◯17番(内田隆典君) 通告に従いまして、市長の政治姿勢ということで質問をさせていただきます。
最初に、施政方針について少し触れておきたいと思います。
市長は、安倍新政権が三本の矢、すなわち大胆な金融緩和と機動的な財政出動、そして投資を喚起する成長戦略により、長引く円高、デフレ不況から脱却する取り組みの第一弾として緊急経済対策を打ち出したことが端緒でしたと。そして、私はこの世界規模に進展するマクロ経済の変化の芽を見誤りなく見きわめて、そのチャンスに臨機応変に対応し、本市の地域経済の活性化につなげていく発想が求められると考えるとしています。
私は、この分析が本当に当たっているのかどうか、疑問があるわけであります。大胆な金融緩和、大企業に対する大型公共事業の連発、こうした経済対策は、小泉政権が行った経済対策とうり二つではないかと思っております。結局、景気は回復しなかった。残ったのは借金だということであります。
今の日本経済に必要なのは、働く皆さんの賃上げと安定した雇用の拡大であります。働く人の年収は14年間で平均約70万円も下がり続けました。非正規雇用は労働者の3人に1人、年収200万円未満の労働者が1,000万人を超えました。賃金が長期にわたって連続的に減り続けているのは先進国の中で日本だけであります。日本は1997年から14年間で、働く人の所得、雇用者報酬が88%に減少しました。欧米諸国では、アメリカ178%、イギリス190%、フランス163%、ドイツ129%となっております。賃上げと安定した雇用の拡大こそ、日本経済の好循環をつくり出すと考えるわけであります。
こうした観点から施政方針を見たときに、施政方針には、長引く不況下での市民の生活実感が語られておりません。一方、財政の中期見通しを見直した結果、財源不足が生じるということで、市民には使用料等の見直しが負担として押しつけられております。大企業に対する課税可能な法人市民税の超過課税には踏み切らない。また、今回、議会に職員の退職金削減の議案も提案されているところであります。どこの目線で行政運営をしているか、このように言いたくなるわけであります。
それでは市長の政治姿勢ということで、個別の問題について質問をさせていただきたいと思います。
最初に、憲法と平和行政についてであります。
昨年12月の総選挙は、国民への公約を次々と裏切った民主党が、3年余にわたる政権の座を失うことになりました。結果、自民党を中心に第二次の安倍内閣の誕生となりました。
しかし、この政権は、憲法9条を敵視し、9条改定を現実の政治日程に載せることを公言する極めて危険な内閣だと感じております。憲法9条は、侵略戦争と植民地支配によってアジアと世界に甚大な犠牲をもたらした反省の上に立って、日本が二度と侵略国にならず、世界平和の先駆になるという国際公約であります。衆議院選挙後、改憲派が3分の2を占めておりますが、どの世論調査でも、国民の過半数は9条の改定に反対するという回答であります。改憲は少数であります。
田辺市長が政治家を目指すきっかけとなったのは、平和という問題が大きく自分の中に影響を及ぼしたと常々語っておられます。
そこで伺いますが、こうした9条をめぐる状況について、田辺市長はどのように受けとめておられるのか、伺っておきたいと思います。
次に、先月30日から2月1日の日程で、日本平ホテルで開催されました国連軍縮会議について伺いたいと思います。
国連軍縮会議は、軍縮に関する国際的な議論を活性化するための会議で、当時の竹下内閣が唯一の被爆国である日本での開催を提唱し、1989年から毎年日本の主要都市で開催されております。ことしは、太平洋地域を中心に世界各国の政府高官や有識者、マスコミ関係者など約80名が参加して開催されました。軍縮会議では、核セキュリティや核軍縮・不拡散体制の現状と課題等々が議論されたようであります。同時に、市民団体の皆さんも平和、国際交流活動の展示等を開催いたしました。
軍縮会議を終了して、市として会議をどのように評価しているのか、まず伺っておきたいと思います。
3点目は、軍縮会議後の市としての取り組みについてであります。
多くの個人・団体の皆さんが参加し、予算を使っての軍縮会議であります。一過性のものにすることなく、一層核軍縮を進めなければいけないと思いますけども、今後の市としての取り組みについて伺いたいと思います。
2項目めは、浜岡原発に対する対応であります。
2011年3月11日、東日本大震災の原発事故発生からもう3年を迎えようとしております。いまだに復興はおくれ、中でも福島では先の見えない15万人余の人たちが今なお避難生活を余儀なくされている。そういう状況の中で、民主党政権が打ち出した2030年までの原発ゼロという極めて不十分な方針すら、今、安倍内閣は白紙に戻すという立場であります。
しかし、少なくとも過半数の国民の皆さんは、原発に依存しない社会の実現を望んでおります。中部電力が、地震津波時の対策を行い、再稼働を進める計画でありますが、浜岡原発の立地条件は、震源域の真上に建設されるという世界の原発の中でも極めて危険度の高い原発であります。津波対策後の再稼働という流れが強まっておりますけれども、本市の認識について伺いたいと思います。
3点目は、消費税についてであります。
昨年の国会で、民主・自民・公明の3党合意で消費税の増税が決まりました。来年4月に8%、再来年10月にはいよいよ10%に引き上げられる予定であります。
しかし、実施するには景気の上向きをという条件がついております。そこで、今の安倍政権は、補正予算になりふり構わぬ公共事業の発注、景気を上向かせようと必死であります。この安倍政権の施策に対して、多くの国民の皆さんは、物価だけが引き上がり、賃金が引き上がらないことになれば、一層暮らしは悪化すると警戒をしているところであります。
そこで、田辺市長に消費税そのものについて伺いたいと思います。
市長は、昨年2月の本会議で、我が党の鈴木議員の質問に対し、消費税について、高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいものだと、このように理解していると答えておられます。私は、逆進性の強い消費税をもって高齢化社会の財源に充てるというのは、邪道だと考えるわけであります。
1997年、当時の橋本内閣が消費税3%から5%に引き上げた際、確かに税収自体はふえましたが、全体の景気は冷え込みました。最終的に国に入る税収はマイナスになりました。
静岡市はどうかと見ていきますと、1997年、消費税が3%から5%になったときに静岡市の歳入はふえませんでした。97年と2011年度の税収入を比較すると、地方消費税交付金は57億円ふえました。個人市民税は39億円の減少、法人市民税は40億円の減少と、税全体では16億円の減収となっております。消費税の増税までは、税収入は毎年増加しておりました。1994年度は1,234億円、1995年度が1,283億円。消費税の増税以降は、1999年度が1,365億円、2000年度が1,331億円と税収は減少をしております。
消費税の増税により、それまで回復期だった日本経済が再び不況になり、経済活動が低下し、個人所得や営業収益の低下になり、個人の市民税や法人市民税の減収につながりました。これが歴史的な経過であります。
田辺市長は、今でも消費税は社会保障の財源としてふさわしいと考えておられるのか、認識を伺っておきたいと思います。
次に、消費税が10%になった場合の市財政に与える影響について伺いたいと思います。
増税は地域経済だけでなく、消費者、とりわけ低所得者には重くのしかかってきます。静岡においても、歳入面では施設の使用料、各種手数料等が歳入されますが、歳出面では工事の請負費、委託料、備品購入費等、歳出面のほうが多くなってくるのではないかと考えます。一般会計、特別会計において市財政にどのような影響があるか、伺っておきたいと思います。
次に、財政運営について伺っておきたいと思います。
法人市民税の超過課税についてであります。
財政局長はこの間、法人市民税の課税について、超過課税の採用ということになると、財政上その他の必要がある場合に限って行うべきであることから、そのような負担を求めるに当たっては、税の体系的な均衡も含め、慎重な検討を要すると、このように答弁しています。
新年度の施政方針を見ますと、財政の中期見通しを見直した結果、平成28年度までの各年度においておおむね69億円から88億円程度の財源不足が生じるという厳しい予測を立てているところであります。そして、財源不足に対して市税などの収納率の向上、使用料の見直しなど収入の確保をしている。結局、いろいろな理由をつけながら、支払い能力のある大企業には課税をしない。政令市のほとんどが超過課税に踏み込んでいるのに、負担は所得や収入が減り続けている市民にだけ押しつけているということではないかと思います。
超過課税すれば、この間10億円の収入が入ると試算がされているところであり、真剣に検討に入るべきだと考えますが、見解を伺っておきたいと思います。
次に、市債についての考え方について伺います。
予算編成では、今後の公債費負担の増加に対処するには、市債発行額の抑制が必要となっていると書かれております。問題なのは、この原因を義務的経費の増加によると問題の核心を濁していることではないかと考えるわけであります。
義務的経費は、人件費、扶助費、公債費で構成されております。人件費は削減され、扶助費と公債費は増加しております。経常収支比率を構成している人件費、扶助費、公債費などの推移を見ると、人件費の2011年度経常収支比率は26.3%、2005年度には27.6%、1989年度は31.8%です。人件費の経常収支比率は2005年度と比較しても1.3%減少しております。公債費は2011年度22.8%、2005年度と比較して2.3%の増加であります。財政の硬直化の原因は義務的経費などという曖昧な表現でなく、公債費と扶助費、金額で見ると2011年度の一般財源は公債費に378億円、扶助費に154億円投入しており、財政硬直化の主要因は公債費にあります。
公債費負担の増加に対処するには、市債発行額の抑制と考えておりますけれども、この点をどうお考えなのか、伺いたいと思います。
それから、新年度の予算でありますけれども、先ほども答弁の中で、東静岡駅周辺再開発事業、道路新設改良事業の減少等で土木費が111億円減少したと。民生費は子ども手当や生活保護費の増加等で76億円の増加。気になるのは、地域で大きな役割を果たしている中小業者に対する予算、商工費が10億円も減少していることであります。福祉や中小業者の立場に立った予算編成が必要と考えますけれども、考え方について伺いたいと思います。
それから、国の直轄道路事業負担金、国に廃止を求めたらどうかと思いますけれども、23億円の負担であります。考え方について伺います。
職員給与削減についてであります。
政府は1月24日、国家公務員の平均7.8%賃下げに準じて、地方公務員の賃下げを要請する閣議決定を行いました。そして、賃金削減相当分を地方交付税で削減することを含む2013年度予算を国会に提出いたしました。国家公務員の賃下げ議論の際、政府は労働組合に対し、地方への賃下げの要請や、それを前提とした財政処置は行わないと明言しました。今回の措置は、この方針を何の説明もなく変更するものであります。
今回の賃下げは2つの狙いがあると考えます。
1つは、政府が今後、消費税増税や生活保護などの社会保障の改悪によって国民に負担を押しつけるための露払いにあると思います。
もう1つは、労働者全体の賃金水準を抑えることであります。
この中で、今後、負担をお願いすることになる消費税について、国民の理解を得ていくためには、まず公務員が先頭に立ってさらなる行財政改革に取り組む姿勢を示すことが重要と考えているようであります。市長は新年度の議案に職員の退職金の引き下げ議案を提案しております。これ以上の職員給与の削減は行うべきではないと考えますけども、市長の考え方を伺って1回目の質問とします。
◯市長(田辺信宏君) 内田議員から、大項目の1番、市長の政治姿勢について多岐にわたる質問をいただきました。
憲法9条の問題も消費税の問題も確かに大切な課題ではあると思いますが、ここは市議会の本会議でございますので、私からは、そのうち最後に質問をいただきました職員給与削減について、地方公務員の給与について、国から国家公務員と同水準の削減を行うよう要請があったということであるが、このことに対して市長の考え方はいかにというお尋ねにお答えをいたします。
今回の引き下げの要請を私は大変遺憾に思っています。2つの面からこの問題を考える必要があろうかと考えております。
まず1つ目、これは大変憂慮すべきだと思いますが、地方分権の時代、地域主権の時代に逆行する本質的な問題が内在しているということ。
もう1つは、だからこそ、静岡市長として、静岡市民の目線での判断を大切にしたいということであります。
まず1つ目の本質的な問題について、さらに3つのポイントから私が遺憾に思っていることを申し上げます。
まず第1に、地方公務員の給与の取り扱いについては、地方の行財政改革の努力を適切に評価することなく、国に準じた一方的な給与削減を求めていること。
第2には、地方公務員の給与は、議会や住民の意思に基づき、地方が自主的に決定すべきものであるにもかかわらず、つまりこれは地方自治の矜持にかかわる、根幹を問われている問題であるということ。
そして、第3に、さらに遺憾であるのは、この給与削減を前提として、地方公務員給与費に係る地方交付税を国は一方的に削減をしたということ。つまり、有無も言わせずという、この全く違う次元の話をそこへ追い込もうとしている、そのやり方についても私は大変憤っております。
例えば、第1点目に申しました地方の行財政改革の努力を適切に評価していないということについて、これはいろいろなチャンネルを通じて、私どもは国に主張しておりますが、本市の例で挙げさせていただければ、平成13年度から23年度までの10年間における職員削減率は12.1%、非常に行財政努力をして、現場では大変な状況であります。国の削減率は、私どもの12.1%に比較して2.8%です。つまり9.3ポイント我々のほうが削減率が高いわけであります。それを人件費に換算すると、約345億円となります。今回の給与引き下げ相当分をはるかに上回る削減を既に本市は達成しているということであります。
事ほどさように非常に乱暴な国の要請を、はい、わかりましたと受けるべきタイミングではない、地方自治の矜持が問われているということの中で、私たち地方がきちんとスクラムを組んで、強い姿勢で臨まなければいけないと。この要請が出て以来、さまざまなチャンネルを通して要請をしているところです。逆要請をしているところです。
例えば、新潟県長岡市の森市長が全国市長会の会長でありますけども、森市長ともいろいろやりとりをさせていただきまして、国のほうに直接、地方と国との協議の場で議論をしてもらっています。あるいは矢田神戸市長が全国政令指定都市会長でありますけれども、政令指定都市の市長会もチャンネルにしまして、さまざまな関係団体を通じて、しっかり我々の思いというものを国に伝えているところであります。
国のことは国、市のことは市で決めるというのが本来のあり方であろうかと思います。ただし、そのときに大事なのは、2つ目の静岡市民の目線は恐れなければいけないということです。
この経済状況の中では、公務員が十把一からげにされて、とにかく国の公務員も地方の公務員も給料を下げろ下げろという大合唱であるならば、静岡市民もそういう声が強いのならば、私はそこには向き合わなければいけない。私の静岡市長の立場は、あくまでも国を見るのではなくて、このことの静岡市民の声に傾けていきたいというのが、2つ目のポイントであります。
そこで、私たちがどう対処をするかという考え方ですけど、ここも2つ。
まず、ミクロではやはり市の職員の姿勢が問われています。十把一からげにされるのではなくて、国家公務員はともかく、市民にとって静岡市役所の職員は一生懸命やっているじゃないか。静岡市はいいよと、引き下げなくても大丈夫だよと、そういう声があるように、静岡市の職員が、午前中の議論にもあったように一生懸命、誠心誠意、公僕として市の職務のために頑張っている姿をまず見せていきたいということであります。私のメッセージがどれだけ市の職員に伝わっているか、これはまだ道半ばではありますけども、そういう姿勢を静岡市民に対して、まずミクロに見せていく、虫の眼で見せていくということが必要かと思います。
もう1つは、これはマクロの視点でありますけども、全体の経済情勢、これは先ほど施政方針を紹介していただきました。あそこの文脈であります。
今、国民全体がデフレ脱却にそれぞれ前向きになっていかなければいけないということなんです。政府がこれだけ大盤振る舞いの対策をしました。でも、私たち国民一人一人の心が、デフレマインドのままではだめなんです。私たちが、よし、政府も頑張っているな、自治体も頑張ってくれて即応しているな。じゃ、今回だけは政府を信じて、地方自治体を信じて、あるいは政治を信じて、前向きに、例えば経営者ならば、ここで設備投資をしてみようとか、よし、社員の給料を上げてみようとか、あるいは新しい人を雇用してみようとか、そういう法人の経営者のマインドになってほしいと私はお願いをしたいし、個人のレベルでも私たちの生活の中で、よし、ことしは新政権がデフレ脱却で頑張っているんだから、老後の不安もあるけれども、ひとつ信頼をして、大型商品、車を買いかえてみよう、テレビを買いかえてみよう、そういう気持ちになってもらって、それが一つの経済効果になっていき、景気の回復につながっていくと。だから、政府だけでやっているのではない。これは官民連携のもとで日本のデフレ脱却をしなければ、この経済政策というのは、安倍さんが幾ら頑張ったってできない状態のままだというわけなんです。
ですので、その中では、私は給与の引き下げということは今、慎重に考えなければならないと思います。今回の国からの引き下げ要請への対応といたしましては、今、私が述べましたような私の持論のもとで、市民目線での判断に加え、市財政や地域経済への影響等を総合的かつ慎重に判断していきたいと考えています。
以下は、局長に答弁させます。
◯総務局長(小長谷重之君) 憲法9条改正議論に対する認識についてお答えをさせていただきます。
本年2月1日の参議院本会議において、安倍首相が、自衛隊は国内では軍隊とは呼ばれていないが、国際法上は軍隊として扱われている。このような矛盾を実態に合わせて解消することが必要だと述べ、憲法改正に意欲を見せていることは承知をしております。
このように憲法9条を含む憲法改正問題につきましては、国政における大きな問題の1つとして認識をしているところではございます。
◯企画局長(加藤正明君) 国連軍縮会議の評価と、今後の平和行政の取り組みについてお答えいたします。
まずは、感想から述べさせていただきます。静岡の日本平の地で、冬に開催でき、しかも富士山の見事な眺望が会議の期間中仰ぎ見ることができ、本当によかったというのが素直な思いでございます。また、本市の国際的知名度を上げる確かな第一歩になったと実感しております。
主催者であります国連軍縮部のケイン上級代表からは、静岡での国連軍縮会議はすばらしい会議であった、これまでに数多くの国際会議に出席したが、その中でも特に充実した会議であったとのお話をいただきました。また、他の会議参加者からも、すばらしい会議だったと称賛する声が多数寄せられておりまして、静岡市民の持つホスピタリティと静岡市の国際会議の運営能力が評価され、大変嬉しく、そして誇りに思っております。
また、会議開催中に地元自主事業として、平和・国際交流活動展示会や、庁内関係課で連携して企画しました平和パネル展には延べ3,500人の方に御来場いただきました。同時期に開催しました平和の灯りプロジェクトにも、小中学校、高校生など若い人々がボランティアとして参加していただきましたけど、それには延べ3,000人を超える多くの市民の皆様にお越しいただきました。
さらに、会議最終日に行われました世界学生平和会議では、若い人たちが平和や軍縮に対して関心を持つことが大切であると発表がされるなど、多くの市民の皆さんに平和について改めて考え、見詰め直していただく、よい機会を提供できたものだと考えております。
今回の会議を通じて芽生えました世界平和の実現に向けた機運を、一過性のものとすることなく、今後も庁内関係課と連携し、市民団体との協働により、平和や軍縮といった問題に取り組んでまいりたいと考えております。
◯危機管理統括監(横山孝志君) 浜岡原発が津波対策完了後、再稼働を目指していくと思われるが、本市の認識はどうかという御質問でございます。
浜岡原発の再稼働についてですが、中部電力では、浜岡原子力発電所における津波対策について、本年12月までの完成を目指し、工事などを進めているところでありますが、再稼働については現在のところ明らかにしておりません。
発電所の再稼働に際しては、大きく2つの側面から判断しなければならないと考えます。
1点目は、安全対策に関する側面です。中部電力が津波対策の強化を図っているところではありますが、地震や津波のような自然災害だけではなく、さまざまな危機に対する十分な安全対策が必要であることは言うまでもありません。本市としましては、将来にわたっての安全が確保されなければ、再稼働は認められないものと考えます。
2点目は、エネルギーの供給に関する側面です。原発があらゆる危機に対して安全であると言い切れない状況下では、電力需要を低減するライフスタイルへの転換や、太陽光を初めとした再生可能エネルギーの活用による発電での代替などに時間をかけて取り組むべきものと考えます。
したがいまして、中部電力が浜岡原発を再稼働しようとするのであれば、浜岡原発の必要性を安全性とともに改めて市民・県民に説明する必要があると考えます。
◯財政局長(中井幹晴君) まず、消費税についてお答えいたします。
平成24年8月10日に消費税及び地方消費税率の引き上げ等に関する法律が成立し、消費税率については、26年4月に8%、27年10月に10%となる引き上げを、経済状況を好転させることを条件として実施するものとされています。
消費税と地方消費税は、自治体にとってともに重要な税源であり、社会保障の充実及び安定化のための財源の確保と財政健全化のために、この消費税率の引き上げは必要なものであると認識しているところです。
しかしながら、所得や資産の額が小さくなるほど、その額の中に占める税額の割合が大きくなる課税の性格、いわゆる逆進性とその緩和策など、引き上げに際しては、さまざまな課題とその解決のための施策の必要性が指摘されております。このことについては、法律により、速やかに必要な措置を政府が講じなければならないとされていることから、今後の動向に注視してまいりたいと考えております。
次に、消費税率が10%になった場合の市財政への影響についてでございます。
消費税増税による一般会計及び特別会計の影響額については、平成25年度当初予算をベースに、現在の状況のままで仮に消費税率が10%に改定された場合を想定し、試算しました。
歳入予算における影響については、地方消費税交付金が、地方への配分が税率1.2%分増加されることに伴い平成25年度当初予算額約73億が約163億円となり、90億円程度の増収が見込まれます。また、地方交付税は、税率0.34%分が地方交付税の法定税率分として引き上げられる見込みとなっています。その他、公の施設の使用料、広告料、各種手数料などの課税対象となる収入に含まれる消費税相当分については、一般会計は約1.5億円が約3億円に、また競輪事業会計、国民健康保険事業会計を初め7つの特別会計は約1.2億円が約2.4億円となり、それぞれ倍増すると見込まれます。
一方、歳出予算における影響については、需用費、委託料、工事請負費、備品購入費など課税対象とされる経費に税率を乗じる簡易な方式で消費税額を算出すると、一般会計は約30億円が約60億円に、また競輪事業会計、国民健康保険事業会計を初め9つの特別会計は約3億円が約6億円となり、それぞれ倍増すると見込まれます。
次に、法人市民税の超過課税についてのお尋ねでございます。
超過課税率の採用は、財政上その他の必要がある場合に行うものとされており、その実施に当たっては、租税負担の均衡や社会情勢など多様な観点からの慎重な検討を要するものと考えます。
新政権のもとでの経済政策は、グローバル化の中で競争優位を保つ企業努力と、その成果を雇用・所得の拡大につなげる成長と富の創出の好循環を図ろうとするものであり、平成25年度税制改正の大綱においても、企業による雇用・労働分配を拡大するための税制措置の創設が示されております。
このような経済政策や地域経済の状況などを鑑みると、本市としては、現時点において法人市民税の超過課税を実施する環境にはないと考えているところでございます。
次に、市債依存度についての御質問でございます。
平成25年度当初予算では、市債を420億円、市債依存度でいいますと15.8%予算計上いたしましたが、このたび公表した財政の中期見通しでは、今後の市債発行額を26年度で399億円、歳入に対する市債依存度で15.2%、27年度398億円、同15.1%、28年度391億円、同14.9%と見込んでおります。
市債は、社会基盤の整備に当たっては、世代間の負担の公平性や財政負担の平準化を図る観点から、その財源として活用しているものです。
しかしながら、市債の発行は後年度における公債費負担につながることから、財政運営に当たっては、後年度の財政運営に支障を来すことがないよう、市債の抑制を含めた適正な管理に努めてまいります。
次に、福祉予算など市民の安心・安全を確保するための予算についてのお尋ねでございます。
まず、重点政策の柱の1つである子育て支援の推進として、24年4月から拡大した子ども医療費助成を継続するほか、喫緊の課題である待機児童対策の推進のため、認証保育所への運営支援や本市独自の待機児童園の整備を一層進めていきます。
また、生活保護については、国の機関である静岡労働局と連携し、早期かつ集中的な就労支援など自立に向けた支援に取り組むため、清水庁舎内に専用のハローワーク窓口を設置していきます。
そのほか、認知症疾患医療センターの新規開設、民間特別養護老人ホームの整備に対する助成、重症心身障害児のためのショートステイサービスを提供する支援体制の整備、障害者への虐待事例の早期発見のための24時間365日の相談支援体制の整備など、市民生活の安心・安全を確保するために必要な予算を計上したところであります。
次に、国直轄道路事業の地方負担金の廃止についてのお尋ねでございます。
従来から主張しておりますように、国と地方の役割分担の見直しを行った上で、国が行うこととされた国直轄事業については、地方負担を早期に廃止すべきであり、また現行の国直轄事業を地方へ移譲する際には、所要額を全額税源移譲すべきと考えております。
本年1月16日には、国直轄事業負担金の廃止も含めた今後の政権運営に対する指定都市市長会要請を行ったところであり、今後も必要に応じて国に対する働きかけを行ってまいります。
〔17番内田隆典君登壇〕
◯17番(内田隆典君) それでは、2回目の質問をさせていただきます。
憲法と平和行政ということで質問をさせていただきました。国政の問題ということで、さらっと答えられましたけれども、単純にそんなことでいいのかなという気になっているわけです。この問題では、非核平和都市条例ということを私どもは質問しているわけですけれども、この問題提起、その後検討されているのかどうか、1点伺っておきたいと思います。
次に、平和教育についてであります。教育委員会は子供たちに平和に対する教育をやられています。静岡県は1950年3月1日、ビキニ環礁での水爆の実験で被害に遭いました。原爆が落とされた広島や長崎など全国ではいろいろな平和行事をやられています。そういうところに子供を派遣し、平和行政に発展させる事業を検討してみたらどうかと思いますけども、考え方を伺っておきたいと思います。
次に、原発に対する問題ですけども、安全な原発なんていうのはあり得ないわけで、私はもう静岡市がそういう安全対策とか何かというところではなくて、原発は廃炉という流れが世界的には広がっているわけで、そういう観点で、再生可能なエネルギーに早急に切りかえながら、廃炉という立場で検討に入るべきではないかと思いますけども、考え方について伺っておきたいと思います。
次に、消費税の増税については、必要であると言われました。これまでの経過を見ていきますと、97年から98年当時、3%から5%に引き上げられたときに、景気は後退して税収は少なくなりました。当時の橋本総理大臣も、その後、やはりあのときは経済が上がり調子でいたのに、5%に増税したために景気が後退したと、あれはやるべきじゃなかったという感想を述べていたと聞きました。
そういう点では、単純に歳入との関係でどうかというより、やはり地域経済や全体のことを考えると、消費税については慎重に考えていくべきと思っております。
それから、法人税の課税についても、結論は実施する環境にないということであります。全国ではやっているわけで、静岡市がやれないわけじゃないと思うので、その辺を検討していったらどうかと思います。
それから、職員給与の問題でありますけども、市長から御案内のとおり遺憾だという発言でありました。知事会、市長会など地方の6団体も、今回の政府の処置に対しては厳しい意見を持たれているということであります。
そうは言っても市長は、市民の目線で、公務員との関係でどうかという発言でありましたけれども、私は、公務員の賃金を下げるということは、それにとどまらず地方自治体のあり方、それから地域経済を立て直すと、さまざまな問題が出てくるということで、私は6団体の指針に沿って、対応をやはり求めていくということが筋ではないかと考えます。
次に、地域経済について伺っておきたいと思います。
住宅のリフォーム制度であります。
この間の市の答弁は、産業振興プランなどの計画に位置づけていなくて、実施予定にないという答弁をしているわけでありますけども、全国的にこの住宅リフォームの制度というのは、予算に対して10億とか20億とかの経済波及効果があるということが言われているわけです。そんなことを言っては何ですけれども、静岡県もことしは、大して予算をつけなかったわけです。やはり波及効果はあるのではないかという中で、今年度は5億円規模の予算をつけたそうであります。
そういう点では、静岡市も経済波及効果等々を考えますと、この住宅リフォーム制度というのは、研究して制度を取り入れたらと思いますけども、改めて見解を伺っておきたいと思います。
次に、中小企業振興条例について伺います。
静岡市の経済状況、直近の静岡市の工業を見てみましても、厳しい状況は感じられます。2005年度の事業所数は3,711あったものが、2010年度は3,314となり、397事業所が減っております。そこで働く従業者数も、2005年が5万4,385人、2010年には4万9,876人と4,906人も少なくなってきております。製造出荷額が2005年度が1兆6,498億円、2010年度が1兆6,972億円と、474億円増加しているようでありますが、これは大企業の製造出荷額が伸びたということが原因であります。中小の企業は、閉鎖など大変な状況にあるわけです。
言うまでもなく中小企業は、地域経済の担い手であります。中小企業の振興を図り、仕事づくり、雇用の拡大を柱に据えた中小企業の振興条例の検討も必要と考えます。当局の考え方について伺っておきたいと思います。
公契約条例について伺います。
公契約条例は、2009年9月、千葉県の野田市で2010年に政令市では初めて川崎市が条例を制定しております。条例では、労働者の作業報酬下限額を公共工事設計労務単価や生活保護を基準に定めておりまして、自らが労働力を提供する一人親方も含まれるということで、公契約条例が徐々に広がっているようです。静岡市においても、幾つかこれを検討した結果、実効性や公平性、企業への影響等があるということで、検討は一応されたようでありますけども、改めて公契約条例の検討に入ってはいかがと思いますけども、見解について伺いたいと思います。
次に、国保行政について伺いたいと思います。
御案内のとおり今年度は、低所得者にとっては3割という負担であります。納付書が届いた月には、納税者から料金が違ってはいないかと区役所には抗議を含めて1万2,000件ほど電話が殺到したそうであります。
この値上げは政令市20市の中で、静岡市が一番高くなりました。国保料は所得100万円、1人では17万、所得比17%、200万円所得、3人で38万と19%の影響額となります。2012年の政令市1人当たりで見ましても、一番安いのが北九州で8万、政令市全国平均は9万、静岡市は何と11万円の保険料であります。
確かに今年度は、法定外の繰り入れを20億円という形でふやしましたから、一定抑えられた状況でありますが、しかし、3割の値上げであります。私は、法定外の繰り入れをさらに増額しながら、国保料の引き下げという立場で市長は考えるべきではないかと思いますけども、考え方について伺っておきたいと思います。
減免制度についてです。
7割、5割、2割ということで法定減免がされております。これに該当しない低所得者に対して救済措置だということで、激変緩和措置で、1割の減免措置もとられておりますが、低所得者の実態把握を具体的にしながら、減免制度のさらなる充実をしてはどうかと思いますけども、考え方を伺っておきたい。
あわせて、広域化について、スケジュールがどのようになってきているのか、伺いたいと思います。
次に、家庭ごみの有料化について伺いたいと思います。
昨年からことしにかけて、5回の意見交換会が開催されました。私は何回も議論してきましたけども、開催規模を見ましても、一会場30人程度、極めて不十分な対応だと思っております。また、意見交換会で出された意見についても、家庭ごみの有料化をやる前に行政としてやることがあるのではないか。厳しい意見が多数出されております。そして、静岡市が先日行った市民アンケートを見ましても、有料化については、半数を超える方が今やるべきではないという答えを出しておられました。こうした市民の皆さんの意見を当局はどのように受けとめているのか、伺いたいと思います。
次に、来年度の施策についてでありますけども、意見交換会は5回開催しました。新年度は、それをもとに是非の判断をするという流れになっておりますが、この間の意見交換会で出されている意見は、厳しい意見であるとともに、今、判断をする状況ではないのではないかということも考えております。私が気になるのは、そういう状況でありながら、行政側は新年度に是非の判断をする、あわせて清掃対策審議会にこうした問題をかけるのではないかということを感じております。25年度にはどのような施策をしようとしているのか、伺っておきたいと思います。
それから、有料化の前には、ほかにもいろいろな施策でごみ減量をすべきではないかという意見が多数出ております。御案内のとおり、現在のごみの収集方法、出し方は、葵区、駿河区、清水区、由比地区、蒲原地区と5種類パンフレットが家庭に配られておりまして、出し方も違っております。分別や出し方、これはやはり統一しながら、一番よいところを取り入れて、有料化ではなくてごみの減量化につなげるべきだと考えますけども、当局の考え方について伺っておきたいと思います。
公共施設の使用料の見直しについてであります。施政方針でも、28年度までの各年度において、おおむね69億から88億円、財源が不足するから、行財政改革推進大綱の実施計画に基づいて、市税の収納率の向上、使用料の見直しということで、今回使用料の見直しが出されております。
先ほど、局長は、超過課税を見送るということを言いましたけども、私は、こんなことをしながら市民にだけ負担を押しつけるというのはいかがなものかと。今の時期に見直し、値上げに踏み切った理由はどこにあるのか、伺っておきたいと思います。
2点目は、日本平動物園の入園料を500円から600円に値上げすることについてであります。動物園は先日も駐車料金の値上げをしたばかりであります。その他にも、西ヶ谷・清水の運動公園や体育館、スポーツ施設等々の料金改定が予定をされております。値上げであります。
今回はこのような料金値上げが出されておりますけども、今後どのような形で考えておられるのか、そのことについても伺っておきたいと思います。
生活保護についてであります。
長引く不況下、派遣切りや雇いどめ、企業のリストラ等々もあって、依然、生活保護世帯はふえ続けております。
こうした中、昨年8月、社会保障と税の一体改革関連法が成立し、それとあわせて社会保障制度改革推進法が成立いたしました。その附則の中に、生活保護制度の見直しが書かれております。内容は、生活扶助や医療費扶助等の給付水準の適正化が明記されました。生活保護基準は最低賃金に影響するばかりでなく、最低保障年金をめぐる年金額にも影響をいたします。課税最低限や保険料の減免制度との関連が強く、就学援助制度等の認定基準を定める際にも用いられます。
そういう観点からしますと、今回の見直しというのは相当影響が出てくると考えますけども、国が示す保護費削減の影響について、市はどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
2点目は、受給者に対する対応であります。
新年度は、清水庁舎に専用のハローワークの窓口を設置し、就労支援員の増員や雇用先の確保と支援体制を充実するということであります。現在、生活保護受給者に対する対応がどうなっているのか。
3点目は、このケースワーカーの担当世帯、なかなか標準の80世帯を守り切れなくて、担当者は大変な思いをされているようであります。そういう点で、このケースワーカーの生活保護受給者に対する担当世帯、どのような状況になっているのか、伺いたいと思います。
保育行政についてであります。
この間、国会の議論の中でも、保育に対する公的責任の問題が議論になってきております。現行の児童福祉法では、保育に欠ける児童を保育所において保育をしなければならないということになっているわけでありますけども、単純にそうなっていないという気がします。それで、国の子ども・子育て支援制度により、既存の保育園にどのような影響を及ぼすのか。
2点目は、待機児童の現状について。あわせて、待機児童対策として、特に認可保育園の定員増と見られておりますけども、どのように考えているのか、伺いたいと思います。
児童クラブについてであります。
緊急3カ年整備計画ということで、待機児童、未設置学区の解消等、一定の効果が出ていると聞いておりますけども、児童クラブ入会児童の現状について、大規模児童クラブの適正化について、児童クラブ指導員の待遇改善についての、3点の考え方について伺いたいと思います。
次に、清水区の生涯学習交流館について伺います。
生涯学習交流館が指定管理者になって1年が経過をしようとしております。私はこの公民館・生涯学習交流館の指定管理について、一律に指定管理者に移行していいものかどうか、問題を指摘してまいりました。住民サービスの後退の問題、交流館に勤める人の労働条件等々、問題が出てこないのか、防災対策についての問題点、出てこないのか、役割を果たせるのか、疑問を感じておりました。
そうした中で、つい先日の新聞報道によりますと、静岡県は公共施設の質を向上させるために運営を委託している労働条件を独自に一斉点検するという方針を固めたと報道がされておりました。法令遵守を徹底し、違反があれば改善を求めるということであります。
そこで伺いますが、生涯学習交流館の職員の賃金及び労働安全衛生法は、法に照らして遵守されてきているのかどうか、伺いたいと思います。
2点目は、社会教育主事についてであります。
清水区の生涯学習交流館を指定管理者に移行する際の生涯学習推進課の皆さんの説明は、社会教育主事を育成し、生涯学習交流館の活動を向上させると、そのためにも生涯学習館の指定管理者は重要な課題だと、このように説明をしてまいりました。
ところが、現在、1年を迎えようとしておりますけども、現在の社会教育主事は恐らく6名程度ではないかと思います。それも、この6人というのは市職員のOBでありまして、結局1年を経過しましたけども、社会教育主事は、ふえていないんじゃないかと感じております。どのような形で、この社会教育主事をふやそうとしているのか、考え方について伺いたいと思います。
防災対策について伺いたいと思います。
東日本の大震災から3年目に入ろうとしております。
原発災害で今、除染が進まず、放射能汚染は復興の大きな妨げとなっているのであります。3.11の東日本大震災、静岡県も各自治体で南海トラフ地震を想定したさまざまな対策が講じられてきております。静岡市においても、津波避難タワーを今年度4基予定しているところであります。
そこで、2点について伺っておきたいと思います。
1点目は、静岡県の第4次被害想定の中間公表や、本年6月の本公表における津波の想定浸水域に対し、本市の対応が問われていると思いますけども、被害想定に対し、どのような対応をしていこうとしているのか、伺いたいと思います。
2点目は、津波避難ビルの追加指定についてであります。先ほども外階段等々の補助率の問題が議論されておりましたけれども、東日本大震災により地震対策の重要性を改めて国民の皆さんが感じさせられております。中でも、津波対策は早急に対応すべき対策として、津波避難タワーの設置、津波避難ビルの指定拡大、指定ビルへの設置階段等への補助が制度としても出されております。しかし、津波避難ビルの指定が今年度に入りまして、余り進んでいないのかなと感じています。避難ビル追加指定について、今年度どのような状況になっているのか、伺いたいと思います。
次に、浸水区域内での消防団施設の津波に対する対応についてであります。
さきの議会において、大震災時における消防団施設が津波等で機能しなかったところが出てくるのではないかという問題点が指摘されました。その対応として、湾岸署の移転の検討がされているということでありました。ほかにも検討を要する団施設があると答えられておりました。私の居住する地域も7分団がありますけども、浸水区域になっております。ほかにも同じような団施設があるのではないかということで、心配をされるわけでありますけども、こうした施設に対する対応、どのように検討が進められているのか、伺いたいと思います。
次に、LNG基地の安全対策について伺います。
旧清水市当時、清水駅裏みなと口の東亜燃料の敷地内にLNG基地が建設されました。当時は、地震等対策を含め、対応がされてきたと思いますけれども、あの3.11の津波の被害状況や液状化を見ますと、市民の皆さんの中からは、南海トラフ地震に対してLNG基地の施設が十分対応できるのかどうか、心配の声が出されてきているところであります。
市としても、国の指針に照らして対応をされていると思いますけども、東日本大震災を受け、当施設の安全対策の現状について、どのようにされているのか、伺っておきたいと思います。
次に、木造住宅の補助拡大について伺いたいと思います。
御案内のとおり、阪神・淡路大震災の犠牲者の8割は住宅の倒壊等による圧死でありました。そのことによって静岡県は、何としてもこの住宅の改造をしようということで、「TOUKAI-0」のプロジェクトを全国に先駆けて補助を出そうということで、今、制度が進んでおります。あわせて、各地方自治体、静岡市もそうでありますように、上乗せの措置がされております。計画どおり進んでおりますけども、早急に目標を達成し、一日も早くこの耐震補強工事の充実をと考えますけども、耐震を進める上での一層の補助の拡大ということについて、市の考え方について伺いたいと思います。
教育委員会に特別支援教育課の設置ということで伺いたいと思います。
特別支援教育は、障害のある子供たちが自立し、社会教育に参加するために必要な力を培うために、子供一人一人の教育的なニーズを把握し、その可能性を最大限に伸ばし、生活や学習上の困難を改善、または克服するため、適正な指導及び必要な支援を行うものと言われております。
平成19年4月に施行された改正学校教育法に、全ての学校において特別支援教育を推進することが法律上に明確に規定されたわけであります。そこで伺いたいと思いますけども、特別支援教育課の設置について、静岡市はどのように考えておられるのか、伺っておきたいと思います。
次に、30人学級について伺います。
子供たちをめぐる環境、午前中の議論の中でも大変な状況だと、学校、家庭、教育の3者で守ってもなかなか十二分に対応ができないという深刻な状況があると認識をしております。
そこで、1点伺いたいのでありますけども、静岡県が新年度、公立の小中学校における35人学級を実施するということが報道されておりました。私も教員の方々と日ごろ話をする機会がありますけども、何せ学校の先生方は忙しくてたまらないということで、もう教員を辞めたくなることもあるという話をよく聞くわけです。十分余裕がない中で教壇に立っているのかなという感じがしております。そういう点では、35人学級、30人学級等、環境を整える必要があると思いますけども、市の考え方について伺いたいと思います。
それから、債権管理対策について伺いたいと思います。
市税の滞納状況はどういう形で今起こってきているのか、対応がどうなされているのか、伺いたいと思います。
2点目は、滞納者への対応について伺っておきたいと思います。
私は、納税課担当を含めて、市の職員の皆さんが毎日いろいろなケースがある中で、この納税活動を進めていると思うんです。それは大変御苦労をなされていると思うんです。
ただ、不況下で、納税者がなかなか思ったように納め切れないと。今までは、納税というのは1年間の中で納税計画を立てて納めてくださいと、1年間で無理だったら、それじゃ2年ぐらいで最低納めてくださいと言って、2年間の納税計画で納めると、それで何とか計画を立てたということなんです。
だけど、最近はもう差し押さえ、公売、政令市になって本当になおさら厳しくなったということを耳にします。今年度は特にこういう傾向があるということを耳にします。私も先日、納税者の方と納税計画を立てるということで御一緒させてもらったことがあるんですが、やはり話は聞きますと、わかりましたと。しかし、私たちの課で決めましたと。決めましたというのは困るんですよね。やっぱり法律に沿って納めていくような納税計画を立ててもらわないと、そうやっていると思うんですが、そういう点で私は不十分だと。納税の猶予を含めて、納税者の立場に立ってやっぱり納税計画を立てられるように、余り強権的な納税計画を立てるべきじゃないと思いますけども、今、どのような対応がされているのか、伺っておきたいと思います。
次に、松枯れの現状について伺っておきます。
三保の松原、毎年3,500万円程度をかけて松枯れ対策をやられております。自治会やNPOの方々を含め、名勝三保の松原の保全ということで頑張っておられますけども、2007年には1,755本が伐採されております。2011年は536本と徐々に松枯れ傾向は少なくなってきているわけであります。しかし、マツノマダラカミキリは、5月下旬ごろ活動をするそうであります。三保の松原を守っていくと、三保の松原の現状と対策について行政が今どういう対応をしているのかを伺って、2回目の質問とします。
◯副市長(山本克也君) 浜岡原発への対応について、再生可能エネルギーの普及を推進し、廃炉とすべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、電力不足に起因した社会混乱を経験した我が国では、エネルギー問題は環境問題にとどまらず、市民生活や経済活動の安心・安全の基本であるという認識が高まりました。
原子力発電は、発電時に二酸化炭素を排出せず、安定した電力供給が可能ですが、あらゆる危機に対して100%安全であるとは言い切れません。したがって、市民の安心・安全のために再生可能エネルギーを初めとする多様な組み合わせによる自給率の向上及びエネルギーの効率化を図り、最終的には原子力に頼らずに必要な電力を賄える社会を構築すべきと考えます。
本市では、平成23年度から省エネルギーに重点的に取り組んでおりますほか、25年度は重点政策として、地域エネルギー政策の推進を位置づけ、スマートハウスを普及させるための支援制度を創設するとともに、住宅用太陽光発電システムの設置や市民ファンドによる市民発電所の開設を支援してまいります。
◯教育長(高木雅宏君) 30人学級ということについてお答えをしたいと思っております。
30人学級の検討についてですが、本市では、これまで国や県の動きに合わせ、35人学級を推し進めており、30人学級の具体的検討には入っておりません。35人学級につきましては、平成25年度に小学3年生に実施をすることで、小中学校全学年での完全実施となります。
今後につきましては、35人学級の成果と課題について検証をし、よりきめ細やかな指導のあり方について研究をしてまいりたいと考えております。
◯総務局長(小長谷重之君) 非核平和都市条例と使用料の見直しについてお答えをさせていただきます。
まず、非核平和都市条例の制定のお尋ねであります。
本市では、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを、平成17年静岡市平和都市宣言の中で市議会において全会一致で議決しているところであります。
また、国連軍縮会議in静岡が開催され、軍縮や不拡散などに向け、市民を含む多くの参加者が熱心かつ真摯な議論を重ねたところであります。
このような中、2月12日に国際世論の制止を振りきって強行した北朝鮮の地下核実験については、まことに残念であり、憂慮しているところであります。
しかしながら、最初に述べさせていただいたとおり、既に市議会において本市の姿勢や考え方を平和都市宣言として明らかにしているところであり、改めて非核や平和の実現について、条例で定める必要はないものと考えております。
次に、使用料の見直しに踏み切った理由であります。
公の施設に関する使用料の設定基準に基づく使用料の見直しにつきましては、行財政改革推進大綱の実施計画に搭載し、計画的に実施しているものであります。同大綱では、この取り組みが必要な2つの視点を掲げています。
1つ目は、公共サービスの性格や性質によって、サービスを受ける方々に適切な負担をしていただく受益者負担の明確化が需要な課題であること。2つ目は、公共サービスの量や質だけでなく、提供される仕組みについても改革を進め、市民の皆さんに公共サービスに対する関心を高めていただくことが重要であるということであります。
今回の見直しは、公の施設の使用料を算出する仕組みを定め、明らかにすることで、適切な使用料を設定するとともに、市民の皆さんが公の施設に対する関心を高め、使用料も含めたサービスのあるべき姿を考えていただくことも目的としております。
次に、どんな施設を対象にしているかでありますけども、今回の取り組みは、設定基準の中で、適用除外施設を定め、その他の施設においては原則基準を適用し、使用料見直しを行うこととしております。
適用除外施設といたしましては、市営住宅など法令等により市が独自に使用料を設定できない施設、病院など独立採算を目指す施設、保健福祉センターなど特定の市民に使用させることを想定していない施設、公園、墓地など異なる算定方法を設定することが適当と認められる施設を上げております。
なお、今回の見直しでは、現在の使用料が妥当であると判断できる施設もあるため、一律改定を行うものではありません。
最後に、今後どのように進めていくかでありますけれども、今後、今議会で条例改正案を上程した以外の対象施設につきましては、平成26年度までに見直しを終え、使用料改定についての方向性を決定いたします。使用料改定の必要があり、市民の皆さんの御理解も得られたと判断できた施設につきましては、順次、改定に向けた作業に着手し、条例改正案を市議会に上程したいと考えております。
また、高齢者や子供など施策として特別な配慮が必要な使用料につきましては、有識者や市民の皆さんの御意見を伺いながら、平成25年度中には方向性を決定していきたいと考えております。
◯教育次長(望月和義君) 平和教育、そして特別支援教育課に係ります2点の御質問にお答えいたします。
まず1点目の平和教育についてでございますが、平成24年度は、小学6年生の意見文集、平和について考えるの作成や、平和ポスターコンクールの開催など、国連軍縮会議にちなんだ事業を実施いたしました。多くの子供たちが平和について考える契機となり、教育委員会といたしましても、大きな成果があったものと考えております。
広島や長崎への子供の派遣事業は意義のあることと思いますが、本市では、授業において教科書や資料を活用したり、地域の戦争体験者をお招きし、体験談をお聞かせいただくなどして、平和の尊さを学習しています。
また、修学旅行などを通して、広島平和記念資料館や東京大空襲・戦災資料センターを見学するなど、平和についての学習を進めている学校もあり、日ごろからさまざまな機会を捉えて、平和について学んでおります。
次に、2点目の特別支援教育課の設置についてお答えいたします。
まず、特別支援教育は、障害のある子供の自立や社会参加に向けた教育でございまして、一人一人の子供を大切にするという観点から、教育活動全体の質の向上にもつながるものであります。
本市では、学校教育課に特別支援教育センターを設置し、学校教育のさまざまな分野との密接な連携のもとに特別支援教育を推進しておりますので、現在のところ、特別支援教育課を設置することは考えておりません。
◯経済局長(大場知明君) 地域経済対策、松枯れ対策に係る3点の御質問にお答えいたします。
まず、住宅リフォーム助成制度についてお答えいたします。
本市においては、地域経済への配慮につきましては、国の緊急経済対策に呼応し、まさに今議会に補正予算を提案させていただいているところでございます。予算成立後は、早期の発注と市内業者の受注機会の確保に努め、地域経済の下支えを行ってまいります。
こうしたことから、経済の活性化策としての住宅リフォームの助成制度につきましては、現在のところ実施する予定はございません。
なお、中小企業者への支援策といたしましては、人材確保のためのマッチング事業や融資制度など、中小企業者のニーズに応じた施策を今後とも適時適切に実施してまいります。
次に、中小企業振興条例の制定についてお答えいたします。
中小企業振興条例の必要性に関してましては、現在、市と中小企業者団体とで定期的に開催しております意見交換会などによりまして、情報収集を行っているところでございます。
本市における条例制定は、現時点においては、直ちに必要であるとは考えておりませんが、今後とも関係団体との情報交換に努めてまいります。
最後に、松枯れの現状と対策についてお答えいたします。
三保の松原全体の松の本数は約5万本と言われております。松枯れによる伐倒本数の現状といたしましては、議員からもお話がありましたが、平成19年の1,775本をピークに、22年度600本、23年度536本、24年度は1月末現在で684本となっております。
対策といたしましては、地元の情報提供などにより年間を通じて枯れた松の伐倒駆除を行っております。また、5月下旬から6月上旬に薬剤の地上散布を行い、1月中旬から2月下旬に松の樹幹へ予防剤の注入を行っております。
今後は、松枯れの根絶に向け、現在行っている対策を継続して実施していくとともに、地元や関係機関と協力しながら、三保の松原の松枯れ対策を積極的に進めてまいりたいと考えております。
◯財政局長(中井幹晴君) 公契約条例制定に向けた考え方についてお答えいたします。
公契約条例は、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保を図ることを目的としており、その趣旨は重要であると認識しております。
しかしながら、労働者の賃金等の雇用条件については、労働基準法等の労働関係諸法令を遵守し、雇用主と労働者との雇用契約に基づき定められるものであるため、市が介入することへの是非が指摘されております。また、条例を制定した場合、全ての公契約を対象としたときには実効性が、対象範囲を限定したときには公平性の確保が問題となります。その他にも、調査に要するコスト増の問題、客観的基準に基づく賃金の設定、企業への影響等も課題とされていることから、今後も議論の推移を注視してまいります。
一方、本市ではこれまでも市内業者への優先的な発注、最低制限価格制度及び低入札価格調査制度の見直し、総合評価方式の拡大、建設工事における社会保険の加入徹底に努めてきました。
今後も、これらの取り組みを通して公契約の内容の充実を図ってまいります。
次に、市税の滞納の現状についてでございます。
平成23年度の市税全体の収入未済額、いわゆる滞納額は約75億円で、22年度と比較して約7億円減少しております。滞納者への対応はどのように行っているのかという問いでございますが、まずは電話や文書による催告をし、必要に応じて臨戸折衝などを行い、滞納者の自主納付を促します。その上で、納付約束を守らない者や再三の催告に応じない者については、財産の差し押さえなどの滞納処分を行っております。
なお、やむを得ない事情により市税を納めることができない場合についてですが、例えば生活困窮者など担税力の乏しい者については、所得調査や財産調査を実施した上で、個々の実情に応じて滞納処分の執行を停止するなどの対応をしております。
◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 暮らし、子育て支援についての御質問にお答えいたします。
初めに、国保行政の3点でございます。
一般会計からの法定外繰り入れの増額と国保料引き下げについての考え方でございます。
国民健康保険事業は、被保険者の保険料を主として、国庫負担金とその他の収入で賄うことを原則とする医療保険制度です。法定外繰り入れにつきましては、特定健診、保健指導の拡充による医療費の抑制や、収納率の向上に努めるとともに、国保以外の保険加入者との均衡や国保の財政状況も考慮しながら行うべきものと考えております。
なお、制度運営、保険料率につきましては、本市国民健康保険運営協議会に御審議をお願いしております。平成24年度は6回の審議を経て、本年1月末に国民健康保険財政の安定的な運営を考慮し、平成25年度、保険料率の据え置きとの答申をいただいたところです。
また、この答申では、要望事項として継続的な一般会計からの繰り入れ、保険料軽減策の検討、収納率の向上及び医療費の抑制、国への要望がつけ加えられております。この答申を尊重し、これらの要望事項も踏まえ、健全で安定的な国民健康保険事業の運営に努めてまいります。
次に、国保料減免の拡充についての考え方でございます。
本市国民健康保険料の軽減及び減免制度は、収入金額に応じ、応能割額の7割、5割、2割を軽減する法律に基づく軽減に加え、本市独自の1割減額などを行っております。また、減免制度は、これまでも社会情勢に応じて特別な事情を考慮した減免の拡充を図ってきたところですが、さらなる拡充は被保険者間の負担の公平性の確保という観点から、慎重な議論が必要であると考えています。
国保の広域化のスケジュールと考え方についてお答えいたします。
国民健康保険の事業運営主体を県単位とするといった広域化を含む医療保険制度改革については、社会保障制度改革国民会議で議論され、平成25年8月までに結論を得るとされています。
一方、市町村国民健康保険の事業運営の広域化及び財政安定化を推進するため、平成22年5月に国民健康保険法が改正されました。この改正に基づき、平成22年末に静岡県国民健康保険広域化等支援方針が策定されました。この広域化等支援方針に基づき、平成25年度から保険財政共同安定化事業の対象医療費の拡充、県調整交付金の活用など、財政運営の広域化に取り組むこととなっております。
国民健康保険の広域化は、財政安定化を推進するためにも必要なものであると考えております。
次に、生活保護に関する3点の御質問でございます。
国が示す保護費削減による影響についてでございます。
生活保護基準は、今国会に提出される予定でありますが、発表された政府案によりますと、国費ベースで平成25年度220億円程度が削減されるとのことです。この国が発表している金額から推測すると、現時点での本市における生活保護費への影響は、生活保護費全体予算額の1%以内の削減ではないかと思われます。
また、国は幾つか具体的な世帯構成を例示し、生活保護費がどれぐらい削減となるか説明しています。それによりますと、ほとんどの世帯で月額数千円が削減となる見込みであり、削減幅は多人数世帯のほうが大きくなると考えられます。
次に、ケースワーカーの生活保護受給者に対する対応にお答えいたします。
ケースワーカーは、最低限度の生活の保障と自立の助長を目的に、生活保護受給者の個々の状況に応じてきめ細やかな支援を行っております。支援に当たっては、必ず訪問調査を実施し、その世帯の生活状況の把握を行い、どのような支援が必要か判断しております。支援内容としては、年金受給や障害者手帳の取得などの援助、扶養義務者への働きかけ、主治医訪問、就職活動の支援、生活指導等であります。
なお、常時支援や指導が必要な世帯には毎月訪問し、また生活に特に問題がなく安定している世帯などには3カ月に1回、もしくは半年に1回訪問し、生活状況の確認を行っております。そのほか、突発的な入院等、世帯の状況に急な変化があったときは、臨時訪問を実施しております。
ケースワーカーの担当世帯数についてでございますが、平成24年12月現在、市全体で64人のケースワーカーが配置されております。市内で6,424世帯、8,423人の方が生活保護を受けておりますので、1人当たりの担当世帯数は社会福祉法に定める標準数の80世帯を超える100世帯になります。
次に、保育行政の3点につきましてお答えいたします。
国の子ども・子育て支援新制度により、既存の保育園はどのような影響があるのかということです。
国が目指している子ども・子育て支援新制度による既存の保育園への影響について、主に3点ございます。
1点目は、認定こども園制度の改善です。これは、幼保連携型認定こども園の認可、指導監督等を一本化し、これまで指摘されてきた事務の煩雑さ等を解消し、既存の保育園、幼稚園から移行を促進しようとするものです。ただし、認定こども園への移行は義務づけでないため、設置者が認定こども園へ移行するか、保育園のまま残るか、どちらかを選択することになります。
2点目は、施設型給付の創設です。これまで、保育園、幼稚園、認定こども園に対し、別々に行われていた給付が共通の施設型給付として一本化されます。
3点目は、保育の必要性の認定です。新制度では、保護者からの申請に基づき、市が保育の必要性を認定することとなり、保護者は市から受けた認定に合わせて施設を選ぶこととなります。また、施設に対する給付は保護者が受けた認定に応じた給付内容となります。
このほか、新制度の具体的な内容については、現在国において検討されているところで、こうした国の動きに的確に対応するため、今後も情報収集に努めていきたいと考えています。
次に、待機児童の現状でございます。
平成25年1月1日現在の待機児童数は394人で、前年の同時期から129人の増となっています。また、区別では葵区が165人、駿河区が141人、清水区が86人となっています。
次に、待機児童対策として、特に認可保育園の定員増をどのように図っていくのかにお答えいたします。
認可保育園の定員増については、平成25年度は市立・私立保育園の増築工事を実施する予定です。市立保育園では、駿河区の中村町保育園、高松保育園の2園の増築工事を実施し、私立保育園では、葵区の日吉町保育園の増築工事に対し助成を行い、計50名の定員増を図ってまいります。
また、今年度の待機児童の急増に対応するため、今後民間による認可保育園の新設、分園の整備、大規模改修に対し助成を行い、認可保育園の定員増を図っていきたいと考えています。
最後に、児童クラブの3点の御質問にお答えいたします。
児童クラブの入会児童の状況ですが、平成24年5月における市内75カ所の放課後児童クラブの入会児童は3,560人で、前年と比べて112人増加しております。また、待機児童は41人で58人の減少となっております。児童クラブへの入会児童者は、ここ数年におきましては市内全体として緩やかな増加傾向となっております。
次に、大規模な児童クラブの適正化についてお答えいたします。
本市では、国が策定した放課後児童クラブガイドラインを参考に、児童の安全と快適な環境確保に留意し、施設の整備や運営を行っております。多数の入会児童がいる児童クラブについては、クラブ室として使用可能な居室等がある場合には、できる限り2室に分割して運営することを基本とし、良好な環境の整備に努めております。
ただし、施設上の制約などから分割できないケースもあります。そのような場合には、児童クラブに配置している指導員の追加配置を行うなど、児童の安全面に配慮して運営を行っているところです。
最後の質問でございます。児童クラブの指導員の対応についてお答えいたします。
放課後児童クラブにおいて、各運営委託先が雇用し、児童クラブに配置する指導員が果たす役割は非常に大きく、本市としても指導員を安定的に確保する重要性は十分認識しております。そのため、これまでも指導員の賃金単価を引き上げや、主任手当の創設など、待遇の改善に努めてまいりました。指導員の待遇改善につきましては、今後も引き続き検討していきたいと考えております。
◯環境局長(杉山浩敏君) 家庭ごみの有料化に関します3点についてお答えをさせていただきます。
まずは意見交換会などを通して、市民からの意見をどのように受けとめているかということでございます。
意見交換会でいただいた御意見や市民意識調査の結果から、ごみの減量化やリサイクルの推進についての必要性については、多くの市民の皆さんに御理解をいただいていると考えております。
しかし、本市のごみ減量化の進め方につきましては十分な理解を得られておらず、市民の皆さんに意識から行動につなげていただくための施策の実施が必要であると認識をしております。
次に、では25年度、どのような施策を実施していくのかということでございます。このような認識から、平成25年度は市民の皆さんとの連携を深くすることに尽力していきたいと考えています。そのために、まずはごみの現状を知っていただくことが大切であり、その上で、具体的なごみ減量化の行動につながる施策を実施してまいります。
具体的には、新たなごみ減量化の数値目標の設定、ごみ減量化の具体的な実践方法、その減量効果等について、自治会・連合会等を対象とした説明会の実施、市民、事業者の皆さんの御意見を広く伺う場の設定、事業者に対しましても、商店街等関連団体への簡易包装推進の要請等、ごみの発生抑制につながる働きかけなどを実施してまいります。
最後に、有料化の前に分別の徹底や収集方法の一元化が必要ではないかということでございます。
ごみ減量化を進めていく上で、市民の皆さんに減量化と分別の徹底及び収集方法の一元化等の関係等について、十分な御理解をいただくことが大切なことと考えています。平成25年度に予定している説明会においては、市民の皆さんに対して、減量化の具体的な手法をお示しするとともに、さらなる分別の徹底をお願いしてまいります。
◯生活文化局長(三宅 衛君) 清水区生涯学習交流館についての2点の御質問にお答えします。
まず、交流館職員の賃金及び労働安全衛生における法の遵守につきましては、指定管理の業務仕様書におきまして労働関係法令等の遵守を定めており、指定管理者であります清水区生涯学習交流館運営協議会がこれを遵守していることを確認しております。
次に、社会教育主事の配置につきましては、生涯学習交流館の事業において、有用であると考えますが、法令上設置義務はありません。しかしながら、指定管理者の清水区生涯学習交流館運営協議会は、計画的に増員するよう努めており、本年度においても職員を資格取得の研修に派遣しております。
◯危機管理統括監(横山孝志君) 防災対策について2点の質問にお答えをいたします。
まず、静岡県第4次地震被害想定で示される津波想定に対する本市の対応ですが、現在、津波対策につきましては、平成24年8月に内閣府から公表された南海トラフ巨大地震による津波想定などを踏まえ、津波避難タワーの建設や津波避難計画、津波ハザードマップの作成を進めています。
静岡県より公表される第4次地震被害想定は、内閣府の想定をベースに推計していると聞いています。現に平成25年2月13日の中間報告で公表された津波高は、内閣府の想定と大きな違いがありませんでした。このことから、県が6月を目途に公表する最終報告につきましても、津波の浸水区域や浸水する深さに大きな差異はないと考えられます。
これらの情報を市民の皆さんに正確に伝えるとともに、引き続き現在実施している津波対策を進めていきたいと考えています。
次に、津波避難ビル追加指定の取り組み状況についてでございます。
平成23年3月に発生した東日本大震災を教訓に、津波避難場所の確保が喫緊の課題であるとして、津波避難ビルの追加指定を進め、112施設を指定しています。現在、平成24年8月に内閣府から公表された南海トラフ巨大地震による津波想定などを踏まえ、想定浸水区域内で津波避難ビルの要件を未対策と思われる施設の再調査を行っております。
今後、調査結果に基づき、施設所有者と交渉を行い、追加指定を進めることで、さらに追加避難困難区域の解消を図っていきます。
◯消防局長(松下 茂君) 防災対策についての2点の御質問についてお答えいたします。
まず、浸水区域内の消防団施設の津波対応については、建てかえ時期に地元消防団や自治会と調整を図りながら、円滑な消防団活動や安全面を考慮し、適地等の検討を進めてまいります。
また、団員の安全確保につきましては、大津波警報や津波警報が発表された場合は、団員であっても避難行動を最優先することとしています。
さらに、この区域内の団員約1,000人に救命胴衣を3年計画で貸与する予定であり、24年度は既に300人への貸与が完了しております。
次に、LNG施設の安全対策の現状についてですが、清水区にある3基の液化天然ガスタンクについては、高圧ガス保安法に基づき、県の設置許可を受け、建設されたもので、耐震設計を初め液状化対策や津波対策が講じられております。消防局としましては、LNG施設は石油コンビナート等特別防災区域内にあることから、特殊消防対象物として位置づけ、施設の自衛消防隊と連携し、定期的な訓練を実施しております。
また、震災後、国では高圧ガス施設等の地震・津波対策の強化について、耐震設計基準の見直し、津波到達までの間に設備を停止し、高圧ガスを封じ込める機能の義務づけなどについて、法制化が検討されていると伺っております。
◯都市局長(松本昌作君) 木造住宅の耐震化の補助拡大についてお答えをいたします。
木造住宅の耐震化対策は、平成19年度に策定した静岡市耐震改修促進計画において定めた27年度末の耐震化率90%に向かって、24年12月末現在約85%とおおむね順調に進んでおります。この目標達成に向け、財政状況が厳しい中ではありますが、わが家の専門家耐震診断事業、木造住宅耐震補強事業など必要な施策を平成25年度当初予算に計上いたしました。また、国において、耐震対策緊急促進事業の創設が予定されるなど、その効果が期待されるところですが、引き続き国、県へさらなる補助制度の拡充等を要望してまいります。
今後も市民の生命(いのち)、生活(くらし)を守るため、建築関係団体と連携し、支援体制の強化を図るなど、耐震化率のさらなる向上に努めてまいります。
〔17番内田隆典君登壇〕
◯17番(内田隆典君) 最初に国保ですけども、今年度は3割も低所得者が値上げになって、払いたくても払えない、4世帯に1世帯が滞納せざるを得ないという状況が生まれていると。20の政令市の中で、今静岡市が一番高いところになりましたよということなんですよ。
今回は、利用料というか使用料というか、値上げなんかも提案されているんですけども、政令市になって10年を迎えようとしているんです。市長も御案内のとおり、極力負担をかけないというのが約束事だったんですよね。合併し、政令指定都市になれば、行政水準は高いほうに合わせて、負担は極力抑えると言うんだけども、毎回毎回値上げになって、低所得者はことしは3割値上げとなり、もう払えないような状況なんですよ。確かに13億から20億に上げたわけですけども、それでも3割値上げになっている。いろいろな格差があるとか、他の医療機関とかいろいろありましたけども、ここはやっぱり負担をかけないように、やはり局長ではなくて市長が判断をして、高くて一番ですから、大変なことなんですよ。ここはやっぱり配慮していただきたいと思います。
それから、家庭ごみの問題でありますけども、局長から25年の施策について市民の皆さんに現状を知っていただき、数値目標なんかも示しながら、自治会に細かく説明をしていきたいと、それなりに言っていることはわかるんです。
ただ、気になるのは、意見交換に出されているやるべきことをやってからという問題や、当初、5回の取り組みの中で市が示したのは、有料化でごみの減量を図ろうじゃないかという、そこが中心にあるわけですから、それで皆さんは心配しているわけですよね。やり方が、ありきでなければ、ほかの進め方もあったんじゃないかと。私は、今の局長の答弁を聞いていますと、確かに今までの5回の説明会や市が答えてきたのと若干ニュアンスとしては違うのかなという感じを受けました。しかし、今までの説明会は、有料化前提じゃないと言いながら、結局は有料化前提に話を進めている。行政の人たちは話が上手だから、気がついたら有料化を前提に進めた、これが今までの流れなんですよ。行政側が有料化なんて考えなければ、そういう提案をしなくてもいいんですよ。
だから、多くの市民の皆さんは、市は有料化を前提としているよと、5回ぐらいの説明会をしたって、まだまだそんな疑問は解けていませんよ。行政がやりたいと一回言ったらなかなか聞かないというのは、みんな知っているんだから。今までそうなんだから。
それで、私は、担当者も見ていると思うんですけれども、有料化しているところとしていないところの、どんな状況になるか調べてみましたよ。
2001年と2010年とのごみの減りぐあいで、無料の神戸市では56%の減量、大阪市では69%の減量、一方、ごみ減量の市、これは京都市が64%、札幌市が67%の減量となっていると。必ずしも、ごみ減量をしている自治体が有料化ですばらしく減量になっているという、そういうことではないわけですよ。この資料を見る限り。そうだとすると、負担をかけないで分別や収集方法の徹底をしながら、今、局長が言われたように住民の皆さんに協力いただきながら、市の現状を説明してやっていくと、有料化を前提にしなくて、そういう形でやってくれればいいんですよ。
ただ、気になるのは、清掃対策審議会が開かれますよという説明をしています。その清掃対策審議会の中で、有料化を前提とした審査にするつもりはないのか、これが気になるんですよ。説明はずっとしながら清掃対策審議会は開くよと。議論をしてみたら有料化だと。これでは困るわけで、そこははっきりしていただきたいと思います。
公共料金の使用料の見直しについてでありますけども、受益者負担の原則とかいろいろ言いますけど、利用者に負担を押しつけることばかり考えてやらないでほしい。それで、これまた理屈をつけて、さっき私が質問した法人税の課税についてはやらないと。それで住民には受益者負担とか言いながら、負担を押しつけるというやり方。これはやっぱり検討をすべきじゃないんですか。どうも負担ばかり押しつける。
次に生活保護についてです。
今、答弁がありましたように、ケースワーカーの担当世帯数は100にもなっているということで、3カ月か6カ月、問題がなければ、そういう形で対応していくというんだけども、なかなか100世帯の人たちの対応をするというのは大変だと思います。そういう点で、経験豊富な職員を含め、生活保護行政を対応していただくと。そういう点では、職員の確保を十二分にしていただきたいと。考え方を伺っておきたいと思います。
それから、生涯学習交流館の問題でありますけども、社会教育費の問題を私は聞きました。
◯副議長(田中敬五君) あと1分で終了してください。
◯17番(内田隆典君)(続) 法令の義務はないと言われまして、それはそれでいいんですけども、私は、これを指定管理者にするときは、職員の皆さん、社会教育主事もふえて、それで指定管理者になったら、この生涯学習交流館が地域の人たちに喜ばれてという、そういう形で説得をしながら、1年たってみたら何もふえていないという問題なんですよ。これは、改めて前に進めていただきたいと。
それから、この問題では、地震対策の問題を私は指摘してきましたけども、1年間たってしまいました。仕様書で対応すると言うんだけれども、されていないんですよ。仕様書で対応されていない。1年たって問題点を指摘されながら、何もされていないということですから、ここの辺もきちんとやっていただきたい。本当に、管理したら終わりでは困るんですから、せっかくですから、言っておきますけど、よろしくお願いします。
◯環境局長(杉山浩敏君) 有料化制度の導入ありきで審議会に図るつもりではないのかというお尋ねでございます。
有料化制度の導入に関しましては、多くの市民の皆さんの理解を得ることが重要と認識しています。
したがいまして、現状では有料化制度の導入ありきで清掃対策審議会に図ることは考えておりません。
◯総務局長(小長谷重之君) 利用者に負担を押しつけるべきではないと考えるがどうかという御質問についてお答えさせていただきます。
今回の使用料見直しにつきましては、さきに答弁をいたしましたとおり、一律に改定を行う取り組みではありません。改定をする場合であっても、施設の性質に応じて、管理運営経費のうち、利用しない方も含めた広く市民の皆さんに負担していただく税などの割合と、受益者である利用する方に限定して負担していただく使用料の割合を適切にするものと考えております。
また、利用者の過度の負担とならないよう、改定限度額を定めるなど激変緩和措置を講じるほか、利用率の低下を招くおそれがある場合や、類似施設における使用料と均衡がとれない場合は、改定額を調整することで、適切な使用料を算出することとしております。
◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 職員の増員についてですが、生活保護世帯の増加に伴いまして、平成20年度から23年度まで、合わせて20名のケースワーカーを増員してまいりました。また、平成24年度は初めて任期付短時間勤務職員を10名採用し、増員を行っております。さらに平成25年度につきましても、生活保護受給者の支援のためにはケースワーカーの配置は重要なことから、任期付短時間勤務職員10名程度を採用し、増員を図る予定であります。