TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加に関する意見書

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発議第20号 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加に関する意見書

政府は11月9日TPPについて「関係国との協議を開始する」と明記した「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定した。

TPPは、原則としてすべての物品について関税を撤廃する自由貿易協定である。TPP交渉に参加し関税が撤廃された場合には、農林水産省の試算によれば、海外からの安い農産品が大量に流入し、日本の米の生産量823万トンの2分の1に相当するアメリカ産米が輸入されると言われている。

アメリカ産米は日本の米価の4分の1、今の米の生産体制(量)を戸別所得補償制度で維持したとしても、アメリカから少なくとも400万トンの米が輸入され、米の自給率は100%から67%に一気に下落することになる。

関税が撤廃され、何も対策が取られなければ食料自給率は現在の40%から13%になると言われている。さらに、食料自給率の低下や関連産業への影響を含めた国内総生産の減少、雇用の大幅喪失等も発生するとされている。

TPPに参加することになれば、日本の食料自給率の低下にとどまらず、地域経済にも深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。

よって、政府におかれては、我が国の安定かつ継続的な営農を進めるとともに、国民の食料自給率を確保・向上するために、TPP交渉に参加しないよう強く要請する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

〔提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣、経済産業大臣〕

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