◯38番(山本明久君) 私は、日本共産党市議団を代表いたしまして、24件一括議題となっております議案のうち、以下の2件について反対の討論を行います。
1件目は、議案第1号25年度一般会計補正予算です。反対理由は、国直轄道路事業負担金5億円の増額です。この直轄事業負担金制度は廃止すべきだという立場から、我が党市議団はこれまでも反対してきています。
この制度は、道路法などの縛りで、受益者負担の立場から、国直轄事業費の一部を自治体に押しつけているものです。
道路の新設・改築の場合、地方負担は3分の1となります。平成22年度から廃止に向けた第一歩として、維持管理負担金や人件費と事務費に当たる業務取扱費などが廃止されており、制度を全廃するよう全国知事会などから要望が出て、27年度までに廃止できるかどうか、今、検討協議がされていますけれども、結論は現時点では出ておりません。この問題は、県事業に対して、市町に一部事業の負担を条例で縛っているという問題にも関係してくるものです。
今回の補正予算案では、国道1号バイパスにおいて、鳥坂、千代田、羽鳥地域の道路改良や舗装などの費用に充てると説明されており、当然この整備は早急に進めていただくことが求められていますけれども、財源を地元に押しつけるのではなくて、国が自分の予算でしっかり進めるべきものです。しかも、市はこの負担金を上納するために多額の借金をするわけですから、こんな制度は直ちに廃止すべきだということを強調しておきます。
2件目は、議案第20号静岡市市民文化会館条例の一部改正についてです。反対理由は、消費税増税分の利用者への転嫁、上乗せによる負担増です。
我が党は、消費税は今、増税すべきではないという立場です。国の予算案もまだ通っておりません。引き続き、不当な増税はやめるべきだという立場を貫きます。4月からの消費税増税がいかに不当か。政府は社会保障充実の財源に充てると国民に説明してきました。しかし、その社会保障はというと、昨年末に強行されたプログラム法と、今国会に提案されている医療・介護総合推進法案では、逆に負担増と給付削減が同時にやられており、社会保障の充実どころか、解体につながるものとなっています。
また、もう1点、財政再建のためという説明もされてきましたけれども、今、異次元の金融緩和等5.5兆円の補正予算での公共事業によって、じゃぶじゃぶどんどんという形でつぎ込まれていて、4月以降の景況予測は逆に大幅悪化というのが指摘されています。ですから、税収は明らかに落ち込んでいきます。それに加えて、大企業には減税ということです。
財務省によりますと、法人実行税率を1%分下げると、4,700億円の税収減になるそうです。経団連は今10%を求めていますから、それがもしやられれば5兆円近い税収減になるわけで、穴ができるわけです。
こうしてみると、消費税を上げても増税分以上に税収減になってしまいます。消費税増税の口実とされた2つの一体改革は、既に破綻がはっきりしているということです。
今、賃金は連続して落ち込んでおり、年金も引き下げられ、経済を支えている中小企業、小規模事業者の売り上げも落ち込んでいます。
一方、つくられた円安によって、原材料の高騰や物価は上がってきています。こんなとき消費税増税は、暮らし、営業、経済をどん底に突き落とすことになることは明らかです。4月からの増税は、絶対にやめるべきです。
総務省は、昨年末に自治体が公共料金に消費税増税分を適切に転嫁することを基本とするよう、地方自治法に基づく技術的な助言を通知していますけれども、そんなことは大きなお世話です。消費税増税分を使用料や公共料金に転嫁するための今回の条例改正は、容認することはできません。
以上、2つの反対理由を述べましたけれども、基礎自治体の事業のほとんどというのは、市民や地域に必要なものです。しかし、その中には、無駄や不当なもの、負担増や市民要求に反するもの、地域住民の合意がないものなどがあり、そうしたものには我が党市議団は反対するという基準で対応しています。この立場を今後も貫いていくことを表明して、討論を終わります。