◯4番(鈴木節子君) 通告に従いまして、2つのテーマで質問いたします。
最初に、来年開催される国連軍縮会議を契機として、平和行政をどのように発展、発信させていくのか、その決意を伺っていきます。午前中にも質問がありましたが、あえて確認の意味で何点か質問をいたします。
本市は2005年、憲法の恒久平和の理念のもと核兵器廃絶と世界平和の実現に貢献することを宣言する平和都市宣言を行いましたが、平和のとうとさを市民、子供たちとともに認識し、後世につなげるというメッセージがいまだに伝わってきていません。国連軍縮会議の誘致の目的を、知名度を内外に高め都市力の向上、地域振興を図るというのでは、平和の位置づけはどうなっているのか、二の次だと言いたいと思います。
改めて確認します。質問の1点目に国連軍縮会議を誘致した意図、そしてまた今後平和を市民とともにどのように発信させていくのか、その展望と決意を市長にお聞きします。
2点目に、軍縮会議と関連して地元自主事業として、市民参加で平和の意識を共有できる各事業、答弁もありましたが、どのような目的で行うのかを伺います。
また、お隣の焼津市長も実行委員会の参与として名を連ねておられますが、どのように連携していくのかを伺います。
続いて、国保行政についてです。
ことしほど国保が暮らしを脅かしている年はありません。日本共産党市議会議員団がこの夏行った市政アンケートによりますと、暮らしが大変になったという回答は7割、4人に3人の割合です。市政に望む要求では、国保料の引き下げを求めるものが5割に及んでいます。市民からは、急に国保料が上がり納得できない、暮らしていかれないなど多数の意見が寄せられています。
質問の1点目に、本市の国保料は、昨年度政令市中、上から13番目の水準でしたが、6月議会以降、今年度すべての自治体の国保料が確定した現在、どのような水準か、確認の意味でお聞きをし、その受けとめ、認識を伺います。
2点目に、国保料の算定方法について、本市の国保料は合併以降、値上げを繰り返し、平成21年からは毎年の値上げ、特に今年度は3割もの値上げを強行しました。算出方法は、支出予算総額から国、県からの収入見込みや一般会計繰入金を差し引いた額を保険料で賄うという算定で、保険給付費が毎年4%増加し、保険料を値上げしなければ赤字になると値上げを繰り返し、決算は二けたの黒字が続き、今年度は大幅値上げをした結果、基金に積み立て10億、予備費に8億円もの補正予算が計上されました。市民からしぼり取った結果、こんなに余裕を生んでいます。
国保加入世帯は給与所得、年金生活、無所得世帯で占め、もともと低所得世帯が大半を占めています。その世帯に所得の2割近くを占める高額な保険料を課しても矛盾は膨らむばかりです。赤字は絶対許されないと不足分をすべて保険料に課すという考えは、破綻を招くだけです。算定方法を検証、見直し、次年度からの保険料算定に反映させるべきではないか、見解を伺います。
以上、1回目の質問です。
◯企画局長(加藤正明君) 国連軍縮会議を誘致した意図、また平和をどのように訴えていきたいのかということにつきまして、担当局長としての決意を述べてさせていただきます。
まず誘致した意図でございますが、本会議をMICEの推進の一環として位置づけ、交流人口の増加による地域活性化の実現を目指してまいります。
さらに、本市は、平成17年に平和都市宣言を決議し、核兵器などの大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明しております。
したがいまして、本会議開催中には、多くの市民の皆さんに参加していただく地元自主事業を実施することで平和の機運を市全体で盛り上げ、本市が平和を希求する都市であるということを世界に向け大いにアピールしてまいります。
その自主事業を開催する目的でございますが、3つございます。
1つ目は、本市において国際会議が開催されることを市民の皆さんに周知し、国際都市に対する意識の高揚を図ることです。
2つ目は、富士山の眺望と徳川家康公を生かした事業を推進することで、この2つの資源を本市最大の地域資源として磨き上げ、世界に向けてアピールしていくことです。
3つ目は、平和行政に精力的に取り組まれております焼津市との連携事業などを通じて、平和に対する市民意識をより一層高めることでございます。
以上でございます。
◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 国保行政の2点の質問にお答えします。
初めに、国保料は政令市比較でどういう水準か、どのように受けとめているかとの御質問でございますが、平成24年度国民健康保険料が決定した状況で政令市の保険料を比較しますと上位に位置しています。この位置づけは、参考にするものであると考えますが、法令等を遵守した保険給付費等に見合う保険料率に基づいたものであり、安定的な国保運営に必要不可欠なものであると考えております。
次に、国保料の算定方法が的確であったのか検証し、今後の国保料算定に反映させるべきではないかとの御質問でございます。
国保料率の算定は、法令等に従い支出の大半を占める保険給付費等を決めた後に、国・県からの負担金、交付金や一般会計からの繰入金など保険料以外の収入を決め、残りを被保険者が負担する保険料として適正に算定しております。今後の国民健康保険料につきましては、医療費の動向を十分に踏まえ、医療費の抑制策を講じながら、国民健康保険運営協議会で十分な審議を行っていただき、答申を尊重し設定していきます。
以上でございます。
〔4番鈴木節子君登壇〕
◯4番(鈴木節子君) 答弁いただきましたが、先に国連軍縮会議について質問いたします。
静岡の地元自主事業の目的が、世界水準の都市づくりに向けた意識の高揚、富士山の景観、徳川家康を生かした事業推進では、観光戦略だけが前のめりで突出し、平和のとうとさの市民との共有や核兵器廃絶、平和行政推進の意識高揚となり得るのか、大いに危惧されます。市民とともに平和の意識を共有するための地元自主事業、答弁では平和の灯りプロジェクトとありましたが、庁内での各課の連携、縦割りでなく連携でどのような企画をしているのかを伺います。
2点目に、国連軍縮会議開催を子供たちへの平和教育推進のきっかけとして、どうとらえているのかという問題です。
現状の平和教育は、広島への修学旅行やお年寄りから戦争体験を聞くなどにとどまり、子供たちが平和についてみずからの頭で考え、未来に向けて積極的に平和のとうとさを主張できるような取り組みが求められています。子供たちへの平和教育推進の立場でどのような事業を行うのか、お聞きをします。
次に、国保について、政令市20市中の水準、上位という答弁でしたが、私のほうから説明をいたします。1人当たり平均で10万円を超しているのは4市です。静岡、広島、横浜、浜松がこの4市の中に入りますが、静岡市は10万9,500円、20市中一番でございます。汚名です。はっきりとこのようにお答えいただくことを期待しましたが、なかなかそう言いにくい内部事情、局長のお気持ちもお察しいたします。
1世帯当たりは2位です。全国一高額な国保料となりました。生活実態では保険料を払っても受診できない、暮らせないという深刻な事態を引き起こしています。値上げを強行したからには、市民生活に重く負担がのしかかっている事態を行政が把握するのは当然の義務です。窓口で相談に応じるだけでなく、出向いていって国保が暮らしを追い詰めている実態を直接把握し、対策を講じるべきです。方針を伺います。
2点目に、減免制度についてです。
今年度の第1期の減免件数は215件、そのうち就学援助受給世帯は170世帯です。公私の扶助という理由で8割が自動的に減免を受けています。あとの2割は生活保護、解雇、倒産、傷病等で真に減免が必要とされている世帯が除外されているのが実態です。今年度の国保料は所得200万2人世帯で34万1,900円、3人世帯で37万9,700円、所得300万2人世帯で46万900円、3人世帯では49万8,700円、こんなに高額です。所得に対し2割を占めています。高額な負担に耐えられず収納率低下、滞納額増加を招くより、減免制度の拡充で払える額に引き下げ、暮らしを守るというこの根本的な必要性について、お考えを伺います。
3点目に、国保は助け合いの制度か社会保障の制度かの解釈について、これまでずっと意見の相違が続いていますが、国保法第1条は、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と規定し、社会保障制度の支柱として位置づけています。改めて伺いますが、この国保法第1条の解釈、どのようにされているのか、お聞きをいたします。
以上、2回目です。
◯企画局長(加藤正明君) 国連軍縮会議の自主事業でございますが、今考えているのは平和の灯りプロジェクト、県内大学生と留学生との参加による世界学生軍縮会議、世界史上例を見ない260年の平和の礎を築いた徳川家康公をテーマとしたシンポジウムなど、いずれも平和を世界に強くアピールする事業でございます。これらを市民参画のもと全庁を挙げて実施してまいります。
以上でございます。
◯教育次長(望月和義君) 平和教育推進の観点からどのような地元自主事業を実施するのかについてでございますけれども、子供たちが平和について身近に考えるきっかけをつくる機会とするため、平和について考える意見文集の作成、平和を祈るポスターコンクールを行うとともに、毎年開催しております小中学校の音楽学習交流会の中で平和をイメージする歌を参加校全体で歌う予定でございます。
そのほかにも、図書館での平和に関する本の読み聞かせや戦争と平和に関する特別展示を行うなど、平和教育推進の観点からさまざまな事業を計画しております。
以上でございます。
◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 3点の質問にお答えいたします。
国保加入世帯の実態を把握するべきではないかという御質問でございます。
国保加入世帯の実態把握については、被保険者の方が来庁あるいは電話で納付相談した際に相談内容として把握しております。また、電話催告、戸別訪問、戸別折衝時に、その状況、実態を把握するように努めております。
次に、申請減免の対象拡大の必要性についてどのように考えるかとの御質問でございます。
減免制度については、これまでも社会情勢に応じて特別な事情を考慮した減免の拡充を図ってきたところです。対象の拡大については、被保険者間の負担の公平性の確保という観点から慎重な議論が必要であると考えております。
なお、平成24年度の保険料改定に伴う市独自の減額策として、1割の減額措置を実施しているところです。1割の減額の状況は、該当件数では8,661件、金額としては約1億円を減額しております。
次に、国民健康保険法第1条をどのように解釈しているのかという御質問でございます。
国民健康保険制度は、社会保障制度の中の社会保険であり、被保険者の拠出を主な財源として、病気、けが、出産、死亡などの事故に対して必要な給付を行い、生活の安定を図ることを目的とした制度と解釈しております。
以上でございます。
〔4番鈴木節子君登壇〕
◯4番(鈴木節子君) では3回目の質問ですが、国連軍縮会議、これを一過性のイベントにとどめないで、今後の平和行政にどうつなげるか、発展させていくのかの観点が必要です。軍縮、核兵器廃絶を正面から議論する国連軍縮会議をきっかけとして、今後の本市の平和行政を発展させ、平和を発信させるための総合的方針は、どのようなものか。平和行政、社会教育行政、子供たちへの教育、それぞれの分野でお聞きします。
本市の平和事業予算は、平和資料館運営費補助、戦争犠牲者慰霊行事などに限定され、平和事業を展開しようにも予算が伴わないため、企画に支障を来しています。例えばこんな事業ができるのではないでしょうか。平和展のパネル購入、平和映画の上映、広島平和式典へ小中学生・教師・職員の派遣、また、文集の発行、平和図書の購入、平和行進や3.1ビキニデーへの協賛金など、これらは県内の事業ですが、創意工夫され、しっかり予算化された事業です。本市でも、継続した平和行政発展に向け企画をし予算化すべきと考えます。方針をお聞きします。
今回は、国連軍縮会議をきっかけにした平和行政の位置づけを聞きましたが、次回は、平和都市条例制定に向けたお考えを聞く予定でおりますので、そのつもりで御答弁をお願いいたします。
次に、国保について伺います。
国保料が全国一高額になりましたが、それに伴う減免制度は大変貧弱です。11万8,000世帯のうちたったの215世帯しか減免が適用されない、利用率は0.18%です。ほかの自治体では20%もの利用率、こうした都市もたくさんございます。全国一高額で、減免は全国一貧弱という汚名から脱却し、減免枠の拡大で困窮世帯を救済すべきです。例えば事業の休廃止でなくとも、事業不振も対象にする、就学援助を受けていた生徒が高校へ進学しても対象とする、また非自発的失業でなくても解雇の理由を勘案して適用とする、また高齢世帯・ひとり親世帯も対象とするなど柔軟な対応で減免を拡充し、市民の暮らしを救済することが求められております。見解をお聞きいたします。
2点目に、国保が社会保障であるという認識について、戦前の旧国保法は確かに相扶共済の精神でしたが、戦後の新法は、国保は我が国の社会保障制度の支柱として、その運営の円滑と充実強化によって社会保障制度の向上に寄与するものと、国保を社会保障の支柱と位置づけました。国保運営協議会委員に配布されている副読本にも、こう記されております。国保は憲法に定める社会保障制度の一環として実施されているものと、るる説明がございます。
こうした事情から、今までずっと市が出してきたこの国保のしおりですが、この表紙に今までは国保は助け合いの精神ですという言葉がずっと書いてありましたが、今年度からその言葉が消えております。これだけは当局の姿勢を評価いたしますが、なぜこの文字を消したのか、その背景も十分理解をされていると思います。
今、国や厚労省が相互扶助を強調する根拠は、旧国保法時代の最高裁判決、相互扶助の精神に依拠しておりますが、現国保法では通用しておりません。通用しないんです。国が相互扶助や自助努力を強調するのは、国保財政が苦しければ、助け合いの精神で保険料値上げは仕方ないと、国民にあきらめさせたいという意図が見え見えです。
また、貧困や失業などによる滞納を攻撃する論理に利用したいもくろみからです。現国保法にあるように、国保は相互扶助でなく社会保障であるという認識を、いま一度確認いたします。
3点目に、一般会計からの繰り入れについてですが、時の本市の財政事情に左右されるのではなくて、繰り入れの一定のルールをつくるべきではないかと提案します。国保加入世帯は高齢者が多く、医療費がかさむのは当然です。そして、市民の医療や福祉や生存権保障に税金投入は当然です。国保加入だけに税金投入はおかしいという、こうした論理にくみすることなく……
◯議長(石上顕太郎君) あと1分で終了してください。
◯4番(鈴木節子君)(続) 国保を社会保障やセーフティーネットのスタンスで、一定のルールのもと繰り入れを正当化するという方針がなければ、その市の財政事情によって繰り入れの額が上がったり下がったりする、こんなことはあってはならないわけですので、一定のルールをつくるべきではないか、この提案をしております。
福岡市を視察してまいりましたが、8項目のルールをつくって、これを当局も認め財政との折衝をして粘り強い繰り入れを行っております。本市でも全国一高い国保料というこの汚名を挽回するためにも、法定外繰り入れをしっかり行うという立場での取り組みを求めて質問を終わりといたします。
◯総務局長(小長谷重之君) 今後の市民との協働による平和行政発展等の御質問についてお答えさせていただきます。
本市は、さまざまな市民の皆さんや団体、関係者が進める平和への活動の趣旨と主体性を尊重しながら、平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念のもとで、教育や福祉、スポーツ、文化、国際交流など多様な機会を通じて平和への取り組みを進めているところであります。平和行政に関する事業といたしましては、各区役所での市民団体との協働による平和パネル展、原爆の日等に同報無線による黙祷の呼びかけなどを実施しております。
また、平成21年11月に、平和市長会議に本市が加盟しておりますので、同会議を通じまして他加盟都市と連携を図り、平和行政に取り組んでいるところであります。今後は、これらの既存の事業に加えまして、平和について考える機会をふやすための新たな取り組みといたしまして、これから社会に進出していく若者を対象とした啓発事業を検討していきたいと考えております。
以上であります。
◯教育次長(望月和義君) 今後の市民との協働による平和行政発展等についてですが、教育委員会では平和学習の観点から戦災の記憶を風化させず、戦争の悲惨さ、平和のとうとさを後世に伝え続けていくことが大切だと考えております。
現在、学校では道徳教育でかけがえのない命を尊重する心を、また国語や社会などの授業では、戦争の悲惨さや平和のとうとさについて指導しております。今後も引き続き平和について学習を行うことで、世界の平和を願う意識の醸成を図るとともに軍縮会議の開催を契機として、ユニセフやJRC活動など平和に関する活動支援を含めた取り組みを、既定の予算の中でより効果的に進めてまいります。
以上でございます。
◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 3点の質問にお答えいたします。
申請減免の適用を拡充すべきとの質問ですが、先ほどもお答えしたとおり、減免制度につきましては、これまでも社会情勢に応じて特別な事情を考慮した減免の拡充を図ってきたところですが、さらなる拡大は被保険者間の負担の公平性の確保という観点から、慎重な議論が必要であると考えてます。
また、国に対しては低所得者対策を含め財政支援の働きかけを行っております。要望事項としては、安定的で持続可能な医療保険制度の一本化に向けた抜本的な改革と、国庫負担割合の引き上げなど国保財政基盤の拡充・強化を図り、国の責任と負担において実効性のある措置を講じることなどを、全国市長会や指定都市市長会を通じまして要請をしているところでございます。
次に、社会保障であるという認識につきまして、国民健康保険制度は公的扶助、社会福祉、社会保険、児童手当、公衆衛生及び医療、環境政策の6つで構成されている社会保障制度の中で、介護保険や年金などと同様の社会保険であると認識しております。
次に、一般会計からの繰り入れに一定のルールをつくるべきではないかとの御質問でございますが、一般会計からの法定外繰り入れについては、健康診断や保健指導の拡充による医療費の抑制や収納率の向上に努めるとともに、国保以外の保険加入者との均衡や国保の財政状況も考慮しながら行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。