◯39番(内田隆典君) 通告しております項目について質問させていただきます。
最初に、三保地区への観光対策についてであります。
三保松原が富士山世界文化遺産構成資産に登録されて、もうすぐ1年を迎えるわけでありますけれども、関係者の皆さんの努力もあり、大逆転での登録となりました。構成遺産決定後、前後して三保松原へは県内各地から大勢の観光客の皆さんが来静をしているわけでありますが、決定後、地元の皆さんはもとより、多くの皆さんが三保松原の清掃を初め、松原の育成に力を注いでくれているところであります。
静岡市もこれまでにも増し、松原の保全や交通アクセスの向上、観光バス、駐車場の整備等々、力を入れているところであります。しかし、まだまだ海岸浸食対策や三保街道の架空線の撤去、羽衣資料館建設問題等々、課題もあるところであります。
そこで、幾つか質問させていただきます。
1点目は、世界遺産登録後の観光客の入り込み客数についてであります。
1年前の5月の連休、ことしの正月等々は大変な渋滞を起こしました。正月1日には、関係職員の皆さんが対応に追われていました。世界遺産登録後の観光客の状況がどのように変化をしてきているのか、伺いたいと思います。
2点目は、観光バスへの対応についてであります。
現在は、土日だけでなく平日でも多くの方が三保松原へ足を運んでいただいております。
そこで問題になってきているのが、大型バスの神の道の通行による松並木への影響であります。現在、新しい駐車場を三保生涯学習交流館の前にあります交流館建設予定地の一部を借りて、そこで観光客の皆さんにおりていただき、御穂神社への前を横切り、神の道を通って三保松原観光というコースをとっております。
しかし、一定時間を経過しますと、観光バスは神の道を通って、もとの駐車場へ迎えに行くという状況であります。現在の観光バスへの対応、新駐車場の乗降状況について、伺います。
3点目は、降車状況を10月1日からは観光バスを一定制限をする。進入を禁止するということを伺っておりますけれども、観光バスへの対応について、伺っておきたいと思います。
次に、静岡市立病院についてであります。
清水病院について伺います。
先月、突然、清水病院での人工透析が医者の退職等で7月から対応できないという旨の説明が患者さんの皆さんにされております。
清水病院は約70名の透析患者がおりまして、2名の担当医師がいる。1人の医師が退職、もう1人の医師は医局の人事によって他の病院へ異動が決まっているということであります。
この間、市長も関係する医局へお願いに行っているようでありますけれども、患者さんへは5月14日ごろから個人個人への現状を説明、他の病院へ移るよう話をされてきております。患者さんにとっては、命にかかわる重要な問題でありまして、5月22日、患者会として清水病院への要望書を提出すると同時に、要望活動も行ってきているところであります。
私もこの要望活動に参加をさせていただきましたが、患者さんからは、最初から異動ありきでどういう病院があるのか説明をされない。紹介状を書くと言われても、半分は高齢者の皆さん。病院側は説明で5月半ばから市立病院での透析が今後できないという話を聞いたが、私たち患者は昨年の11月には担当医師からこういう話を聞いていると、そういう点では病院側の対応は大変遅いんではないかという話がされておりました。そして、この話が出てから眠れなくなり、睡眠薬を飲むようになったがそれでも眠れないと、深刻な訴えが複数の方からされておりました。
私は、この間、病院当局の対応が十分だったのか、大変疑問に思っているところでありますけれども、そこで、3点について伺いたいと思います。
1点目は、清水病院の診療科目の現状がどのようになっているのか。
2点目は、透析患者へのこれまでの対応がどうなっていたのか。
3点目は、透析患者の現在の状況、対応を十二分に行っているのか、伺いたいと思います。
次に、地方独立行政法人化についてであります。
この独法問題については、前回も私は質問させていただきましたけども、静岡市は静岡病院が2016年に、清水病院が20年代半ばに独法化を進めると、こういう方針を打ち出しました。9月議会では定款を定めた条例案を提出すると言われております。
当局は、この流れに沿って淡々と事を進めておりますが、私は市民や関係者の理解が今日十分なのかどうか、独法ありきで進めていることに大変問題を感じているところであります。
そこで、4点について伺いたいと思います。
1点目は、病院職員、看護師に対し、この間、当局はどのような説明をされているのか。
2点目は、看護師を含め、病院の職員の皆さんが、この間、独法化について現状を理解されていると当局は認識をされているのかどうか。
3点目は、医師や看護師の確保についての考え方であります。
当局は、独法化すれば医師も看護師も、確保について今以上に前進があると考えているようであります。私は、そう単純ではないと考えております。現状の医師確保の確保状況や、7対1の看護体制を目指すと言われておりますけれども、看護師の確保状況はどうなっているのか。看護師の確保については、私は病棟ごとに7対1を目指す体制をとる場合、何人の看護師が必要となるのか、増員が必要か、細かく計画を立て、順次進めていくべきだと考えておりますけれども、現状について、考え方を伺いたいと思います。
4点目は、経営形態についてであります。
22年12月の段階で市立病院の経営形態最適化検討会で、地方公営企業の全部適用という答申が出されました。その後、平成25年8月、重要政策検討会議、ここで独法への移行を方針決定をしてきているわけでありますけれども、私はこのときの全適から独法への移行過程が不明確ではないかと感じております。
当局のこの間の議会への説明によりますと、経営形態最適化検討会では、独法は民間的手法を取り入れるなどの点ですぐれているとの評価を得たが、実例数が少ないとの不確定要素があるため、その時点では全適がふさわしいと判断したと、このようなことでありました。その後、全適から独法へ移行する病院が多く出ていることから、最適化検討委員会の評価、検討の延長線上であると判断し、重要政策検討会で方向性を審議し、方針を決定したと、このように言われております。全適と判断したときは独法へ移行する病院が少なかった。その後、ふえてきたから独法へ変更したと、単純にこんな答弁のようでありました。具体的に何が問題だったのか、独法化に変更した理由ですね、改めて伺いたいと思います。
◯経済局長(斎藤 誠君) 三保地区への観光対策についての3点の御質問にお答えをいたします。
まず、三保地区への観光客の入込客数ですが、平成24年度は、推計62万人でしたが、25年度は前年度比約2.5倍の156万人となりました。
次に、現在の観光バスへの対応についてですが、松の保全と世界文化遺産構成資産である御穂神社や神の道を楽しんでいただけるよう、全ての観光バスを新観光バス専用駐車場に誘導をしております。ここから観光客の皆さんには、羽衣の松まで歩いていただくわけですが、特に復路については、本市がバス通行の抑制方針を発表する前に企画されたツアーも多く、滞在時間の関係からか、なかなか御協力いただけていないのが実情です。
3点目の質問である、平成26年10月1日以降の対応についてですが、羽衣の松駐車場を廃止し、バスの本格的な通行抑制を実施をしてまいります。このため、旅行会社などに対し、滞在時間の延長をお願いをしているところで、既にそうしたツアー造成に御協力いただける旅行会社もあらわれてまいりました。
今後も、引き続き、各方面への周知と協力をお願いしてまいります。
◯病院局長(上松憲之君) 静岡市立病院に関します御質問のうち、初めに、清水病院の診療科目充実についてお答えをいたします。
まず、診療科目の現状についてでございますが、本年4月現在、25の診療科のうち、常勤医師が不在の診療科は、精神科、循環器内科、呼吸器外科及び耳鼻咽喉科の4科でございます。
なお、7月からは内科のうち腎臓内科において常勤医師が不在となる状況でございます。
次に、透析患者の皆さんに対するこれまでの対応についてでございますが、まず、医師の退職の話が正式なものとなり、本年5月に入り、病院内への掲示を行い、次の2点につきましてお知らせをいたしました。
1つ目は、7月から常勤医師が不在となること。2つ目は、現在透析中の患者の皆様については病院が責任を持って診療所などに紹介をすることです。さらに、中旬には、患者の皆様への説明会を開催し、御意見をお伺いいたしました。
その結果、現在の状況についてでありますが、現時点では62人中59人の方との面談を実施し、希望をお聞きしながら、市内のクリニックを紹介させていただいているところでございます。
次に、地方独立行政法人化について4点の御質問にお答えいたします。
まず、病院職員への説明会等の対応についてでございますが、本年4月中旬から5月中旬にかけて、静岡病院職員を対象に、地方独立行政法人への移行を決めた経緯や移行後に適用される制度の内容、今後のスケジュールなどについて6回の説明会等を開催し、約640人の参加を得ております。
また、4月から病院局内に職員相談窓口を設置し、電話やEメールなどによる個々の職員からの質問に随時対応をしております。
さらに、5月末には職員向けの情報紙を発行し、独法化の進捗状況や職員から寄せられた主な質問とそれらに対する回答を掲載しております。
今後も、独法化に当たっては、個々の職員に影響がある事項ですとか、移行業務の進捗状況について、積極的な情報提供に努めてまいります。
次に、独法化に関する職員の理解についてでございますが、これまで説明会等を通じ、市立病院の諸課題を解決するための経営形態として、地方独立行政法人が最適であることなど、独法への移行理由や制度について説明を行ってまいりました。
説明会等で職員から出されました質問では、移行後の給与や勤務時間などの労働条件に関するものが多く、主に処遇面について関心が高いものと認識しており、今後、それらについて具体的な内容を示すことによりまして、より一層の理解を得ていきたいと考えております。
次に、静岡病院の医師と看護師の確保状況についてでございます。
まず、医師につきましては、本年4月現在、常勤医師91人、初期研修医・専攻医39人の合計130人の医師が在籍しております。
医師の充足状況でございますが、現在、標榜をしている29の診療科のうち、神経内科については常勤医師の退職により、応援医師にて対応しておる状況でございます。
次に、看護師についてでございますが、7対1看護体制の確立のため、平成29年度までに、静岡病院で90人の増員を図ることとしております。本年度、新たに68人の看護師を迎え、総数は451人となり、増員計画90人に対しましては22人の増員を図ることができました。
今後も人材の確保に向け、県内外の養成機関への積極的な働きかけや市立病院への就業を希望する看護学生への修学資金の貸付など、さまざまな手法によりまして看護師確保を図ってまいりたいと考えております。
最後に、独法化を選んだ理由についてでございますが、全部適用では管理者を設置することで経営責任が明確となるものの、市の組織の一部として法律の適用を受けるほか、医療環境の変化に対して、経営の自由度が限定的となっております。
また、医療技術の進展や医療制度改革、市民の皆さんのニーズなどに即して、人的、物的な医療資源を迅速に確保することも困難でございます。
そこで、これら市立病院の諸課題を抜本的に解決するために、最適な経営形態として、地方独立行政法人への移行を選択したものでございます。
〔39番内田隆典君登壇〕
◯39番(内田隆典君) 先に三保地区の観光対策ですけれども、今156万人という相当な数が報告されました。問題は10月から制限を加えますけれども、そういう中でどういう形になるのか、心配するわけです。バスが今のように迎えに行くという形がとれないわけですから、新たに羽衣の松の横にエレーヌのがあるんですけれども、そこからおりて、バスでその下に迎えに行くということも検討に入れたらどうかと思います。その辺、検討に入れていただきたいと思います。
それから、世界遺産登録によって羽衣の松を中心に公園整備等々がやられているわけですけれども、前から指摘があった羽衣の松の駐車場の観光トイレ、改修等々も議論はされているわけです。早期、早期と言うんですけれども、なかなか具体的に見えてこないような気がしますが、その辺どうなって、計画されているのか、伺いたいと思います。
それから、清水病院の透析患者に対する対応でありますけれども、まだ数名の方が今、面談中できちんとした病院が決まり切れてないということです。もうわずかな日にちしかありませんから、本当に負担になっているわけですよね。そういう点では一日も早く全員の皆さんが対応を済ませるようにしていただきたいと思いますけれども、その後の考え方を伺いたいと思います。
それから、あわせて今後の、当面は民間のお医者さんにかかるようになるかと思いますけれども、今までかかられた患者さんは大変、市立病院に対して厚意を持っていまして、できれば再開するめどが立てば市立病院で治療を受けたいということを望んでいるようでありますから、今後、再開に向けた見通しをどのような形で持たれているのか、あわせて伺いたいと思います。
それから、独立行政法人についてでありますけれども、この間、6回、640人の職員の皆さんに説明会をして、順次理解を得てくれるような努力をしていくということであります。私は独法化で医師や看護師の確保が本当に進むというような安易な考えを持っているんじゃないかと思いますけれども、先日、職員組合が行った看護師に対するアンケートの結果を聞いておりましたら、独法化になったら市立病院も退職するという、そういう声が1割、2割じゃなくて相当な数あったということを聞いております。そういう点では、やっぱり公務員として病院に頑張りたいという意向があるようですから、私はそういう看護師の意向を説明会の中等々でどれくらい認識をされているのか、まず1点伺いたいと思います。
あわせて、2点目は、公共の病院として、これからも役割を果たすと繰り返し言っているわけでありますけれども、不採算部門や救急医療の提供について、独法後もこれまでと変わらない対応を進めていくと思います。その辺の考え方について伺っておきたいと思います。
◯経済局長(斎藤 誠君) 羽衣の松駐車場観光トイレの改修についての御質問にお答えをいたします。
三保地区の観光トイレの整備については、本年、新観光バス専用駐車場内に洗浄機能つきの洋式便座やオストメイトなどを備えたトイレを整備いたしました。駐車場の利用者アンケートでも、「トイレがきれい」との御意見をいただいております。
一方、御質問の羽衣の松駐車場観光トイレについてですが、昭和60年の建築以来、28年を経過し、清潔で快適なトイレを求める昨今の観光客ニーズに対応できなくなってきております。観光地にとって、トイレの適切な整備と管理は重要な課題であることから、できる限り早期の改修を図ってまいります。
◯病院局長(上松憲之君) まず、清水病院に関する御質問にお答えをいたします。
今後の維持透析の見通しについてでございますが、7月以降、応援医師による診療体制を確保し、現在、週3クールある透析治療のうち、週2クールが継続できるよう努めているところでございます。それにより、他病院に他の疾患で緊急入院されたことにより調整が図れていない透析患者の皆さんにつきましては、清水病院内での対応が図れないか、調整を行っているところでございます。
今後の再開の見通しについてでございますが、完全再開には常勤医師の確保が欠かせないことであることから、大学病院への医師派遣の依頼を継続的に実施するとともに、今後の医療体制の充実に向けまして、多面的に検討していくことが必要だと考えております。
次に、独法化について2点の御質問にお答えをいたします。
まず、職員団体、いわゆる労働組合が行った看護師へのアンケートについてでございますが、これは本年3月に実施され、病院の経営形態が変更になった場合、働き続けないと回答した職員がいるとの情報を得ております。
一方で、病院局といたしましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、本年4月から5月にかけ、6回にわたって職員説明会を開催するとともに、職員相談窓口を開設し、職員の独法化に係る理解の促進を図ってまいりました。その結果、今までのところ、独法化を原因として病院を退職したいとの旨の相談を受けてはおりません。
今後も職員へ積極的に情報提供を行うとともに、独法に移行した後の処遇が不利益とならないように配慮し、その不安の解消に努めてまいります。
次に、独法に移行した後の不採算医療や救急医療の提供についてでございますが、市立病院は市民が必要とする高度で良質な医療サービスを安定的・継続的に提供していく役割を担っております。
独法に移行した後も、この市立病院の役割が変わるものではなく、市民にとりまして必要な医療は引き続き実施をしてまいります。
〔39番内田隆典君登壇〕
◯39番(内田隆典君) 私は非常に甘いんじゃないかと思っているんですね。職員組合、看護師にアンケートをとった結果は、聞くところによると4割近い人たちが退職をするかもしれない。相談窓口には今のところ来ていないという言い方ですけれども、私は独法化すれば看護師も医師もどんどん集まるような認識で、説明会は確かに6回、600人ぐらいに説明をしたようでありますけれども、看護師というのは、御案内のとおり、かなり日常的に仕事が大変で、そのことを理由に退職を余儀なくされる方もたくさんおられるわけですよね。そういう中で、今度……
◯39番(内田隆典君)(続) 独法という変更になるわけですから、心配事もふえるということで、そういう職員組合がとったアンケート結果が寄せられているんじゃないかと思います。
私は、今の時点で6回、600人余の人たちに説明をした、これからも理解をお願いをしていくということでありますけれども、今の時点で職員の皆さんや看護師の皆さんの理解が得られていないと思っています。そういう点では十二分に、期限を切って独法化を推進するのではなく、きちんとした説明、理解を得ながらやるべきで、そういう点では拙速な進め方をするべきじゃないと考えておりますけれども、その点についての考え方をお伺いしたいと思います。
◯病院局長(上松憲之君) 十分な理解なしに拙速に独法化を進めるべきではないとの御指摘でございます。
御指摘、ありがたく受けとめたいと思います。独法化に係る説明会の開催ですとか、先ほどお話しいたしましたように、情報紙の発行などによりまして、職員への情報提供に一層努めるとともに、その処遇につきましても留意をし、理解を得ながら進めてまいりたいと考えております。