◯3番(寺尾 昭君) 私は、市民へのより質の高いサービスを提供していくこと、そのために職員体制はどうあるべきか、こういう観点から今、進められている定員管理計画と臨時・非常勤などの非正規職員の問題について質問をいたします。
労働者の3人に1人、25歳以下の青年労働者では2人に1人が、今、臨時、派遣などのいわゆる非正規労働者ということになっております。増益のみそれを目的にした、いわゆる大企業などが中心になって、正規労働者をいつでも首を切れる非正規に置きかえてきた、そういう結果ではないかというふうに思います。
今や年収200万円にも満たないワーキングプア、1,000万人を超えると、こういう状況を生み出してきております。家庭が持てない、結婚もできない、家族のきずなも希薄になる、少子高齢化を助長すると、こういう結果を生み、また犯罪の増加など社会問題化している、こういう状況もあるわけです。流行語大賞、先ごろ発表されましたけれども、無縁社会と、こういう言葉も生まれているわけであります。
さて、私たち公務の職場についてはどうでしょうか。官製ワーキングプアという言葉も最近生まれております。決して私たちの職場でも例外ではなくなっている。住民と接する職員の賃金を初めとした労働条件や職場環境が保障されないで住民に質の高いサービスが提供できるのか、本市における正規職員と非正規職員の状況を明らかにしてほしいというふうに考えます。
さて、9月の議会における決算審査の中でも、本年4月1日現在の市の正規の職員数6,396人ということで公表されております。そこでお聞きいたします。
第1は、平成17年度と22年度における正規職員数と非正規職員数の推移はどうなっているんでしょうか。
2つ目、平成17年度と21年度における人件費比率、予算の中に占める人件費比率、どうなっているんでしょうか。
第3は、平成17年度と21年度における職員の1人当たりの時間外勤務時間数の平均、そしてまた、年次有給休暇の取得日数はどういうふうになっているか。また、21年度における行政職職員のうち最も時間外勤務時間が多い職員の勤務時間数はどうなっているのか。
そして4番目、非正規職員の種別と配置の状況、これがどうなっているのか。
5番目、非正規職員の賃金報酬等、これがどうなっているのか、まずこの5点をお聞きいたします。
◯経営管理局長(深津 薫君) 職員の定員管理と非正規職員についての5点の質問にお答えをいたします。
まず、平成17年度と22年度の正規職員等の推移についてでございます。
平成17年度と平成22年度の4月1日時点における正規職員数と非正規職員数は、それぞれ平成17年度が6,816人と2,327人、平成22年度が6,388人と2,910人であり、正規職員は428人の減、非正規職員は583人の増となっております。
次に、平成17年度と平成21年度の人件費比率でございます。一般会計の歳出決算における人件費の占める比率は、平成17年度が21.0%、平成21年度が16.4%でございます。
次に、平成17年度と平成21年度の職員1人当たりの時間外勤務と有給休暇の平均等についてでございます。職員1人当たりの年間の時間外勤務時間数は、平成17年度が158時間、平成21年度については195時間で、最も多い時間外勤務時間数は1,323時間でございます。
職員1人当たりの年次有給休暇の平均取得日数は、平成17年度が10.8日、平成21年度が9.7日でございます。
非正規職員の種別と多い職場ということでございますが、本市における非正規職員の種別としては、非常勤職員、臨時職員、パートタイマーといった区別がございます。平成22年4月1日における配置状況のうち、非正規職員が多い職場と、その人数を挙げますと保育園の872人、図書館の147人、小学校の135人、生涯学習交流館の106人などとなっております。
非正規職員の報酬等についてでございますけれども、非正規職員の報酬等の勤務条件は、その種別、職務内容等により異なっておりますが、非常勤職員のうち代表的なものを幾つか挙げますと、保育園に勤務する保育士につきましては、週38時間45分勤務で月額15万9,700円、図書館や生涯学習交流館、一般的な市の職場などに勤務する事務職員は、週31時間勤務で月額12万800円、小学校などに勤務する調理員は、週38時間45分勤務で月額14万5,200円などとなっております。
以上でございます。
〔3番寺尾 昭君登壇〕
◯3番(寺尾 昭君) 2回目でございますが、定員管理計画は、平成11年度にスタートをしております。このときの職員数、この定員管理計画の中にも示されておりましたが、7,327人、本年度から第2次計画ということで始まっております。今後5年間で、また新たに276人を削減するというふうな計画になっております。計画どおりに推進されたといたしますと、この間、合併等があったわけですけれども、若干この合併等の数値をそろえるという意味での複雑な面もありますが、私の計算では1,362人の削減ということになります。削減率は18%を上回るんではないかなというふうに考えられます。
今、公務員を2割減らそうというようなことで公約としている政党もあるわけですけれども、静岡市の場合は、平成11年度を基準にいたしますと、既にこの2割削減に近づいているというふうに言えるんではないかというふうに思います。
今、回答がありましたけれども、静岡市においても正規職員が非正規に置きかえられてきているという状況があるわけです。そしてその間、職員の給与の削減、人件費比率もある面では着実に下がっているということでありますし、そしてまた、時間外勤務が反比例の形で増加をしているという状況があるわけであります。非正規職員は、先ほどのお話では2,910人というふうに言われておりましたけれども、私のいただいた資料では、もうちょっと多い人数があったわけであります。
正規職員数も減ってきているということで、いずれにいたしましても、正規の職員2に対して非正規職員1、2対1というのが現在の静岡市の実態だということになります。全国的な水準も現在、3人に1人が非正規職員、一般の労働者の場合でも3人に1人、つまり2対1ということになっているわけですから、静岡市の場合もいわば全国水準をいくと、今、こういう状況になっているということが明らかにされたわけであります。
そこで、次の質問をいたします。
平成20年度と21年度の比較で、時間外勤務、どんなふうになっているのか。もし増加していると、多分増加していると思うんですが、どの部門で増加しているのか、また、時間外勤務を減らすための努力、いろいろやられていると思うんですけれども、どんな方策を講じておられるのか。
ことしの人事委員会の報告、勧告という中で、長時間勤務の是正という項目があります。時間管理に関する項目を人事評価の指標に取り入れると、こういうようなことを検討すべきであると、こういう項目があるわけでありますけれども、これは、いかがなものかと私は思うんですけれども、どんな趣旨でこんな項目を入れたのか、人事委員会にもお聞きをいたします。
また、この人事委員会報告の中で長時間勤務、やはり同じ項目のところで職員数と時間外の関係、これに全く触れていないわけなんですけれども、この点について人事委員会はどんなふうに考えていらっしゃるのか、この点についても明らかにしてください。
次に、21年度と22年度における、今退職者が再任用制度というのが始まっておりますけれども、この再任用の人数、どんなふうな推移になっているのか。また、最近のいわゆる事業の民間化ということで指定管理者制度あるいはPFIなど委託化、民営化ということが広がっているわけですけれども、21年度において民間活力の活用ということで、これが職員の削減にどのようにつながっているのかという点ですね。
さらに次の質問は、臨時職員、非常勤嘱託職員、先ほど大変低い、いわば先ほど言いましたような官製ワーキングプアということに匹敵するような金額、報酬額等々の報告があったわけですけれども、この待遇改善というのが、やはり非常に重要ではないかと思います。どのように今後進めていくつもりなのか、この点についてもお聞きいたします。
また、職員の削減ということが実態として続いておりますけれども、ほかの指定都市との比較でどんなふうな位置を占めているのか、この点を2つ目の質問としたいと思います。
◯経営管理局長(深津 薫君) 職員の定員管理と非正規職員についての5点の質問にお答えをいたします。
まず、時間外の推移と時間外抑制の方策についての御質問でございます。
平成21年度の正規職員の時間外勤務総時間数は112万7,767時間で、平成20年度の105万4,250時間と比べ7万3,500時間余の増加となっております。
時間外勤務の増加要因といたしましては、平成20年度に比べ選挙の実施回数がふえたことのほか、保健福祉子ども局で新型インフルエンザの発生に対応したこと、生活文化局で本市において国民文化祭が開催されたことなどから、時間外勤務が増加したことが挙げられます。
時間外勤務の抑制のための方策としましては、毎週水曜日を定時退庁日に設定し、職員に定時退庁を呼びかけているほか、各局及び区を対象としてヒアリングを実施し、時間外勤務の現状を確認するとともに、時間外勤務の事前命令を徹底し、必要性の低い時間外勤務は行わないなど、各所属においても時間外勤務の縮減に取り組むよう要請をしております。
続きまして、平成21年度と22年度の再任用者数の推移についてですが、本市では、平成20年度から定年退職者の再任用制度の運用を開始しましたが、平成21年度と平成22年度の各年4月1日における再任用職員数は、それぞれ40人、50人となっております。このうち平成22年4月1日に新たに再任用職員となった者は20人でございます。
次に、民間活力の活用による職員削減実績についてでございます。
民間活力の活用により平成22年4月1日における対前年度実績として、正規職員が26人、非常勤嘱託職員が44人それぞれ減となっております。その内訳は、競輪開催業務などの民間委託化や公立保育園の民営化に伴い正規23人、非常勤35人の減、東海道広重美術館などへの指定管理者制度の導入に伴い正規3人、非常勤9人減となっております。
臨時職員、非常勤職員の待遇改善についてでございますが、本市の臨時職員、非常勤職員の賃金、報酬額等については、類似する職務の正規職員の初任給に準じ決定をしております。これまで非常勤職員につきましては、休暇制度の改善や人員確保が課題となっている保育士等の資格職について給料の見直しを行うなど、処遇の見直しに取り組んでまいりました。今後も非常勤職員等の処遇につきましては、国や他の地方公共団体の状況等も参考にしながら検討を続けていきたいと考えております。
最後に、本市の職員1人当たりの人口及び指定都市の中での順位についてでございます。
平成21年4月1日現在における本市の職員数は、病院事業や水道事業、鉄道、バスなどの交通事業を除く普通会計ベースで見ますと4,805人であり、職員1人当たりの人口は150人でございます。指定都市18市の中での順位は、職員1人当たりの人口が多いほうから7番目となっております。
なお、職員1人当たりの人口が一番多い市は横浜市の182人、一番少ない市は大阪市の98人であり、指定都市の平均は139人となっております。
以上でございます。
◯人事委員会事務局長(竹下 昭君) 時間外管理を人事評価の指標とすることの趣旨と、職員数と時間外勤務時間の関係についてお答えいたします。
人事委員会といたしましては、近年の時間外勤務の状況について問題意識を持っており、その縮減について毎年、この報告において言及しているところでございます。任命権者においても縮減策を講じているところでございますが、現状の縮減策に加えて何らかの対策を講じる必要があると考えており、本年の報告において、具体的な縮減策について提言を行ったものでございます。
その1つである時間管理に関する項目を人事評価の指標へ取り入れることは、職員の時間外勤務の削減への取り組みを積極的に評価するためのもので、国を初め他の団体においても導入してきており、本市においても同様の趣旨から検討すべきであると報告したところでございます。
また、職員の人員配置につきましては適正に行われているものと考えておりますが、時間外勤務が毎年増加していることから、報告の中では、経営層による強いリーダーシップのもと、実効性ある縮減策を全庁的に進める必要があると言及しております。
以上でございます。
〔3番寺尾 昭君登壇〕
◯3番(寺尾 昭君) 人事委員会の回答が少し質問とずれていたような、どうして人員の問題も触れないかというふうに聞いたわけですけれども、もう少し具体的にお答えいただけるとありがたいと思います。
3回目です。今、回答がありましたように、職員の時間外勤務を減らすための方策は、結局いろいろやっているけれども実効が上がっていないと、こういう結果に今なっております。原因はいろいろあるということだと思いますが、基本的な原理を言えば、極めてこれは明らかだというふうに私は思うんです。仕事量を減らすか、仕事に携わる人をふやすか、そういう意味では原理は簡単というふうに思うわけでありますけれども、もちろんそれだけで片づくというふうには言いませんけれども、そこの基本的なところにしっかりと立脚をするということは、それはそれとして極めて重要だというふうに思います。ぜひさらに検討していただきたいと思います。
組合による臨時・非常勤や嘱託職員に対するアンケートが出ておりますけれども、この非常勤の方々も自分たちの仕事は臨時的なものではない、恒常的なものだというふうに答えている方が6割いらっしゃいます。また、そういう仕事は本来正規の職員がやるべきではないかという方も4分の1おられます。また、賃金や労働条件に不満を感じているという方は6割いらっしゃるわけです。しかし一方で、こういう皆さんも7割近い方は、この臨時職員、嘱託職員ということであっても仕事にやりがいを感じていると、こういうふうに答えているんですね。
定員管理計画のもとで削減されてきた正規職員に置きかえられてきました非正規職員の多さというのは、先ほど言いましたように大変驚くわけです。実際上、勤務の継続性、安定性という点では、これは途中でやはり、言ってみれば首を切られるというような状況にありますから、問題がないとは言い切れない。また、市民の信頼性を確保するという点からいっても問題ではないかというふうに思います。
一般的に働いて賃金を得る、その額が生活保護の水準にも達しないといういわゆるワーキングプア、それがまた行政の分野でも進んでいるという状況があるわけであります。ぜひこの待遇の改善、先ほど今後も検討を進めていくというふうに言いましたので、お答えになりましたから、ぜひ期待をしたいというふうに思います。
そして、問題なのはこの方々の雇用の不安定さ、ここにあるわけです。任用期間が来れば自動的に解雇される、任用期間中であっても、必要なくなれば解雇ができる。言ってみれば使い捨て自由と、こういう状況にあるわけです。職種の中には専門性の高いものもあります。先ほどお話がありましたように、保育所の保育士さんなどがそういう職種だというふうに思いますけれども、こういう方々の継続性、安定性ということについては、住民サービスにも……
◯議長(安竹信男君) あと1分です。
◯3番(寺尾 昭君)(続) 大きな支障が出てくるということになるわけであります。
また、いずれにしてもこういう観点から見たときに、これまで進められてきた定員管理計画が、この職員の気持ちに本当に沿っているものかどうか、ここももう一度検証をしていく必要があるんではないかというふうに思います。
今、職員数の不足が問題となっているすべての原因ではありませんけれども、大いに今後検討を進めていただくことを要望して、質問を終わります。