静岡市国民健康保険条例の一部改正について 修正動議提案

杉本 護
 日本共産党静岡市議団を代表して、今議会に上程されている議案第32号令和6年度静岡市一般会計予算、議案第39号静岡市国民健康保険事業会計予算及び議案第58号静岡市国民健康保険条例の一部改正について、この3議案に対する修正動議を提案し、その理由について説明いたします。
 まず、修正の内容についてです。
 令和6年度静岡市一般会計予算のうち、歳入は、基金繰入金を2億2,485万2,000円増額し、歳出は、国民健康保険費を2億2,485万2,000円増額し、歳入歳出とも合計を3,536億8,485万2,000円とします。
 静岡市国民健康保険事業会計予算は、歳入のうち国民健康保険料を2億2,485万2,000円減額し、他会計繰入金を同額増額するものです。
 また、静岡市国民健康保険条例の一部改正については、お手元のタブレットにも資料があります。見ていただければ分かると思いますが、そのとおりに所得税の引上げと均等割、平等割の増額を取りやめ、現状と同額にするものです。
 次に、修正動議を提案する理由について述べます。
 今回提案されている国民健康保険料についての予算案は、国保運協の答申を受け、被保険者1人当たり平均2,000円引き上げるもので、日本共産党市議団としては容認できるものではありません。
 理由の第1は、国民の暮らしは依然として厳しい状況が続いているからです。市はこの3年間、国民健康保険料を据え置くとしてきました。新型コロナの感染拡大や物価の高騰など市民生活を脅かしていることが理由とされてきています。新型コロナは以前のような猛威を振るってはいませんが、エネルギー価格や原材料価格の高騰は依然として続き、消費者物価の高騰など市が据え置きとしていた状況から何ら変わっていない下で、国民健康保険料を引き上げることは、市民への説明がつきません。
 第2の理由は、政府は今、子育て支援の財源を保険料に上乗せをする形で確保しようとしています。一般的には保険加入者1人当たり約500円と言われていますが、国民健康保険加入者が最も高いと言われ、1,000円を超えるケースもあり得るとされています。まだ決まったわけではありませんが、このように将来の負担増の危険がある、こうした中で引き上げるべきではありません。
 第3の理由は、そもそも今でも高過ぎるのが国民健康保険料です。協会健保の2倍になるケースもあり、現状でも負担能力を超えているのが国民健康保険料です。市も、国保料が高いのは国保加入者の構造的な問題としています。そうであるなら、国保を運営する財源を加入世帯に求めるのではなく、市や国の財源をもって対応するべきだと考えます。
 議員各位におかれましては、国保運協の答申は尊重しつつも、最終的な判断はこの議会に委ねられています。国保加入者の暮らしの実態に即して判断されることを期待して、提案理由説明といたします。