日本共産党市議団を代表して議案第212号、第221号へ反対討論

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DSC_0580◯2番(寺尾 昭君) 日本共産党市議団を代表いたしまして議案第212号、第221号に反対の討論を行います。

まず、議案第212号、静岡市一般会計補正予算(第3号)についての討論であります。

子ども・子育て支援事業計画策定事業については、国が27年度から始めるとしております子ども・子育て支援新制度に対応する制度管理システムの開発に要する補正予算であります。これまで国は、官から民へという動きを強めてきており、公的な役割を後退させてきております。福祉・医療・教育など、国民にとって最も切実な事柄についても例外ではなく、民営化が進んできているわけであります。このような動きの中で検討を進められてきたのが、この子ども・子育て新制度と言えると思います。

児童福祉法第24条を改正し、保育の公的責任を曖昧にしてきたと言えるわけであります。保育分野にこれまでは認めていなかった株式会社の参入を認めたことは、その端的なあらわれだと言えるのではないでしょうか。

厚生委員会の議論の中で、当局は、市として公的責任は後退させないと言明をしております。市の今後の努力は大いに期待をしていきたいと思いますが、先日、保育団体との懇談の際に、市立保育園の民営化は行わないでほしいという要望には、それは約束できないと答えておりまして、この民営化の方向は否定しておりません。

また、本当に待機児童の解消につながるか、この点についても疑問であります。保育所は、現在でも定員は超えている状態であります。施設の増築や保育士あるいは幼稚園教諭の増員を行い、認定こども園へ移行することは大変困難だという実態があるわけです。

定員を下回っているこの幼稚園でありますけれども、施設・人員の補充は同様の困難性がある。仮にこれができたといたしましても、3歳以上の定員はふやすことはできても、待機児が多いゼロ歳から2歳までの定員増にはつながらない、こういうことも言えるのではないでしょうか。小規模保育や認可外保育に期待せざるを得ないということではないかと思います。

私たちは、改めて公立や認可の保育施設の増設で待機児解消を図ることこそが、子供本位の子育てだということを改めて提案をする次第であります。

新制度は、これまでの保育所と幼稚園の連携により、保育と教育を同時に行い、管轄を内閣府に一元化するとしております。従前のままの保育所なり幼稚園というのは継続はできるとしておりますけれども、新制度の適用を受ける場合は、大きく変わることになるわけであります。補助金制度を給付金と変えるわけでありますけれども、この場合も予算の削減や小規模保育、認可外保育など、多様な形態を認めたことによる、施設による保育格差の固定化が、心配になります。長時間、短時間預かりの採用ということで、子供への悪影響なども指摘されているところであります。

また、保育料がどうなるかなど、詳細についてはこれから検討されるという事柄が多くて、現段階では明確にされていないという問題もあるわけであります。消費税増税をこの新制度の財源にするとしております。低所得者に過酷な負担を強いる税制というのが消費税、社会保障のあり方にも反すると言えるわけであります。そういう点でも、認められないわけであります。

財政危機の立て直しには、消費税増税ではなくて、大企業の270兆円もの内部留保、富裕層への増税で行うべきであり、そういう方向をとっていけば消費税増税は必要ないと言えるわけであります。

また、これにあわせて、今、静岡市立の保育園、幼稚園を認定こども園に移行するということも発表されました。これも余りにも唐突ではないか、保護者や現場の職員に戸惑いが広がっております。市民の声や保護者、現場の保育士等々、関係者との十分な協議を行うことを改めて求めておきたいと思います。

議案第221号、財産の取得についてでありますが、これは日本平の公園計画、100億円余りの巨費を投じて、これもまた自然破壊にもつながるという心配もあるわけであります。私たちは、自然を生かした方法で魅力的な公園づくりが可能であることをこれまでも提案してきました。そして、計画の縮小、見直しも提案してきたわけでございます。世界遺産に登録されたことで、三保松原あるいは国宝の久能山としっかり均衡のとれた計画にしていくべきではないかと、改めて申し上げる次第であります。

以上を申し上げまして、反対討論といたします。