●発議第5号 大飯原子力発電所3号機、4号機の再稼働に関する意見書
野田内閣は、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を決めた。
全国で50基の原発がすべて停止しているのは、原発を安全に運転する保障がないからであり、福島原発事故の原因究明は始まったばかりであり、政府自らが指示した安全対策すら行われず、地震や津波に対する安全対策や避難計画も見直しが終わっていない。
また、原発の推進機関と規制機関が分離していない問題も解決していない中、各地の原発で新たな活断層の存在が指摘され、危険性の認識は一層高まっている。
こうした中、電力不足を理由に原発再稼働を強行しようとしていることは、「安全神話」の復活そのものである。今なすべきは、原子力発電に依存しない、持続可能で安心安全な電力供給体制を一日も早く実現していく必要があり、国は、エネルギー政策の抜本的な転換や、再生可能エネルギーの利用拡大を推進するためのあらゆる施策を講じるべきである。
福島原発事故が、日本社会に深刻な影響を与え続けているもとでの、大飯原発再稼働は、国民の理解は到底得られず、性急であると言わざるを得ない。
よって国においては、原子力発電所の再稼働を中止し、第三者による専門的な機関による新たな安全基準を確立し、その安全性を徹底的に確保するよう、強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
〔提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(原子力行政)〕