市税滞納問題について質問

85◯17番(内田隆典君) 皆さん、おはようございます。

気分よく朝を迎えられたと思いますけれども、PKを入れられたときはどうかと思いましたけれども、岡崎選手が頑張ってくれたんでよかったですね。本当にきょうは気分のいい朝だと思います。

市税滞納問題について、通告に従って質問をしていきたいと思います。

本議会にも、市立病院の医療費や市営住宅の家賃、簡易水道の使用料等の権利の放棄という議案が提案をされております。市立病院の医療費の問題では、救急で運ばれた方が医療費の滞納と。そうした中では、資格証明の人や無保険の人など深刻な状況の人が少なからずいると聞いております。景気がいつになったら回復するのか、派遣切りを初めとした労働者の雇用を守る問題と待ったなしの状況であります。

日本経済はこの10年間、長期の低迷と後退から抜け出せずにいると言われております。日本は、主要先進国でただ一つGDP(国内総生産)が伸びない、いわゆる成長がとまった国だと言われております。10年間に大企業の利益は年間15兆円から32兆円にふえたにもかかわらず、国民全体の雇用報酬は26兆円も減ってきております。大企業の内部留保金も142兆円から229兆円と膨れ上がりました。これまでは大きな企業がもうかりますと、そうすればその利益がいずれは国民の暮らしに回る、経済成長もするという、こういうことを言っておりましたが、この経済政策は今日破綻したということであります。

こうした中、昨日から参議院選挙も始まっておりますが、今度の参議院選挙でもいわゆる消費税の増税と法人税の減税問題、このようなことが言われておりますが、これでは景気を一層冷え込ませるという、これまでの大企業中心主義、利益を上げる経済政策と言わざるを得ません。

それでは、県内の景気はどうかといいますと、日本銀行の静岡支店の資料によりますと、振興国向けの生産増加を背景に持ち直しの動きが広がっているということであります。企業の設備投資は、振興国の需要の増加が持ち直しつつあり、企業の収益を背景に下げどまりつつあると。個人消費はどうかといいますと、百貨店の売り上げでは食料品に下げどまりの兆しが見られますが、主力の衣料品が、天候不順もあって低調に推移し消費者の節約志向が続き、全体では前年を下回っていると言われております。

こうした中、市内の中小企業の現状はどうかといいますと、最近のこの5年間、負債総額の推移を見てみますと平成18年が倒産件数15件で負債額が187億6,400万、19年が11件の810億7,300万円、20年が61件、129億3,200万円、21年が53件、610億600万円となっております。

このように、資料を見ますと一部企業が景気回復していると言われておりますが、中小企業は依然として厳しい状況下にあると言われております。労働者の中でもこの10年間の平均給与が15万円近く減ってきていると言われております。庶民の暮らしはなかなか大変だと言わざるを得ないのであります。

そこで、市税滞納問題について4点伺っておきたいと思います。

1点目は市税の滞納の現状についてであります。どうなっているのか、過去5年間の収納率と滞納額について伺っておきたいと思います。

2点目は滞納者への対応についてでありますが、景気が回復しない中、課税された金額をそのまま納められればいいわけでありますが、なかなかそういう状況にならない。分納を相談することを含め、相談に乗っていると思います。また、払える能力がある人が納めないという悪質な人については債権管理課に回すことを含めて対応すればいいかと思いますが、一般の納税者についての滞納処分、これが今日どのような対応をされているのか伺っておきたいと思います。

3点目は、市税の徴収嘱託員についてであります。景気が思わしくない中、職員で滞納処分をするだけでなくて現在徴収嘱託員を雇用し納税を促していると伺っております。現状について伺っておきたいと思います。

あわせまして、納税お知らせセンターの委託状況についてであります。民間の会社に委託をして滞納の整理についてお願いしているようでありますが、その実態について伺っておきたいと思います。

関連しまして、こうした人たちに対する守秘義務、当然公務員は守秘義務を課せられるわけでありますが、徴収嘱託員や、いわゆるコールセンターの人たちにも、委託先でありますから守秘義務がどのように守られるのか、このことが重要になっております。この守秘義務について、今日どうなっているのか伺っておきたいと思います。

それから、4点目は徴収嘱託員に対する滞納目録の管理についてであります。先日の新聞を見ますと、滞納目録の管理、この管理が十分じゃないという指摘がされ、それでこの守秘義務を含めて個人情報でありますからどのように対応するのか検討し、この改善策を打ち出したということが新聞でも報道されておりました。どのような改善策を打ち出したのか伺っておきたいと思います。

 

 

◯財政局長(諸戸修二君) おはようございます。

市税の滞納の関係につきまして4点、順次お答え申し上げます。

まず最初、過去5年間の収納率等でございますが、これにつきましては合併前の旧蒲原町と旧由比町の分も合わせまして、平成17年度が93.5%、18年度93.7%、19年度93.8%、20年度93.6%であり、平成21年度は93.2%を見込んでいるところでございます。

また、収入未済額、いわゆる滞納額につきましては、平成17年度約78億、平成18年度約77億、19年度82億、20年度約85億であり、平成21年度は約87億円と見込んでいるところでございます。

2点目の滞納者への対応ということでございますが、まずは電話あるいは文書による催告、続きまして臨戸折衝などにより納付を促すことといたしております。その際、納税者側からの申請を踏まえまして、やむを得ない事情により納付できないと認められます場合には徴収猶予、いわゆる分割納付の措置を講ずることといたしているところでございます。

その上で、もちろん議員の御質問にもございましたとおり、それぞれの状況に応じてでございますけれども、例えば納付約束を守られない場合、あるいは再三の催告に応じられない場合などにつきましては、財産の差し押さえなどの滞納処分を行うことといたしております。一方で、生活困窮などで担税力の乏しいという場合には、厳密な調査に基づきました上で滞納処分の執行を停止するという対応もいたしておるところでございます。

3点目の市税の徴収嘱託員、それから納税お知らせセンターでございますが、まず市税の徴収嘱託員は現在3区の合計で18名という体制で、催告書の送付、滞納市税の訪問徴収と不在の場合の文書催告、口座振替への勧奨などの業務を行っているところでございます。

また、納税お知らせセンターは民間事業者を活用して、オペレーター4名と管理者1名という体制で、電話による納付の呼びかけを行っております。このセンターの平成21年度の実績は、稼働日数が290日、うち夜間が80日、休日が48日でございますけれども、そして電話の発信件数が約7万3,000件、納付約束額が約2.4億円、そのうち実収入額が約1.7億円でございました。

守秘義務、個人情報等の関係でございますけれども、これにつきましては市税の徴収嘱託員につきましては非常勤の特別職の公務員であると、それから納税お知らせセンターのほうは委託ということでやっているわけでございますが、それぞれの規定に基づきまして個人情報の取り扱いには十分に留意をするように対応をしているところでございます。

最後に、徴収嘱託員の前回の事案の件でございますけれども、徴収嘱託員の方がその業務の遂行に際しまして扱います滞納目録、あるいは不在催告書などにつきましては、その持ち出しあるいは返還の状況把握をより一層徹底するために、その都度ごとの記録簿への記録と所属長による確認を行うよう、その管理体制の強化をいたしたところでございます。

以上でございます。

〔17番内田隆典君登壇〕

 

 

◯17番(内田隆典君) 滞納の状況でありますけれども、93%ぐらいが納められているけれども滞納額が85億ということで、かなり厳しいですね。経済状況の反映かと思いますけれども、同時に私が心配するのは、嘱託員が18名、訪問等々でやられているということですけれども、その辺の守秘義務についてきちんと対応されているということでありますけれども、滞納目録の管理を含めてこれは厳しくしていかないと同じようなことが起きる可能性がありますから、ぜひお願いしたいと思います。

それから、納税担当者というのは、本当に経済状況が厳しいわけですから、大変苦労して対応しているというのはわかります。だた、役所に納税相談に見える方もなかなか納められればいいわけですけれども、一括で納められないからなかなか足も重いという中で、大変相談にも行きにくいという状況があると思います。

私、気になるのは、そういう納税者が、厳しい環境の中で分割納付を含めたりだとかいろんな形で相談に来るわけですけれども、今、清水区、葵区、駿河区、それぞれ区で納税相談等々をやっていると思いますけれども、きちんと当然法律に沿った形で納税相談がやられていると思うんですけれども気になることがあります。納税課で1年に何回かわかりませんけれども、どういう形で納税相談をやって納税率を高めるかということもやっているということですけれども、統一した形での納税相談がやられているのかどうか少し疑問でありますから、どのような形で統一的な対応をされているのか、その点を1つ伺っておきたいと思います。

それから、分割納付について考え方を伺っておきたいわけであります。当然、市税には固定資産税で4期だとか国保の10期、軽自動車税とか住民税で4期だとか、いろいろ税によって納め方が違うわけでありますけれども、そうした中で、普通であれば1年、年度内で納めてくれればいいんだけれども、なかなかそうはいかない場合は遅くとも2年以内に納税するような形をとってくれと、そういう相談をお互いやっていると思うんですけれども、それはそれでいいとして、私が気になるのは、この3つの区の中で相談する中で、ある区は仮に固定資産税が4期でありますと、1期、2期、3期、4期ということで年度内に納めればいいわけですけれども、最近はもう1期、2期、3期、4期その都度きちんと納めていただきたいと、年度内に完納するというやり方はうまくないという指導がされているわけですね。私は、こういう納税の指導というか相談というのはちょっと行き過ぎじゃないかと。年度内に納めていただければいいんじゃないかと思うんですけれども、なかなかそうなり切れてないというところがあるやに聞いているんです。

ここらをやっぱり3つの区で統一して、納税者がきちんと納められるようにやってもらいたいと思いますけれども、その辺についての考え方を伺っておきたいと思います。

 

 

◯財政局長(諸戸修二君) 同じく市税の滞納の関係で、2点につきましてお答え申し上げます。

まず最初の、滞納整理の対応なり方針の統一についてということでございますけれども、滞納整理の方針につきましては毎年度財政局、それから各区の経営方針に基づきまして、納税課と各税務課におきまして統一的・体系的に定めているところでございます。

さらに、納税課と各区税務課におきまして、その方針に基づく具体的な取り組み内容を静岡市滞納整理大綱として定めて、これに基づいて滞納整理に当たっているところでございます。

次に、徴収猶予、いわゆる分割納付等につきまして、御質問にもございましたとおり、地方税法の規定に基づきまして原則は1年以内の期間に限りという要件がございますけれども、一定の要件に該当する場合には徴収猶予できると。また、その徴収猶予した場合につきまして、納付等やむを得ない理由があると認められる場合には、さらにその申請に基づきまして、通算2年を超えない範囲内でその期間を延長できるというふうに法定がされておりまして、納税者の方から納付が困難である等の相談があった場合には、この法律の範囲内で個々の実情に応じて対応しているところでございます。

区ごとで対応といいますか、話の仕方が異なっていたというようなお話がございましたけれども、仮にそういう印象を与えたということがございましたとすれば、今後そのようなことが生じないように対応を徹底していきたいと考えております。

なお、市民との応対に際しましては、市民の皆様から喜ばれ納得され、信頼していただく応対を目指すことを目的にやっております、市民応対向上運動を踏まえた応対にも努めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

〔17番内田隆典君登壇〕

 

 

◯17番(内田隆典君) 答弁いただきました。

今の局長のような対応されていれば僕は問題ないと思うんです。統一された見解でやるというのは当たり前のことで、それがやられているということであればそれでいいんですけれども。

それから、納付の分割の問題ですけれども、一部問題があったというのは、固定資産税というのを例として出したんですけれども、私は固定資産税というのは、いわゆる収入がなかったり、それから業者の場合はなかなか資金繰りで難しいという中で、1期納めなくても3期、4期で完納するということがされているんですね、これまでもね。

そういう形で今までやられていたのが、急にそういう方向性がとれないという言い方をされると、なかなか中小業者のこの景気が余りうまくない中で大変だということでありますから、今、局長が言われたとおり、納税の猶予の問題も含めて、私は各区にもきちんと指導しながら、納税者が安心して生活、営業できるようにやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。