●発議第21号 国民健康保険の都道府県単位化に関する意見書
厚生労働省「高齢者医療制度改革会議」が中間取りまとめを発表した。後期高齢者医療制度を廃止し、被用者とその家族以外は国保に加入し、現在の市町村単位で行われている国保の運営を都道府県単位で統合しようというものである。統合にあたり、県内保険料の統一、減免制度並びに基準の統一、収納率の統一が必要となるが、市町村間の保険料格差を統一するためには、保険料の大幅引き上げは回避できない問題が生ずる。
国保は、もともと自営業者のための制度だったが、今や無職者の加入が4割を占め、収納率は年々低下し、国保の実質赤字は2,383億円に上り、国庫負担割合の引き上げなど国の責任を明確にすることこそ重要課題である。
今必要なのは、現行制度廃止を優先し拙速な結論を出すのでなく、国保の構造的課題への対応策を最優先することである。
よって国においては、国民健康保険の都道府県単位化をやめるよう、強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
〔提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣〕