◯17番(内田隆典君) ただいま議題となっております発議第9号高校無償化に関する意見書、発議第10号企業・団体献金の禁止を求める意見書について、提案者を代表して提案理由の説明をさせていただきます。
最初に、高校無償化に関する意見書についてであります。
今年度から公立高校では、授業料の不徴収、私立高校では就学支援金の支給として高校無償化の一歩が始まったことは大きな意義があることです。子供を持つ上での不安のトップは、どの世代でも経済的負担の増加です。中でも教育費の負担、高校入学から大学卒業までにかかる費用は、子供1人当たり平均で1,007万円と言われております。教育費は年収の34%に上り、年収200万円から400万円の世帯では、何と48.3%に達します。高校も大学も無償化していくことは、国際人権規約で定められている世界のルールであり、ヨーロッパでは教育費負担がほとんどかからない国々が少なくありません。
今春から始まった高校無償化をさらに前進させる上で問題になっている公立高校の授業料についてであります。現在の制度では、国が負担する交付額が自治体で徴収していた授業料の総額ではなく、全国一律の調整率0.885が掛けられたことによって、静岡市においても800万余の減収となってきています。
こうした中、静岡市においても、国に対し生徒数に応じた授業料相当額を全額国が負担するよう求めているところであります。高校無償化に伴い、国民の負担増にならない措置、あわせて私学への就学支援金の水準を引き上げるなどして、公私間格差が出ないよう対策が必要であります。
すべての子供が同一の環境の中、ひとしく教育が受けられるよう求めるものであります。
次に、企業・団体献金の禁止についてであります。
鳩山政権が退陣に追いやられた最大の理由の1つは、政治と金の問題でした。しかし、菅内閣でも荒井国家戦略担当相が不透明な事務所費を計上していた疑惑が持たれています。
現政権では、こうした疑惑に対し、真摯に説明しようとする姿は全く見当たりません。政治改革が唱えられ始めてから20年が経過いたしました。この間、政治改革の名をかりて、選挙制度の改悪、政党助成金の導入と、政治資金規正法の一部改正、改定などが行われてきました。しかし、これらの措置は、この間の数々の政治と金にまつわる疑惑にも明らかなように、その解決は全く無力であったばかりか、本来、最も必要な改革を後景に追いやる点で有害な役割さえ果たしてきたと言わざるを得ません。
政党助成金について言えば1995年に導入されて以来、2010年までに4,800億円近くもの税金が投入されてきております。もともと政党助成金は、企業・団体献金を廃止するという口実のもとに導入したものです。いまだに片手に企業・団体献金をもらう一方、もう一方の手で国費を受けるというのは、詐欺にも等しい行為であります。企業・団体献金は、もともと賄賂性の強いものであり、営利目的の企業が献金するのは、その見返りを政治に求めるからであります。
金で政治をゆがめる企業・団体献金は直ちに禁止するよう求めて、提案理由といたします。御賛同のほどをよろしくお願いいたします。