発議第20号 高齢者用肺炎球菌ワクチン接種への公費助成に関する意見書
肺炎は、原因別死亡率の第4位に位置し、特に高齢になるほど死亡率が増加する傾向が見られ、肺炎の死亡者のうち65歳以上の高齢者が95%以上を占めている。
インフルエンザシーズンにおいては、肺炎の起炎菌の約55%が肺炎球菌と言われており、また、肺炎球菌は肺炎や気管支炎等の呼吸器感染症の代表的病原体で、敗血症、骨髄炎といった致死率の高い合併症を起こしやすいことでも知られている。
23価肺炎球菌ワクチンの接種は、1度接種すれば5年以上は効果が持続するとされ、高齢者の健康不安にこたえ、重症化を防ぎ、死亡率を低下させ、長期入院を防ぐことで、費用対効果も期待できる。また、副作用については、日本ではアナフィラキシーなどの重篤な副作用は報告されておらず、安全性の高いワクチンといえる。
既に定期接種化されているインフルエンザワクチンに、肺炎球菌ワクチンを併用することにより、高齢者の肺炎による死亡、入院をさらに減少させるとともに、医療費の抑制につながる。
よって国におかれては、高齢者が健康で生き生きと暮らせるよう、肺炎球菌ワクチンの接種率向上のため、肺炎球菌ワクチン接種を予防接種法の「定期接種」に位置づけて公費により実施することとし、その実施に当たっては、実施主体となる地方自治体が負担することなく、国において財源を確保されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
〔提出先:内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣〕