◯市川 正
日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております認定第1号令和5年度静岡市一般会計歳入歳出決算及び認定第18号令和5年度静岡市下水道事業会計決算の認定について、反対の討論を行います。
令和5年度の大きな特徴として、新型コロナウイルス感染症の位置づけが変わったことが挙げられます。これまで、新型インフルエンザ等感染症、いわゆる2類相当としていましたが、令和5年5月8日から感染症法上の5類に移行し、緊急事態宣言による行動制限や、入院勧告などの対策は行われなくなりました。また、マスクの着用などの感染対策も基本的に個人の判断に委ねられ、5類移行後も続けられてきた治療薬の補助やワクチンの無料接種などの特例的な支援も令和6年3月をもって廃止され、令和6年度からは通常の医療体制で対応する扱いになっております。
また、清水区で発がん性物質を含むPFAS成分が高濃度で検出され、周辺住民の不安が高まりました。共産党議員団として、水質調査や健康診断など、PFASに関する情報や当該企業の対応について市民周知を図ることを市長に緊急申入れをするなど、市民の健康に関する課題の多い年でもありました。
令和5年度は第4次総合計画の初年度で、難波市政の最初の年度となりました。令和5年度静岡市一般会計当初予算は3,517億円、3年度市債残高4,830億円、今後の経常収支比率は93%から94%台で推移する、こういうふうに見込まれ、毎年62億円から73億円の大幅な財源不足が続く見込み、こうした点からスタートとなっております。
反対理由を述べます。
認定第1号令和5年度静岡市一般会計歳入歳出決算についてです。
東静岡駅北側の市有地に、プロスポーツやコンサート等の大型イベントを開催するアリーナ整備促進事業ですが、我が党の杉本議員の質問に、イベントの開催見込み数、入場見込み者数、それらに伴う経済波及効果などの明確な根拠は示されませんでした。暮らしと福祉よりもアリーナに莫大な費用を投入することに、市民合意は得られていません。このような状況は、市長の市政運営方針でもある根拠と共感に基づく政策執行にほど遠いものと言わなければなりません。
海洋文化施設建設事業です。
政令市になって以降、最大の大型事業ですが、こちらもまた入場者数の見込みも不確定で、展示内容についてもなお検討が進められるという状況でもあります。拙速に進める事業ではありません。
登録証明書交付事業ですが、マイナンバーカードは国民の所得、資産、社会保障給付など、それらを把握し、国民への課税強化、給付削減の押しつけを目的としているものと考えます。
これまでマイナ保険証への登録をはじめポイント付与事業が進められてまいりましたが、個人情報保護の観点で、実際には利用が進まないなど、なお国民の理解が深まっているとは言えません。そもそもマイナンバーカードの登録そのものが任意であり、マイナンバーカード交付率向上のための取組推進には反対です。
このほか、自衛隊員募集業務は、静岡市が請け負うべきものではありません。アメリカとの軍事同盟の下、防衛費は過去最大となり、敵基地攻撃能力の強化は日本に戦火を招く危険が増大します。国民保護計画は、緊急事態に国民の行動を強制的に制限するなど、人権侵害に当たり、憲法違反であり認められません。
次に、認定第18号令和5年度静岡市下水道事業会計決算の認定についてであります。下水道事業会計の下水道受益者負担金は、都市計画税との二重徴収であり認められません。
共産党市議団は、今後も憲法の全条項を遵守し、地方自治体の目的とされる福祉の増進とジェンダー平等の立場で全力を挙げることを表明いたしまして、反対討論といたします。