◯26番(鈴木節子君) 私は、日本共産党市会議員団を代表して、請願第3号国民健康保険料の引き下げを求める請願と第4号高齢者の肺炎球菌ワクチンの公費助成を求める請願に対し、賛成の立場で討論いたします。
まず、請願第4号高齢者の肺炎球菌ワクチンの公費助成についてです。
肺炎は、死亡原因の4位に位置し、高齢になるほど死亡率が増加し、肺炎の死亡者のうち65歳以上が95%を占めていると言われています。肺炎球菌は、肺炎や気管支炎など呼吸器感染症の代表的な病原体で、敗血症、骨髄炎など、致死率の高い合併症を起こしやすいことでも知られています。このワクチンは、一度接種すれば5年以上は効果が持続し、高齢者の健康不安に応え、重症化を防ぎ死亡率を低下させ、長期入院を防ぐことで費用対効果も期待できます。
厚労省の試算では、接種することにより、保険医療費全体で1年当たり5,115億円が削減されると推計されています。また、副作用については、日本ではアナフィラキシーなどの重篤な副作用は報告されておらず、安全性の高いワクチンと言われています。
以上の背景により、厚労省の予防接種部会で高齢者用肺炎球菌ワクチンを含めたワクチンの定期接種化の必要性について議論され、医学的・科学的観点から広く接種をしていくことが望ましいと提言され、平成25年度末までに、定期接種の対象疾病に追加するか議論を得るところまで進展しています。
お年寄りの負担軽減のために、県内でこのワクチンへの公費助成を実施している自治体は29自治体、検討中が3自治体、そして未実施が本市を含めて3自治体と、大多数の自治体が独自助成に踏み切っています。
こういう状況に対し本市は、ワクチンの安全性、有効性、供給体制の観点と後遺症対策が必要という理由から慎重な対応が続き、予防接種法による定期接種化が望ましいという理由から、独自助成は実施しておりません。しかし、お年寄りは、肺炎にかからないよう自費で8,000円から1万円も捻出をし、ワクチン接種を受けています。ある老人会では、署名の御協力を申し入れた際に、私たち高齢者のために署名に取り組んでくれていることに感謝したいと、ともに署名を広げ御協力をいただきました。
本市議会では平成23年9月議会で、国に対し、高齢者の肺炎球菌ワクチンの効果を挙げた上で、高齢者が健康で生き生きと暮らせるよう、ワクチン接種を定期接種に位置づけるよう求めた意見書が採択されています。他自治体で実施している公費助成をぜひ本市でも実現してほしいと、多くのお年寄りが切実な声を上げています。ぜひ本市でも公費助成実施に踏み切るべきと考えます。
続いて、請願第3号国民健康保険料の引き下げを求める請願についてです。
我が党の条例改正の説明で述べましたように、国保をめぐる情勢は深刻です。請願書面に取り組んだ市民団体が実施したアンケートによると、国保料が高いと感じているのは全体の93%、ほとんどの方が保険料が高く、もうこれ以上は耐えられないと訴えています。保険料の収納率が予想より上回ったのは、いざ病気になったとき滞納によって資格証、短期証では、受診に大きな弊害があるため、無理をして生活費を削り、やっとの思いで納めているのが実態です。
しかし、受診の際の窓口負担が重いために、いざ病気にかかっても受診を控えたり中断しているとの回答が4割です。受診抑制の実態が浮き彫りになりました。病気になったら心配だから保険証は必要と、無理をして保険料を払っていながら、病気になっても受診できない、これが本市の国保を巡る深刻な実態です。これで社会保障制度、国民皆保険制度と言えるでしょうか。
政令市との比較では、本市の国保の医療給付費は、1人当たり約30万円で、政令市中13番目と平均より下回っています。世帯別所得は約122万円、平均的な位置にあり、殊さら医療費が多いとか、高所得ということでもありません。しかし、国保料は政令市で2番目に高額、しかも国保基金積立残高は41億円と異常な国保運営を如実にあらわしています。
当局は、平成24年度に一気に3割も国保料を引き上げた結果、国保財政が安定的に運営できると説明しますが、市民の暮らしを脅かし続けてまで、暮らしを破壊する高額な保険料を押しつけることはもう許されません。保険料を引き下げるためには、一般会計からの繰り入れの増額、または基金を取り崩して医療給付費の赤字補填をすることで、十分国保料の引き下げは可能です。
今、本市に必要なことは、市民の暮らしを思いやる、福祉の心です。市民生活が疲弊しているときだからこそ、国保料を引き下げ、暮らしを応援する、このメッセージを示すことこそ、今求められています。国保料の引き下げを求める請願署名は、平成16年度の3万1,000筆から始まり、これまで10年間連続して取り組まれました。毎年約1万5,000人前後の方から切実な願いが寄せられています。署名数は延べで15万人以上に及び、このように連続して取り組まれている請願は、本市ではこの国保料引き下げを求める請願以外にはありません。これは、市民の国保料引き下げを求める声がいかに大きいかをあらわしています。国保基金残高が41億円も積み上げられている状況から見れば、負担能力をはるかに超えた国保料引き下げは、実現可能であり、実施すべきと考えます。
議場の皆さんにこの2件の請願に賛同いただけますよう心より訴えまして、賛成討論といたします。