がれきの広域処理に関する意見書の提案理由を、日本共産党市議団を代表いたしまして説明いたします。
被災地の瓦れき処理は、大震災から1年が経過したにもかかわらず、ほとんど進んでおりません。宮城県では、通常処理量の19年分、1,569万トン、岩手県では11年分、476万トン、こういう途方もない量が現地に積まれたままになっております。倒壊家屋の片づけがまだ終わっていない地域も残っておりまして、今後もまだふえる見込みだということであります。このような膨大な瓦れきを被災地だけで処理することは困難だという状況になっております。これが復興・復旧の大きな妨げになっており、できるだけ早い処理が必要になっている。被災地の住民からも、広域による瓦れき処理に期待する声も少なくないということであります。
また、我々のところでも東海大地震が予測されている、こういう本県において、いつ逆の立場に立つかわからない、決して人ごとではない、こういう声は市民からも出ている状況であります。
災害瓦れきをできるだけ速やかに処理することは、被災地の復興にとって最重要な課題だという立場で、我々日本共産党は広域処理による瓦れきの処理はせざるを得ない、こういう考え方であります。しかし、広域処理がスムーズに進まない大きな原因の一つ、市長も先日、処理場の付近の方々とお話をされたということでありますが、この受け入れ自治体住民の理解がなかなか進まないというところに非常に大きな問題があるわけであります。それは、放射能の拡散を心配する住民の方々が不安な気持ちを抱くというのは、これはまた当然の成り行きだということも言えるわけであります。
その根底には、これまで国や東京電力などが都合のいいような情報操作をしてきた、あるいは隠したりしてきたというようなことがあったわけであります。それを払拭するためには、国が率先して可能な取り組みを全力を挙げて進めていく、これが必要だということであります。
政府は、瓦れきのうち、特別に管理が必要な指定廃棄物はセシウム134とセシウム137の濃度の合計では1キログラム当たり8,000ベクレル以上のものと定めているわけであります。これは国が処理することになっておりますけども、これ以下のものは放射性物質が含まれていても指定廃棄物とされないということで、一般廃棄物と同様の扱いになっているわけであります。
瓦れきの処理に当たって、焼却の際の廃棄によって放射性物質が拡散するのではないか、飛んでくる灰の処理をどうするのか、埋立処分場の周辺の放射線量は結局高くなることや、雨水・地下水に漏れ出さないかなどの心配の声にこたえていかなければならないというのが前提になるわけであります。
そのために、意見書案は、自治体任せにするのではなくて、広域処理に係るすべての過程において、国が責任を持つ、このことを趣旨とした4項目を国に要請する内容になっております。
ぜひ、議員各位の御賛同をお願いいたしまして、提案の理由説明にいたします。