◯31番(山本明久君) 私は日本共産党市議団を代表いたしまして、議題となっています41件の議案のうち、以下の7件について反対討論を行います。
認定第1号の平成23年度一般会計決算、7号の国保事業会計決算、16、17、18号の各企業会計決算、そして議案第135号の農業委員会の定数条例、137号の市税条例の一部改正についてです。
最初に、本市の財政運営の特徴と問題点を一言指摘しておきますと、政令市の中で、歳入における市債依存度が高く、歳出における投資的経費が多く、市民1人当たりの民生費が少ないというゆがみがあることです。このゆがみは田辺市長のもとでも正されてきませんでした。私たち党市議団は、限られた財源のもとで福祉、暮らしと防災に予算の重点を移すべきだと一貫して提案しています。そうした立場に立って、予算や議案への態度につきましては、基本的に市民負担増や市民サービスの後退、無駄、不用不急のものや本来支出、収入すべきではないもの、地方自治や自治体の役割の後退、市民の利益にならないもの、民主主義と平和に逆行するものなどは認めないという基準に沿って対応しています。
具体的には、反対理由の第1として、23年度の一般会計決算における主なものを挙げますと、地域経済をマイナスのスパイラルに巻き込む職員給与の月例給0.7%の引き下げ、定員管理計画に基づく前年比43人の正規職員削減は住民奉仕のマンパワーの後退になること。マリナートの建設、管理・運営を民間企業体に丸投げすることは、公の役割の後退になるとともに利用者の負担増になっていること。日本平山頂開発100億円計画は、自然破壊と不用不急の過大な計画であり、縮小、見直すべきことなどです。
さらに、国直轄道路負担金20億4,400万円と清水港整備事業負担金3億7,300万円は、これは本来、国と県が持つべきものであること。また、戦争を想定した訓練に市民を動員する国民保護計画経費15万円余の支出は憲法9条に反するものであり、自衛官募集の一般管理費委託金28万円余も、これは自治体の仕事ではありません。収入、支出すべきものではありません。
第2に、国民健康保険事業会計では、予算でも反対しましたが、市民1人当たり1,200円の値上げ、限度額4万円の負担増は認められません。負担の限界に来て苦しむ市民の暮らしと健康を応援して、一般会計からの支援を強めて、負担をふやすべきではありませんでした。保険料の引き下げこそ求められています。
第3に、認定第16、17、18号の3つの企業会計決算では、これは一般会計でも指摘しましたように、職員給与の引き下げと、18号の下水道会計では、これは従来から指摘していますように、受益者負担金は都市計画税との二重徴収であり、これはもう条例改正すべきです。
第4に、決算認定以外の議案では、議案第135号は農業委員定数削減が盛り込まれており、容認できません。農家の議会として本市の農業生産を担い、農業振興に取り組む農業委員の削減は、委員会の機能を弱め、農家の声が届きにくくなることになります。
議案第137号の市税条例改正は、再開発ビルにかかる固定資産税が非住宅の権利床において減額措置が縮減されるもとで、これは負担がふえるということにあわせて、市税条例でも非住宅の保留床における税率において、5年間引き上げるという内容です。力のある大きな企業はいいのですが、中小零細な業者などの場合、負担増になるという点で反対いたします。
以上、暮らし最優先の市政を求める立場から、日本共産党市議団として反対理由と基準を明確にして、討論といたします。