◯31番(山本明久君) 私は、日本共産党市議団を代表いたしまして、議題となりました議案第111号静岡市税条例の一部改正についての専決処分の承認について、反対の討論をごく簡潔に行っていきたいと思います。
専決処分の手続そのものにつきましては、地方税法改正の国会での成立が3月30日、公布が翌31日で施行が4月1日ですから、今回、議会招集が限界的に無理というやむを得ない面はあります。それでは、今回法律が改正されたから、それに合わせた条例改正もやむを得なくて賛成かといいますと、その中身が問題だということです。
今回の市税条例の改正の中身の問題点を簡潔に言いますと、住宅用地の固定資産税と都市計画税におきまして、軽減措置の据置特例が適用されている負担水準が90%以上の部分を、今年度から2年間は継続して経過措置をとった後、2年後の26年度に廃止するという点にあります。そうなればどうなるかといいますと、税務当局の説明によれば、本市において市街地周辺部の宅地で約7,000万円の増税になるということです。この点に賛成できない理由があります。
この間、3大都市圏以外の地方は、公示地価は20年連続下落というふうになっています。地価が下がっているのに、なぜ固定資産税が上がるのか。その大もとですけれど、20年前のバブル崩壊後に、それまで宅地の固定資産税などはその評価額に応じて少しずつ上昇していたのを、それまでおおむね公示価格の2割から3割程度という水準だったのが、評価額を公示価格の70%に引き上げるという方式に切りかえたことにあります。このとき全国平均で3.5倍に上がりました。当然、課税標準額もはね上がるわけで、この方式だと標準額が上がれば当然ながら固定資産税が一気に数倍にはね上がってしまう。そうしないために、負担調整措置で課税標準額を少しずつ上げて、税も少しずつ上がるということにさせられています。
庶民から見れば、この大もとが不当なものであり、先に見た軽減措置の据置特例の廃止というのは容認できません。利益を生むために持っているのではない、住むための住宅地に係る固定資産税等につきましては、こうした売買価格をもとにするのではなくて、収益還元方式に見直すべきだということを指摘して討論を終わります。