◯3番(寺尾 昭君) 日本共産党市議団を代表いたしまして、市長初め市当局に市政の重要課題について質問いたします。
この定例会は、小嶋市長にとって最後の市議会となったわけであります。これまで市政運営について、私たち日本共産党は、ときには鋭く対立したことや、市長には耳の痛いこともはっきりと物を言わせていただいてきたという状況であります。
もちろん、市民生活向上ということで役立つ、そういう議案については積極的にこれを推進する、こういう立場をとってきたことは、忘れてはいけないというふうに思います。
とにかく、4期16年余にわたりまして、静岡市政の責任者として努力されてきた、その御労苦は多とするものでございます。
まず、静清合併とその2年後の政令指定都市移行は、国や県からの道路管理、児童相談所の業務、多くの県からの権限移譲等々がありまして、静岡市も県と同等の権限を持つ地方自治体として位置づけが付与されました。
市民生活のレベルから総括することが、いずれにしても必要ではないかと思います。
合併を拒否しながらも、しっかりと福祉を向上させた小さくても輝く自治体、こういうものも全国には数多くあることは、大きいことはいいことだとばかりは言えない、このことの証明でもあります。
市民からは、政令市になって何が変わったのか実感がない、市役所が遠くなってしまった、区役所への交通手段もないというような声も率直に聞かれるわけでございます。
市長が熱意を持って取り組まれてきたタウンミーティング、この内容を私、見させていただきましたが、まだまだたくさんの声が寄せられて、今後の課題が少なくないことがあらわれている。これら市民の声も踏まえ、市長の率直な見解をこれからお聞きしたいと思います。
世界に輝く「静岡」の創造、こういうことをテーマにした総合計画、22年度から始まったばかりでありますが、その途上で小嶋市長はその職を退くことになるわけであります。
温暖化を初めとする異常気象と、それに伴う農作物の不作、今、投機マネーということも相まって、小麦やトウモロコシなど、穀物の世界的な高騰を招いて、輸入大国日本の食料確保に暗い影を落としている。平成の開国と称しまして、全面的な貿易自由化を進めようとするTPPに対しても、農業団体だけでなく、医療、福祉、中小企業など、幅広い団体から反対や危惧の声が挙がっているわけであります。
NHKテレビでも報道されました無縁社会、これを見るまでもなく、格差と貧困の深まり、雇用、医療、介護、年金など、生活不安が広がり、夢が持てない若者や将来に見通しが立たない閉塞社会を打破するために、今、政治に求められる課題は限りない、このように言えるのではないかと思います。
さて、平成23年度の重点施策として、市長は4つの柱を掲げておられますけれども、その中の3つ目、安全・安心な生活環境の整備では、先ほど私が申しましたような貧困、格差の拡大、雇用不安、医療、介護、年金、消費者被害、防犯、子育て、教育等、多くの問題や課題が発生し、市民の日常生活を取り巻く環境は厳しさを増し、不安定な状況となっている、このように述べておられるわけです。これは、私たちの見解とも一致しているわけであります。
しかし、市長が先日の議会で行いました予算編成の基本方針と主要事業の説明では、これらの具体化に当たりまして、現下の状況に即したメッセージがもう一つ伝わってこなかったというふうに感じたのは、私一人ではなかったのではないでしょうか。
2011年度予算は、一般会計で2,762億円、特別会計1,870億円、企業会計876億円、合計約5,500億円、これを超える規模になっているわけであります。
小嶋市長退任を前提に組まれた予算であって、私が感じたのは、従来踏襲型と言える内容であると思います。
歳入の伸びを見ますと、国庫支出金が57億円増加をしているわけでありますが、その7割は子ども手当負担金、あるいは生活保護費負担金、こういうものであって、これを除くと、市債の47億円が歳入のトップになると、これに普通交付税の振り替えである臨時財政対策債を含めると、市の借金は180億円の増加と、2012年度末ではその総額が4,170億円、こういうことになるわけであります。市民1人当たり約60万円ということで、大変多額な借金ということになるわけであります。
この額は、静清合併時から見ますと1,500億円増加です。借金体質が一層深まったと言えるんではないでしょうか。
市長も大幅な財源不足が生じるものと見込まれるというふうに言っておられますが、予算案と同時に公表された財政の中期見通し、これを見ましても、市債は今後4年間で、まだ300億円余の増加としており、まだまだ今後の改善の方向が見えていないというふうに言えるかと思います。
このようなときだからこそ、市政は今、憲法と地方自治法の原点に立ち返って運営されるべきだということを強調したいと思います。
そこで、まず市長にお伺いをいたします。この16年間をどのように総括されているのか、小嶋市政の評価を伺います。
特に、静清合併、政令指定都市への移行を経て、市民ニーズをどのようにとらえ、市政運営に反映をされたんでしょうか。
また、新年度予算については何を重点に編成されたのか、市民の暮らし、命と健康を守り、福祉を最優先にという、この視点ではどうでしょうか。4月に新たな市長が誕生するわけでありますが、新年度予算をどのような思いで新市長に引き継ぐお考えなのか、お聞きしたいと思います。
◯市長(小嶋善吉君) 市民ニーズをどのようにとらえ、市政運営に反映したのかという御質問でありますが、旧静岡市から現在の新静岡市の市長として、16年余にわたりまして市政を担当してまいりました。もう何度も申し上げておりますが、私としては地域の歴史的な課題であり、平成の大合併の先駆けとなった平成15年4月の静清合併の実現による新静岡市の誕生や、合併の最大の目的であった指定都市への移行の実現が最も思い出深い出来事であったと実感をしております。
本市の行政運営については、平成16年10月に市議会の議決を経て策定されました静岡市の基本構想に基づき、平成17年に第1次総合計画を、そして、平成22年に第2次総合計画を策定し、各種施策の着実な推進を図ってきたところであります。
これらの策定に当たりましては、各界各層を代表される皆さんや公募により選ばれた市民の皆様を中心に検討を行うとともに、多くの市民の皆様から意見などを伺うために、市民1万人アンケートやタウンミーティング、パブリックコメントを実施したところであります。
なお、2次総のタウンミーティングに当たっては、21年度は7回、22年度にあっては21回実施し、私自身が直接市民の皆さんと地域の課題などについて意見交換を行い、500を超える意見や提案、要望などをいただいたところであります。
このような機会の中で、多くの市民の皆様から寄せられた意見や提案、要望などは事業の必要性や緊急性、投資効果等を十分勘案の上、総合計画に反映をしてきたところであります。
また、平成19年に実施されました前回の市長選挙では、具体的内容や期限等を明確にした100の政策をマニフェストに掲げ、当選後はこれらの政策を市民の皆様とのかたい約束として総合計画に位置づけ、着実な推進を図ってまいりました。
その成果にあっても、市民の目で評価していただくべきと考えまして、学識経験者、そして公募市民からなる静岡市マニフェスト市民評価委員会を設置し、最終評価では、達成度と重要度ともに期間内にほぼ目標どおりに実現されたと評価をいただいたところであります。
私は、新静岡市の誕生、指定都市移行を経て、市民の皆様が合併してよかったと実感できるように、まず、市民の一体感の醸成と、指定都市にふさわしいにぎわいと風格ある都市基盤の整備や安全・安心のまちづくり、地域経済の活性化などに努めてまいりました。
今後も、まちづくりの主役である市民の皆様との連携、協働により、地域資源を磨き上げ、世界の人々があこがれ、だれもが住みたくなり、訪れたくなる静岡を目指していくことが本市の将来的な発展を実現していく上で重要になるものというふうに考えております。
そして、新年度予算をどのような思いで新市長に引き継ぐのかという御質問でありますが、16年余にわたり市政を担ってまいりましたが、その最後の締めくくりとして、この豊かな静岡のまちが未来へと引き継がれ、地方の時代にふさわしい都市として発展していくことを期待して、平成23年度当初予算を編成をいたしました。
また、今日まで私は、市民の皆様の熱い思いやエネルギーを糧に市政運営を行ってきたつもりでありますが、23年度当初予算は、これまで市民の皆様と一体となって実施してきた事業、今後引き続き実施していくべき事業を主体とし、市民の皆様との信頼関係を重視し、行政の継続性を確保することが基礎自治体としての責務と考え、編成をしたものであります。
新市長には各種の事業を今後とも着実に実施をしていただき、また、市民の皆様の熱い思いを引き継いでいっていただきたいと願っているところであります。
以上であります。
◯財政局長(中井幹晴君) 新年度予算の重点について申し上げます。
平成23年度当初予算では、財政の健全性に留意しつつ、本市の着実な発展を目指し、第2次総合計画に沿った予算の重点配分及び行財政改革推進大綱実施計画の確実な実施を基本方針とし、23年度の4つの重要政策を柱として事業の選択と集中を図り、予算の重点化に取り組んだところでございます。
この中で、市民の暮らしにつながる安全・安心な生活環境の整備では、生活保護費や自立支援給付費等の扶助費のほか、国民健康保険事業や介護保険事業に対する繰出金を増額いたしました。
そのほか、子ども医療費への助成、子宮頸がん等のワクチン接種事業、女性特有のがん検診及び働く世代への大腸がん検診の推進、災害時要援護者避難支援推進事業、民間特別養護老人ホーム等建設費助成及び急病センター建設など、市民生活の安全・安心を確保する予算を計上したところでございます。
以上でございます。
〔3番寺尾 昭君登壇〕
◯3番(寺尾 昭君) それでは、2回目は、具体的な重点課題について質問をいたします。
まず、福祉行政についてであります。
地方自治の充実をいかに図っていくか。それは、市民が不安なく毎日を暮らしていける状況をつくり上げること、つまり、福祉、医療、教育をいかに向上させるかにかかっているといっても決して言い過ぎではないと考えます。
私たちは、予算の使い方を土木、建設、箱物中心から福祉、医療、教育重視に転換を図るべきだと、このように提案をしてまいりました。
昨年度から民生費が土木費を上回ったということは確かにありました。しかし、子ども手当の新設や生活保護費の増大があったとはいえ、一定程度私たちの主張の反映というふうには考えます。しかし、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。国がさまざまな補助金を削減してきたことは、ナショナルミニマムを保障すべき国の責任放棄と言わざるを得ないわけであります。
このような観点から、以下の6点について質問をいたします。
まず、1点は、国民健康保険料を1世帯1万円引き下げるべきということで、私たちは提案をしてまいりました。また、市民からも大変強い要望が出されているわけであります。市としての考え方をお示しください。
2つ目は、特別養護老人ホームの入所待ちの方々、1,400人を超えるという状況が今あるわけであります。その解決策をどのように考えているのか。
3つ目は、生活保護受給世帯が急増しております。この方々のいわゆる自立に向けた支援というのが、もう一方でされなくてはなりません。そういう意味では、生活支援課などの体制をどういうふうに強化していくか。このことが課題ではないでしょうか。この点についても、どのように考えていらっしゃるのか。
4つ目は、保育所の待機児童の解消という問題です。
特に、待機児童センターが建設されたということは、午前中の議論の中でもされているわけですけれども、基本はやはり、保育所を増設すること、このように考えます。この保育所増設については、どのように考えていらっしゃるのか。
5つ目は、児童相談所、今、大変深刻な事態になっております。
この体制を充実させるための方策と課題、これをどのように考えておられるのか。
6つ目は、放課後児童クラブの充実ということも非常に大事になっております。この充実のための対策をどのように考えておられるのか。
この6つの点についてお答えいただきたいと思います。
次は、医療制度についてであります。
少子高齢化がさまざまな分野でひずみをもたらしていることは共通認識であります。そして、その対策は急がなければなりません。
とりわけ、少子化は、子育てが親の大きな負担になっていることがその原因の一つだと言えるわけであります。困難な条件を少しでも取り除いていくことが必要であります。
子育ては、もちろん親が責任を持つわけでありますが、同時に社会的な役割であります。
子供の医療費を無料化をすることは、条件をクリアするための要素であることは疑いありません。国の制度として確立を図ることは、今後も要望していくことが必要ですし、政令市に対する県の補助金の削減の動きなどが今あるわけでありますが、当面は、市として独自に実施すべきではないかと考えるわけです。
そこで、子供の医療費について、中学3年生までの入院、通院、これを完全無料化すべきと考えますが、どのようなお考えでしょうか。
次に、病気、けが、不慮の事故など、いざというときに頼りになるのは病院などの医療機関、ここが信頼できるかどうかは、市民にとって大きな問題であります。公立病院の経営体制の変更は、医療水準の向上に寄与するのかどうか。まだ明確で納得できる根拠が示されていないのではないか、このように思うわけであります。
にもかかわらず、今、独立行政法人化、あるいは地方公営企業法の全部適用ということが方針化されております。
市立病院が地方公営企業法の全部適用に移行した場合、市民にとってどのようなメリットがあるのか。この点を明確にしていただきたいと思います。
また、共立蒲原総合病院の運営、これも変更が取りざたされているわけでありますが、今、住民からも、当面、現状のまま直営で継続してほしいという要望が上がっております。この点についてどのように考えていらっしゃるのか、お答え願いたいと思います。
次に、子供たちの健やかな成長を目指す教育政策について、お尋ねをいたします。
教育をめぐる課題はたくさんあるわけであります。今回は、4点に絞って質問をいたします。
新年度から、剣道、柔道などの武道が授業に取り入れられるというふうに聞いております。子供たちが日本古来の武道に接して、それをみずから体験する。これは意義があることかもしれません。しかしながら、問題は、それを指導する体制があるかどうか。
武道の達人、体験者というのは、学校外にもたくさんいらっしゃる。また、そういう方々にお願いすれば集まるかもしれません。しかし、学校教育にふさわしい指導者として適切かどうか、ここが問われるんではないででしょうか。
また、大変危険度が高いということで、心配の声が上がっているわけであります。
愛知教育大学の内田講師がまとめた数字があります。中学、高校の柔道の部活動の調査で、1983年度から2009年度までの27年間、部活動で110人の子供たちが亡くなっているという状況があります。また、後遺症をかかえる事故が261件も起こっている。その多くが、部活動にふなれな1年生当時に起こっています。
授業に取り入れるということになりますと、このほとんどはいわゆる初心者ということになるわけで、大変な事故が心配をされるわけであります。
そこで、武道の授業を行うに当たりましての課題は何か。今申しましたようなことが大変心配されるわけでありますが、その対応策をどのように考えていらっしゃるのか、この点についてお答え願いたいと思います。
次に、学校の給食の問題です。
午前中にも議論がありました。給食をつくってくれるおばさんと言ったら悪いんですけれども、その人達が給食室で働く姿、そして、給食時間が近づくとただよってくる香りは、脱脂粉乳で育った私にも、この雰囲気というのは、いまだ忘れることができないわけであります。
給食室が生徒の目に触れて、働く姿を見て、雰囲気を味わう。これもいわゆる食育ということで、やはり学校の教育の一環と言っていいと思います。
私は、学校給食の単独調理方式、これを維持していくべきではないか。このように考えるわけでありますが、この点についてどのようにお考えか、お聞かせください。
さて、教師の目が届く生徒の数は30人程度だというふうに言われております。どの子にも行き届いた教育を保障するためには、30人以下の学級編制が必要になるわけであります。
現在、どのような取り組みをされているのか、少人数学級の導入状況とその対応についてお聞かせ願いたいと思います。
次に、静岡市は、就学援助を受けている比率が他市に比べて高くありません。低いほうだというふうに言っていいと思います。
だからといって貧困率は、静岡が、特別低いというわけではない。この認定基準の緩和も図っていく必要があります。就学援助における認定基準の緩和、あるいは保護者への周知について、どのように取り組んでいるのか、お聞かせください。
次は、地域経済の活性化策であります。
2009年9月、千葉県野田市議会は、野田市公契約条例を全会一致で可決、2010年2月1日から施行されております。野田市では、それまで市が発注する委託の入札などで、過度な低入札競争によって、受託業者の労働者の賃金が最低賃金すれすれまで下げられてしまう、こういう状況が起こったわけであります。
行政がこれを生み出したというふうにも言えるわけで、まさに官製ワーキングプアそのものだと言ってもいいような状態でありました。
さまざまな運動の結果、この条例が制定に至ったわけであります。この第1条の目的というところを見てみますと、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保を図るということを明確に述べているわけであります。このような動きは、その後、国分寺市、日野市等々、今全国に広がりつつあるわけであります。
国際的にも、ILO第94号条約、あるいはEUの公共調達指令、イギリスのリビングウエッジなど国際的運動も今広がりつつあります。
この公契約条例、本市でも制定をすべきではないか、このように考えております。この点についてどのようにお考えですか、お聞かせください。
次は、日本経済は長い不況のトンネルをまだ抜け出していないと言えます。
輸出と非正規労働者の犠牲の上に利益をため込んだ大企業とは裏腹に、中小企業は常に倒産の危機に直面をしているわけであります。
景気回復は、GDPの6割を占める個人消費の回復なくしてはあり得ない、これは常識になっておりますけれども、この12年間で労働者の年間収入が60万円余も下回っていることにも見られるように、今、財界、大企業などがひたすら賃金引き下げに狂奔してきたと言ってもいいのではないかと思います。
地域の中小企業を応援して、いかにして経済活性化を図っていくか、本市にも課せられているわけであります。静岡市にも大型店の出店も相次いでいる状況がありますが、全国では地域の商店街をシャッター通りに変えただけでなく、中心市街地の空洞化、こういうことを招いた例は限りがないという状況にあります。
自治体の権限の範囲で困難さはあると思いますけれども、まず、できるところから可能性を追求をしていくべきではないかと考えます。
そこで、質問でありますが、地域経済活性化のために中小企業振興条例を制定するべきだと思いますが、これについてどのように考えておられるのか。
次は、木造住宅耐震補強助成事業と住宅リフォーム助成制度を組み合わせて助成をするという方法が大変いいのではないか。今年度、補正予算で施行した国の緊急総合経済対策による30万円上乗せの補助、これも今後、継続をすべきではないか。国に対しても強く申し入れをしたほうがいいというふうに思いますが、これについてはどのように考えますか。
次に、市として、大規模小売店舗の出店に対して、どのような指導ができるのか、今後の考え方をお聞かせください。
久能山東照宮の話も先般来出ております。しかし、久能山の下には駐車場がありません。行きたくても行けないという状況があります。駐車場整備についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
さて、きのうのニュースでは、自殺者のことが報道されておりました。この中で、就職できないことを苦にした自殺が前年に比べて2割ふえたというふうに言っておりました。将来に希望を失った若者を放置しておいては、やはり未来は語れないと思います。
また、2月の時点で高校生の未就職が7割台だという報道もありました。卒業式を迎える時期です。未就職のまま学校を卒業した者に対してどのように対応をしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、地方自治の発展についてであります。
各区役所では、現在、戸籍、年金、税務、生活保護、保育、介護、選挙管理など、行政の一部の業務が行われているわけであります。区長権限で執行できる予算ということで、ことしも計上されておりますが、区の魅力づくり事業として、昨年と同額の950万円であります。
現状は、区役所の権限は限られており、結局、本庁に出向かなければならないというような用件が大変多いという状況です。
住民に身近な事柄は、区役所ですべて間に合うようにすることが必要ではないか。そのために、区役所の権限拡大が必要ではないかと考えますが、これについての考えをお聞かせください。
地方の自由度をふやすということが、今、地域主権改革の目的の1つになっております。とりわけ、福祉、教育、医療などの分野で国の負担を減らしていくという意図が見えているわけでありますが、憲法は国の責任を明確にしております。その放棄につながるというふうになってはなりません。
待機児童の解消の手段と称して打ち出した保育所設置基準の義務づけ・枠づけの見直しなどは、その典型ではないかと思うわけであります。
地域主権改革による国の責任放棄、これに伴う義務づけ・枠づけの見直しについてどう考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
次に、指定管理者制度の問題であります。
静岡県が指定管理者制度で委託した草薙運動場、あるいは三ケ日青年の家で死亡事故が相次いだわけであります。最悪の事故という形でこの制度の欠陥が露呈されたと言えるのではないでしょうか。
このような事態に対して、国から、効率面、費用面だけで指定管理者制度の採用の可否を判断すべきでない、このような文書も出されたわけであります。
この指定管理者制度、本市においても、二の舞とならないように、これらの例に学んでいくことが求められるわけであります。
指定管理者制度における安全や効率面での検証、これがどのように行われているのか、お聞かせください。
次に、だれもが住みやすいまちづくりを目指すための方策であります。
まず、市営住宅の問題であります。市営住宅への入居希望は、建っている場所によって倍率の差異があるものの、しかし、依然として高い水準にあるわけであります。
午前中にも答弁があったわけですけれども、しかし、住宅の確保は困っている方に住宅を提供する、これがもちろん本来の目的でありますけれども、住宅をしっかり確保するということは、静岡市の人口を確保する、こういうことにつながるわけであります。
現在、政策空き家、通常空き家というふうに分けているわけでありますが、空き家戸数を極力減らして、できるだけ多くの方が利用できるように効率化を図っていくことが大事だと考えます。また、住宅のリニューアルなどの一層の工夫と努力も必要だと考えるわけであります。
そこで、市営住宅への入居を希望する市民が可能な限り入居できるようにするため、募集回数と戸数確保についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
次に、土地区画整理事業の問題であります。
この事業が成功するかどうかということは、ここに該当する地権者の納得が得られるかどうか、ここにかかっているというふうにいっても言い過ぎではありません。
長い年月と労力、多額なお金をかけて、これが挫折をした。最後は税金投入で結末をつけざるを得なかった清水区谷津の失敗の例というのもあるわけであります。
現在、幾つかの場所で組合施行の事業が進んでおります。今後も新しく施行されるところが計画をされています。市として、十分かつ適切な指導性の発揮が求められるわけであります。
そこで質問ですが、組合施行の土地区画整理事業の現状、そしてまた、住民本位の事業の進め方、ここについてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
次に、交通計画の問題であります。
市民の足を確保することは、単に交通面だけではありません。住民の健康、医療、経済効果、あらゆる面から市民の足を確保ということは重要になってくるわけであります。
道路運送車両法の改正による規制緩和が、結局バス路線の廃止という、市民の足を奪う結果になっております。
路線バス、自主運行バス、オンデマンド方式等々、あるいは、バスやタクシーの活用などさまざまな方法があるわけでありますけれども、このバス交通計画の目的と内容、そして、今後のスケジュール、これをどのように今考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
次に、食糧主権の問題であります。
お茶の価格低迷が続いており、茶農家は近隣の茶畑に迷惑はかけたくないということで、赤字を覚悟でお茶の栽培をしているというのが現状であります。
しかし、これも限界に来ていると思います。後継者がなく、栽培ができなくなったため、ほかの農家に貸していたものも最近は返却されるということで、いよいよ茶園を放棄せざるを得ないという農家も生まれています。
これは茶農家に限ったものではなくて、何年か先には、ほとんどの農家に共通する問題として深刻になっています。静岡の特産品であるお茶が農家の利益につながるような施策を打ち出さなければなりません。
茶どころ日本一がその効果を発揮できるかが期待されるわけであります。茶どころ日本一を目指して、市として取り組んでいる重要な施策は何か、お聞かせいただきたいと思います。
さて、このようなとき、今、菅内閣はことし6月にも結論を得ることとして、TPP環太平洋戦略的経済連携協定の参加を打ち出しております。
これまで9カ国の協定になっておりますけれども、10カ国目の日本の参加となりますと、日米だけで全参加国のGDPの9割を占めるということになってしまいます。結局、実質的には日米のFTA二国間協定になるとやゆされているほどです。
前11月定例会でも、参加をめぐって、意見書採択について議論がされましたが、全国で今、大きな反対世論が形成されています。我が国の農業を壊滅的状況に追い込み、農家の農業離れに追い打ちをかけるこのTPPには参加すべきではないというふうに強く思うわけであります。
TPPへの参加についてどのように考えていらっしゃるのか、考えがあったらお聞かせください。
次に、地球温暖化を防止し、自然環境を守るという課題であります。
一般家庭ごみ、事業所ごみ、あるいは産業廃棄物、放置すればごみはどんどんふえていくという状況にあります。
分別とリサイクル、生ごみの堆肥化、包装、運搬資材の軽装化など、ふやさないための努力は、今までももちろんされてきているわけでありますが、まだ十分とは言い切れないわけであります。
昨年、稼働いたしました西ケ谷清掃工場の処理能力は大量の溶融を可能としております。人口減少と経済の縮小というような予測もある中で、大量の処理ということが、ある面では減量と反するというような指摘もされているわけであります。
しかし、これから減量化を進めていくことは、当然必要になってきますが、今年度のごみ減量化目標値の達成見込みはどうかということで、お聞かせください。
次は、エネルギー問題であります。
化石燃料の枯渇も取りざたされ、中東の原油産油国の政情不安が今続いております。バイオ燃料生産のあおりを受けて、穀物不作とも相まって、今、食料価格が高騰している。エネルギー問題は資源小国と言われる日本にとって、まさに死活問題ということになるわけであります。
原子力利用ということもあるわけですが、その安全性や放射性廃棄物の処理にかかわる技術的課題がまだ解決されているとは言いがたく、受け入れということについても、世論も必ずしも一致しているとは言えません。太陽光、風力、波力、地熱など、自然エネルギー利用のための技術開発や普及は、地球温暖化防止の観点からも非常に重要だと言えると思います。
とりわけ、太陽光発電については、技術開発も大変進んで、今は広がっている状況があります。この太陽光発電の普及に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、文化行政の推進についてであります。
市内には、演劇、音楽等々、さまざまな文化サークルが活発な活動を展開して、静岡の文化をまさに生み出していると言えると思います。この方々の共通の悩みは、いざ発表の段階で、会場確保が思うようにできないということを私たちも何遍も聞いているわけであります。
これらの文化サークルからは、市民文化会館のような大ホールでなくても、200人、300人収容の小規模ホールをふやしてほしいとの要望が多く出されております。このような小規模ホールの整備状況、今どうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、平和行政の推進についてであります。
小嶋市長が平和市長会議に参加されたということで、これは、前の定例会でも、私たち高く評価をしたわけであります。ただ、その効果が具体的な形で、施策としてあらわれているかどうかが問われるわけであります。
私たち議員団は、昨年、苫小牧市を視察し、非核平和都市条例を学んできました。条例では、米艦船の入港希望があった場合など、核搭載のないことを証明をする、こういうことを関係機関に対して協議を求めるなどとされております。
これは、憲法と非核三原則堅持の立場から言えば当然のことだというふうに考えるわけであります。
県営港ということになるわけでありますが、本市の清水港にたびたび米艦船が入港しているわけであります。核は積んでいないという相手の一方的な言い分だけでこれを認めているというのが現状でありますけれども、この言い分は、世間的には通用するものではないというふうに言えるのではないでしょうか。
非核平和都市条例の制定、これも本市で行うべきではないかと考えます。これについてどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
最後は、ことしも国内だけでなく、海外からも多くの活動家の方々を迎えて、3.1ビキニデーが開催されました。これは、皆さんニュースでもお聞きになったと思います。
そして、このビキニデーでは、核廃絶に向けて国際署名を取り組むアピールが採択されました。この非核平和都市条例の制定は、世界の流れになろうとしている核廃絶の運動にも、当然、一石を投ずることになるわけであります。
現在、本市の平和事業推進のための予算は、平和資料センターの維持のためのものに限られているというふうに言っていいと思いますが、非核平和を目指すこのような団体を助成するための予算化、これが必要ではないかと思います。この点についてどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
以上、2回目であります。
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 福祉行政についての6点の御質問にお答えいたします。
最初に、国保料の一世帯1万円の引き下げについてでございますが、平成23年度につきましては、国民健康保険事業会計の財政を安定させるために、一般会計からは、保険基盤安定制度や事務費等に対する繰り入れなどの法律に基づくもののほか、保険料収入の不足を補うための繰り入れを増額した予算案を提案しているところです。
しかし、国民健康保険事業は、被保険者の保険料を主として国庫負担金その他の収入で賄うのが原則でございますので、県内市町でも平均的な保険料となっている本市の保険料を、一般会計から繰り入れを増額して低い保険料とすることは考えておりません。
次に、特別養護老人ホームの入所待ちの解消策とのことでございますが、高齢者の入所施設は平成23年2月末現在、特別養護老人ホーム31施設、有料老人ホーム21施設、老人保健施設16施設、グループホーム90施設、合計で158施設、7,073床となっており、対象者の身体状況やニーズに合わせて、バランスよく整備されております。
また、24時間対応定期巡回・随時対応サービス事業を実施することで、在宅生活を希望する方が、引き続き、家庭での生活を継続できるかの検証をしてまいります。このため、今後ともバランスのとれた施設整備と在宅介護を支援する事業を充実させることによりまして、入所待ちを解消するための基盤整備を進めてまいります。
次に、生活保護行政について、来年度の実施体制はということですが、生活保護受給世帯は、平成22年12月現在5,408世帯であり、前年同月と比較しまして684世帯増加しております。このため、来年度は、ケースワーカーを10名程度増員することによりまして、個々の世帯の実情把握に努めるとともに、状況に即した研修を実施することで、職員一人一人の対応力の向上を図りながら、自立に向けたきめ細やかな支援を行っていきたいと考えております。
次に、待機児童解消のための保育所の増設ということでございますが、保育所の待機児童の解消策としましては、年度当初では待機児童が少なく、定員に満たない園があることや、年々就学前児童数が減少していることから、当面は保育所の増設ではなく、年度途中に増加する待機児童対策として待機児童園を活用しているところでございます。
しかしながら、経済状況の悪化などによりまして、本年度は待機児童数が増加しておることから、今後は国の施策や保育ニーズに合わせ、施設整備を含めた待機児童解消策を幅広く検討していきたいと考えております。
次に、児童相談所の体制を充実させるための方策と課題ということでございます。
平成21年度の児童虐待相談受付件数は291件であり、開設時の平成17年度と比較しますと約2.7倍となっております。このような状況に対応するため、児童相談所の体制の充実は不可欠でございます。
方策としましては、児童相談所職員の適正な配置と専門性の強化が考えられます。このためには、児童福祉司や児童心理司の計画的な増員と、専門性の維持向上のため、スーパーバイザーの養成や、経験年数に応じた段階的な専門研修も必要と考えております。
また、今後の課題は、児童相談所の職員体制の整備に加えて、要保護児童対策地域協議会、各区の家庭児童相談室や保健福祉センターの機能強化とともに、子育て支援も含めた予防的な対応が必要と考えております。
次に、放課後児童クラブの充実対策でございますが、放課後児童クラブにつきましては、平成18年度から実施しました放課後児童クラブ緊急3カ年整備計画と、これに続く平成21年度の整備によりまして、合計53カ所の整備を実施し、小学校1年生から3年生までの児童数が50人以上いるすべての学区への設置を達成いたしました。
また、施設を整備するのみではなく、主任手当の創設や賃金増額など、指導員の確保と処遇改善に努め、さらに、全体研修会を毎年複数回開催するなど、指導員の資質向上にも努めているところでございます。
平成23年度は児童数の増加により、移転が必要となった足久保児童クラブを足久保小学校の特別教室との合築で整備する予定で、改築にあわせて面積の拡張を行い、児童数の増加にも対応してまいります。
なお、今後、放課後児童クラブの充実対策につきましては、現在、検討が進められている国の子ども・子育て新システム検討会議の状況を踏まえながら、検討してまいります。
次に、医療体制についての2点の御質問でございます。
最初に、子ども医療費の完全無料化についてでございますけれども、子ども医療費を自己負担なしで完全無料化した場合は、安易な受診がふえ、小児科の医療体制に大きな影響を与えることが懸念されるため、現段階では、完全無料化の考えはございません。受益者負担として、通院1回500円以内の負担はお願いしたいと考えております。
なお、小中学生通院費の助成拡大につきましては、市民からの要望や県内他市町が助成拡大している状況もあるため、今後、検討してまいります。
最後に、共立蒲原総合病院の運営についてでございますが、平成22年6月に出されました共立蒲原総合病院運営検討委員会の答申では、病院の経営を立て直すため、経営形態として地方独立行政法人化が示されました。現在この答申を踏まえまして、病院組合においては、この地域の実態に即した中期経営改善計画を策定中でありますので、この計画を実施するのに最もふさわしい経営形態を選択することになります。
このため、平成23年中に病院組合と構成3市で地方独立行政法人化、地方公営企業法一部適用、全部適用等も含めた幅広い観点から、経営形態の検討をしていく予定でございます。
以上でございます。
◯病院局長(池川 茂君) 市立病院が地方公営企業法の全部適用に移行した場合の市民にとってのメリットは何かとの御質問でございますが、地方公営企業法の全部適用への移行に当たり、経営に習熟した病院事業管理者を任命し、自主、自立的な経営が可能となる実効性ある権限を付与することなどにより、より安定的で自立的な経営のもとで、市民の皆様に良質な医療を継続して提供できる体制が構築されるものと考えております。
以上でございます。
◯教育次長(鈴木教之君) 教育行政に関する4点の質問にお答えいたします。
初めに、武道の授業における課題とその対応策についてでございます。
武道の必修化による指導体制の課題としては、専門性が高く、安全面への配慮も特に必要なことが挙げられます。
専門性を高める対応策としては、文部科学省主催の「子どもの体力向上指導者養成研修」に参加した教員や、武道の指導者を招いて、保健体育科教員を対象とした指導法の講習会を開催いたします。
また、基本的な指導のポイントを編集したDVDを全校に配布し、各校においても研修ができるように配慮してまいります。
安全面については、捻挫等のけがの予防を意識した準備運動や受け身の指導を十分に行い、施設面では安全を確保するなどの周知徹底を図ってまいります。
次に、学校給食の単独調理方式の維持についてどのように考えるかとの御質問であります。
本市の学校給食施設については、安全・安心で効率性に配慮したセンター方式で施設整備を進める方針であり、昨年4月に両河内学校給食センター、9月に西島学校給食センターの供用を開始いたしました。今後ともセンター方式で整備を進めてまいります。
次に、少人数学級の導入状況とその対応についてでございます。
少人数学級の導入については、これまで小学校6年生から中学校3年生において実施されていた静岡式35人学級が、来年度は小学校5年生まで拡大されるなど、段階的に学級編制基準が40人から35人に見直されつつあります。さらに、国の施策で、小学校1年生に、来年度より35人学級を実施することが示されております。
こうした状況から、今後、学級数の増加が見込まれますが、既存の教室を活用するなど、支障のないように対応してまいります。
最後に、就学援助における認定基準の緩和と保護者への周知についてでございますが、本市の就学援助の認定基準は、世帯の収入額が生活保護基準の1.3倍以下で、全国的に見ても平均的な水準となっております。平成17年に国庫補助廃止を受けて、他都市においては、認定基準の厳格化による対象者の絞り込みが行われているケースもございます。そのような中で、本市においては、今後も、経済的な理由により就学に支障を来している世帯に対して、経済的な負担の軽減が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
また、制度の周知につきましては、各学校を通じて、保護者全員に対してお知らせを配布するとともに、広報しずおかや市のホームページへの掲載などにより、広く周知を図っております。
さらに、平成23年度のお知らせの中に、収入の目安を掲載し、よりわかりやすい案内を作成するなど、改善を図っております。
今後も、引き続き周知に努めてまいります。
以上でございます。
◯財政局長(中井幹晴君) 公契約条例の制定について御答弁申し上げます。
公契約条例は、平成21年9月に千葉県野田市において初めて制定され、昨年12月には、川崎市においても制定されたと聞いております。
公契約条例を制定する主な目的は、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保を図ることにあると考えられます。
ただ、その制定に当たりましては、法令を上回る賃金を条例で規定することの是非、条例に規定する賃金の法的合理性や客観的根拠に基づいた積算、企業への影響などが論点となっております。また、制定された場合における実効性の確保のため、新たに必要となるコストなどの問題点もあわせて指摘されているところであります。
これらの点から、公契約条例の制定については、引き続き、国、他の地方公共団体の動向を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯経済局長(鈴木 孝君) 初めに、中小企業振興条例に関する御質問にお答えをいたします。
本市では、平成22年3月に、学識経験者や産業界、消費者、生活者代表の方々などの意見を伺いながら、本市産業経済の地域資源を生かした持続的発展に向けた静岡市産業振興プラン後期計画を策定いたしました。この産業振興プランを推進していくことにより、中小企業の振興に努めてまいります。
中小企業の振興に関する条例につきましては、今後も国や他地域などの動向を注視するとともに、地域経済及び中小企業の状況把握に努め、その必要性について研究してまいりたいと考えております。
次に、大規模小売店舗に関する御質問でございます。
大規模小売店舗の出店については、大規模小売店舗立地法の規定により、指定都市である本市に対して届け出がなされております。同法の趣旨は、出店そのものを規制するのではなく、大規模小売店舗の新設等に際し、周辺地域の生活環境を保持することでありまして、市においては、出店によって生じる可能性のある交通渋滞、歩行者の交通安全の確保、駐車場の騒音、廃棄物の臭気等の課題について対処がなされているかを審査するものであります。
この課題につきましては、庁内各課の意見を求めるほか、交通問題等の専門家による委員会に付すなどし、同法の定める範囲において、適正な審査に努めることとしております。
また、今議会に提案しております静岡市商業の振興に関する条例案では、市内で大規模小売店舗を設置する者の責務として、周辺生活環境の保持及び地域社会に貢献するための活動の推進に努め、市はこれらの大規模小売店舗の設置者による地域社会に貢献するための活動を促進することを規定しております。
この条例の制定、施行後は、条例の規定に基づき、大規模小売店舗の設置者に対し条例の趣旨を啓発するなどして、自主的な地域貢献の取り組みが推進されるよう、努めてまいりたいと考えております。
次に、久能山東照宮観光客増加に伴う駐車場整備についての御質問にお答えいたします。
昨年12月に国宝指定されたことにより、久能山東照宮を訪れる方の数は例年に比べて倍増しており、この機会をとらえて、観光地としての魅力度の向上を図ることが重要であると考えております。
現在、久能山下側を訪れる観光客は地元業者等の駐車場を利用されておりますが、日によっては、観光客の増加に対応し切れない状況であるとされております。
しかしながら、駐車場整備を検討するに当たりましては、何よりも久能山東照宮の意向を把握することや、関係する地元の観光業者などの対応も勘案しながら、市としての対応を考えてまいりたいと考えております。
続きまして、未就職のまま学校を卒業した者に対する対応についての御質問でございます。
未就職者に対する対応といたしましては、静岡労働局、ハローワーク、静岡県と積極的に連携、協力しながら、対策を講じているところであります。
具体的には、静岡労働局が行う新卒者体験雇用事業や、無料の職業体験、職業訓練などに対して、本市として、広報活動を通じて協力するなどの対応を図っております。
また、市として、緊急雇用対策事業を活用した雇用の場の提供や、雇用の確保についてハローワークと連携しながら、市長及び教育長の連名による文書を通じまして、市内の事業所に対し協力要請をしております。
来年度以降につきましても、本年度の事業を基本に、静岡労働局、静岡県などとも連携を図りながら進めていくとともに、ハローワーク、静岡県、静岡商工会議所等で組織しております雇用対策関係機関連絡会議を活用して、市内の雇用状況等について、意見、情報交換を行うなど、積極的な対応を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、茶どころ日本一を目指して、市として取り組んでいる主要な施策は何かとの御質問でございます。
茶どころ日本一計画では、お茶のまちとしてのブランド力を高めることにより、ヒト、モノ、カネなどの交流を促し、経済効果を生み出していくことを目的に、イメージ戦略、産地戦略、普及戦略の3つを軸とした施策に取り組んでおります。
まず、イメージ戦略としては、シティプロモーション上の重要拠点でもありますJR静岡駅において、駅構内への大型看板の設置や、しずチカ情報ポケットの喫茶一茶の運営などの情報発信事業により取り組んでおります。
また、産地戦略としましては、次代に残す優良茶園を確保するための茶園地再編対策事業や、継続性の高い産地体制を構築するための地域茶業拠点支援事業などに取り組んでおります。
さらに、普及戦略といたしましては、駿府お茶姫や茶娘によるお茶の日を中心とした啓発事業や、小学校でのお茶のおいしい入れ方教室などを実施し、静岡市のお茶の啓発や長期的な視点での消費拡大に努めております。
最後に、TPPへの参加についてどう考えるかについてでございます。
環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPをめぐる議論は、今後も、貿易立国であり続ける我が国にとりまして、ある意味避けて通れないものとも考えられます。
しかしながら、一方で、TPP参加により大きな影響を及ぼすとされる農林水産業は、国や地域社会にとりまして礎となる重要な意味を持つ産業でありまして、ここが大きな打撃を受けて衰退してしまうようでは、市民生活にも支障が生じかねないとする危惧もあるところであります。
そのため、11月市議会におきまして採択されましたTPPに関する意見書の意を体して、この問題に対処してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯都市局長(藤浪芳朗君) 初めに、木造住宅耐震補強助成事業と住宅リフォーム助成制度についての2点の御質問にお答えいたします。
木造住宅耐震補強助成事業と住宅リフォーム助成制度を組み合わせた助成はできないかという御質問でございますが、本市としましては、耐震性が低い木造住宅の耐震化、補強促進することを最優先に取り組んでいるため、耐震補強助成と組み合わせた住宅リフォーム助成制度創設につきましては、現時点では考えておりませんが、県が来年度予定しておりますリフォーム助成については、本市が行う耐震補強助成にあわせ、広く市民の方々にPRをしていきたいと考えております。
続きまして、国の緊急総合経済対策による30万円上乗せ補助の継続についての御質問でございますが、今年度、国の緊急総合経済対策による30万円の定額上乗せ補助の募集を行ったところ、市民の関心も高く、従来の補助と合わせ、394件の申請がありました。
国の緊急総合経済対策は今年度限りと聞いておりますが、市独自で継続することは考えておりません。既にある助成制度を今後も広く市民の方々へPRを図ることで、耐震化を推進していきたいと考えております。
続きまして、市営住宅の募集回数と戸数確保についてでございますが、平成22年度の市営住宅入居者募集の回数は4回でありましたが、23年度は4月から隔月で6回実施することにより、入居申し込みの機会をより多く提供したいと考えております。
入居者募集を行う住宅については、空き家を効率的に修繕することにより、可能な限り、多くの戸数を確保していきたいと考えております。
続きまして、組合土地区画整理事業の現状と住民本位に立った事業の進め方についての御質問でございますが、土地区画整理事業は都市計画の母と言われておりますように、まちづくりの代表的な方法でありまして、それぞれの地区の実情に応じ、公共施設の整備改善、宅地の利用の増進に多大な貢献を果たしております。
本市における住民発意による組合施行の土地区画整理事業は、これまでに62地区が完了し、現在、6地区が施行中でございます。
組合施行土地区画整理事業は、収入の大部分を保留地処分金が占めるものであり、バブル経済崩壊後の宅地需要の減退や地下の下落、また、事業の長期化等により、資金計画面におけるリスクがふえ、全国においては事業の推進が厳しい状況となっている地区もあります。
本市におきましても、議員御指摘のとおり、興津第二土地区画整理組合のように、事業を中止せざるを得ない事例も発生しております。
こうしたことから、事業化以降の停滞や破綻等を防ぐため、市としても、準備段階から技術的援助を行う中で、組合が事業主体であること、資金面等のリスクを負う可能性や組合が行う事務と市が援助する事務の責任範囲などを理解していただいた上で、事業計画の実現性について十分に検討する必要があると考えております。
組合設立に当たっては、土地権利者等の3分の2以上の同意で足りますが、今後の本市の方針としましては、事業同意率95%以上を確保すること、また、未同意者への対策を講じることを助言してまいります。
事業中に当たっては、速やかな事業推進が図れるよう、地権者や住民の意向を反映させることや、独自のまちづくりルールを策定することなどについても、組合に対して支援していきたいと考えております。
続きまして、仮称バス交通計画の目的、内容、スケジュールについての御質問でございますが、低炭素社会の構築、高齢者への移動支援に対する取り組みが近年、さらに重要性を増してきておりまして、その中で、公共交通の果たす役割は非常に大きくなっております。
しかしながら、本市の実態として公共交通離れは深刻であり、JR東海道線の利用者は増加しているものの、地域の公共交通機関である静岡鉄道や路線バスについては減少が進んでいることから、公共交通の重要性を認識し、市民、事業者、行政の役割分担を定め、地域の公共交通はみずから担っていくという意識を高めるとともに、あわせて、一人一人の交通行動について訴えかける取り組みを行う必要がございます。
そのため、国が人口減少、高齢化の進展、地球温暖化対策等の課題や地方の交通手段の維持に対応するため制定を進めております交通基本法や、具体的な目標について示す交通基本計画の制定状況を見据えながら、平成24年度を目標に、仮称静岡市バス交通計画を策定し、住民、事業者、行政の役割、地域別運行計画、中長期的な運行計画、バス路線網のあり方などを示してまいります。
23年度には、路線バスに関する関連法令、関連計画の整理、デマンド交通や過疎地有償運送など、公共交通の特性、路線バスの利用状況などの基礎調査とともに課題を整理し、交通計画の基本方針や目標を定めた仮称静岡市バス交通計画ガイドラインを策定いたします。
24年度には、ガイドラインをもとに、地域に適した効率的な生活交通の実現方策及び効果予測などを検討し、仮称静岡市バス交通計画を策定する予定でございます。
以上でございます。
◯経営管理局長(深津 薫君) 初めに、区役所の権限拡大等に関する3点の御質問にお答えをいたします。
区役所への権限、事務等の拡大は、庁内分権の一環として、計画的に進めてきております。
具体的には、区において住民の安心・安全な暮らしを守っていくため、平成20年度には、総務・防災課に区の自主防災組織に関する事務を移管し、平成21年度には、市民サービスの一層の向上を目指し、本庁から福祉事務所へ事務を移管した上で、福祉事務所を区役所組織へ編入したほか、副区長の設置を行うなど、区政の充実を順次進めてまいりました。
また、来年度は、生活保護に関する申請件数の増加に対応するため、各区の生活支援課への担当課長の設置やケースワーカーの増員などにより、一層の充実を図っていく予定でございます。
区への権限拡大は経費負担の増加につながる側面もあるため、費用対効果を考慮しつつ、今後も進めてまいります。
次に、地域主権改革による国の責任放棄と義務づけ・枠づけの見直しについてでございます。
地域主権改革が目指す国の形は、国と地方が対等なパートナーシップの関係にあることを踏まえ、国が一方的に決めて地方に押しつけるのではなく、地域の自主的判断を尊重しながら、国と地方が協働してつくっていくこととしております。
義務づけ・枠づけの見直しは、市民に最も身近な基礎自治体である本市がみずからの判断と責任による行政運営を促進するため、現在、廃止、または地方の裁量を拡充する方向で見直しが進められているものでございます。
しかし、国におきましては、子供の人権、安全等に直接かかわる基本的事項など、全国一律に維持すべきものは最低基準として確保すべきであり、指定都市市長会においても、ナショナルミニマムとして必要な子育て支援の基本的事項に限った全国統一的な基準等の作成は、国の役割としております。
こうしたことから、市民の生命、地域の安全・安心等に関する最低基準を確保することは、国の責務であると認識をしております。
指定管理者制度における安全や効率面での検証についてでございますが、施設の安全確保については、例えば、茨城県立高校においてベランダの手すりが崩れ、生徒が負傷する事故が発生した際には、全指定管理者に対し、施設の巡回点検や安全対策の徹底を図るよう指示を行いました。
また、県立三ケ日青年の家においてボート転覆事故が発生した際にも、同様に全指定管理者に対し、安全管理に関するマニュアルの点検と災害発生時の対応方法の確認について指示を行い、安全面の体制整備の徹底を図ってまいりました。
本市では、指定管理者に対して毎年度終了後に年度評価を、指定期間満了時には総合評価を実施しており、その中で安全確保のための適正な対応状況や、事務の執行に関して事業計画の履行状況等を確認し、その結果に基づいた指導を行っております。
次に、平和行政に関する2点の質問にお答えいたします。
まず、非核平和都市条例の制定に関してでございます。
本市では、平成17年に市議会において決議された静岡市平和都市宣言の中で、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明し、非核や平和の実現についての本市の姿勢や考え方を既に明らかにしているところでございまして、改めて非核や平和の実現について条例制定をする必要はないものと考えております。
次に、平和事業の推進と平和団体への助成についてでございます。
本市では、毎年7月から8月にかけて各区役所のロビーにおいて、平和記念のパネル展示を行っております。
また、教育委員会では、静岡平和資料センターの運営に対し助成を行っており、本年度はこれに加え、戦後65周年記念事業への助成も行いました。
今後とも、このような財政的支援のほか、平和運動に取り組む市民と連携をとりながら、教育や福祉、スポーツ、文化、国際交流など、さまざまな機会を通じて、平和理念を織り込んだ施策を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
◯環境局長(関 清司君) 地球温暖化防止に関します2点の御質問にお答えします。
最初に、今年度のごみ減量化目標値の達成見込みでございますが、一般廃棄物処理基本計画では、各種施策の進捗状況を定量的に把握、評価するため、減量化目標値を設定しております。
具体的には、ごみ総排出量を一人1日当たりで除したものを減量化の指標としており、基準年度である平成20年度1,156グラムを平成31年度に1,000グラムとすることを目標としております。
達成見込みですが、今年度の目標値1,141グラムに対して平成23年1月末現在の推計値では1,099グラムとなっており、達成は可能と考えております。
続きまして、太陽光発電の普及に向けての取り組みでございますが、本市は、他都市と比較して日照時間が長く、日射量が多いため、新エネルギーの中では、太陽光エネルギーの利用が有効であると考えております。
このため、太陽光発電設備の普及を図るべく、国の地域グリーンニューディール基金を財源とした「たてものまるごと省エネ化促進事業」では、事業所等を対象に、また、市単独事業として、住宅を対象に太陽光発電設備の設置に対する補助金交付を実施しております。
また、平成23年度からスタートする地球温暖化対策実行計画における7つのリーディングプロジェクトの一つに次世代エネルギー推進プロジェクトを掲げていることから、今後も、重点的に太陽光発電設備の設置を促進してまいります。
なお、昨年9月に公表があった清水区に計画されているメガソーラー建設については、本市としても積極的に協力していきたいと考えており、太陽光発電設備の普及啓発など、環境教育の場としても活用していく予定でございます。
以上でございます。
◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 文化行政の推進ということで、小規模ホールの整備状況についてのお尋ねでございますけれども、100人から400人程度収容の施設でお答えを申し上げますと、静岡市民文化会館、静岡音楽館、生涯学習施設など、葵区に9施設、駿河区、清水区に各5施設、合計19施設がございます。
そのほか、現在建設中でございます清水文化会館におきましても、300名程度の小ホール整備を進めているところでございます。
市民の皆様には、これらの施設の規模や設備に応じた有効な活用をお願いしているところでございます。
以上でございます。
〔3番寺尾 昭君登壇〕
◯3番(寺尾 昭君) 市政の重点課題につきまして、市長並びに当局から回答いただきました。
以下、私たちが当面重視している何点かに絞って申し上げたいと思います。
今までの回答では、必ずしも十分だという受けとめではありませんけれども、今後、ぜひとも十分な検討を行っていただいて、必要な手だてをとられるように要請いたしたいと思います。
まず、第1でありますが、国保の広域化、都道府県単位化という話が今出ております。
厚労省は、昨年5月に、市町村の一般会計から国保会計の財政的な補てんを行うなというような通達まで出しているわけであります。
これは広域化された場合には、原則保険料のみで運営するという国保の広域化への露払いというようなことだとも言えるものであります。
市町村の中には、国保がみずからの財政を圧迫している現状から、広域化、いわゆる都道府県単位化に賛成をするところもあるわけでありますけれども、広域化は、国保会計を一層悪化させて医療難民をふやすなど、医療水準を一層低下させるものにほかならない、このように考えるわけであります。
ここまで悪化させた原因は、国の補助を削減をしたというところに根本的な要因があるわけであり、まず何より必要なことは、国の補助を以前の水準にまで戻すということが大事だということも強調しておきたいと思います。
第2は、2011年度法案化、2013年度施行というスケジュールで推進しようとしている子ども・子育て新システムについてであります。
幼稚園と保育所を廃止してこども園に一体化するいわゆる幼保一体化、施設の利用は保護者が施設との直接契約で決めるなどがこの中に含まれております。新システムにより、政府は労働人口の減少に伴う女性労働力の活用、そのための待機児童対策、文部科学省と厚生労働省の二元行政の弊害解消というようなことができるということを言っておりますけれども、目的も経緯も管轄も違うことはもちろんありますが、何より現場での受け入れ体制ができていないというところも大きな問題であります。
この制度は、国の公的責任の放棄にもつながると思いますし、保護者の応益負担、収入減による施設の経営困難性の増大、現場の混乱など、大変多くの問題点が指摘をされているわけであります。
今、全国の幼児教育に携わっている方々がこの新システム導入をすべきでないと、一斉に声を上げております。当局もこれまで担ってきたその立場から、本来の子育てのあり方を、政府に対しても申し入れを行うよう要請をいたします。
第3は、市が公共事業等の発注の際、業者選定に当たって、その業者が労働条件の確保等、従業員保護の立場を鮮明にしていることを契約の条件に義務づける条約、先ほど答弁もあったわけですけれども、公契約条例を本市においても制定すべきであるということを改めて申し上げます。
企業が予定価格を大幅に下回る金額で受注をして、それを少しでも穴埋めするために従業員の賃金を削って、犠牲を押しつけるというようなことが横行しているわけであります。
先ほどもお話がありました既にこの条例を制定している、千葉県野田市の根本市長は、このことにより、契約額が高騰、妥当な額となった。公共の仕事を受注している企業がその従業員の生活を考えるのは当然だし、そのことが、ひいてはいわゆる成果の品質向上を通じて、市民に対してサービス向上になるというふうに述べているわけであります。
4つ目は、中小企業振興条例の制定ということであります。
先ほどは、まだそういう考えはないと、こういうお話でありましたけれども、1999年に中小企業基本法が改正され、その6条に、地方公共団体は基本理念にのっとり、中小企業に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有するということを明確にしているわけです。
また、2010年6月には、日本で初めて中小企業憲章が閣議決定をされる。その前文では、中小企業は経済を牽引する力、社会の主役というふうに定義し、そして、中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活が実現されるよう、ここに憲章を定めるというように表現をしております。
私たち共産党市議団は、昨年11月、帯広市を視察しまして、帯広市での条例制定の中心的な役割を果たされた渡辺純夫さんという方にお話を伺いました。
帯広では、行政と中小企業団体とが数十回の協議を重ねた末、条例にこぎ着けたというふうに言っております。そして、その協議を通じて、行政の側も大変多くのことを学び、それが条例制定後の実践の中で大変生かされていると述べておりました。
もちろん条例ができればすべてうまくいくというほど楽観できる情勢ではありませんけれども、静岡市においても、制定に向けて、ぜひ具体的な検討を急ぐべきであるということを申し上げておきます。
第5は、住宅リフォーム制度の創設であります。
これも当然、まだ市としてはやる考えはないということでありましたけれども、今、全国では200に及ぶ自治体がこの制度を始めております。政令市では、先日、相模原市がスタートしたというふうに報道をされておりました。この制度を利用する市民はもちろんですけれども、地元の業者や、それに関連するさまざまな商売に携わる方々から歓迎をされております。
経済効果は助成額の20倍とも言われております。助成が10万円、例えば200件の応募があった場合は、それだけでもう3億円余、2次、3次というような効果を考えれば、その数倍の経済効果が生まれるということで、住宅リフォームという、単に住んでいる方が喜ぶだけではなくて、地域経済の大きな活性化につながるということも忘れてはなりません。
ぜひ具体的な検討を進めていただきたいと思います。
第6は、TPPの問題です。
これも先ほど、考え方が示されましたけれども、菅内閣は平成の開国だというようなことまで言っております。
日本は、米など一部の農産物を除けば、既にもう自由化が大変進んでいるというふうに言われております。農産物ということが当面、やり玉といいましょうか、話題になっておりますが、TPPはそれだけではありません。雇用の問題、医療や福祉など、多方面にわたって、このTPPが大きな影響を与えるということになるわけであります。
先日、我々党の市議団は、静岡の市農協の組合長とお会いし、いろいろお話を伺ったわけでありますけれども、その中で、組合長は率直に言っておりました。TPPは明確に反対だということであります。そして、日本の場合は特色のある農業の形態があるんだと。幾ら日本が大規模化を図ったとしても、オーストラリアやアメリカなどには、とても太刀打ちできない。日本は日本の農業のやり方でやっていくということが必要なんだということを強調をしておられました。そして、明確に反対という中で、これから、皆さんも御承知でしょうけれども、JAとして、全国で1,000万署名に取り組むんだということを言っておられました。ぜひ皆さんも協力していただきたいというふうに思います。
市長や議長におかれては、これから市長会や議長会等を通じて、中央政府に意見を反映していただくようにお願いする次第であります。
あと1カ月足らずでいよいよ新年度を迎えるということになります。その後に、新市長を迎えるということになるわけでありますが、私たち日本共産党は、日本国憲法を市政に生かして、地方自治法のもと、市民、住民こそ主人公の立場を貫いて、住民福祉の向上を目指して、全力を上げるということをこの場をおかりして申し上げて、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。