメや演劇に関わっているクリエーターもそうした方たちの一人です。多くの方が年収数百万円の世界で仕事をし、将来を夢見てアルバイトもこなしながら生計を立てて頑張っています。どんなに優秀な漫画家や演劇人もそうしたクリエーターの方がいて、初めて優秀な作品ができます。日本のアニメは世界に誇る水準です。これを台なしにするのがインボイス制度ではないでしょうか。
インボイスが導入されれば多大な事務負担と納税が待ち受け、アンケートでは3割の事業者が廃業を考えていると言っております。
中小零細事業者を廃業に追い込むだけでなく、世界に誇る日本の文化、技術を衰退させるインボイス制度は、私は導入をやめるべきだと思いますし、消費税を含めてインボイスの問題で財政局長は肯定するような答弁をされましたけども、やはりこの問題をきちんと捉え直して、本当にあるべき姿の税収についても、財政局としても私は検討していただきたいなと思います。
それから、平和行政で広島、長崎への派遣の問題で、総合的に今進めているよと。地域の人たちからの話も聞いて進めているということでありました。一部生徒の派遣では限定的で、今ある学習用端末を効果的に活用しながら研究していくと。これはこれでいいと思うんですけども、私は具体的に生徒を現地に派遣して、そのことによって学んだことを、また端末は端末でいいじゃないですか、広げながら、一部のものにはならないと思うんです。やっぱり地域の人たちから、年配の方から戦争体験を聞いて、それを平和というのは大事だと、改めてそれをお互いに共有しながら、広げていく、それは大事です。しかし、そういうことと併せて、お金がかかることですけども、やっぱり平和という問題は大事な問題ですから、子供たちにそういう教育の機会を与えるということもやっぱり教育者としての責任であると思いますので、一部の人にとどまらないような事業をしていけばいいわけですよ。
教育委員会でお金を使うわけですから、その検討をして、広めていくということをやっていただければ、私はありがたいなと思いますから、よろしくお願いしたいと思います。
それから、自衛官の募集除外の申請の現状で話がありました。申請はゼロ、ほとんどないわけですよね。知らないから、ないわけですよ。こういうことをやっているんですよということも知らないし、仮に知った人たちも、除外申請というのはこういう手続をやればいい、これも知らない。だからゼロ、ほとんどないわけですよ。私は名簿をシールにして渡すのはいいと言いませんけども、今やっている事業ですから、私はこれはきちんとですね、このことだけは徹底して、やっていく必要があるのかということですから、担当する皆さんに、ぜひこのことについては検討していただきたいと思います。
清水区の保健所の問題は一元化で集中してやるということですけども、本当にそれだけで、第9波が起こる、次の新しいウイルスが起こった場合に、そういう体制で本当に十分な対応が図れるのかどうか、私は今から検討しながら、保健所を徐々に徐々に拡幅していくということも体制強化へつなげていくことも大切と考えます。