●発議第12号 TPP(環太平洋連携協定)交渉参加に関する意見書
野田佳彦首相は、環太平洋連携協定交渉参加に向けた日米協議を加速すると表明した。TPPは関税を原則撤廃し、農産物の輸入を完全に自由化するもので、農林業と国民の食料に大打撃となり、さらに「非関税障壁」撤廃の名のもとに、食の安全、医療、保険、官公需・公共事業の発注、労働など、国民生活のあらゆる分野での規制緩和をねらうものである。
アメリカは日本のTPP参加の条件として牛肉、保険、自動車の分野の関税撤廃を執拗に迫っているが、アメリカの業界や企業の利益を代弁したものであり、受け入れなければ参加は認めないという立場である。
TPP参加は、米を含む関税撤廃を約束することが前提であり、その後加盟か撤退かを検討することはできず、正式に参加となると、例外のない関税撤廃を迫られ、米を含む日本の農業が壊滅的な打撃を受け、日本がはかり知れない被害を受けることは明らかである。また保険がきかない自由診療の拡大で世界に誇る国民皆保険制度も崩壊しかねず、地元中小業者向け官公需発注が困難になるなど、暮らしと経済のあらゆる分野に大きな影響を及ぼす。
野田政権は、「守るべきは守る」「国益は守る」ことが可能であるかのように言うが、国民は到底納得していない。
国民にとって百害あって一利なしのTPP参加に全国農業協同組合や日本医師会が総力を挙げて反対し、地方議会の多くが反対・慎重の決議を上げている。
よって政府においては、食糧自給率の向上や食料安全保障の観点からも、TPP交渉への参加を行わないよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
〔提出先:内閣総理大臣、総務大臣、外務大臣、農林水産大臣〕