日本共産党市議団を代表して、市長が示した施政方針の行財政運営や22年度予算案に対して質問をしていきます。
本市は、22年度が初年度となる2次総において、世界に輝く「静岡市」を目指すという方針を示しました。本市が輝くためには、まず、その前に、今苦しんでいる市民の暮らしや地域経済の現状を打開することが先決だと私は思います。
基礎自治体の役割は、地方自治法でうたわれていますように住民福祉の増進にあります。ここに自治体が目指すべき方向があります。この方向を基本にして、私たち党市議団は、目指す静岡市の姿とその政策の柱を、市民要求をもとに通告しました第2項から9項までの8本で提案をしています。この具体的な中身に入る前に、まず、1回目で市長の基本姿勢についてお聞きしておきます。
1点目は、施政方針でも2次総でも強調されている地方政府と基礎自治体のあり方についてです。
民主党政権と財界が主張する地域主権の確立ということは、基礎自治体の規模を拡大して、国の出先や県の事務事業を基礎自治体に移して、道州制につなげるというものです。
市長が目指す地方政府の確立ということが、この流れと同じ方向だとすると、ナショナルミニマムに対する国の責任の縮小ということが問題になってくるのではないか。また、税のあり方も研究していくということがセットで言われていますから、今、地方交付税が果たしている自治体間の財源調整機能や財源確保機能が、もしこれで失われていくことになれば、税源の偏在によって基礎自治体間の大きな格差が生まれる可能性もあり、また、存在できない自治体すら生まれる可能性も出てきます。
今回、政府の第1次地域主権一括法案では国の義務づけを自治体の条例にゆだねる方向ですが、地方自治のための権限や財源が基礎自治体に移されるということであればいい方向ですが、しかし、自治体間で住民サービスや負担などで大きな格差をもたらすことになるのなら、先ほど言いました住民福祉増進という基礎自治体の使命を果たす上で、非常に大きな問題となってきます。
市長は、地方政府の確立で何ができるのか、住民福祉の増進にどう結びつくことができるのか、目指す基礎自治体の姿をどのように描いているのか。今、述べたような幾つかの問題点についての問題意識、基本的な考えをはっきり示していただきたいと思います。
2点目は、税と社会保障の本来のあり方と、格差と貧困を是正するために自治体としてどう対応するのかという問題です。
OECDによると、この10年間で主要28カ国の中で、日本だけが労働者の収入がマイナスになり、貧困率も15.7%とワースト4位、さらに、税金による所得の再配分効果が最も小さく、社会保障による所得の再配分効果もワースト3位という報告がされています。
これは、前政権のもとで、庶民には増税、大企業・大資産家には減税がされて、同時に社会保障費が大幅にカットされるというもとで、この格差と貧困が大きく広がって社会をゆがませてきたわけです。ですから、この税金と社会保障による所得の再配分と格差是正という本来の役割が、今、機能していない現実があります。これをもたらした前政権が国民によって倒されましたから、この税と社会保障を本来の姿に取り戻すことが、国政でも地方政治でも、今、真剣に求められています。
この税の民主的原則である生計費非課税、応能負担、所得の再配分機能を堅持・強化すること、また、社会保障費の充実によって所得の再配分機能を強化することについて、市長は、かじ取り役としてどう考えて、基礎自治体でどう対応しようとしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
3点目は、暮らしと地域経済を守るという政治姿勢についてです。
施政方針では、この立場については語られていません。市民は今、払いたくても、税も保険料もたくさんの方が払えず、160億円もの滞納を生み出すほどになっています。基礎自治体は、暮らしも経済も厳しいときこそ、住民の暮らしを守る防波堤の役割を果たさなければいけないと思います。ここに一丁目一番地があると思います。この姿勢を市長は持っているのかどうか、はっきり答弁で示していただきたい。
4点目は、市長のその政治姿勢があらわれる22年度の予算編成についてです。
財政には、今言いました所得の再配分機能があります。財源をどこから生み出すか、どの分野を予算で重点化するかというのが問われます。
私たち党市議団は、各政令市の当初予算案や決算を取り寄せて比較分析をしていますけれど、手元にある08年度決算と22年度当初予算案を見ると、本市は、歳入に占める市債依存度が15.9%と政令市の中では一番高く、歳出に占める民生費、暮らし・福祉の割合は27.6%とこれは最低レベル、地域経済のための商工費も2.0%と最低、土木費は減ったとはいえ21.5%と最高レベル、教育費もここ数年下がり続けて、03年は13.5%の構成比があったのが、来年度7.5%に大きく落ち込むという事態です。
こうしたところに市長の政治姿勢の基本姿勢がくっきりあらわれていると思います。世界に輝くと言いながら、このような予算ではどうして輝くことができるのでしょうか。暮らしや地域経済をしっかり応援する姿勢が極めて不十分な予算になっていると思いますが、その点の考えをお聞かせいただきたいと思います。
以上、1回目です。
◯市長(小嶋善吉君) お答えをいたします。
まず、今、冒頭、地域分権の話を、地域主権の話をされましたが、ちょっと私と考え方が違うんじゃないかなと感じておりまして、その辺をちょっと述べさせていただきますと、まず、地方分権改革が言われた1つの大きな発端、きっかけは、ほぼ戦後四、五十年たってナショナルミニマムは達成されたと、その上でできるだけ地域の自主性を取り戻すために、国がいろいろ地方に対して関与していることをなくして、地方が自主的にいろんなことができるように、そういう方向を目指そうということが、地方分権改革の1つの流れだったというふうに思います。
ただ、私は、地方分権、地方分権と言っても、ただ国から地方へ権限を委譲するばかりではなくて、今、地方がやっている仕事で、まさにナショナルミニマム達成のために、地方がやっている仕事を国が一括して国の責任においてやるという考え方も、分権改革の考え方に一部入れるべきであるというふうに、実はかねがね思っていました。
それは、例の生活保護の問題、あるいは医療保険、医療の問題ですね。これは、まさに国が地方に任せている部分を、国が引き受けて、国民にひとしくその辺の社会保障のサービスを受けられるようにするのが国の責務であると。それを一部地方に任せていることはおかしいというのが、私の1つの考え方でずっと来たわけであります。
これから地域主権改革という言葉に変わっていくわけです。地域主権というのは、御存じのように、国の主権と地域主権との関係は非常に難しいです。したがって、地域主権改革という言葉にして、地域にできるだけ権限を移そうという、そういうことです。そういう方向を、1つのムーブメントですね、それを今度の原口大臣も、地域主権という言葉では、まさに国の主権との関係は非常に微妙になるものですから、改革という方向にしたそうでありますけども、そういう流れで、単に地方に、地方にではなくて、国の責任においてやることもやはり、かえって地方がやっていることを国に全部戻すという考え方もあるだろうというふうに思っています。
それと、地方によって、小さい自治体、大きい自治体でいろんなサービスの差が出てくるんじゃないか、まさに、それを調節するのが交付税機能でありまして、これは、全体の税が減っていけば交付税の原資も減っていくわけですけど、これはやはり最低限の基準財政需要額というんですか、地方における、それをやはりきちっと位置づけて、国の交付税の機能を生かして保持していくというのも、これも地方の時代だと思います。
さらに、その上で、地方が自由になる財源を持って、いかにその地域のニーズに合ったサービスを展開していくか、これはまさに地方の判断で、裁量でされる幅が大きければ大きいほど私はいいというふうに思っています。それが、これから我々が目指す分権社会になっていくんだろうというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
そういう考えのもとにお答えをいたしますと、地方政府として目指す基礎自治体のあり方でありますが、現在の地方公共団体が名実ともに地方政府となるためには、自治行政権、自治財政権、自治立法権を具備することが必要でありまして、その権能を活用して、地域の判断で、地域の課題を、みずからの責任と負担において解決していくことができるようになることだと思います。
御案内のように、市は、市民に最も身近な基礎自治体でありますので、市民ニーズに密着した各種の行政サービスを提供し、究極には、市民福祉の向上につなげていくことは当然の責務であると考えております。
施政方針における市民の暮らしと地域経済を応援する姿勢はどのようなものかということでありますが、ちょっと具体的な話も含めて述べさせていただきますが、これまでも、市民の皆様の安全・安心を守ることを第一に市政を運営してきたつもりであります。昨年の新型インフルエンザの流行、景気の低迷による生活不安、駿河湾沖地震の発生などによりまして、その思いを改めて強くしているところであります。
昨年9月には政権交代があったところでありますが、平成22年度は第2次総合計画がスタートする年でもあります。住民に最も近い基礎自治体として、今後とも安全で安心な暮らしを守っていくという強い決意のもと、2次総のテーマであります世界に輝く「静岡」の創造に向けて、現在の厳しい状況を打破し、本市を元気で生き生きとした、そして名実ともに存在感のあるまちとすべく、市民の皆様とともに全力を挙げて取り組んでいく所存であります。
◯財政局長(諸戸修二君) 2点についてお答えを申し上げます。
まず、税と社会保障の本来のあり方と格差、貧困の是正への対応という御質問でございますけども、現行税制が社会保障などの必要な財政需要を賄いますのに必要な租税収入を確保することということが満たせなくなっているという指摘がございます。そうしたことから、支え合う社会の実現に必要な財源確保のため、税制改革と社会保障制度改革とを一体的にとらえまして、その改革を推進をするというふうにされているところでございます。
中でも、税制改革につきましては、国と地方の役割分担を踏まえますとともに、地方が自由に使える財源を拡充するという観点から、国税と地方税を一体とした議論が必要だというふうに考えております。
所得再分配の強化ということでございますけども、国の平成22年度税制改正大綱におきましても、所得税におきますこれまでの累次の改正によりまして、その所得再分配機能あるいは財源調達機能が低下をしてきているという現状を踏まえまして、所得再分配機能回復をいたしますとともに、所得税の正常化に向けて税率構造の改革等を推進するとされているところでございます。
今のこの所得再分配ということにつきましては、総体的な意味においてでございますけども、国税はより応能性が重視をされるべきというものでございまして、一方、地方税はより応益性が重視されるべきものであるという相違にも留意をする必要があると考えております。いずれにいたしましても、今後の議論の動向を注視してまいりたいと考えております。
続きまして、22年度予算の関係でございますが、本市におきましても、生活保護費を初めといたします扶助費の増加に加えまして、景気低迷の影響を大きく受けまして、市税収入が2年続けて大幅に減少する見込みでございます。こうした中、簡素にして効率的な行財政運営を旨とし、さらに徹底した節減、合理化を図りますとともに、第2次総合計画の初年度に臨むに際しまして、財政の健全性の確保に留意をしながら、本市の着実な発展を目指して、必要な施策事業に取り組んでいく必要があると考えております。
このため、世界に輝く「静岡」の創造に向けた第2次総合計画の始動、安全・安心なまちの実現、新たな成長産業の創出、国と地方の枠組み変化への対応、以上の4つの柱を掲げて、予算編成に当たりましては、これらに資する施策事業に重点的に予算を確保したところでございます。
以上でございます。
〔31番山本明久君登壇〕
◯31番(山本明久君) 市長の考えにあったナショナルミニマムの問題は、これは、社会発展と国民の努力によるレベルの向上がどうなのかという問題と、基本的には、市長もおっしゃったように、国のところでしっかり確保しなければいかんレベルがあって、それが今、そういうレベルに達していなくなっているんじゃないかと、ここをどうするか。それは当然、国の責任で市の責任。それをするために、今、提起されている地方政府論というのは、国と地方のあり方を今の憲法のもとで変えようという議論ですから、ここは極めて慎重に、住民としっかり、どういう基礎自治体があるべきかというのは、これから大いに議論していきたいと思います。
2回目は、本市が目指すべき市政の姿について、先ほど言いましたように、極めてたくさん寄せられている市民の切実な要求をもとに私たちは8本の柱にまとめたわけですけれども、時間の制約で、そのうちごくわずかしか取り上げられませんが、それぞれの柱について幾つかの項目で質問して、現在の市政運営の問題点も明らかにしながら、その転換を求めて、あるいはまた、より積極的な提案もしていきたいと思いますので、それらに対する当局の答弁を示していただきたいと思います。
第1は、暮らし・福祉最優先の市政です。
安心して暮らせることが、これはもう一番大事ですが、これが今一番脅かされていると思います。ですから、基礎自治体が、この脅かされている暮らしをどう守るのかということに、これは最優先の課題として取り組むべきではないかということです。市長も、頑張っているよという考えは示されました。
そこで、その1点目は、市民の命と健康を担っている国民健康保険についてです。
この大きな問題は、今、国保料が高過ぎて市民の方が払えなくなっているということです。しかし、そんな中、市は22年度予算案で、この国保料を引き上げるという提案をしてきました。これはもうとんでもないことです。撤回すべきです。
市民の3分の1の世帯が加入して、健保の人も退職すれば家族の皆さんも皆国保。高くて払えない保険料は、今、市民全体の問題になっています。加入世帯の4世帯に1世帯に及ぶ約3万世帯が払えなくなっていると。何とかしなればいけませんが、市民の安全・安心を最優先するというなら、この現状をどう認識して、どう解決していくのか。そのために、要因をどう分析しているのか、まず、この認識をお伺いしたいと思います。
そして、保険料を払えるように引き下げるには、国保は法律で社会保障という位置づけがありますから、これは大もとの国庫補助金、これをもとに戻すよう政令市も要望していますが、これが実現するまで市の責務として財政支援をしていくことが、今どうしても必要です。ですから、ここに優先して先ほど申しました予算をつけるべきです。
本市は、他の政令市平均の3分の1の額しか財政支援をしていないという実態があります。ですから、大幅に支援をふやすという努力を全力を挙げて行うべきではないか、この考えについて示していただきたいと思います。
さらに、保険料の法定軽減というもとでも、先ほど言いました滞納です。特に低所得層の滞納が大半を占めていますから、国保条例第31条で規定された申請減免が、滞納世帯数から見るとわずか1、2%の300件から400件ぐらいしか行われていないという実態があります。ですから、減免を受けたくても使いにくい、ハードルが高いという問題があります。所得基準の緩和や、例えば収入が生活保護基準以下という方には、もう免除するとか、恒常的な低所得者層という人には、条例の特別の事情を使って減額する、こういう減免の拡大を今こそすべきだと提案しますが、どうか。
2点目は、子ども医療費の助成についてです。
これについては、我が党市議団は70年代から、お母さん方と一貫してこの運動に取り組み、議会でも求めて、そして市も努力されて、だんだん助成が拡大してきました。県も努力されて中学生まで無料化が広がってきました。全国の自治体でも広がるこの助成制度を国の制度とすることというのは、今、本当に切実です。市も求めていると思いますが、これは、私たちも一緒に市と国に求めていきたいと思います。
しかし、さらに本市としても、中学生まで入通院も窓口負担を基本的に無料にするように、ぜひ努力をしていただきたい。どういうふうにする考えか。その際に、やっぱり財源の問題がありますから、どれほど財源が必要になるか、また、県の補助はそのうちどれぐらい占めようということになるのかということも示していただきたいと思います。
3点目は、介護保険など高齢者の負担軽減についてです。
介護保険も、サービスを使いたいが施設がない、利用したくても負担が重くて利用を抑えているという問題があります。特養ホームには、今、本市でも2,000人が申請をして、待機をしています。わずかな年金から介護保険料が引かれて、施設が不足して入れないし、家族も本当に大変です。この現状を打開しなければいけませんが、その現状の認識と、どう打開していくのか、展望をぜひ市が示していただきたいと思います。
そのためにも、特養ホームへの国の補助金というのが一般化されていますけれど、これは、やっぱりこういう部分には特定の国の補助というのはどうしても必要だと思いますが、これは一緒に求めていかなければいけないと思います。
利用料負担についても、低所得者で暮らしが本当に厳しくて利用料負担が耐えられない人には、市も努力されていますが、軽減策をさらに拡充して、利用料は大体ランクによっては5,000円から4万5,000円ぐらいの、基本的な標準はそうで、それから軽減はありますが、さらに、それでもなおかつ大変だという人には、軽減策をさらに拡充して、安心してサービスが受けられるようにすべきだと思いますが、どうするのか。
また、本人と家族の負担を軽減できて、しかも市の財政出動が要らないという手があります。それは、要介護認定者が、障害者控除対象者認定書の交付を市に申請すれば、障害に準ずる者として所得税や住民税の控除を受けられるようにすることです。
市は、今この点、寝たきりや痴呆の方に限っています。非常に不当に狭くこの交付を抑えています。国税庁や総務省の法令と通達に基づけば必ず拡大できます。市の対応を改善するよう提案しますが、どういう考えか。
4点目は、保育所の増設や児童クラブの充実についてです。
安心して子育てができる施策の充実というのは、子供の成長する権利、発達する権利を保障することでもあります。そのために保育所の待機児童の解消や、今125%まで詰め込まれている現状を打開して、ゆとりある保育面積を確保するために、これは、やっぱり基本的には保育所を増設すべきだと思いますが、どうするのか。
また、本市の保育事業を市と同じように担っている民間保育所では、保育士給与の公私間格差が歴然としてあり、民間は約6割程度しかありません。これも改善がどうしても必要な問題ですが、どうしていくのかお答えいただきたい。
また、非常勤保育士の待遇についても、同等の仕事をしてクラス担任を持っていても格差が大きくあります。その解決のために基本的には正規職員にしていくことが必要だと思いますが、どうするのか。
また、児童クラブでも、市の公的事業として放課後の子供の生活を守っているわけですが、その指導員皆さんがパート待遇というのは、非常に大きな問題です。正規化と待遇の改善がどうしても今、必要ですが、どういうふうにしていくのか。
そして、児童クラブの利用については、原則3年生までに制約していますけれど、それは、その役割から見て問題です。待機児童をなくして、原則として希望するすべての学年児童に拡大するように提案していきたいと思いますが、どういうふうにしていくのか、お答えいただきたいと思います。
5点目は、生活保護の実施体制の改善です。
格差と貧困が構造改革路線で政治的につくり出されて、国民年金だけでは暮らせないし雇用も破壊されているというもとで、健康で文化的な最低限度の生活を保障するために、最後のとりでである生活保護というのは、これからますますその役割が大きくなってきます。
しかし、申請や開始は今、昨年比で6割から7割ふえているというもとで、受給世帯にとっても支援を受け持つケースワーカーの役割というのは非常に大きなものですが、しかし今、ふえているにもかかわらずワーカー1人当たりの受け持ちが標準80世帯から、本市では110人を受け持っているという現状では、これはもう自立に向けた相談すらできないという状況が生まれています。
この現状を打開するためには、ワーカーの増員というのは切実ですが、どうしていくのかお答えいただきたいと思います。
6点目は、市営住宅の充実です。
私たちは、住まいは福祉だと考えています。年金生活者も労働者も自営業者も、皆さん収入が減って、食費も削るというもとで、家賃が少しでも安い公営住宅に申し込んでも、倍率は十数倍という現状で入れない事態です。安心の住まいである市営住宅の増設というのは、今、本当に切実です。しかし、政府も市も増設しないという方針でした。これは、しかし、間違っています。増設するように見直すべきですが、どうするのか。
そしてまた、収入が減っているもとで家賃が払えない人もふえています。家賃の減免制度が市営住宅管理条例第13条に規定されていますけれど、しかし、これが活用されているという話は余り聞きません。
この減免の現状と減免の制度の周知をどうしているのか、そして、条例に規定する収入の減少や特別の事情のこの基準を緩和して、もっと活用できるように提案していきますが、どう対応するのかお答えいただきたいと思います。
第2の柱は、元気な地域経済を市政の重点にすることです。
2次総の策定資料でも、これは昨年も指摘しましたが、市内の商工業・農林業の衰退というのは指摘されています。ここ数年で事業所数は市内で4,300減り、従業員数も2万7,000人減っていると、商品販売額も3割落ち込み、製造品出荷額も県内都市と比べて大きく落ち込んでいると。ここを打開しない限り世界には輝けないと思います。
経済は暮らしの土台ですから、今こそ地域経済を支えている第1次産業から第3次産業を応援して振興することに、これは本当に強く力を入れる必要があります。この各産業を応援して、地域内で生産も雇用も消費も伸ばして地域経済全体を活性化していくために、私たちは、地域産業経済振興基本条例を制定して産業政策の背骨にしていくべきだと提案しますが、これは私たち団では既に案文をつくっていますが、ぜひ当局でも策定していただきたいがどうか、これは1点目です。
2点目は、地域経済を支えている中小零細業者の仕事づくりに行政が積極的に取り組むことです。例えば、市の外部団体も含めて行政機関が発注する小規模の修繕などを、あらかじめ地域の登録した業者に順次発注して仕事を回していくような小規模事業登録制度の導入です。そしてまた、住宅リフォーム助成制度も、今、全国の自治体で大きく広がってきています。県レベルでも導入されて、地場産材使用を条件にしている自治体もあります。どの自治体でも、経済波及効果は助成額の10倍以上あるという結果になっています。この条例化を目指している政令市も出てきています。
こうした経済効果が試され済みの制度を、本市が地域経済活性化策としてまともに導入することを提案していきますが、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
3点目は、農林水産業の振興についてです。
私たち共産党もこの間、全国の農協、森林組合と懇談をして、産業の再生に向けた話し合いを進めてきています。これらの産業は、これからの資源循環型社会の構築や低炭素社会の実現にとって、大きな役割を果たす産業です。同時に、国民の食料確保に不可欠な産業です。いわば地域と国の基幹産業と位置づけられることですから、地域経済にも大きな役割を担っています。
これらは、地域循環型であり、資源循環型であり、環境保全型という特徴を持っていますから、こうした特徴を本市でもしっかり振興策に生かして、もっと強力に予算もつけて進める必要があると思います。
そのために、そういう役割をしっかり位置づけることがまず第1ですが、そういう位置づけと振興策をどう図ろうとしているのかお答えいただきたいと思います。
また、家族経営で再生産が可能な農業収入を保障するためには、価格保証と所得補償を組み合わせる必要が今切実にありますけれど、政府は今、農家への戸別所得補償をやろうとしていますが、本市としては、これを茶等の農産物にも拡大するように農家と一緒に求めてはどうか。
さらに、市街化区域内農業については、市も国もしっかり支援しようという立場ですから、農地を維持するために、生産緑地の指定基準である面積規模を緩和するように国に要望し続けていくことも大事だと思いますが、どうしていくのか、考えを示していただきたいと思います。
第3は、住民自治、地方自治を発展させることについてです。
国の方針に沿って、この間、基礎自治体の合併が進められて大きくなりましたけれど、それが本当に住民自治、地方自治の発展につながっているでしょうか。合併は最大の行革と喧伝されましたけれど、その結果、職員も生活密着の住民サービスも削減されて、基礎自治体の役割も削減されてきているのではないでしょうか。
前政権による構造改革路線、行革推進法による自治体締めつけというのは、地方を疲弊させて地方自治をゆがませたと私たちは見ていますから、ここからの脱却が今こそ本市にも求められています。
そこで、1点目は、この間、国の言いなりになって自治体リストラのための集中改革プランと民営化路線を進めて、定員管理計画で職員削減を進めて、それが住民サービスを担う分野が不足するということを、非常勤職員でカバーするという手法がとられてきました。それによって、ワーキングプアが公共の職場で生まれるという事態が社会問題になってきています。
基礎自治体の役割と地方自治にとって、こうした手法というのは明らかに矛盾しています。今こそ定員管理計画を見直して非常勤化を見直すべきだと思いますが、どうしていくのか、考えを示していただきたい。
2点目は、基礎自治体の役割を保障する財源について、再配分機能を強めるためにも、これは応能負担という立場で、能力ある大企業への法人市民税の超過課税を、これはもうほとんどの政令市が実施していますから、これまでも繰り返し求めていますが、本市でも実施するよう改めて今こそ求めたいと思いますが、どういう考えか示していただきたい。
3点目は、地域主権を言うならば、政令市で一番住民に身近な区役所に権限、財源、仕事をもっと拡充していくことだと思います。しかし、区の魅力づくり事業は、22年度予算で一律5%カットされていますけれど、これは逆に大幅にふやすべきです。そういう考えがあるかどうか、これがこの方向だと思います。
そして、これからは、都市計画や清掃、経済部門なども区役所でできるように権限や事務委譲を進めていくように提案しますけれど、どうか。そのためにも定員管理計画というは見直さなければいけないという問題になってきます。
第4の柱は、子供の貧困への対応と、どの子供にも行き届いた教育の提供についてです。
今、親の経済格差が、子供の教育格差から健康格差にまで広がってきています。そうした事態をなくすことが行政と政治の責任となっています。
そこで、1点目は、30人以下学級の実現について、これも私たちは一貫して求めてきましたけれど、この際、前向きに検討されているかどうか、その姿勢を示していただきたい。
県が少人数学級に向けて一歩前へ進みましたけれど、総額裁量制という枠の中ではありますが、この県の取り組みの評価についてもお聞かせいただきたいと思います。
2点目は、就学援助の改善についてです。
本市の就学援助率5%というのは、政令市平均が17%ですから、なぜそんなに低いのか、差が生まれるのか、取り組みに差があるのか、条件の差なのか、この要因はしっかり分析していただきたいと思います。
認定の条件である収入基準については、他の自治体でもやっているような保護基準の1.5倍ぐらいに緩和することや、制度の周知についても、これは実際どのように周知しているかお答えいただきたいんですが、仮に制度を知っても、自分が対象になるのかどうかという点では、もっと親切に、こういう基準で、モデルケースで、収入基準でなりますよということを示す必要があると思いますが、どういうふうにしていくのか。
3点目は、これと関連しますが、小中学校でも教育費の保護者負担の軽減をするということです。
日本の子供の貧困率が13.7%に達しているもとで、昨年もこの問題を取り上げましたけれど、教育委員会は、今は最低限の負担だという認識しか示されませんでした。しかし、「子どもの貧困白書」では、文科省の学校基本調査をもとにして、公立の小学校1年生で年間35万円、中学1年生で48万円と出ています。
貧困が教育費を削って、それが教育の機会均等や子供の発達権にもマイナスの影響を及ぼさないかどうかというのは、非常に今、社会的に心配されていますから、だからこそ、負担の実態調査をして、軽減への取り組みを進めることが、今、真の教育的立場と考えますけれど、どういうふうに考えているか。
4点目は、清水区の学校給食における単独調理場方式の存続についてです。
現にまだ実施されており、保護者の中にも、この方式の教育的効果から存続を強く求める声があります。衛生基準に基づいて設備を学校ごとに切りかえていけば可能なわけですから、この方式をなくさないように今の方針を見直すべきだと思いますが、どうか。
5点目は、学校司書の充実についてです。
このことも一貫して求めてきましたけれど、学校司書の活動が大きな教育的効果を上げていることは、もう実証されています。ですから、11学級以下の学校にも配置するとともに、その教育的な活動を保障するために、学校司書の正規職員化を提案しますけれど、どうか。ここでも、定員管理計画の枠が問題になってきます。その見直しが切実です。
第5の柱は、資源循環型社会の構築と災害から市民の命と財産を守ることです。
私たち党市議団は、昨年、ごみゼロを目指す徳島の上勝町を視察してきて、34分別、資源化率90%という取り組みを学んできました。
当然、そっくりまねはできませんが、市民の理解と協力を得て、ごみ排出を大幅に減らして、資源を豊かに生かすために自治体でできることはやっていくべきだと、これはもう実感してきました。ですから、本市でもこれから新しい一般廃棄物処理基本計画で減量化を進めていくわけです。
私たちは、その可燃ごみの質量で4割を占めている生ごみの分別と、それを農業の資源に生かすという取り組みや、今ざるになっている食品リサイクルを徹底させていく、実効ある取り組みを進める。
そしてまた、ごみの4割を占める事業系ごみ、これはもう協力を求めて排出抑制、こういうことをしていけば、18年度比で3割程度は減量できるんじゃないかというふうに提案していますけれど、当局は、その目標と分別資源化の徹底というのはどういうふうにしようとしていくのか、これが1点目にお聞きしておくことです。
2点目は、資源循環型社会、低炭素社会の実現というのは、これはもう人類共通の課題ですから、本市においてもCO2削減目標を全体に持っていますから、必要なのは、目標達成に実効ある取り組み、強力な指導というのはできないにしても、実効ある取り組みを自治体としてどうするのか。ですから、大きな排出源、企業などにどう対応していくのか、これを、この姿勢を示していただきたい。
3点目は、地震から市民の命と財産を守るための木造住宅耐震補強工事への助成を拡大することです。
私も15年前の阪神・淡路大震災で、発災直後に現地に入って救援ボランティア活動をやってきましたけれど、住宅が軒並み倒れているという実態というのは、非常に残酷なものでした。
ですから、本市もこの間、補強への助成を拡大してきているというのは大いに評価したいと思います。しかし、まだ昭和56年以前の耐震性が弱い木造住宅というのが、市内に数万棟ありますから、22年度予算のペースでいけば、あと100年たっても、そのうちに東海大地震が来てしまうというおそれもありますから、そうならないために、いつまでに、どこまで耐震化の目標を進めようとしているのか。ですから、ピッチを上げて、もう早く目標達成をしていくように、今後も引き続いて、さらにその助成拡大に取り組む必要があると提案しますけれど、どうしていくのか考えをお聞かせいただきたい。
第6の柱は、市民が身近に楽しめる文化・スポーツの振興についてです。
ここは端的に、市民の皆さんが、だれもが身近に、気軽にスポーツを楽しむためには、利用できるスポーツ広場などが各地に整備されていくことが切実に求められていますし、市民の方の要望も強くありますから、これをどういうふうにしようとしていくのか。
また、草の根で文化活動を楽しむ市民が、気軽に利用できる小規模の、例えば100人から300人程度のホールが欲しい、練習でも公演の場でも欲しいという声もあります。このような施設の整備については、どのように考えているのか、それぞれお聞かせいただきたいと思います。
第7の柱は、大型箱物や開発の見直し、市民本意のまちづくりについてです。
1点目は、東静岡地区市有地の活用については、今、市民的議論をすべきだという提案です。
近くにアリーナ機能を持つグランシップがあって、体育館もあると、しかも市民からあそこにアリーナがどうしても必要だという、そんなに強い大きな声も起こっていない。そういうもとで副都心部の貴重な広大な市有地ですから、その活用は、市民が一番望む使い道を市民の声をもとに決めていくことが、市民が中心の自治だと思います。
県に、あそこを使ってくださいという性格の土地ではありません。貴重な市民の土地です。ですから、県にアリーナをつくってくださいということにそんなにこだわらずに、緑地公園でも、福祉エリアでも、学術エリアでも、活用は市民的議論を今こそすべきだというふうに思いますが、どうか。
2点目は、東静岡地区の大規模集客施設への対応についてです。
この建設計画については、商業調整が法的にできないというもとで、しかし、市内の商店街振興や商業振興について、今、地域環境への影響ということも大事ですから、そういう立場で、これをどう対応しようとしていくのか、基本的な姿勢を示していただきながら、本市として商業振興をどうしていくのか、こことどう兼ね合わせするのかということを明らかにしていただきたい。
また、今後、改正都市計画法のもとで準工業地域への大型店の立地規制というのが条例で可能になっていますから、本市でも条例化すべきだと提案しています。ぜひにその対応について明らかにしていただきたい。
3点目は、今後15年間で100億円規模でかける日本平山頂公園整備計画については、これは、構築物等も含めて縮小・見直しをすべきだという点です。
この山頂の価値は、富士山、清水港、駿河湾を同時に望める他にない絶好のロケーションにあります。これを生かして、自然に余り手を加えないで、構築物も予算も縮小した公園整備にすべきではないでしょうか。
4点目は、まちづくりにおける公共交通の整備についてです。
人にも環境にも優しい公共交通としてLRT導入に向けた可能性調査がされていますけれど、静岡都心部も含めて、この導入の課題と解決方向についての当局の考えを示していただきたいし、同時に、市民から要望もあるデマンドバス等の導入についても、実現に向けてどう検討されていくのか、考えを示しておいていただきたい。
そして、2回目の最後の柱は、平和事業を積極的に展開するということです。
このテーマは、残念ながら2次総には欠けています。地方自治、基本的人権などとともに、憲法5原則の1つである恒久平和の希求というのは、国政でも、地方政治でも、草の根でも、自治体でも、これは欠かせない課題です。
私たちは、軍事力である自衛隊の市民行事への参加についてはふさわしくないと考えています。ですから、市がこれら行事に補助金を出す場合には、自粛の働きかけを実行委員会等にすべきだと思いますけれど、どうか。
また、市民の平和事業に対する支援や平和資料館あるいは広島、長崎などの施設を使った平和学習などの活用について、平和事業として事業化、予算化すべきじゃないか。そのことで一層強く平和事業を推進すべきじゃないかと提案しますが、どういう考えか示していただいて、2回目を終わります。
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 暮らし・福祉最優先の市政についての何点かの御質問にお答えいたします。
最初に、国保についての3点の御質問で、国保料滞納世帯の増加、現状とその要因ということでございますけれども、国民健康保険料の滞納世帯は、平成17年度は、賦課世帯約15万5,400世帯に対しまして約2万1,400世帯で滞納率は13.8%、平成20年度は、後期高齢者医療制度が創設されたため、賦課世帯は約13万100世帯と減少しておりますが、これに対しまして約2万1,800世帯で滞納率は16.8%と増加傾向にございます。
滞納世帯が増加している要因でございますが、保険料納付率の高い75歳以上の被保険者が後期高齢者医療制度に移行したことや経済情勢の悪化による影響と考えております。
次に、滞納世帯が増加しているけれども、国保料を引き下げる努力をすべきじゃないかということでございますが、国民健康保険事業は、被保険者の保険料を主として、国庫負担金その他の収入で賄うのが原則だと考えております。しかしながら、国民健康保険事業会計の財政を安定させるために、一般会計からは、保険基盤安定制度による繰り入れを初め、保険財政安定化支援事業、出産育児一時金、事務費等に対する繰り入れなどの法律に基づくもののほか、保険料収入の不足を補うための繰り入れを財政事情の許す範囲で実施しております。
昨今の経済情勢の悪化によりまして、扶助費が大幅に増加していることなどから、一般会計からの繰り入れを増加させることは難しい状況にあり、現在は、保険料を引き下げる状況にないものと考えております。
次に、国保料の減免について、所得基準の緩和や低所得層の減免を拡大すべきではないかということでございますが、国民健康保険料の減免につきましては、個別具体的な負担能力の判断が必要であることから、低所得のみを事由とした減免制度の拡充は考えておりません。
なお、その他の減免基準等の緩和につきましては、現在、国が改正を予定している保険料軽減制度の詳細が明らかになった後、他都市の減免状況などを調査したいと考えております。
次に、子ども医療費の関係でございますが、子ども医療費を中学生まで入通院費とも窓口無料で助成拡大する考えはないかと。助成拡大した場合に必要額はどのくらいか、あるいは県の補助金はどのくらい交付になるのかということでございますが、中学生の通院費まで自己負担なしで医療費を完全無料化するには多額の経費がかかることから、現段階では助成を拡大する考えはございません。
仮に、中学生の通院費まで自己負担なしで医療費を完全無料化した場合、現在の予算が約11億円、これより約15億円増加しまして26億円程度必要になることになります。
次に、県補助金は、就学前児童を対象に現在約2億6,000万円交付されております。この県補助金につきましては、県との協定によりまして平成22年度までの交付は確定しておりますが、平成23年以降の補助金については、県と再度協議することになっております。
また、県は平成22年度については、10月診療分から小中学生の入院費を補助対象に加え、政令市に6分の1補助することを表明しております。中学生の通院費まで助成拡大した場合の県補助金額は、現在の県補助制度が継続し、新たに対象となる予定の小中学生入院費の県助成が加わったとしても約4,000万円の増加にとどまり、合計3億円程度でございます。
次に、介護高齢者についてでございますが、特養待機者の現状と解消策についてでございます。
平成21年10月1日現在の入所申込者数は2,070人でございます。そのうち要介護度が高くて家庭での介護が困難など必要性の高い待機者は1,077人、さらに、ひとり暮らしなどで介護ができる者がいない状態にあるなど、特に緊急性の高い人は576人でございます。
特養の整備につきましては、21年度から23年度の第5期高齢者保健福祉計画及び第4期介護保険事業計画に基づき、期間中に490床を整備する計画でございます。
今後も、特養の整備は計画的に進めていく予定でございます。
次に、低所得者層の介護サービス利用料負担軽減の拡充についてでございますが、本市では、介護保険法で定めている減免制度のほか、市独自の減免制度として、平成13年度から、低所得で特に生計を維持することが困難な事情にある者に対して、介護サービスの利用を促進するために、1カ月の介護サービス利用料の合計から3,000円を引いた額の2分の1を補助する制度を設けておりまして、新たな減免制度を実施する予定はございません。
次に、要介護認定者への障害者控除対象者認定書の交付の拡大についてでございますが、要介護認定者への障害者控除対象者認定書の交付に当たりましては、国からの高齢者の所得税法上の取り扱いについての通知に基づき実施しております。また、市の要介護認定情報の活用方法等を含め、より公正に実施しております。
次に、保育についてでございますが、待機児童の解消及びゆとりある保育面積を確保するため、保育所を増設すべきであるがどうかということでございます。
待機児童の解消策としましては、年度当初では待機児童が少なく、既に私立保育所の一部では定員に満たない園も生じていることなどから、当面は、保育所の増設でなく、年度途中の待機児童を対象とした仮称静岡市待機児童センターの設置により対応してまいります。
また、ゆとりある保育面積の確保のために、建てかえ時に定員以上の受け入れが可能な設計とすることや、遊戯室や子育て支援施設を設けることなどに努めてまいります。
次に、保育所における公私間の給与格差は問題であり、その改善が必要であると思うがどうかということでございます。
公立保育所と私立保育所の給与格差の改善を図るため、国で定める保育所運営費には民間施設給与等改善費が加算されているほか、静岡市としても私立保育所に単独補助金を交付しており、平成22年度予算案では、給与改善を目的に58園に対し約3億4,600万円を計上しております。
次に、非常勤保育士が正規保育士と同等の業務をしていると思うが、正規職員とする考えはないかということでございますが、公立保育所におきましては、原則、クラスに複数の保育士を配置する場合に限り、正規保育士とセットで非常勤保育士を配置しております。正規保育士は、保育に関する責任や保護者への支援、非常勤保育士等の指導を行い、非常勤保育士については、正規保育士とともに保育の実施という基本的な部分を担っております。
なお、公立保育所の運営に必要となる保育士の数は年ごとの入所児童数により増減することから、今後においても、正規職員に加え、非常勤保育士も雇用することで対応していく必要があると考えております。
次に、放課後児童クラブの指導員の正規化、待遇改善についてでございますが、委託先が雇用します放課後児童クラブ指導員の身分をパートから正規職員等に変更するなど大幅な処遇変更につきましては、保護者負担金への影響が大きいことから難しいものと考えております。このため、委託料の算定に当たり、雇用条件の改善に結びつくよう、平成20年度から各クラブ1名から2名配置しております主任指導員の主任手当分の加算を、また、21年度には指導員賃金の時間単価の増額と委託先で差のあった時間単価の統一、さらには、22年度当初予算案においても時間単価の増額を盛り込むなど、処遇の改善に努めているところでございます。
次に、放課後児童クラブの利用を原則としてすべての学年の児童に拡大すべきと考えるけれどもということですが、放課後児童クラブの対象学年につきましては、児童福祉法において、小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童とされており、本市におきましても小学校1年生から3年生までの入会を優先しておりますが、施設等に余裕のある場合には4年生以上についても受け入れを行っておりまして、今後も同様に対応していきたいと考えております。
次に、生活保護受給世帯の急増に対応するためケースワーカーを増員すべきではないかということでございますが、ケースワーカーの増員につきましては、非常勤嘱託職員の活用も含め、定員管理計画の中で市民サービスに支障が生じないよう検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◯都市局長(小股芳太郎君) 都市局からは、9つの質問について、順次お答えをいたします。
まず、市営住宅の増設と家賃減免制度の周知・改善についての2点の御質問でございます。
初めに、市営住宅を増設することはできないかとの御質問ですが、市営住宅には、用途廃止や住宅の改修等のために募集を行っていない政策空き家と、修繕等を行った後に入居者募集を行う通常空き家があります。
直近3カ年の通常空き家は、平成19年度末に253戸、20年度末に244戸、本年2月末に160戸余りあることから、通常空き家の早期解消を図っていきたいと考えておりまして、現時点の市営住宅の増設は考えておりません。
次に、家賃減免制度の現状と制度の周知はどのようであるか、また、減免制度の基準緩和を図れないかとの御質問でございますが、公営住宅法に基づいて静岡市営住宅管理条例に定められた家賃減免制度は、入居者の収入が著しく減少したとき、また、長期の病気にかかっているときなどに減免が認められているものでありますが、最近の該当事例はございません。
減免制度につきましては、これまで入居のしおり交付時や収入申告書提出の通知で伝えてきましたが、今後、ホームページの掲載や家賃更新時の通知などでも周知していきたいと考えております。
続きまして、農業水産業の振興策についての御質問で、生産緑地基準の面積規模の緩和を国に要望する考えはあるかとの御質問でございますが、生産緑地地区の面積基準につきましては、平成3年の生産緑地法の改正によりまして、それまで市街化区域内の農地等で区画整理や開発行為が行われた区域では2,000平方メートル以上、それ以外の区域では1万平方メートル以上でありましたが、市街化区域内農地が法制定時の昭和49年に比べ著しく減少するなど、農地の持つ緑地としての機能が高まったことから、都市計画上、緑地として評価ができる500平方メートル以上に変更されました。
指定面積の引き下げ等につきましては、農業関係者の方々からさらなる要請が寄せられておりまして、改正後20年が経過し、都市計画上の緑地としての評価や都市農業振興策としてのあり方など多角的に検討する必要があることから、国や県等と面積基準について意見交換をしていきたいと考えております。
続きまして、木造住宅耐震補強助成の拡大についての2点の御質問で、初めに、木造住宅の耐震化に関する目標はどうなっているかとの御質問ですが、予想される東海地震等から市民の生命や財産を守るために、平成20年3月に静岡市耐震改修促進計画を作成しまして、建築物等の耐震対策を進めております。この計画の中では、27年度末までに木造住宅を含めたすべての住宅の耐震化率を90%とすることを目標としております。
次に、目標達成のために今後さらに助成を拡大する考えはあるかとの御質問でございますが、耐震補強工事の助成実績はここ数年減少傾向でありましたが、今年度から、より多くの市民の方が補強工事に取り組むきっかけとなるよう、耐震性の低い住宅への補助金を増額したことや、8月11日に駿河湾で発生した地震の影響もあり、昨年度を上回る件数となっております。
このようなことから、この補助制度をさらに多くの方に利用していただけるよう普及啓発に力を入れてまいります。したがいまして、現在のところ、助成の拡大については考えておりません。
続きまして、大型箱物開発の見直し、市民本位のまちづくりについての4点の御質問でございますけれども、初めに、東静岡地区の大規模集客施設の対応で、準工業地域における大規模集客施設の立地規制について、どのように考えているかとの御質問でございますけれども、平成19年度にまちづくりに関連する都市計画法、建築基準法などの改正により、都市機能の拡散と中心市街地の空洞化、人口減少、超高齢社会などといった都市を取り巻く課題に対応していくために、床面積1万平方メートル以上の大規模集客施設は、近隣商業、商業、準工業地域以外では立地できなくなりました。
本市におきましては、準工業地域が郊外部にも広範囲に指定されておりまして、大規模集客施設の進出が予想されることから、立地規制を実施するため、特別用途地区の指定に向け、現在、大規模集客施設の立地規制に関する基本方針の策定作業を進めているところであります。
次に、日本平山頂公園整備計画の縮小についての御質問で、100億円規模の日本平公園整備計画は、建築物等の縮小見直しができないかとの御質問でございますが、日本平公園につきましては、平成18年度に策定しました基本構想において、「風景美術館=日本平」を基本テーマとして、日本一の観富公園づくり、景勝の地を礎とした観光・文化交流拠点の形成、幅広い市民利用にこたえる活動空間の創出、公園を彩る緑の保全と活用の基本方針を定めまして、これに基づいて19年度には公園基本計画を策定いたしました。
基本計画での整備方針は、単に公園としてのレクリエーション施設の整備にとどまらず、名勝日本平として、また、国際交流拠点としての質の高い施設整備として、観光サービス等を提供するレストラン、ラウンジ、みやげ物などの物販、映像その他の展示サービス、インフォメーション機能などを集約した公園センターや富士山、駿河湾、南アルプス、市街地などを眺望できる展望台などを計画しております。
これらの施設につきましては、経済局が策定中の観光戦略と連携を図りながら、関係機関や日本平観光組合などと協議を行い、「風景美術館=日本平」にふさわしい施設規模となるよう検討を進めていきたいと考えております。
次に、公共交通の整備についての2点の御質問で、初めに、LRT導入についての検討状況の御質問でございますけれども、LRTにつきましては、将来の都市交通ビジョンを示す静岡市都心地区まちづくり交通計画の中で、鉄道、バスとともに基幹公共交通の1つとして平成19年度より調査を進めております。
LRT導入可能性検討の内容は、静岡鉄道との連絡を基本とし、想定ルートとして、静岡地区では新静岡駅から中心市街地及び駿河区役所方面、清水地区では新清水駅からJR清水駅及び日の出地区方面を定め、運行頻度、需要、建設費、採算性などであります。現在、各ルートに対して導入による効果や採算性、周辺交通への影響など、課題に対する検証を進めているところであります。
今後、交通需要予測調査等を実施し、さらに採算性や周辺交通への影響などの検証を行い、その結果を市民や関係者に対して幅広く情報提供するとともに、静岡地区の課題である導入空間の確保、清水地区の課題である採算性などの各地区の課題に応じて、それぞれLRTに関する検討体制を構築し、導入についての方向性を定めていきたいと考えております。
最後に、デマンドバス等の導入についての検討状況についての御質問でございますけれども、本市では、デマンドバスを含む新たな交通システムとして、則沢地区のバス事業者によるデマンドバスの運行や清沢地区のNPO法人による過疎地有償運送が実施されております。
また、現在、一部市街地の公共交通空白地域におきまして、地域住民や交通事業者とともにコミュニティーバスや乗合タクシーなどの同乗について勉強会を開催しております。地域の特性に応じた新たな交通システム実現には、住民の主体的、積極的な取り組みに加えて、交通事業者の協力など運営主体や採算性に課題があることから、今後、各地の事例を参考にしながら調査研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯経済局長(熱川 裕君) 地域経済に関する4点の御質問にお答えをさせていただきます。
まず、地域経済全体を活性化させるための地域産業経済振興基本条例を制定する考えはないかとの御質問にお答えをさせていただきます。
本市では、平成17年3月に第1次から第3次までを包括した静岡市産業振興プランを策定し、これに基づき産業振興を図っているところでございます。こうした中、策定以降の社会経済情勢の変化に対応すべく、昨年度から今年度にかけ学識経験者や産業界などの意見を伺いながら産業振興プランの見直しを行っているところであり、今後も、産業振興プランを推進することにより、地域経済の活性化に努めていきたいと考えております。
続きまして、地元中小業者の仕事づくりとして住宅リフォーム助成制度を創設する考えはないかとの御質問にお答えをさせていただきます。
住宅リフォームに特化した助成制度の創設につきましては現時点では考えておりませんが、中小企業者に対する支援として、市産学交流センターや中小企業支援センターなどにおける経営相談やマーケティング支援、人材育成などのほか、新商品開発や販路開拓支援など幅広い施策を通じ、足腰の強い中小企業者の育成に努めているところでございます。
続きまして、地域経済における農林水産業の役割に関する御質問にお答えをさせていただきます。
本市の農林水産業は、他の政令市と比較して従事者の割合も高く、基幹作物の茶を初め、ミカンやイチゴ、ワサビ、サクラエビ等、国内有数の産地を形成する中、これらの資源に関連した多様な産業も集積するなど、本市経済において重要な役割を担っていると認識しております。
今後、農林水産物のブランド化の推進や地産地消につながる地域材活用住宅の需要拡大、体験型観光の振興など、新たな振興策を積極的に実施していきたいと考えております。
続きまして、農家への戸別所得補償を茶等の農産物に拡大するよう国に求める考えはあるかとの御質問にお答えをさせていただきます。
農家への戸別所得補償につきましては、国が22年度の水田農業を対象に実施する予定であり、他作物につきましても、23年度以降の実施に向けた検討をすると聞いております。本市の基幹作物である茶等につきましても対象になるよう、国へ要望してまいります。
続きまして、東静岡地区の大規模集客施設の建設計画に関する2点の御質問にお答えをさせていただきます。
東静岡地区の大規模集客施設の建設計画につきましては、大規模小売店舗立地法に基づき、立地に際して生じる交通や騒音などの問題への対処など、周辺地域の生活環境を保持するために必要な対策を設置者が講じることになっております。今後、同法に基づく届け出がなされた場合には、この趣旨にのっとり適正な対応を図ってまいります。
また、商業振興につきましては、現在取り組んでおります商業都市しずおか戦略プロジェクトの中で、大規模集客施設の適正配置や設置者の地域貢献のあり方、さらには足腰の強い商店街の育成策などを検討するとともに、中心市街地活性化基本計画を着実に推進することにより、本市全体の商業振興を図ってまいります。
以上でございます。
◯財政局長(諸戸修二君) 2点についてお答えを申し上げます。
まず、地域経済の関係で、小規模事業登録制度の創設についてでございますけども、本市におきましては、建設工事、建設業関連業務委託、物品調達、それから委託業務という4種類の競争入札参加資格者登録制度がございます。競争入札によります場合には、資格者として登録されました事業者の中から、契約の相手方を選定するということになっております。
この登録に当たりましては、例えば、引き続き1年以上営業していることなどを要件としておりますけども、建設工事の登録に関しましては、その適切な履行を確保するために、さらに建設業の許可を受けていることを要件といたしております。このため、建設業の許可を受けていない事業者につきましては、建設工事の入札参加資格者としては登録ができず、建設工事の入札には参加することができないわけでございますけども、小規模修繕などにつきましては、その要件がなくても受注・施工が可能だということでございます。
確かに、他都市では小規模修繕等の発注に際しまして、競争入札参加資格者登録制度とは別に、小規模事業登録制度を設けまして市内中小事業者へ発注しているところもあると伺っております。現在、本市では、この小規模修繕等につきまして登録制度を採用しておりませんけども、そうすることによりまして登録の有無にかかわらず受注が可能となっております。学校などの個々の施設ごとに、市内の中小事業者に優先して発注をしているところでございます。
続きまして、法人市民税の超過課税の関係でございますけども、先般、内閣府が公表をいたしました月例経済報告でありますとか、日銀静岡支店が公表いたしました最近の静岡県金融経済の動向におきましても、景気は持ち直しの動きが見られるものの、失業率が高水準にあり、依然として厳しい状況にあるなどとされております。このような状況を踏まえますと、御質問の大企業に対する法人市民税の超過課税につきまして、現時点におきましては実施する環境にはないものと考えているところでございます。
以上でございます。
◯総務局長(村松 眞君) 初めに、職員の非常勤化の見直しについてでございますが、本市の定員管理計画は、事務事業の再編や民間委託等の民間活力の活用等により、人員の効率的な配置に配慮しためり張りのある行財政改革の一環として進めていくものでございます。これまでも本計画の中で非常勤嘱託職員の活用を行ってきたところでございます。
非常勤嘱託職員の報酬は、職務給の原則を踏まえ、一般事務職では、補助的な職務の内容と責任、資格職などは、その資格に基づく基本的な職務の内容と責任に応じ、加えて、短時間の勤務時間を考慮した上、決定しております。したがって、非常勤嘱託職員の活用により、いわゆる官製ワーキングプアが生じているという認識はなく、非常勤化の見直しも考えておりません。
次に、区役所への権限・事務の委譲についてでございます。
各区への事務や権限の委譲は、市民サービスの向上や事務の効率化を目的に実施しているところであります。具体的には、平成20年度の組織機構の改正において、地域総務課を総務・防災課に再編し、各区の自主防災組織の事務を区へ移管し、区の防災体制の充実を図っております。
また、平成21年度の組織機構改正では、福祉事務所を各区の組織に編入するとともに、新たに副区長を設置するなど、区政の充実に向けて組織、事務の見直し等を順次進めてきているところでございます。
区への権限委譲は、経費負担の増加にもつながる側面もあるため、費用対効果を考慮しつつ、今後も進めてまいります。
次に、市民行事への自衛隊の参加に関する自粛の働きかけ等についてお答えをいたします。
市民が実施いたします行事やイベントには、それぞれ開催の目的や意義があり、主催者や関係者が進める行事の趣旨あるいは運営の主体性は、尊重されるべきであると考えているところでございます。そうしたことから、市民が主体となって進める行事について、本市が自衛隊の参加を自粛するよう働きかける考えはございません。
続きまして、市民の平和事業に対する支援など、平和事業の推進についてお答えをいたします。
本市では、昨年8月に広島市及び財団法人広島平和文化センターと共催で、ヒロシマ原爆展 in 静岡を開催いたしました。
開催に当たっては、平和運動に取り組んでおられる多数の市民グループの方々と協働することで、5,000人を超える方が来場され、平和の大切さについて改めて考えていただく機会とすることができました。
また、昨年11月には、平和市長会議への加盟も果たし、他の加盟都市との連携を図っているところでございます。
本市では今後とも、このような財政的な支援に限らず、市民と連携をとりながら、平和都市宣言で表明いたしました核兵器等の廃絶と世界平和の実現への貢献を普遍的な理念とし、教育や福祉、スポーツ、文化、国際交流など、さまざまな機会を通じ、この平和理念を織り込んだ施策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯生活文化局長(杉山勝敏君) まず、区の魅力づくり事業の予算についてでございます。
区の魅力づくり事業は、区における地域の特性や課題、区民ニーズなどを踏まえ、区のイメージアップ、活性化、区民交流などを図るためのソフト事業について区が自主的に行うもので、原則として、土木関連などのハード事業については対象としておりません。
また、区民懇話会を初めとする区民からの提案、要望のうち、各局が所管している事業については、区における総合的な行政運営の推進に関する規定に基づき、区長が関係局長に情報提供の上、積極的に働きかけることで対応を図っているところでございます。したがいまして、区の魅力づくり事業に係る予算を大幅に増額することは、現在のところ考えておりません。
次に、スポーツ広場の整備についてでございます。
近年、健康維持・増進などの理由から、スポーツに対する意識が高まっており、市内のスポーツ広場は、市民の身近な活動の場として幅広い世代に利用されております。
スポーツ広場の新設は、用地確保などの面から難しい状況にありますが、既存施設の整備などを進めることにより、市民にとって一層利用しやすいスポーツ環境となるよう努めてまいります。
次に、小規模ホールの整備についてでございます。
300人程度が利用できる小規模なものは、静岡音楽館などの文化施設や各区の生涯学習施設などに設置しております。本年3月にオープンする蒲原市民センターにも同規模のホールを整備し、さらに、平成24年度開館予定の清水文化会館でも300人規模のホールの整備を進めておりまして、必要な施設の整備に努めているところでございます。
以上でございます。
◯教育長(西条光洋君) 私からは、2点のお尋ねにお答えをいたします。
初めに、30人以下の学級の実現についてでございますが、1学級当たりの児童生徒数につきましては、教育効果の観点から十分検討する必要がありますが、法律上では、学級編制の基準は県教育委員会が定めることとなっており、本市におきましても、この基準に従い学級を編成しております。
本市では、現状の学級編制の中でも習熟度別や課題別による少人数指導を初めとして、特別支援教育支援員の配置や複式授業改善のための非常勤講師の配置などを充実させ、目的や実情に沿った指導を工夫して行うなど手厚い指導を行っているところであります。
次に、県の少人数学級の取り組みについてでございますが、今年度、県は、中学1年生と2年生で静岡式35人学級を、小学1年生の学級に対しては支援員の配置を行っています。静岡市も県と同様に取り組んでいるところでございます。来年度より、県は、静岡式35人学級を小学6年生と中学3年生に、小学1年生の学級に対する支援員の配置を2年生まで拡大する予定であります。
本市といたしましても、少人数学級の効果を上げるために、県の方針に基づいて取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
◯教育次長(古屋光晴君) 4点の御質問にお答えいたします。
まず、就学援助についての3点の御質問にお答えいたします。
1点目は、就学援助率が低い要因をどう分析しているかという御質問でございます。
平成22年1月末で静岡市の就学援助認定者は3,202人、援助率は5.84%で全国平均を下回っておりますが、人数では、平成20年度末と比較すると272人増加しております。平成18年に文部科学省が実施した全国のアンケート調査によれば、就学援助受給者数増加の要因や背景は、企業の倒産やリストラなどの経済的状況の変化、離婚等による母子・父子家庭の増加が主な要因とされております。
2点目は、認定基準を緩和する考えはないかという御質問でございます。
本市の就学援助の認定基準は、世帯の収入額が生活保護基準の1.3倍以下となっております。認定基準につきましては、平成17年度に準要保護に対する国庫補助の廃止を受けて、他都市においては、限度額の引き下げや認定要件の厳格化が行われているケースも出ております。本市においては、経済的に困窮している世帯に対して、義務教育がひとしく受けられるよう、現在の水準を維持していきたいと考えております。
また、制度の充実については、今後も国の動向を注視していきたいと考えております。
3点目は、保護者への周知などの取り組みについてお答えいたします。
就学援助制度の周知については、各学校を通じて、保護者全員に対して就学援助制度のお知らせを配布したり、広報しずおかや市のホームページへの掲載などにより、広く周知を行ってきております。さらに、学校に対しては、年間を通じて機会あるごとに保護者への働きかけをするなどのきめ細かな対応をお願いしております。
認定基準は、家族の人数が同じでも、年齢構成や収入の種類、住居の形態等によりそれぞれ異なっており、一律の表現は非常に難しい点があります。しかし、保護者への周知に当たっては、就学援助制度のお知らせに収入額の目安を記載するなど、よりわかりやすい案内をしてまいりたいと考えております。
次に、教育費の保護者負担を調査して、その負担軽減に取り組んだらどうかという御質問でございます。
小学校や中学校において保護者が負担する教育費は、各学校それぞれの教育計画に基づき、児童生徒個人が所有または使用するもの、あるいは修学旅行のような校外教育活動に充てるもので、保護者の御理解を得ているものでございます。その負担額はそれぞれの学校によって異なっておりますが、保護者の負担が過大にならないよう、学校に指導・助言をしているところでございます。
3つ目は、学校給食において、清水区の単独調理場方式を今後も存続する方針はないかという御質問にお答えいたします。
清水区の学校給食施設については、平成18年1月に清水地区学校給食検討委員会から、センター方式を視野に入れ準備を進めていくことという提言がなされました。それを踏まえて、静岡市学校給食施設整備計画を策定し、センター方式で整備していくこととしたものでございます。
この整備計画に従い、高い衛生管理を備えた学校給食センターにより、安全で安心な学校給食を提供してまいります。
最後に、学校司書の11学級以下への配置と正規職員化についての御質問にお答えいたします。
学校司書は、学校図書館法で定められた12学級以上の学校に置くこととされている司書教諭の補助として配置しているところでございます。学校司書を置かない11学級以下の学校では、学校図書館担当者に対する研修を行ったり、保護者や地域の方による図書館ボランティアの協力を得たりするなどの工夫をして、学校図書館が児童生徒の自主的、主体的な学習や読書活動につながるように努めております。しかしながら、学校司書については、その効果が認められるため、配置を広げることを検討しているところでございます。
なお、学校司書は、司書教諭の補助として位置づけていることや勤務時間が短いことから、非常勤とするものでございます。
以上でございます。
◯環境局長(関 清司君) 環境に関します2点の御質問にお答えします。
最初に、ごみ減量化のための目標値と、分別・資源化への取り組みについてお答えします。
ごみ減量化の目標値ですが、現在、見直しを進めております一般廃棄物処理基本計画では、家庭ごみ、資源ごみ及び事業系ごみを合わせた1人1日当たりのごみ総排出量を数値目標としております。具体的には、平成20年度1,156グラムを、目標年度である平成31年度までに約13%減の1,000グラムとすることを目標としております。
次に、分別・資源化への取り組みに対する考え方ですが、まず、ごみ減量を推進するためには、何よりもごみの発生をできるだけ抑制することが重要であり、その上で、分別品目の選定に当たっては、資源化に要するエネルギーの消費量や市民負担等を総合的に勘案して取り組むべきと考えております。
続きまして、二酸化炭素の削減目標に関する御質問にお答えをします。
本市では、平成20年3月に静岡市地球温暖化対策地域推進計画を策定し、市域全体の二酸化炭素排出量について、平成22年度までに基準年度、平成2年度に対し6%以上削減するという目標を定めており、この削減目標を達成するため7つのリーディングプロジェクトに取り組んでおります。主なものとして、太陽エネルギーの導入拡大を目指すソーラーシティ・しずおか推進プロジェクトや、事業者と市が共同して二酸化炭素の排出削減に取り組むストップ温暖化協働協定推進プロジェクトなどを実施しております。
また、そのほかに推進計画の削減目標を達成するための事業として、静岡市グリーンニューディール基金を活用し、省エネタイプの給湯機器やLED照明などの設置に対する助成を行うなどの事業も展開し、二酸化炭素の排出削減に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
◯経営企画局長(鈴木 孝君) アリーナにこだわらず、東静岡地区市有地の活用に向けた市民的議論を行うべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
東静岡地区への大規模体育施設の誘致は、経済界や市自治会連合会、体育関係団体の要望という広範な市民、団体の声を受けてのものでありまして、市としましても、20年12月に県に対し建設を要望したところであります。
また、施設建設に必要な市有地の条件整備のための新市建設計画の変更や静岡市の事務所の位置を定める条例の改正も、広範な市民意見を踏まえ、市議会21年2月定例会に提案し、賛成52人、反対1人で議決をいただきました。
さらに、21年12月には、市議会でも、地方自治法の規定に基づき、東静岡地区を中心として賑わいの空間創出を求める意見書を議決され、県知事あて要望されております。そのような中で、ことし1月、知事から静岡学園跡地への草薙体育館の移転の考え方が示されました。
国際大会開催可能な拠点施設のもたらす地域経済への波及効果や、東静岡地区の有する交通アクセス等の利便性、草薙総合運動公園の将来像などを勘案いたしますと、東静岡地区への施設建設が県民、市民にとってベストな選択であると考えております。
そこで、2月22日には、市長と知事の会談で市の考えを改めてお示しし、県指定都市の新しいパートナーシップ事業として新たな提案をしたところであります。
今後も、このような市の提案に即して方針が決定されるよう、引き続き県と協議を重ねるとともに、市の提案実現に向け、市議会、市民、経済界、関係団体の皆様と一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯都市局長(小股芳太郎君) 先ほど一部答弁漏れがありましたので、お答えさせていただきます。
市営住宅関連の家賃減免制度で、減免制度の基準緩和を図れないかとの部分に答弁漏れがありまして、済みませんでした。
減免制度の基準緩和につきましては、今後の申し立て状況、社会経済情勢、他都市の実施内容などを参考にして検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔31番山本明久君登壇〕
◯31番(山本明久君) 3回目は、2回目で提起した政策課題に関連して、本市における個別の重要な課題について幾つかお聞きしておきます。
1点目は、本市の特徴である広大な中山間地において、住民の暮らし、福祉、教育を守ることや、農林業を初め産業を再生させることなどについて、これは、本市の普遍的なまちづくりの課題だという位置づけをして、当局がこれから進めようとしている中山間地域総合振興計画の取り組みを踏まえて、振興のための主要施策や基本方針、市の責務などを中山間地振興基本条例として制定してはどうかと提案します。
当局もこの計画を静岡モデルとして情報発信するという位置づけをしています。なぜ条例化が必要なのかというと、先ほどの産業経済振興基本条例も同じなんですが、自治体としての基本的なスタンスや考え方をしっかり位置づけて、自治体の背骨にしていくという位置づけですね。それによって取り組みが確固としたものになっていく。そうなれば、職員の意欲、それも条例化で引き出すことができる。そういう意義があるというふうに私たちは考えていますから、ぜひこの条例化も、少し先の話になるかもしれませんが、検討すべきだと。
2点目は、市が発注する契約において、自治体という公共機関の責任として、ワーキングプアをつくらないために、公契約条例を制定すべきだという提案です。
これは、人間らしく働き、暮らしていける労働条件を確保するという内容ですから、指定管理者制度なども対象にすべきだと思います。
実は、ILO94号の公契約条約とその勧告を日本政府がまだ批准してないというもとで、公契約法の制定や条例化の取り組みというのは、今、全国の自治体で実は広がってきています。自治体との契約で公共事業として利益を得る事業というのは、やはり必要な労働条件をしっかり保障すべきであるし、同時に、発注者である自治体は、それを確保するための責務を負うという中身です。
これまで、民間の労働条件、労使関係だから介入しないという立場で政府も来ましたが、これはもう通用しないというふうに思いますので、これまでのそういう政治からは自治体としても脱却すべきだと思います。
3点目は、後期高齢者医療制度の廃止についてです。
これは、昨年廃止法案が参議院を通過して、新政権がその気になれば、この4月から廃止が実施できたはずの問題です。75歳以上の高齢者を医療で差別する、いわば存在すべきでない制度ですから、これはもう直ちに廃棄すべきです。ですから、もとの老健制度に戻すという場合、その国保の財政負担については、当然国が補てんすべきだと思います。しかし、政府は、25年度まで先延ばしするという姿勢ですから、こうした問題について、実際、自治体としてどういうふうに考えて、どう対応しようとしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
また、存続するということが前提になって、この4月から、広域連合では保険料の改定が行われて、静岡県の広域連合も保険料の値上げをしようとしています。しかし、全国的には、いろいろ努力をして保険料を上げないという広域連合もたくさん出てきていますから、本来存在してはいけないこの制度の保険料を上げて、さらに苦しめるというのは、絶対やっちゃいかんというふうに思います。
ですから、本市としても、苦しい立場だとは思いますが、県広域連合に対して保険料の値上げの中止、引き下げを求めるべきだと思いますが、市長、どうでしょうか。
4点目は、障害者の福祉医療の応益負担を強いている障害者自立支援制度の廃止についてです。
これも、各地の裁判所に、応益負担は憲法違反だということで裁判が提訴されている問題です。自立支援という名で、本来無料であるべき障害者の方の福祉医療の1割負担とか、食費の実費負担、運営費の日額払い─報酬ですね─ということは、利用者や運営事業者にとっては非常に重い負担が強行されて進められてきていると。
私たち市議団も、幾つかの施設を訪問して、いろいろ実態をお聞きしてきましたけれど、これも制度の廃止が先延ばしされています。低所得者層の負担については見直されてきていますけれど、しかし、このあってはならない負担、この負担の現状について、市はどういうふうにとらえているのかという問題と、しかし、この現在の制度のもとで発達障害とか難病、高次の機能障害などの障害がある方には、制度のはざまということもあって、それぞれのメニューはありますけれど、それをまとめたような、包括した総合的な福祉体制というふうにはなっていないわけで、廃止後の方向というのはこうあるべきだというふうに私たちは思いますけれど、どういうふうに見通されているのかお聞かせいただきたいと思います。
質問項目の最後は、昨年8月の駿河湾地震で深刻な事態となった浜岡原発の問題についてです。
東海大地震の震源域の真上に建つという世界で例のない危険な原発ですが、中電はこれまで、耐震設計は1854年の安政の地震を基準にして、将来起こり得る最強の震動に耐え得ると、絶対安全だというふうに説明してきましたが、昨年8月のマグニチュード6.5のエネルギーで、5号機においては、この想定を超える震動が記録されました。
東海大地震の想定はマグニチュード8.4ですから、この昨年8月の地震の数百倍のエネルギーを持っているわけですので、この原発事故というのは、色もにおいも何もないわけですから、想定外でしたということでは済まない問題なんですね。
アメリカのスリーマイルのときは、重点対策地域は80キロ圏でした。静岡市は浜岡から50キロ圏ですから、万が一の場合─万が一があってはいけないんですが、安全だと言ってたものが想定よりはるかに低いレベルでそうなってしまったわけですから、これは静岡市としても本格的に放射能被害について、市民の命と安全を守るという立場から対応をとる必要がある。
それは、ですから安全神話が崩れた以上、中電に対して、安全が確認されるまで、5号機の運転はストップせよと。1、2、3、4はもう当然ですが、そういうことをやっぱり事業者に求めるべきじゃないかというふうに思いますが、どうお考えかお聞かせいただきたい。
通告した項目は以上ですけれど……
◯議長(近藤光男君) 発言はあと1分で終了してください。
◯31番(山本明久君)(続) 市長の基本姿勢でお聞きしましたけれど、今の地域主権、地方政府論の流れというのは、市長は触れませんでしたが、道州制と基本的にはセットになっている問題ですね。このもとで基礎自治体のあり方が、本当に基本的な法で規定される責務を果たせる方向なのかどうかという点については、明確な問題意識は市長から示されませんでした。
同時に、もう1点お聞きした税と社会保障の本来の機能が今崩れていると。国には当然、ゆがんでいる部分をただせと言うべきですが、自治体としてもそのゆがみの部分は、自治体のできるところで、財政の調整機能を使ってしっかりゆがみを正すということが必要だと。私たちは、そういう市民の皆さんの声にこたえて……
◯議長(近藤光男君) 時間になりましたので発言を終了してください。
◯31番(山本明久君)(続) 市政転換のために全力を挙げて取り組むことを表明して、質問を終わります。
以上です。
◯経営企画局長(鈴木 孝君) 中山間地振興条例の制定を検討する考えはないかとの御質問にお答えをいたします。
中山間地域の振興の重要性にかんがみ、本市のまちづくりの最高指針である2次総の政策体系の柱に「都市と山村が共生するまちづくり」を位置づけております。
また、分野別計画とは別に、3つの戦略と9つの重点プロジェクトの1つとして、魅力あふれる中山間地域活性化プロジェクトを掲げ、総合的かつ横断的に中山間地域の振興を図っていくこととしております。
さらに、総合計画の個別計画となる中山間地域総合振興計画を策定し、2次総と連動し、全庁挙げて中山間地域振興のための事業を推進してまいります。したがいまして、現時点では、中山間地振興条例を制定する考えはございません。
以上でございます。
◯財政局長(諸戸修二君) 公契約条例の関係でございます。
この御質問にございました公契約条例につきましては、昨年9月に千葉県の野田市におきまして初めて制定がされました。この条例の目的は、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図るというふうにされております。
しかしながら、これまで民間部門における賃金などの労働条件につきましては、公契約履行のための業務であるか否かを問わず、その基準が労働基準法や最低賃金法などの労働法規で定められており、その範囲内で当事者間の自主的な取り決めにゆだねられているという見解が、国会での議論でも示されているところでございます。このことから、この条例の制定につきましては、国や他の地方公共団体の動向を注視していきたいと考えております。
以上でございます。
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 最初に、後期高齢者医療制度についての2点の御質問にお答えいたします。
現制度を廃止し、老人保健制度へ戻した後、新制度へ移行すべきということですが、国は、平成22年度中に後期高齢者医療制度にかわる新制度の法案成立を目指し、平成23・24年度を移行準備及び周知期間としております。
直ちに老人保健制度へ戻すことは、高齢者に対する周知や資格申請手続、市町村における移行作業等、相当な時間を要する上、その後、新制度へ移行する際にはさらなる負担を生じることになります。
高齢者に対しましては、きめ細やかな説明が求められるため、制度の改正に当たりましては、十分な周知期間を設けることが特に必要であると考えております。
次に、制度が廃止になることを受けて、市として保険料の値上げ中止、引き下げを広域連合へ求めるべきではないかということですが、後期高齢者医療保険料の改定は、本年2月22日の静岡県後期高齢者医療広域連合議会において議決、承認されております。今回の保険料の改定は、低所得世帯に対しては値上げとならないよう配慮したものであると理解しております。
次に、障害者自立支援制度についての御質問ですが、低所得者層における負担の現状、それから、現制度の中では発達障害、難病、高次脳機能障害がはざまに置かれているが、今後の総合福祉計画体制の中での見通しはということでございますが、障害者自立支援法の施行以後、障害福祉サービス等における低所得者層の利用者負担は、特別対策事業等の実施により軽減が図られてきたところでございます。このうち市民税非課税世帯における居宅及び通所サービスの利用者負担の上限額は、現在、月額1,500円から3,000円となっていますが、本年4月からは無料となります。
次に、現行制度廃止後の障害福祉制度につきましては、昨年12月、国に障害者制度改革推進本部が設置されまして、現在、障害者制度改革推進会議におきまして、発達障害、難病、高次脳機能障害等を含む新たな制度について検討されております。
今後も、国の動向を注視し、できる限り情報収集に努めてまいります。
以上でございます。
◯消防防災局長(岡村一博君) 昨年8月の駿河湾地震で想定の最強地震動を超えた浜岡原発の危険から市民を守るため、自治体として中部電力に運転中止の申し入れができないかという御質問でございます。
昨年8月の駿河湾を震源とする地震の際、浜岡原子力発電所5号機原子力建屋の一部の観測点で建屋の揺れが基準を超えたことは承知しておりますが、被災後に実施された経済産業省原子力安全・保安院による立入検査においても、特に安全性に関する指摘はなかったと報道されており、さらに、中部電力がその後に実施した設備健全性調査においても設備の耐震性には問題がなかったとの結論を得、これを公式に原子力安全・保安院に報告していることなどから、建屋の揺れが基準を超えたことが、直ちに原子力災害の発生に結びつくものではないと考えられます。
浜岡原子力発電所は、想定東海地震等にも対応できるよう、国が定めた耐震設計審査指針に基づいて建設、運営されており、東海地震等に対しても安全性が確保されているものと認識しております。こうしたことから、本市としては、中部電力に対し運転の中止を申し入れることは考えておりません。
以上でございます。