市長の市政運営に対する気構え、覚悟を伺ってまいります

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113◯4番(鈴木節子君) おはようございます。

通告に従い、市長の市政運営に対する気構え、覚悟を伺ってまいります。

市長選の公約や市民団体からの公開質問状に対し、市長は要求に前向きで具体的に語っている内容もあり、議会の場で改めて市長の御意志を確認させていただきます。

市長の所信表明についての感想ですけれど、市政のトップとして前小嶋市政のどこをどのように検証し、課題をどう解消し、市民の暮らし応援に向かって、どのようなまちづくりをしていくのかの観点からの決意を、もう少し肉づけしてお聞きしたかったというのが率直な感想です。

一方、行政の最大の責任は住民の命と暮らしを守ることだと強い意思表示もいただき、防災や福祉、医療、子育て、介護などの充実を図るという姿勢は大いに期待しています。今回の質問は拡充、推進すべき分野について、根本姿勢や展望をお聞きしていきます。

今回の未曾有の大震災を受け、全国の自治体が行政のあり方を根本から見詰め直す必要に迫られています。地震、津波など、自然現象は天災ですが、被害がどのような形であらわれるかは、政治や社会構造、自治体のあり方によって大きく左右されます。例えば、公立病院の廃止など、地域医療の対応力の低下、保健所半減で住民から保健福祉の窓口が遠くなった、正規の保険証を持っていても医療費の負担が重く医療を受けられない、介護保険利用料が重く介護サービスを受けていないなど、社会保障、生活基盤の崩壊が進むもと、人とのつながりが希薄となり、孤立化が進んだもとで起こった大災害による甚大な被害となりました。

こうした教訓から伺います。

住民の福祉を守るという地方自治体の原点と、災害から命を守ることは一体のものです。ふだんから医療、福祉、介護など、暮らしと命を守る生活基盤の強化こそが災害に強いまちづくりにつながるという意識のもと、福祉と防災のまちづくりに向け、市長はどのような考え、姿勢で臨むのか、伺います。

第2に、図書館について、図書館の管理運営形態について、図書館協議会の議論は最終段階となりました。前市長の指定管理者導入方針に対し、これまでの議論は2006年の答申で市の図書館の使命、サービス方針とは合致せず、さらに時間をかけて検討すべきと導入に反対の態度を鮮明にしました。その後の合同検討会でも、2007年の報告書で正規司書の不足、図書館の理念、理想を実現するための戦略の不在を指摘し、図書館の運営は直営とすべきと結論づけました。その後、2年かけ市の諮問を受けた協議会が検討した結論が6月21日討議され、全館直営を求める方向でまとめの作業に入っています。協議会の皆さんの知る権利を保障し、情報のとりでとなる理想の図書館像を追求してきた熱意あふれる審議に敬意を表します。市長は協議会が出した答申書と、これまでの議論について、どのように受けとめ、どう評価されているのかを伺います。

2点目に、学校司書について。

今年度から配置対象校が12学級以上から10学級以上に拡大され、配置校は8校ふえ93名の学校司書が生き生きと活躍しています。これまで、議会でも繰り返し取り上げられ、学校司書による教育効果は確認されてきましたが、新市長に改めて学校司書の役割、その教育効果など、評価をお聞きします。

学校給食については、次の機会でしっかり時間をとって取り上げることとしますので、今回の質問は取りやめます。

以上、1回目の質問です。

 

 

◯保健福祉子ども局長(酒井康之君) 市民の暮らしと命を守る生活基盤強化に取り組む姿勢についての御質問にお答えいたします。

高齢者や障害のある方などが安全に安心して暮らすことができるまちが、いざというときにも市民の命と暮らしを守ることができるまちであるというふうに認識をしております。このため、医療、福祉、介護などの生活基盤の強化につきましては、これまでも高齢者保健福祉計画など、各分野の個別計画に基づきまして、各種施策を推進してまいりました。今後につきましても、急病センターの整備、災害時要援護者避難支援体制の整備、地域ケア体制の充実などの事業を推進し、安全・安心なまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。

以上です。

 

 

◯教育次長(鈴木教之君) 図書館に関する御質問にお答えいたします。

まず、図書館協議会の平成18年の答申とその後の審議についてでございますが、図書館では平成18年2月開催の図書館協議会に指定管理者制度の導入試行案を提出し、御審議をお願いしましたが、同年6月、指定管理者制度の導入については時間をかけ検討していく必要があるとの答申を受け、教育委員会に報告の上、導入を延期することとした経緯がございます。その後、教育委員会の了承のもと、協議会において図書館の将来像と、それにふさわしい管理運営形態について検討することとし、現在、その議論を深めてくださっているものと理解しております。そのまとめとして、8月末までに管理運営形態に関する報告書が提出されるものと考えております。

次に、学校司書の役割の評価についてでありますが、学校司書の配置により、学校図書館の本の配置の工夫や掲示板の充実など、環境整備が進み学校図書館を利用する子供がふえ、読書の習慣が身についてきております。同時に、保護者からも本をよく読むようになったという声が聞かれます。

また、司書教諭と学校司書が連携して授業で必要な資料をそろえて提供することにより、調べ学習等でも学校図書館の利用が年々増加しております。教職員からは、授業で学校図書館を利用しやすくなったという声を聞いております。このようなことから、学校司書の配置は子供、保護者、教職員から十分に評価されているものと考えております。

以上でございます。

〔4番鈴木節子君登壇〕

 

 

◯4番(鈴木節子君) 2回目質問します。

私の質問はあくまで市長の政治姿勢ですので、できれば市長みずからのお言葉で語っていただきたいと思います。

では、質問しますが、市長は災害に強く安心・安全に人が暮らせるまちという都市ビジョンを掲げ、防災、福祉、医療などの充実を表明しました。では、その実行のための職員配置はどのような体制か、構想を伺います。

また、これらの遂行のためには、医療、福祉など、専門職を正規で増員し配置する必要があり、そのための人材確保も求められます。市長の職員配置の見直しによる人件費削減と矛盾が生じないのか、どのようにお考えか、伺います。

次に、子育て応援の各施策について伺います。

市長は、子ども医療費助成制度を中学卒業までワンコインで助成する、対象を広げると公約をなさいました。しかし、昨日の答弁はその明確な意思表示は残念ながらありません。公約に掲げたからには、その背景、子育て応援のビジョンをお聞きしたいと思います。

例えば、本市は子ども医療費助成制度が他自治体よりおくれています。むしろ牽引者的立場で、子育てするなら静岡市でを合い言葉に少子化に歯どめをかけるなど、展望あっての公約だと思います。けさの新聞に出ておりました富山市は子育て応援第1位ということですが、その富山市に負けない子育て応援、その意気込みをぜひお聞きしたいと思います。

次に、保育行政について。

保育所の待機児をゼロにしますと公約で保育所増設を掲げましたが、答弁は保育所増設の予定なしです。では、これまでの保育所行政をどう検証し、どこに課題があり、どのように改善しようとしているのか、課題と解決策を伺います。

また、公約である病児、病後児保育の拡充策について、位置、スケジュールなど、具体策をお聞きします。

次に、図書館について伺います。

私の1回目の質問は、図書館協議会の答申書と、これまでの議論について、どのように受けとめ、どう評価をしているのかを聞いております。ただ単に、経過説明を求めてはおりませんので、しっかりと御答弁をいただきたいと思います。そのためのレクチャーですので、しっかりとかみ合った答弁をしない限り、私はしっかり追求をしますので、そのつもりでもう一度答弁をしてください。

では、質問いたします。

図書館のサービス指標は人口1人当たりの貸し出し数6.65、これはさいたま市に続く高レベルです。登録者1人当たりの貸し出し数は24.21、1人当たりの蔵書数3.11など、全国でも高レベルです。ビジネス支援やブックスタート、ブックステップ事業で子供たちへの絵本の読み聞かせなど、多様なサービス提供を市民の協力と職員の努力で構築してきました。市の図書館の使命、目的とサービス方針を引用しますと、「職員の専門的能力を高め、市民本位のサービスを追究します。また、運営についての情報も積極的に公開し、市民と行政が協力し合うことで成長する、開かれた図書館をめざします」と高らかにうたっています。直営のもとだからこそ、この精神を根底にしての成果とも言えます。市長は、これまでの直営のもとで市民と職員が協力して構築してきた取り組みに対し、どのような評価をお持ちか、見解を伺います。

2点目に、学校司書についてです。

今年度から10学級以上に配置が拡大されましたけれども、勤務日数は12学級以上が年174日、10、11学級が135日、待遇は1日4時間パート、採用時の司書の資格要件は外され、学校司書93名中、司書か司書教諭の有資格者は29名です。また、雇用は5年の雇いどめにより、勤続を望んでもやむなく5年でやめざるを得ない状況が続いています。積み上げ築き上げてきた能力の損失が続き、教師や父母からも待遇改善を求める声が上がっています。市長は、市民団体からの公開質問状への回答で、学校司書の小中学校全校配置と待遇改善という公約を示しました。全校配置に向けた考え方、スケジュールなど、具体策をお聞きします。

また、司書の専門性、継続性に配慮した待遇改善という表現でしたが、かなり踏み込んだ前向きな回答です。具体的方針をお聞きいたします。

以上、2回目の質問です。

 

 

◯経営管理局長(小長谷重之君) 福祉関係の職員配置についての2点のお尋ねについて、一括してお答えをさせていただきます。

子育て、医療、福祉などの各分野は、防災と同じく、市民の安心・安全を確保するという観点から、非常に重要な分野であります。そのため、行財政改革を進め事務事業の見直しなど、事務の効率化により職員の削減を目指す一方で、市民の安心・安全を確保するために、新たな事務事業などに柔軟に対応し、適正な職員配置を行っていきたいと考えております。

以上でございます。

 

 

◯保健福祉子ども局長(酒井康之君) それでは、子育て支援に関します3件の御質問にお答えをいたします。

最初に、子ども医療費助成制度拡充に対する意気込みというお尋ねでございます。

これからの日本の将来を担う子供たちの健やかな育成を目指す子育て支援は、安心・安全なまちづくりを進める上で重要な施策の1つであるというふうに認識をしております。しかしながら、子ども医療費助成制度の拡充には、多額の経費を必要とすることから、財源の確保に向けた十分な検討が必要であるというふうに考えております。

次に、保育行政の課題と解決策のお尋ねですが、これまでの保育行政の課題といたしましては、待機児童対策が上げられます。昨年10月に待機児童園を開設するなどの対策を講じてまいりましたが、3歳未満児の保育ニーズが高いことなどから解消には至っておりません。今後の解決策といたしましては、保育士の確保のほか、保育所の改修などによる施設整備などの対策を検討しており、これらの対策を行うことで、男性も女性も働きながら安心して子供を産み育てるための環境整備を図っていきたいというふうに考えております。

最後に、病児、病後児保育の拡充についてでございますが、現在、病児、病後児保育室は葵区に1カ所設置しておりまして、今後、駿河区、清水区にも1カ所ずつ拡充をしていく予定であります。拡充の際には、診療所や病院内の設置を基本に考えておりますが、今後は運営方法や規模、設置場所などの検討を進めていきたいというふうに考えております。

以上です。

 

 

◯教育次長(鈴木教之君) 図書館に関する2点の御質問にお答えいたします。

まず、図書館サービスの評価についてでございますが、本市の図書館が全国でも高いレベルのサービスを提供できているのは、これまで施設や蔵書の充実に努めてきたことに加えて、ボランティアを初め図書館を応援してくださる市民との協力体制を築いてきた成果であると認識しております。

次に、学校司書の全校配置と待遇改善についてでございます。

学校司書の配置につきましては、平成23年度は配置の基準を12学級以上から10学級以上に拡大したため、配置校数が85校から93校に広がりました。今後も学校司書の配置の拡大を検討してまいりたいと考えております。

学校司書については、司書等の資格を有することを採用の条件とはしておりません。子供たちと本のかけ橋となるよう、子供が好きでコミュニケーション能力が高いことが重要と考えます。いつでも人がいる、よりよい図書館づくりを目指して意欲的に仕事に取り組み、良好な人間関係づくりができる資質を持った方を任用してまいります。また、学校司書は静岡市非常勤職員及び臨時職員の給与、勤務時間、休暇等に関する取扱要綱に基づいて雇用しております。

以上でございます。

〔4番鈴木節子君登壇〕

 

 

◯4番(鈴木節子君) 3回目の質問ですので、今度はぜひ市長みずからお答えいただきたいと思います。

市長の最初の所信表明、市民の命と暮らしを守るという表明は心強い決意として受けとめました。しかしです、保育所増設については現状維持、子ども医療費助成については、9月議会に大きな方針が出てくるかとは思いますが、いまだにその方針が不明確です。市民の負託にしっかりこたえる、これが市長の責務ですが、特に市長は子育て施策については、かなり具体的に語っておられます。若い子育て世帯の母親の皆さんも大いに期待をしておりますので、子育て施策、この分野については、ぜひ強い信念を持って突き進んでいただきたいと思います。私たちも大きな力で後押しをしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

市長、このオレンジリボンを御存じでしょうか。皆さん、これは、児童虐待防止のキャンペーンのためのオレンジリボンといいます。エスパルスのオレンジとかけ合わせておりますが、保健福祉子ども局長もきょうはこれをつけておりますし、関係局の職員もつけております。子供虐待防止、いわゆる子育て応援の強いメッセージですが、ぜひ市長もこのオレンジリボン、つけていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

現政権のもと、国民の暮らしと福祉のための自治体独自の仕事はどうでしょうか。保育所、障害者施策など、社会保障や教育の分野で国の最低基準さえ取り払い、住民福祉の機関としての自治体の機能と役割が弱められようとしています。そうしたもと、住民の福祉を守ることは自治体の原点です。福祉優先の市政運営を堅持するという市長みずからの決意をいま一度伺い、確認させていただきます。

2点目に、図書館について。

協議会の出した結論は全館直営です。全国的に見ても、指定管理者はいろいろな課題がある。そして、直営という流れが今の全国の流れです。この提言を市民の声ととらえ、尊重し反映させ、全館直営、この方針を明確に今この場で答えていただきたい。これが市民の望む姿勢ともなりますので、ぜひお答えをいただきたいし、これまでの図書館協議会の皆さんの熱心な議論にこたえる、その時期にも来ております。協議会の出した結論は全館直営ですので、ぜひその範囲で決意を述べていただきたいと思います。

 

 

◯副市長(清水喜代志君) 福祉優先の市政運営堅持の姿勢についてでございます。例えば山間部の命をつなぐ道路整備の例からも御理解いただけるかと思いますけれども、市政の多くの分野の事業、施策は命と暮らしを守る政策と密接に関係していると言っても過言ではございません。これまでも、そういったところには多くの力を注いでまいりました。今回の東日本大震災を受け、だれもが安心・安全に暮らせる静岡をより明確に掲げて、市政運営を進めてまいりたいと考えております。

 

 

◯教育次長(鈴木教之君) 図書館の管理運営形態についての御質問でございます。

図書館協議会からの最終報告書を踏まえ、教育委員会において本市の図書館にふさわしい管理運営形態について協議の上、方向性を出してまいりたいと考えております。

以上でございます。